2017/12/16

DHC会長の「メッセージ」

「ニュース女子」問題で話題を振りまいているDHC会長のエッセイ(?)。原文→「会長メッセージ。」

文末に吉田嘉明氏の名前と「平成28年2月12日」という日付が入っている。

冒頭に、なべおさみ『昭和の怪物 裏も表も芸能界』2015年から日航ハイジャック事件の一幕が出てくる。なべ氏の著述なのか吉田氏の要約なのか判然としないが、かなり眉唾物の話になっている。Amazonの書評
「私は、本書の内容の真偽や著者の考え方の正否を問うことに意味はないと断じたい。ブルースリーの名言「考えるな、感じろ」である。」
とあるが、おそらくはそのような本なのではないかと想像する。吉田氏の要約(?)を読んで、真偽不明な大言壮語が続く大正や昭和初期の本のようだなと感じた。

こういう話を真に受ける人の下では働きたくないなあ……という思いを強くするのだが、そういう人でも経営者として成功するのだから、社会ないし経済とは寛容なものだと思う。経済的成功と学校の勉強の出来はあまり関係ないのではないか。あるいは、経済学者が言うほど市場メカニズムは選別淘汰をやらないのではないか。まあ、理知的で人格に優れた人しか経済的に成功できない世の中というのも住みにくそうではあるが……。

この「メッセージ」は全文にわたって吉田氏のルサンチマンぽい思いが溢れているのだが(これだけ成功していてルサンチマンもなかろうと思うんだが)、それがどうしようもなく気持ち悪い差別排外主義に染まっているのが次の箇所。

創業社長は痩せても枯れても本物ですが、時々とんでもない悪(わる)がいたりしますので、この点は注意が必要です。純粋な日本人でない人も結構います。
本物、偽物、似非ものを語るとき在日の問題は避けて通れません。この場合の在日は広義の意味の在日です。いわゆる三、四代前までに先祖が日本にやってきた帰化人のことです。
そういう意味では、いま日本に驚くほどの数の在日が住んでいます。同じ在日でも日本人になりきって日本のために頑張っている人は何の問題もありません。立派な人たちです。問題なのは日本人として帰化しているのに日本の悪口ばっかり言っていたり、徒党を組んで在日集団を作ろうとしている輩です。いわゆる、似非日本人、なんちゃって日本人です。政界(特に民主党)、マスコミ(特に朝日新聞、NHK、TBS)、法曹界(裁判官、弁護士、特に東大出身)、官僚(ほとんど東大出身)、芸能界、スポーツ界には特に多いようです。芸能界やスポーツ界は在日だらけになっていてもさして問題ではありません。影響力はほとんどないからです。問題は政界、官僚、マスコミ、法曹界です。国民の生活に深刻な影響を与えます。私どもの会社も大企業の一員として多岐にわたる活動から法廷闘争になるときが多々ありますが、裁判官が在日、被告側も在日の時は、提訴したこちら側が 100%の敗訴になります。裁判を始める前から結果がわかっているのです。似非日本人はいりません。母国に帰っていただきましょう。
要するに、自分に同調しない・自分を賛美しない人を全て「似非日本人」や「在日」と呼んでいるだけのことなのだが、これらの人が「母国」を持ち徒党を組んで日本社会を牛耳っているという妄想が、彼にとっての「現実」の合理的解釈なのである。このめちゃくちゃな社会認識、劣悪な差別と優越意識を会社公式ページで公言するのが、DHC会長なのである。
DHC社員の中にはこの「メッセージ」に気持ち悪さを感じる人の方が多いだろうし、これが自社サイトで公的に発表されていることについて「恥ずかしい」「悔しい」「止めてほしい」「苦痛だ」と思っている人は多いだろう。広報担当の中でも苦々しく思っている人がいるだろうと推察する。けれどもDHC社内では会長の暴走を止められないのだろう。アパホテル、フジ住宅、播磨屋などと同じ症状なのだろう。

企業経営ではリーダーシップが尊重されるし、実際、日産のゴーン、シャープの載など、経営陣の一新が企業業績を大きく変える事例は少なくない。けれども、企業を自己表現の道具と混同してしまう君主の存在を許してしまう企業を見るに付け、経営トップへのガバナンスを効かせる制度の重要性を改めて感じる。君主制が民主主義に取って代わられた世界史の教訓をかみしめる次第である。

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2017/12/12

「北朝鮮人権侵害啓発週間」に断固反対します。

「啓発週間」だとかで、JR車内で吊り広告が出ている。一目見てぞっとした。
図案・内容は、ほぼ右記ポスターと同じ。→2017年度の啓発ポスター

初めはトンデモ右翼の扇動活動かと思った。よく見ても広告主が分からないのだ。気持ち悪い怪文書と同じである。それでウェブ検索してどうやら法務省が主体らしいと見当が付いた。

法務省のサイト:「法務省:北朝鮮当局による人権侵害問題に対する認識を深めましょう

このキャンペーンはとんでもない差別・排外主義を体現したヘイトスピーチである。
私がそう考える理由は以下の通り。

1.北朝鮮による人権侵害の解決に何の役にも立たないこと。
2.人権侵害の具体的内容や何が人権侵害に当たるのかという本質的な啓発内容がなく、「北朝鮮」という主体を敵視し悪魔化する表現に終始していること。

この問題の解決に当たる主体は第一義的に政府である。法務省は外務省と共にその担当官庁である。それが、「国民が声を上げることが後押しになる」など、何をやる気のないことを言っているのか。安倍政権がこの期間まったく無為無策だったのは、国民の声(要求)が不足しているせいだと言うつもりなのか。

黒い背景に灰色で朝鮮半島を浮き上がらせ、北朝鮮領を赤く強調する表現は、北朝鮮を危険物と認識させようとしているとしか思えない。文面も「拉致問題その他の北朝鮮当局による人権侵害」とあるだけで、読み手が「人権侵害」の内容を知っていることを前提にして意識喚起を図るだけの内容しかない。これは到底人権侵害の理解を深める「啓発」とは言えない。このポスターから受けるメッセージは「北朝鮮は人さらいをする危険な国家だ」という以上のものではない。そして、この認識は北朝鮮に関係する人々への敵意に容易に転化する。

人権侵害啓発週間と称して他国・他国民そして在日朝鮮人への憎悪を煽る。途方もないえげつなさである。このような愚劣かつ非道なキャンペーンを継続している法務省が人権を守る官庁だとは到底信じられない。(実際、入管がらみでの虐待や死亡事故、代用監獄と冤罪、社会運動への弾圧など、枚挙に暇がないわけだが。そして、法務省内の職員の待遇ですら人権意識どころか順法精神すらない管理がなされていたりする。法務省なのに!)
そもそも、この問題は一にも二にも外交交渉なのであって、「国際シンポジウム」など開いている場合ではないのである。何をのんきにやっているだろうか。人の寿命が有限なのを知っているのか。実際、12月11日、曽我ひとみさんの夫、チャールズ・ジェンキンスさんが亡くなり、翌12日には増元るみ子さんの母信子さんが亡くなった。もう時間がないのだ。こんな調子では、国内向けに「やっています」アピールしかやっていないと言わざるを得ない、しかもヘイトを煽る最悪の方法で。

というわけで、私はこの「啓発週間」は直ちに中止すべきだと考えます。広告屋とJRに数千万から数億の金を使うぐらいなら、外交交渉の旅費と会場代にでもしたらどうか。

参考:安倍首相が横田早紀江さんの直訴の手紙を2年間、無視し続けていた! 政治利用の裏で拉致被害者家族への冷淡|LITERA/リテラ

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2017/12/11

デボラ・リップシュタット氏のインタビュー記事(朝日新聞)

極めて重要で全文が含蓄に富む。期間限定で削除されるべきではない記事なので保存する。

インタビュー記事を書くことは、実はとても難しい。話し手が持つ知見や精神の神髄を引き出し、それを簡潔に文章化するには、話し手の無意識をも包含するような広い視野と背景知識の理解を要する。その意味で、この記事は極めて優秀だと思う。著者である編集委員・大久保真紀氏の力量をも高く評価したい。

(インタビュー)フェイクとどう闘うか 歴史学者、デボラ・E・リップシュタットさん:朝日新聞デジタル
2017年11月28日05時00分

 「ポスト真実」の時代と言われる。事実より信条や感情へ訴えるウソの方が世論形成に大きく影響するといわれる状況に、どう立ち向かえばいいのか。ホロコースト(ユダヤ人虐殺)否定者と法廷で闘った回顧録を映画化した「否定と肯定」の日本公開を機会に来日した、米国の歴史学者、デボラ・E・リップシュタットさんに聞いた。

 ――ユダヤ人虐殺はなかったと主張するホロコースト否定者たちをどう認識していましたか。

 「彼らの主張は地球が平らだと言っているのと同じです。最初は、真剣に向き合うべきものとは思えませんでした。ところが、しばらくして世の中を見ると、『否定者の言うことに一理があるかも』と言う人たちが出てきました。否定者がどんな戦略で、ふつうの人たちの意識を引き込んでいるのかに興味をもちました」

 「1993年に『ホロコーストの真実 大量虐殺否定者たちの嘘(うそ)ともくろみ』を出版しました。否定者たちに『あなた方は間違っている』と言うためではなく、彼らに説得されてしまうかもしれない人たちに否定者たちのやり口を知ってもらうために書きました。ホロコーストに限らず、歴史的な出来事は体験者から直接話を聞けなくなると、遠い過去の昔話になり、否定や作り替えの入り込む隙間が大きくなります」

 「彼らは証拠をねじまげ、記録や発言を文脈からはずして部分的に抜き出し、自分の主張と矛盾する証拠の山は切り捨てます。彼らは『羊の皮をかぶったオオカミ』です。見た目はいかにも立派な学者さながらに振る舞い、研究所を作り、機関誌も出しています。『私たちは修正主義者だ。我々の目的は誤った歴史認識を修正することだ』と言う。が、よく調べると、ヒトラーや反ユダヤ主義、人種差別を称賛する人たちでした。彼らのもくろみは、『見解』を装って事実をゆがめることです」

 ――著書で批判したホロコースト否定者の一人、英国の歴史著述家デイビッド・アービング氏に96年に名誉毀損(きそん)で訴えられました。

 「『相手にするな』と学者仲間からは言われましたが、英国の法律では被告である私に立証責任があります。もし闘わなければ、私は負け、彼は『名誉毀損が成立した。私は否定者ではない。私の説が正しい』と言うでしょう。これを黙認したら、ホロコースト生存者やその子孫に顔向けできません。歴史学者として失格です」

 「裁判費用は200万ドル(約2億3千万円)かかりました。弁護団に恵まれ、多くの人が支援してくれましたが、600万人が虐殺されたホロコーストの実在をめぐる、あまりにも重大なことを争うもので、怖くて眠れませんでした。訴えられて約3年かけて準備、法廷は2000年1月11日から32日間開かれ、4月に全面勝訴の判決が出ました。判決はアービング氏がウソつきで人種差別主義者で、反ユダヤ主義者であることを認めました。偏向した歴史観をもち、意図的にウソを述べ、真実をゆがめた、と」

 「裁判にあたり、私たちは、彼が書いた著作の脚注をたどり、出典を精査しました。すると、彼はわざと間違って引用したり、半分だけ引用したり、事件の発生の順番を入れ替えたり、ドイツ語の原文をあえて間違った英語に訳したりして、結論を彼らの都合のよい方向にもっていっていました。出典の情報を少しずつ変えていく彼の戦術は、とても巧妙で、ふつうの人は信じてしまいます」

    ■     ■

 ――映画の原作になった回顧録は10年以上前に書かれましたが、現代に通じるものがあります。

 「これほど現代性をもつとは想像していませんでした。SNSは多くの恩恵を与えてくれましたが、客観的な事実とウソの違いがわからなくなり、それらを同列にしてしまいました。SNSはナイフのような存在です。外科医の手にあるナイフは人の命を救います。ですが、殺人者の手にあるナイフは命を奪います。どうやって利用するか、人類は学ばなくてはなりません」

 「米国では実際に起きている地球温暖化を全く認めようとしない人たちがいます。歴史的な事実でいえば、ホロコースト否定だけでなく、オスマン帝国でのアルメニア人虐殺事件も否定者がいます。トルコの人たちにとっては、虐殺したことなんて認めたくありません。『不都合な歴史』ですから。そんなことは起こらなかったという方が都合がいい。日本の慰安婦問題や南京大虐殺はなかったという論も同じではないでしょうか」

    ■     ■

 ――当たり前だった歴史を揺るがそうとする動きがある中、私たちは歴史にどんな目を向ければいいのでしょうか。

 「米国の作家フォークナーがこんな言葉を残しています。『過去は死なない。過ぎ去りもしない』。歴史は古い事実だけではありません。起きたのは過去かもしれませんが、現代性のあるものです。もし、私たちの歴史のなかで悪いことがあれば、重要なのはそれを認識することです。同じぐらい大切なのは、そのことについてウソをつかないこと。歴史のひとつの側面を好き勝手に操ってしまえば、ほかの側面も操られます」

 「ヒトラーの風評を変えようとしたアービング氏ら否定者は歴史に関心を寄せたいのではなく、現在を変えたいのです。彼らがやろうとしているのは、歴史を改めて違う形にすることで、いまと未来を変えようとしているのです」

 「いま、歴史家はとても重要な責任を負っています。未来のことは予言できませんが、危険信号に注意を引きつける役割を果たすべきです。私自身は将来を照らす灯台のような存在でありたいです。たとえば、トランプ大統領は批判的なことを伝える報道に対して『フェイクニュース』『ライイング(ウソをつく)』と言います。『ライイングプレス』というのは、ヒトラーが使った言葉です。私は大統領がヒトラーと同じだと言っているのではありません。でも、同じ言葉を使っていることは指摘したい。それを示すのも歴史家の役割だと思います」

 ――ホロコースト否定者の発言を法的に規制するべきだとの意見もあります。

 「その意見には反対です。私は言論の自由を信じています。自由によって扇動することは間違っていますし、街角で黒人を殴ることは許されません。ですが、言論の自由はとても大切です。何を言っていいか、いけないかを政治家が決めるのは絶対に違います」

    ■     ■

 ――いまは声の大きな人の言葉が真実のように扱われる時代です。私たちはどう向き合っていけばいいのでしょうか。

 「とても難しい。特に、政府のリーダーが真実をねじ曲げることに関与していると、本当に難しいです。いまの米国がそうです。先日も大統領の側近が、アフリカ系米国人の女性議員がある除幕式でとんでもないスピーチをしたと攻撃しました。それに対して、新聞が除幕式の様子が録画されたビデオを見つけ、実際はそんなスピーチはなかったことを伝えました。報道がなければ、みな側近の言うことを信じたでしょう。私たちにはファクトチェック(事実を確認)してくれる存在が必要です。独立し、事実を追求し、精査できる活力ある報道が必要なんです」

 「いまは非常に多くの政治的なリーダーがでっち上げをして、まるで真実のように言い募る時代です。我々は、国の中で一番偉い人にでも、世界一偉い人にでも『証拠を示せ』『事実を示せ』と言い続けることが大切です。私たちにできることは、根拠を要求すること。いまは善き人ほど沈黙してはいけない時代だと思います」

 「私たちは、何でも議論の余地があると習いました。しかし、それは間違いです。世の中には紛れもない事実があります。地球は平らではありませんし、プレスリーも生きていないのです。ウソと事実を同列に扱ってはいけません。報道機関も、なんでも両論併記をすればいいということではありません」

 ――私たちは具体的にどうすればいいのでしょうか。

 「一人一人が、注意深くならなくてはいけません。SNSで何かを共有する前に、『これは事実?』と考え、信頼できる情報源が言っていることか精査することが大切です。私自身、フェイスブックで好ましく思っていない右翼政治家がとんでもない人種差別発言をしているという投稿を目にしたとき、ツイートしそうになったことがあります。ですが、ちょっと待てよ、と考え、事実ならばほかのメディアも記事にするだろうと考えて、ネットで調べました。誰も知らない媒体がひとつだけ発信していた情報でした。私は疑念を感じ、ツイートしませんでした」

 「疑念をもって出典を精査することが重要です。私たちはカメラや車を買うときと同じように、すべての情報に対しても健康的な疑念をもった消費者になるべきだと思います。いまは真実と事実が攻撃されています。私たちに迫ってきた困難は重大です。いま行動しなくては手遅れになります」(聞き手 編集委員・大久保真紀)

     *

 Deborah E. Lipstadt 1947年生まれ。米エモリー大学教授。現代ユダヤ史とホロコーストについて教える。著書に「ホロコーストの真実」。

掲載図:「大切なのは、よき教師をもつこと。若い世代に政治から全く自由な形で歴史を教えることです」=相場郁朗撮影(氏と映画の写真・略)

リップシュタット氏の言から得られる示唆と論点は多すぎて、いちいちここにメモすることができない。一言、「知ること」の厳粛さと、この社会に生きる者としての強い覚悟を突きつけられる言葉だとだけ述べておく。その上で、二つほど、コメントしたい。

まず、「その意見には反対です。私は言論の自由を信じています。自由によって扇動することは間違っていますし、街角で黒人を殴ることは許されません。ですが、言論の自由はとても大切です。何を言っていいか、いけないかを政治家が決めるのは絶対に違います」という彼女の言葉について。
この言葉は、何を言っても自由だとか、いかなる表現でも守られるべきだという意味ではないことに留意したい。「ここでの」彼女の言葉は言論の自由至上主義で解されるべきではない。彼女のこの言葉は、「ホロコースト否定者の発言を法的に規制するべきだとの意見もあります」というインタビュワーの質問への回答であって、その文脈の上で理解されるべきものだ。この文脈を無視して、彼女の言葉を言論の自由至上主義の擁護に使うことは、それこそ彼女が言う「証拠をねじまげ、記録や発言を文脈からはずして部分的に抜き出し、自分の主張と矛盾する証拠の山は切り捨て」ると彼女が批判する歴史修正主義者らと同じになってしまう。したがって、リップシュタット氏の言を用いて、例えば差別を扇動したり性的搾取・性暴力を煽るような表現・言論に対する規制への反対を主張するのは筋が違うことになる。
ただし、彼女が言論の自由至上主義者である可能性は残っている点にも留意は必要である、少なくともこの記事の内容に限ればであるが。

次に、「大切なのは、よき教師をもつこと。若い世代に政治から全く自由な形で歴史を教えることです」という点について。
私には「政治から自由な歴史教育」というものがあるとは思えないので、この言葉は奇妙だと思うし、彼女がここで言う「政治」や「自由」という言葉には今回の文脈に固有の意味が隠れているのではないかと思う。抽象的・一般的な意味における「政治」全般からの完全なる「自由」(あるいは中立とでも言うか)を、彼女が主張しているように解するのは誤りではないかということだ。
社会で生きていれば、生活のあらゆることが「政治」に関わる……という意味での広義の「政治」……という意味では、もちろん、歴史も教育も「政治」とは切り離せない。そこまで話を広げず、行政機関や立法機関、政治家の活動という狭義の「政治」の意味に限っても、現代の教育が法令による規制と行政庁による監督下にあり、かつ、教えるべき「史実」とそれらの「解釈」の選別が不可避である以上、政治(一般)から全く自由(中立)な歴史教育など有り得ない。それに、そもそも学校で習う「歴史」のほとんどは政治史なのだし。要するに、私は、価値自由な歴史教育など有り得ないと思っている。
にもかかわらず、私は、同時に、歴史教育に対する(また歴史研究に対しても)「政治」の介入はあってはならないとも思っている。ここでいう「政治による介入」とは行政庁や政治家など(例えば地域の有力者なども含む)が権力(非公式なものも含む)によって教科内容・教師の指導などを操作しようとすることを言う。

ところで、このインタビュー記事を読むと、リップシュタット氏がなんとなく言論の自由市場を信じているかのような印象を受ける。本当はどうなのかは分からない。言論の自由がどこまで認められるべきか(すなわち政府の規制はどこまで認められるべきか)はゼロか一かという二値で割り切れるものではないし、氏の考えにも曖昧な部分もあるだろう。ひょっとしたら著者である大久保氏が言論の自由市場に肯定的なのかもしれないし、あるいは、情報に対して受け身になりやすい一般読者への警句としたいという意図があって、「exit より voice を!」というメッセージを強調した結果なのかもしれない。いずれにしても、リップシュタット氏があらゆる言論規制に反対しており、ホロコースト否定論による問題ですら市民の積極的言論活動によって解決できると信じているまではと解釈してはいけないだろうと感じている。

メモ
著書:Amazon | ホロコーストの真実〈上〉大量虐殺否定者たちの嘘ともくろみ (ノンフィクションブックス) | デボラ・E. リップシュタット, Deborah E. Lipstadt, 滝川 義人 | ヨーロッパ史一般
映画:否定と肯定 : 作品情報 - 映画.com

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2017/12/05

山口敬之氏の関係の記事

とりあえず。

女性が顔出し告発、元TBS記者の“家賃130万円”金満レジデンスライフ | デイリー新潮
週刊新潮 2017年6月15日号掲載

 警視庁刑事部長に自身の準強姦容疑での逮捕状を握り潰してもらっていたことが明るみに出た山口敬之・元TBSワシントン支局長(51)。被害女性・詩織さん(28)の顔出し会見を受け、自身のSNSで反論のコメントを出すも、いまだ表舞台に姿は現していない。
 ***
 東京・永田町の「ザ・キャピトルホテル東急」。この15~17階にはレストランや客室とは別に賃貸フロア「ザ・キャピトルレジデンス東急」がある。山口氏は、ここを生活の拠点にしてきたという。
 戸数はわずか14。階下にはスパ&プールがあり、月額賃料は平均すると約130万円という物件だ。本人は「親戚が持っている部屋を使わせてもらっている」と周囲に説明するが、そのカネの出所について、
「齋藤さんが借りている部屋を使わせてもらっているという話がありますよ」
 と明かすのは、永田町関係者だ。“齋藤さん”とは、2010年に半導体開発会社「ペジーコンピューティング」を創業した齋藤元章氏のこと。同社と山口氏の関係について、先の関係者はこう続ける。
「山口さんはTBSにいるころから齋藤社長と知り合いで、昨年5月に会社を辞める時に顧問のようなポジションを用意されたと聞いています――」
「週刊新潮」の取材に対し、山口氏は、「私の個人情報に関わる質問に答えるつもりはありません」とコメント。齋藤社長は、期限までに回答しなかった。
 ***
 報道から1カ月、握り潰された山口敬之氏の準強姦容疑での逮捕状について、ついに検察審査会が動き出した。6月8日発売の「週刊新潮」では、もう一人の登場人物「中村格刑事部長(当時)」の横顔についても掲載している。
ペジーコンピューティングの斎藤社長はなぜ山口氏をそれほどに厚遇するんだろう。
あと、半導体ベンチャー、儲かるんだなあ……と。
その「ペジーコンピューティング」社についての報道。NEDOをだまして補助金をとった疑い。
スパコンベンチャー企業強制捜査|NHK 首都圏のニュース
12月05日 10時41分
ことし、世界トップクラスの省エネ性能を誇るスーパーコンピューターの開発に成功し、注目を集めた東京のベンチャー企業の社長らが、経済産業省が所管するNEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構から助成金を不正に受け取った疑いがあるとして、東京地検特捜部は詐欺の疑いで会社を捜索するなど、強制捜査に乗り出しました。

捜索を受けているのは、スーパーコンピューターの開発を手がける東京・千代田区のベンチャー企業「PEZY Computing」です。
この会社は経済産業省が所管する国立研究開発法人「NEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構」から技術開発を支援する多額の助成金を受け取っていますが、関係者によりますと、社長らは一部の助成金を不正に受け取っていた疑いがあるということです。
東京地検特捜部は5日、詐欺などの疑いで会社を捜索するなど強制捜査に乗り出しました。
「PEZY Computing」はことし10月、計算速度が国内最速で世界トップクラスの省エネ性能を誇るスーパーコンピューターの開発に成功したと発表し、ベンチャー企業が少ない人員で大手企業などを上回る性能のスーパーコンピューターを開発したとして注目を集めました。
特捜部は、スーパーコンピューターの開発をめぐる不透明な資金の流れについて、実態解明を進めるものとみられます。


スパコン開発会社長ら逮捕 助成金4.3億円詐取の疑い:朝日新聞デジタル
2017年12月5日11時53分
 国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)から助成金を不正に受け取ったとして、東京地検特捜部は5日、スパコンの開発会社「PEZY Computing」(東京都千代田区)の社長、斉藤元章容疑者(49)と同社元取締役、鈴木大介容疑者(47)を詐欺容疑で逮捕し、発表した。

 同社が理化学研究所などと開発したスパコン「菖蒲(しょうぶ)システムB」は、先月発表されたスパコンの省エネ部門で、世界1位を獲得している。

 特捜部によると、2人は2014年2月、同社が選定されたNEDOの12年度の研究開発費補助事業で、約7億7300万円の費用がかかったと水増しした実績報告書を出し、同年4月、助成金名目で約4億3100万円をだまし取った疑いがある。特捜部は5日、同社や関係先を家宅捜索した。

 NEDOを所管する経済産業省によると、同社には10年以降、五つの事業で助成金が出されている。法人登記簿では、同社は2010年の設立で、資本金9億4600万円。斉藤容疑者は15年に純国産のスパコンを短期間で開発したとして、産業界で活躍する人材に贈られる「日本イノベーター大賞」を受賞した。

このペジーコンピューティングの斎藤社長は、NHKが取り上げる予定だったとか。

どちらも同じ記事だが若干文言が変わっている。
逮捕のスパコン社長、NHK「プロフェッショナル」に - ライブドアニュース
「プロフェッショナル」に逮捕の社長 NHK放送見送り:朝日新聞デジタル
2017年12月5日14時55分

 国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)から助成金をだまし取ったとされる事件で、詐欺容疑で東京地検特捜部に逮捕されたスパコンの開発会社「PEZY Computing」の社長、斉藤元章容疑者(49)は、11日放送のNHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」に「スーパーコンピューター開発者」として登場する予定だった。
 NHKは「孤高の開発者」などと紹介していたウェブサイトの内容を削除し、広報によると、放送の見送りを決めたという。
(Livedoor版: NHKは「孤高の開発者」などと紹介していたウェブサイトの内容を削除し、広報担当者は「放送するか否かは確認中で、コメントできない」としている。)
NHKの番組ページでは、今は昔の「独り、山の王者に挑む 猟師・久保俊治」の再放送になっている。(放送予定 | NHK プロフェッショナル 仕事の流儀

経産省、NHK、山口氏とつながっているということらしい。

そのほか。
助成金詐欺で逮捕のスパコン業者・ペジー社は安倍御用記者・山口敬之氏のスポンサーだった! 巨額助成金に官邸の関与は?|LITERA/リテラ

リテラの上記記事末尾には、関連記事のリンクがある。

中村格刑事部長が伊藤詩織氏の取材に対して走って逃げたという話。
伊藤詩織氏が自ら「中村格」に取材。逃げまくる中村格。動画を見ると、ほんとに走っとるわ❗ |伊達直人

追記(2017年12月5日)***********************

HOM55さんのツイート: "助成金詐欺の疑いでスパコン開発ベンチャー社長の齊藤元章氏が逮捕されたとの事。昨年1月の電通報に齊藤氏の話が載っているが「社会全体が瑞穂の国になってほしい」って、まさかここでも「瑞穂の国」が使われているとは・・・。瑞穂の国記念コンピュータか? https://t.co/i4cwafejCr"

やっぱり安倍昭恵人脈の臭いがしますねえ。

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技能実習生を窮地に追い込む日本の制度

2014年:技能実習生として来日。千葉県の農家に。(29歳前後)
    低賃金のうえ差別を受けたとして逃げる。
2016年:茨城県の土木会社「来栖商事」で働き始める。
2017年:5月に在留期限が切れる。
    直後、工具の管理方法を巡り同僚とトラブル、油をかけられて火を付けられた。上半身火傷で2カ月入院。

加害元社員:火をつけたことは裁判で認められず、懲役1年6カ月執行猶予3年。

男性側代理人「少なくとも傷害罪で起訴されるべきだった」
被害男性:東京入国管理局に収容中。

法務省「技能実習生の不法残留者は過去最多、実習先からの逃走や、実習期間の終了後も帰国せずに別の職場で働くケースがほとんどとみられる。掲載図

ガイチさんのツイート: "技能実習生をいじめ抜く日本の企業、実習生は挙句に身体に油を撒かれ火をつけられて全身火傷。しかし検察は被告の「勝手に火がついた」という主張を認め、油かけただけの暴行罪でのみ起訴、結果は執行猶予判決。しかも入管は、被害者を問答無用で収監、今も彼は入管の中。もういろいろと酷すぎる https://t.co/VySmEeqTf1"

不法就労先で「火を付けられた」 元技能実習生が提訴へ:朝日新聞デジタル
小林孝也2017年12月5日07時19分

 技能実習生として来日したが実習先から逃げ出した中国籍の男性(32)が、不法に働いていた土木会社で日本人の社員(当時)に火を付けられ、大やけどを負ったなどとして、会社と元社員に慰謝料など計約9千万円の損害賠償を求め、近く東京地裁に提訴する。

 訴状などによると、男性は2014年に技能実習生として来日。千葉県の農家で実習したが、「低賃金なうえ差別を受けた」として逃げだし、インターネットで見つけた茨城県の土木会社「来栖商事」で16年から働いた。在留期限が切れた直後の17年5月、同県内の作業現場で工具の管理方法を巡り同僚の元社員とトラブルになり、油をかけられて火を付けられた、と訴えている。男性は上半身をやけどして2カ月入院した。

 元社員は、茨城県警に逮捕され、調べに争いの経緯を認めた上で「ライターは持っていたが、着火はしておらず、勝手に火が付いた」などと主張。水戸地検下妻支部は同年6月、男性に油をかけたことのみを罪に問い、元社員を暴行罪で起訴。水戸地裁下妻支部は同罪で懲役1年6カ月執行猶予3年の判決を出した。

 元社員の起訴後、男性は会社と示談し、400万円を受領した。ただ、首などにケロイドが残るほか、腕が十分に上がらないなどの後遺症があるという。

 男性側代理人の川上資人弁護士は「ガソリンが混じった油をかけられ、やけどの結果もある。少なくとも傷害罪で起訴されるべきだった」と指摘。裁判では示談当時は後遺症の程度や逸失利益が未判明だったと主張するという。男性は現在、東京入国管理局に収容中で朝日新聞の取材に「暴行ではなく殺人(未遂)だ。後遺症で今後も仕事はできない」と訴えた。同社は4日までに、朝日新聞の取材申し込みに回答していない。

 法務省によると、今年7月1日時点で、技能実習生として来日した外国人の不法残留者は6532人で過去最多。実習先からの逃走や、実習期間の終了後も帰国せずに別の職場で働くケースがほとんどとみられ、同省の担当者は「警察と入管で摘発しているが、すべての不法残留者の所在は把握できていない」と言う。(小林孝也)

掲載図:「実習生として来日した後、不法残留者となった人数」(魚拓

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2017/12/01

企業・団体献金が増え自民党集中が強まっているという報道

とりあえず目に付いたいくつかを拾う。
自民の長期支配を支える柱の一つとして。

企業・団体献金3%増 自民に9割集中、16年政治資金収支報告書  :日本経済新聞
2017/11/30 17:00

 総務省は30日、2016年分の政治資金収支報告書(総務相所管の中央分)を公表した。政党や政治資金団体が受け取った企業・団体献金の総額は15年比3%増の27億600万円だった。5年連続の増加で、09年(27億5400万円)に迫る水準だ。このうち9割は自民党本部・支部や同党の献金の受け皿である政治資金団体向けで、自民党への献金の一極集中が鮮明になっている。

 自民党の政治資金団体「国民政治協会」への企業・団体献金は23億2489万円で15年と比べ1%増えた。野党時代は13億円台まで落ち込んだが、12年に政権復帰してから5年連続で増えている。経団連が14年から毎年、加盟企業に政治献金を呼びかけていることも、国民政治協会への献金が増えた背景にある。

 16年の自民党は夏の参院選で勝利。安定した政権基盤を維持し、経済界から安倍政権の経済政策「アベノミクス」への期待が集まった状況がうかがえる。この時は環太平洋経済連携協定(TPP)の推進なども経済界の支持を集めていた。

 国民政治協会への献金が最も多かったのは日本自動車工業会の8040万円。個別企業ではトヨタ自動車の6440万円で、前年と同額。経団連の榊原定征会長の出身企業の東レが5000万円で続いた。15年に献金を18年ぶりに再開したみずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行の3メガバンクは、それぞれ2000万円を維持した。

 企業・団体献金に関しては、特定の企業に便宜を図る可能性があるため「政官業の癒着につながりかねない」と懸念する声もある。

 政党本部の収入は、自民党が241億2732万円でトップ。15年に計上していた14年衆院選に伴う供託金の戻り金がなくなったため、6%減った。党費や政党交付金は増えた。同党の支出は11%増の220億4336万円だった。参院選があったため、選挙関係費が増えた。「貯金」にあたる繰越金は約20億円増えて約130億円。

 民進党の収入は106億8176万円で、民主党時代の15年より13%増えた。民主党と維新の党が合流したため、政党交付金が2割伸びた。民進党は企業・団体献金の禁止を主張しており、収入の9割弱は政党交付金が占めた。支出は40%増の122億957万円。繰越金は約15億円減って125億円程度になった。

 自民党に次いで収入が多かったのは共産党で216億7937万円。同党は政党交付金制度に反対して受けとっていない。機関紙発行などの事業収入が全体の85%を占める。公明党の収入は138億3199万円だった。

 政党を含むすべての政治団体の収入は2%減の1080億円だった。支出は7%増の1074億円。16年参院選に伴う選挙関係費や宣伝費が増えた。期限までに提出した3099団体の収支報告書を集計した。

産経は基本的に無視するのだが、安倍政権賛美の見出しが象徴的なので記録。
【政治資金収支報告書】自民党への企業献金は23億円で5年連続増 資金力でも「安倍1強」(1/2ページ) - 産経ニュース
2017.11.30 22:41

 総務省は30日、平成28年分の政治資金収支報告書(総務相所管の中央分)を公開した。自民党への献金の受け皿となる政治資金団体「国民政治協会」(国政協)に対する企業・団体献金は27年比1・3%増の23億2000万円となり、第2次安倍晋三内閣が発足した24年以降、5年連続で増加した。政党本部の収入は自民党が241億3000万円で、4年連続トップ。民進党(106億8000万円)の倍以上で資金面の「安倍1強」が鮮明となった。

 全ての政党を含めた政治団体の支出総額は6・9%増の1074億1000万円。28年7月の参院選で政党本部から支部などへの寄付交付金、宣伝、選挙関係費が膨らんだ。

 国政協への寄付は、日本自動車工業会が8040万円と最多。日本鉄鋼連盟8000万円、日本電機工業会7700万円、トヨタ自動車6440万円と続いた。主要業界団体や大手企業が安倍首相(自民党総裁)の経済政策を後押しする構図が透けた。

 自民党本部の収入のうち国政協の寄付(23億円)は9・5%。税金から捻出される政党交付金が174億4000万円と72・3%だった。民進党は党本部収入の87・5%に当たる93億5000万円が政党交付金。企業・団体献金の禁止を主張している。

 政党本部の収入額で自民党に次ぐのが共産党(216億8000万円)と公明党(138億3000万円)で、民進党は4位。日本維新の会は13億3000万円、社民党は9億7000万円、自由党は4億1000万円だった。共産党は機関紙発行など事業収入が党本部収入の85・1%で、政党交付金は受け取っていない。公明党も事業収入が62・3%だった。

 政党、政治団体の収入総額は2・0%減の1080億3000万円。個人献金は19・4%増えて41億3000万円だった。政党交付金は319億7000万円と全体の29・6%。

 期間内に報告書を提出して公開されたのは3099団体だった

企業・団体、自民献金1.3%増=政権長期化で水準維持-16年政治資金:時事ドットコム

 総務省が30日発表した政治資金収支報告書によると、企業・団体が2016年に自民党に行った献金は前年比1.3%増の23億2489万円だった。安倍晋三首相による政権が長期化する中、多くの企業・団体は自民党に前年とほぼ同じ水準の献金を行った。
 15年に献金を再開した三菱東京UFJ銀行など3大銀行グループは、16年も前年と同じ2000万円を献金。経団連の榊原定征会長の出身企業で品質データ改ざんが発覚した東レ(献金額5000万円)や、神戸製鋼所(1000万円)、新車の無資格検査問題が判明した日産自動車(3500万円)も同額だった。SUBARUは前年から390万円増やし、3060万円に引き上げた。
 企業のトップはトヨタ自動車(6440万円)。業界団体の上位は日本自動車工業会(8040万円)、日本鉄鋼連盟(8000万円)、日本電機工業会(7700万円)となっている。(2017/11/30-17:25)

自民への献金の経年変化に触れているのが毎日新聞。自民党が「下野」する数年前から減少していたのが興味深い。民主党への政権交代で献金は大きく減り、政権復帰で大きく戻している。
政治資金:自民「1強」 5年連続増、企業献金23億円 - 毎日新聞
毎日新聞2017年11月30日 20時39分(最終更新 12月1日 02時16分)

 総務省は30日、2016年分の政治資金収支報告書(総務相所管の中央分)を公開した。自民党への献金の受け皿となる政治資金団体「国民政治協会」(国政協)に対する企業・団体献金は15年比1.3%増の23億2000万円となり、第2次安倍内閣が発足した12年以降、5年連続で増加した。政党本部の収入は自民党が241億3000万円で、4年連続トップ。民進党(106億8000万円)の倍以上で、資金面の「安倍1強」が鮮明となった。

 全ての政党を含めた政治団体の支出総額は6.9%増の1074億1000万円。16年7月の参院選で政党本部から支部などへの寄付交付金、宣伝、選挙関係費が膨らんだ。
 国政協への企業・団体献金は、日本自動車工業会が8040万円と最多。日本鉄鋼連盟8000万円、日本電機工業会7700万円、トヨタ自動車6440万円と続いた。主要業界団体や大手企業が安倍晋三首相(自民党総裁)の経済政策を後押しする構図が透けた。

 自民党本部の収入のうち国政協の寄付(23億円)は9.5%。税金から捻出される政党交付金が174億4000万円と72.3%だった。

 民進党は党本部収入の87.5%に当たる93億5000万円が政党交付金。企業・団体献金の禁止を主張している。

 政党本部の収入額で自民党に次ぐのが共産党(216億8000万円)と公明党(138億3000万円)で、民進党は4位。日本維新の会は13億3000万円、社民党は9億7000万円、自由党は4億1000万円だった。共産党は機関紙発行など事業収入が党本部収入の85.1%で、政党交付金は受け取っていない。公明党も事業収入が62.3%だった。

 政党、政治団体の収入総額は2.0%減の1080億3000万円。個人献金は19.4%増えて41億3000万円だった。政党交付金は319億7000万円と全体の29.6%。

 期間内に報告書を提出して公開されたのは3099団体だった。(共同)

掲載図1:「国民政治協会への企業・団体献金の推移=共同」(魚拓
掲載図2:「上位4政党の収入の変化(政党本部)=共同」(魚拓

朝日新聞は政党別の収入推移をグラフ化している。自民の復興、共産の長期下落、民進党と自民党との負の相関が見える。
自民収入241億円、4年連続で首位 政治資金収支報告:朝日新聞デジタル
2017年11月30日21時03分

 総務省は30日、2016年の政治資金収支報告書を公表した。自民党本部の収入は約241億円で、前年より6・3%減ったが、4年連続で政党トップ。「自民1強」が続く中、資金力も強さを維持する様子が改めて浮き彫りになった。

自民党本部の収入が減ったのは、供託金の返還分(約21億円)がなくなったためで、実質的には増収だ。16年は参院選での議席増も追い風となり、政党交付金は過去最高の約174億円。収入全体に占める政党交付金は72・3%と、過去2番目の高い水準だった。

 同党の政治資金団体「国民政治協会」への企業・団体献金は約23億円。経団連は献金を呼びかけており、前年より1・3%増えた。

 自民に続くのが、新聞発行など事業収入が多い共産党の約217億円(前年比9・0%減)、公明党の約138億円(同1・9%増)。民進党は維新の党との合併で政党交付金が伸び、収入は前年比13・4%増の約107億円だった。

掲載図「各政党の収入の推移魚拓

朝日新聞の「政治資金」特集ページ:政治資金に関するトピックス:朝日新聞デジタル

安倍首相への個人献金に関する記事。見出しが2つある。
首相への個人献金、6年で6倍 長期政権で増加、昨年2566万円:朝日新聞デジタル(やや簡略版)
首相、伸びる個人献金 金美齢・すぎやまこういち氏らも:朝日新聞デジタル
寺本大蔵2017年11月30日18時47分

 30日に公開された政治資金収支報告書によると、安倍晋三首相の政治団体への2016年の個人献金は2566万円だった。自民党が野党だった10年の約6倍。第1次政権の退陣時や野党時代に低迷したものの、長期政権になるにつれて個人献金が伸びている格好だ。

 収支報告書によると、安倍首相が代表を務める政党支部と資金管理団体の16年の収入はあわせて1億4645万円。うち個人献金は2566万円で、10年(412万円)の6・2倍だった。企業・団体献金は、逆に減少傾向だった。

 献金リストの中には、著名人も名を連ねる。首相とよく会食する保守系評論家の金美齢氏は16年に150万円を寄付。09年以降、毎年50万円以上を寄付している。人気ゲーム「ドラゴンクエスト」の音楽を手がけた作曲家すぎやまこういち氏も16年に150万円寄付。11年以降、毎年100万円以上寄付している。

 自民党関係者は「個人献金は思想面での応援という意味合いが強い。(利権絡みでないので)首相であっても安心して受け取れるため」と解説する。

 例年、収入の大半を占めるのが政治資金パーティーだ。16年は都内のホテルで「朝食会」を3回開き、6829万円を集めた。01年に閣議決定された大臣規範では「国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する」としているが、1回あたり2千万円以上の収入があった。

 経費を差し引いた利益率は、9割を超える。07年は開催を見送ったが、首相再登板を目指していた11、12年は1億円以上を集めた。

 日本医師会の政治団体「日本医師連盟」は16年に300万円分のパーティー券を購入。野党時代の10、11両年は30万円分ずつ購入しただけだったが、政権に復帰した12年以降は毎年160万~300万円分購入している。

 富士フイルムは16年に150万円分のパーティー券を購入。12年以降、毎年少なくとも100万円分を買っている。同社の古森重隆会長は第1次政権でNHK経営委員長を務め、安倍首相とはゴルフや会食をする間柄だ。(寺本大蔵)

掲載図1:「安倍首相の政治団体への個人献金は増加傾向」(魚拓
NHKの報じ方はかなりトーンが異なる。自民を目立たせないようにしているみたいにも見える。
政治資金収支報告書 寄付やパーティー収入増加 | NHKニュース
11月30日 17時07分
総務省が公表した去年1年分の政治資金収支報告書によりますと、提出があった政党や政治団体の収入の総額は1080億円で、前の年より2%減りましたが、個人献金などの寄付や政治資金パーティーの収入は増えたことがわかりました。
総務省は、政党や、活動範囲が複数の都道府県にまたがる政治団体が提出した、去年1年分の政治資金収支報告書を取りまとめ、30日、公表しました。

それによりますと、提出があった3099の団体の収入の総額は1080億円で、前の年より22億円、率にして2%減りました。

内訳は、機関紙の発行や政治資金パーティーなどの事業収入が394億円、国からの政党助成金が320億円、個人献金や企業・団体献金などの寄付が163億円などとなっています。

このうち、寄付は、前の年より18億円、率にして12.2%増えたほか、事業収入のうち、政治資金パーティーの収入は85億円で、前の年より3億円、率にして3.9%増えました。

いずれも、自民党が政権を取り戻した平成24年以降で最も多くなり、去年7月に行われた参議院選挙のために各政党や団体が資金集めを活発化させたことが背景にあると見られます。

ただ、おととしの収入の総額には、3年前に行われた衆議院選挙の供託金の返還分が多く含まれていたため、総額を比較しますと、去年の収入は減少しました。

一方、支出の総額は1074億円で、前の年より70億円、率にして6.9%増えました。

これは、去年の参議院選挙に関連する支出が増えたことが要因と見られ、政党本部から支部などへの寄付が344億円で、前の年より46億円、率にして15.3%増えたほか、ポスターやパンフレットの作成にかかる宣伝事業費は73億円で、20億円、率にして39.2%増えています。

さらに、公認推薦料などの選挙関係費は36億円で、5億円、率にして16.3%増えました。
政党本部の収入は、多い順に、自民党が241億3000万円で前の年より6.3%減っています。事業収入や寄付などは増えましたが、前の年の収入に3年前の衆議院選挙の供託金の返還分が含まれていたことから、比較しますと、全体では減少しました。

次いで、共産党が216億8000万円で前の年より9%減っています。収入の85%が機関紙の発行などの事業収入で、政党助成金の交付は受けていません。

公明党は138億3000万円で前の年より1.9%増えています。機関紙の発行などの事業収入が全体の62%を占めました。

民進党は106億8000万円で前の年より13.4%増えています。政党助成金が維新の党との合流により増えたことが主な要因で、収入の88%を占めました。

おおさか維新の会から党名を変更した日本維新の会は13億3000万円で、政党助成金が53%を占めています。

社民党は9億7000万円で前の年より4.8%減っています。政党助成金が46%、機関紙の発行などの事業収入が32%を占めています。

日本のこころは6億3000万円で前の年より33.9%減っていて、政党助成金が全体の86%を占めています。現在は政党の要件を満たしていません。

自由党は4億1000万円で前の年より6.8%増えています。政党助成金が86%を占めました。

民進党と合流して解散した維新の党は1億円で、政治団体からの寄付が収入の89%を占めました。

NHKは別の問題も指摘。
政治資金パーティー 収入の9割以上 誰が支払ったか不明 | NHKニュース
11月30日 19時27分

総務省が30日に公表した国会議員が関係する政治団体の去年の政治資金収支報告書をNHKが調べたところ、政治資金パーティーの収益が合わせておよそ48億円と、寄付による収入の1.5倍に上っていたことがわかりました。パーティー券収入の9割以上は購入者の名前などを収支報告書に記載する必要がない1回の20万円以下の購入者で占められ、誰が支払ったのかわからない状態になっていました。専門家は「規制が厳しい寄付の代わりにパーティー券を購入する企業が増えていると考えられ、透明性を高める仕組みに見直すべきだ」と指摘しています。
NHKは、総務省が公表した去年の政治資金収支報告書のうち、当時の国会議員390人が関係する573の政治団体について、収入の内訳などを調べました。

このうち、政治資金パーティーの収入は合わせて59億9400万円余りで、経費を差し引いた収益は48億円余りでした。
一方、個人や企業などからの寄付による収入は合わせて32億1000万円余りで、政治資金パーティーの収益が寄付による収入の1.5倍に上っていることがわかりました。

政治資金規正法では、寄付の場合、寄付した人の名前や住所、金額などを政治団体の収支報告書に記載する必要がない金額は5万円以下ですが、パーティー券の場合は1回のパーティーの購入額が20万円を超えなければ購入者の情報を記載する必要はありません。

名前などが記載されていない5万円以下の寄付は全体の3%以下にとどまりましたが、パーティー券は収入全体の94%が1回の20万円以下の購入者で占められ、誰が支払ったのかわからない状態になっていました。

政治資金に詳しい日本大学の岩井奉信教授は「規制が厳しい寄付の代わりにパーティー券を購入する企業が増えていると考えられる。パーティー収入が匿名性が高い事実上の企業献金になっているのが実態で、透明性を高める仕組みに見直すべきだ」と指摘しています。
寄付は減少 パーティー収入は増加
総務省のまとめによりますと、国に届けられた政治団体の収入のうち、個人の献金や企業や団体からの寄付は、平成3年の958億円ピークに減少傾向となり、去年はピーク時のおよそ6分の1の163億円余りとなっています。

一方、政治資金パーティーの収入は近年増え続けています。
パーティー収入は、平成16年の142億円をピークにいったん減少傾向になりましたが5年前から再び増加に転じ、去年は85億円余りに上っています。
パーティー券収益上位10団体
去年、総務省に収支報告書を届け出た国会議員に関係する政治団体のうち、政治資金パーティーによる収益が多かった上位10団体は以下のとおりです。

1位 西村康稔官房副長官
   自民・衆議院議員
   資金管理団体「総合政策研究会」9073万9245円

2位 岸田文雄自民党政務調査会長
   自民・衆議院議員
   資金管理団体「新政治経済研究会」8871万5758円

3位 平沼赳夫元経済産業大臣
   自民・衆議院議員(当時)
   資金管理団体「平沼会」8844万1390円

4位 林芳正文部科学大臣
   自民・参議院議員
   資金管理団体「林芳正を支える会」8024万4385円

5位 亀井静香元郵政改革・金融担当大臣
   無所属・衆議院議員(当時)
   資金管理団体「亀井静香後援会」7732万6771円

6位 伊吹文明元衆議院議長
   自民・衆議院議員
   資金管理団体「明風会」7234万9607円

7位 遠藤利明元オリンピック・パラリンピック担当大臣
   自民・衆議院議員
   資金管理団体「新風会」6925万1570円

8位 茂木敏充経済再生担当大臣
   自民・衆議院議員
   資金管理団体「茂木敏充政策研究会」6774万1586円

9位 塩崎恭久元厚生労働大臣
   自民・衆議院議員
   資金管理団体「廿一世紀問題懇話会」6571万3819円

10位 岡田克也民進党常任顧問
    民進・衆議院議員
    資金管理団体「岡田かつや後援会」6533万0849円
政治資金パーティーは夜から朝へ
政治資金パーティーは、夜、ホテルなどの立食で酒などを提供する形で開かれるものが一般的に知られていますが、30日に公表された政治資金収支報告書には「朝食会」や「モーニングセミナー」などの名称のものが目立ち、政治資金パーティーが従来のスタイルから変わりつつある傾向もうかがえます。

国会議員が関係する政治団体が開催した政治資金パーティーのうち、「朝食」や「モーニング」など、朝に開催されたことをうかがわせる言葉が含まれていたパーティーは、去年、少なくとも35の団体で115回に上っていました。

収支報告書に記載された内容を見ると、朝に開催されたと見られるパーティーは、1回当たり数十万円から数百万円の資金を集める比較的小規模なものが多かった一方で、現職の閣僚や閣僚経験がある議員の中には1回の朝食会で1000万円を超える資金を集めたケースも複数ありました。

このうち、1回の朝食会で最も多く資金を集めたのは、安倍総理大臣の資金管理団体で、去年、東京・港区のホテルで3回の「朝食会」を開催し、1回当たり300人以上から会費を集め、いずれも2000万円余りの資金を集めていました。

次いで収入が多かったのは、塩崎元厚生労働大臣の資金管理団体で、去年、東京・千代田区のホテルで5回の「朝食会」を開催し、いずれもおよそ1200万円から1500万円の資金を集めていました。

朝に開かれるパーティーが増えていることについて、政治資金に詳しい日本大学の岩井奉信教授は「政治資金パーティーの形式には明確な定義はなく、朝食会に講師を招いてコーヒーを1杯飲むという形でも会費を集めることができる。夜のパーティーより参加者の負担も少ないので、最近多く開かれるようになったのではないか」と話しています。
議員秘書「朝のパーティーのほうが効率的」
朝に政治資金パーティーを開く理由について、与党のベテラン国会議員の秘書は「夜のパーティーの場合は、多くの支援者や来賓にあいさつしてもらうため長時間になるケースが多く、参加する側の負担も大きい。朝食会の場合は大体1時間程度で終わるため、閣僚など多忙な政治家も開催しやすく、忙しい支援者にも参加してもらいやすい。酒の提供も必要ないため、経費も抑えられ、短時間で効率的に資金を集めることができる」と話しています。

また、若手議員の秘書は「ライフスタイルの変化で企業や団体の人も夜より朝のほうが参加しやすい場合が多くなっている。夜のパーティーで一度に大勢の参加者を集めることができない若手議員にとっては、1回当たりの参加人数は少なくても、朝に何回もパーティーを開いたほうが資金を集めやすい」と話しています。

赤旗の関連記事を。
パーティー収入 がっぽり85億円/過去8年で最高
2017年12月1日(金)

2016年の政治資金パーティー収入は15年比3・9%増の85億3000万円で、09年からの8年間で最高額となりました。開催団体数も前年比26増の369団体で、08年以降最多です。

 パーティー収入は、企業・団体、その役員や関係者に2万円規模のパーティー券を複数購入してもらうことで政治資金を集める、形を変えた企業・団体献金です。

 収入上位10団体(表)のトップは、自民党の二階俊博幹事長が率いる派閥「志帥会」。16年4月27日に開催した1回のパーティーで1億7810万円もの収入をあげながら、開催経費は3478万円。パーティー収入から開催経費を差し引いた利益が収入に占める割合(利益率)は80・5%となっています。

 上位10団体の利益率は軒並み80%超。今年の総選挙をもって政界を引退した自民党の平沼赳夫・元経産相の資金管理団体「平沼会」は、5回の開催で9200万円を集めながら、経費はわずか365万円。利益率は96%にのぼります。

 パーティーでの収入実態は極めて不透明です。パーティー券購入者名(個人名・団体名)の報告が義務づけられているのは、同一パーティー券の購入額が20万円を超えた場合のみ。自民党額賀派の「平成研究会」は1回の開催で1249人から1億1300万円を稼ぎながら、購入者名の報告・公開は個人名がなく、1宗教法人2企業11団体の1096万円だけです。

 安倍晋三首相の出身派閥・細田派「清和政策研究会」も1回の開催で5638人から1億5946万円を集めましたが、報告されている購入者名には個人名がありません。

掲載図:「2016年の政治資金パーティー収入の上位10団体」(魚拓

赤旗の関連記事。
首相ら「規範破り」また/閣僚11人 金集め大規模パーティー/4年連続
2017年12月1日(金)

 「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する」―。内閣改造のたびに確認する取り決めを安倍晋三首相が先頭に立って破っています。安倍首相のルール破りは4年連続。ここでも深刻なモラルハザードが浮かび上がります。

 30日に総務省が公表した2016年分の政治資金収支報告書で明らかになりました。

 それによると、16年の閣僚在任中に、1回の収入が1000万円を超える政治資金パーティーを開いていたのは11人です。表の9人の他に、林幹雄経産相(当時)と遠藤利明五輪担当相(同)もいます。

 安倍首相をはじめ、麻生太郎財務相や岸田文雄外相(当時)ら、第2次安倍内閣が2012年末に発足して以来の中心メンバーも4年連続で大規模パーティーを開いていました。

 安倍首相の資金管理団体「晋和会」は、3回の朝食会を開催。1回で2000万円超の収入を得ています。

 麻生財務相の「素淮(そわい)会」は1回の「政経セミナー」で6300万円余りの収入を得ています。このセミナーの支出は、450万円ほど。利益率が92%にのぼる“ぬれ手で粟(あわ)”の収入を得ています。

 大規模パーティーの自粛は、2001年に閣議決定された「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」で定められました。

 その目的は「国民全体の奉仕者として公共の利益のためにその職務を行い、公私混淆(こんこう)を断ち、職務に関して廉潔(れんけつ)性を保持する」というものです。

 「規範」は新内閣ができるたびに、初閣議で順守が呼びかけられます。安倍首相は16年8月に発足した第3次安倍再改造内閣までに、少なくとも5回も「規範」の徹底を求められたことになります。しかし、いっこうに「規範」を守る姿勢がうかがえません。

掲載図:「規範破りの大規模パーティーを開催した主な閣僚ら」(魚拓

最後に大阪府の状況を報じた毎日新聞。
政治資金収支報告書:府内昨年 収入74億円、14.2%の大幅減 「献金離れ」浮き彫り /大阪 - 毎日新聞
毎日新聞2017年11月30日 地方版(大阪府)

 府選挙管理委員会が29日公表した2016年政治資金収支報告書(府選管所管の地方分)によると、政党支部や国会議員の資金管理団体など政治団体が16年の1年間に集めた収入額は74億6200万円。前年より14・2%の大幅減で、政治家個人への企業・団体献金を禁じた現行制度が導入された00年以降、過去最低となった。政治献金の総額が26・0%減の28億200万円と大幅に落ち込み、企業などの「献金離れ」が浮き彫りになった。【念佛明奈】

 収入額を00年以降で見ると、03年の141億300万円をピークに右肩下がりに減少。献金総額も03年の69億1700万円から減少を基調に推移し、収入額に占める献金総額の割合は全体の半分近くを占めた03年の49・0%から16年は37・5%と、10ポイント以上も下がった。特に、企業・団体献金は1億6100万円と前年より37・6%も落ち込むなど、減り幅が激しい。

 半面、党本部や支部からの交付金は22億600万円と収入額の30・3%を占め、00年の24・1%から5ポイント以上増加。交付金依存型へと政治団体の体質が変化しつつある状況がうかがえる。景気が回復基調にある中、献金にまで力を入れる企業・団体がさほど多くはない状況がありそうだ。

 政党別の収入額は、共産が20億4735万円(前年比9・8%減)でトップ。自民9億5965万円(17・1%減)▽公明5億4607万円(22・6%減)▽民進4億1650万円(10・1%減)▽日本維新3億176万円--と続いた。日本維新は「維新の党」の分裂騒ぎから生まれた「おおさか維新の会」から、16年8月に名称を変更し、前年から大幅増となった。

 また、政治資金パーティーのうち、収入1000万円以上の特定パーティーは28団体が計31件開催。16年収支で総額5億7045万円の収入があった。

 一方、支出総額は73億1300万円と22・0%減った。

知事は会費がメイン 大阪市長、パーティー 維新
 「大阪都構想」など重要政策で連携を深める松井一郎知事と吉村洋文大阪市長。関係する政治団体同士の資金移動を除き、両者の政治資金集めの手法を分析すると「会費型」の松井氏と「政治資金パーティー型」の吉村氏という違いが鮮明に浮かんでくる。

 松井知事は資金管理団体「松心(しょうしん)会」など2団体で16年に計1409万円を集めた。最も多いのは会費の1015万円で、全体の約7割を占める。個人献金は206万円、自らが代表を務める「大阪維新の会」からは188万円が入っている。

 一方、吉村氏は資金管理団体「友洋(ゆうよう)会」など2団体で計3343万円。昨年11月に大阪市内のホテルで開いた「市長就任1周年記念パーティー」など、政治資金パーティー4件で計3056万円の収入と、全体の9割超に達している。個人献金は143万円、維新からは38万円が支払われていた。【石川貴教】

掲載図「政治資金収支報告書の収入と献金の推移(大阪府選管所管の地方分)」(魚拓

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2017/11/30

もんじゅ:廃炉を想定しない設計だった問題で原研が反論

昨日のメモの続報。

はてなブックマーク - 記事解説 平成 29 年 11 月 29 日 日本原子力研究開発機構 件名:「ナトリウム回収 想定せず もんじゅ設計に「欠陥」 廃炉念頭なく」 平成 29 年 11 月 29 日(水)毎日新聞朝刊(東京・大阪)1
原研発表の本文:「記事解説(PDF)」本日付で保存したもの。毎日新聞記事を「誤報」と評している。
だが、ブコメでは反論になっていないという声が多い。

ブコメで紹介された福井新聞の記事を拾っておく。

規制委員長「取り出しは難しい」 もんじゅ1次系ナトリウム | 原発 | 福井のニュース | 福井新聞ONLINE
2017年11月30日 午前7時00分

 日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉を巡り、原子力規制委員会の更田豊志委員長は29日の定例会見で、「1次系ナトリウムの取り出しは難しい」との認識を示した。もんじゅの設計段階では、炉心からの全量抜き取りを想定しておらず、約5年半かかる燃料取り出し後の検討項目の一つとなっている。

 もんじゅは燃料の冷却材に液体ナトリウムを使用しており、1次系には約760トンが存在する。水や空気と激しく反応するため、取り扱いが難しい。

 原子力機構によると、もんじゅは運転時、炉心に常に燃料を置いておく仕様であるため、配管破断時にも燃料が露出しないよう、炉心のナトリウム液位は常に燃料の上にくる設計となっている。このため、通常点検時の抜き取り方法では、数百トン程度が炉心に残ったままになるという。さらに1次系全体には液漏れ対策の保護容器がかぶせられており、改造も容易ではない。

 ただ原子力機構は「燃料を全て取り出した後のナトリウム抜き取りは、原子炉容器の底部まで差し込んであるメンテナンス冷却系の入り口配管を活用することなどで技術的に可能」としており、今後詳細に検討して決定していく方針。

 会見で更田委員長は「(廃炉が先行する)フランスでもかなり苦労している」とした上で、「まずは原子力機構が真剣に技術開発、検討を進めているか確認する」と語った。ただ一方で、「その前の燃料取り出しを進めないことにはどうしようもない」と述べ、まずは最初の5年半で燃料取り出しをしっかり終わらせるべきだとした。

 また、もんじゅの廃止措置計画の認可申請が遅れていることについて、監視チームでの議論が進んでいるとして、「申請の遅れそのものが重大な支障を招いているという風には認識していない」と語った。

更田委員長の言によれば、ナトリウム取り出しには技術開発が必要で、しかもかなり難しい。つまり、取り出しは設計時に考慮されていなかったことが分かる。報道が正しいことを暗に認めているということだ。

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2017/11/29

もんじゅの設計では廃炉が考えられていなかったという記事。他もんじゅ関連。

とても面白い記事なのでクリップしておく(ブラックな意味で)。

もんじゅ設計:廃炉想定せず ナトリウム搬出困難 - 毎日新聞
毎日新聞2017年11月29日 06時40分(最終更新 11月29日 06時40分)

 廃炉が決まっている高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、原子炉容器内を満たしている液体ナトリウムの抜き取りを想定していない設計になっていると、日本原子力研究開発機構が明らかにした。放射能を帯びたナトリウムの抜き取りは廃炉初期段階の重要課題だが、同機構が近く原子力規制委員会に申請する廃炉計画には具体的な抜き取り方法を記載できない見通しだ。

 通常の原発は核燃料の冷却に水を使うが、もんじゅは核燃料中のプルトニウムを増殖させるため液体ナトリウムで冷やす。ナトリウムは空気に触れれば発火し、水に触れると爆発的に化学反応を起こす。もんじゅでは1995年にナトリウムが漏れる事故が起き、長期停止の一因になった。

 原子力機構によると、直接核燃料に触れる1次冷却系の設備は合金製の隔壁に覆われ、原子炉容器に近づけない。また、原子炉容器内は燃料の露出を防ぐため、ナトリウムが一定量以下にならないような構造になっている。このため1次冷却系のナトリウム約760トンのうち、原子炉容器内にある数百トンは抜き取れない構造だという。

 運転を開始した94年以来、原子炉容器内のナトリウムを抜き取ったことは一度もない。

 原子力機構幹部は取材に対し「設計当時は完成を急ぐのが最優先で、廃炉のことは念頭になかった」と、原子炉容器内の液体ナトリウム抜き取りを想定していないことを認めた。炉内のナトリウムは放射能を帯びているため、人が近づいて作業をすることは難しい。

 原子力機構は来年度にも設置する廃炉専門の部署で抜き取り方法を検討するとしているが、規制委側は「原子炉からナトリウムを抜き取る穴がなく、安全に抜き取る技術も確立していない」と懸念する。

 もんじゅに詳しい小林圭二・元京都大原子炉実験所講師は「設計レベルで欠陥があると言わざるを得ない。炉の構造を理解している職員も少なくなっていると思われ、取り扱いの難しいナトリウムの抜き取りでミスがあれば大事故に直結しかねない」と指摘する。【鈴木理之】

 【ことば】高速増殖原型炉「もんじゅ」

 プルトニウムとウランの混合酸化物を燃料に、発電しながら消費した以上のプルトニウムを生み出す原子炉。出力28万キロワット。原型炉は実用化までの4段階のうちの2段階目。1994年に運転開始したが、95年に2次冷却系のナトリウムが漏れる事故が発生し、長期運転停止。その後も点検漏れなど不祥事が相次ぎ、約250日しか稼働しないまま昨年12月に政府が廃炉を決めた。

掲載図:「もんじゅの原子炉の模式」(魚拓

もんじゅでは、その廃炉に向けて地元にお金をばらまいている。

【原発】もんじゅ 廃炉交付金60億円を上乗せへ 文部科学省(NHK)

11月18日 4時50分

高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉で地域経済に影響が出ないようにするため、文部科学省は、地元の福井県と敦賀市に支給される60億円の交付金を上乗せして拡充する方向で最終的な調整を進めていることがわかりました。

福井県敦賀市にある高速増殖炉「もんじゅ」について政府は、去年、廃炉を決定し今後、30年間かけて解体などの作業を進める方針です。

これを受けて文部科学省は、福井県と敦賀市に対してもんじゅの廃炉期間中に支給される交付金を、拡充する方向で最終的な調整を進めていることが関係者への取材でわかりました。

交付金は、研究用の原子力発電施設の廃止に伴うもので、もんじゅの廃炉が完了するまでの30年間、県と敦賀市にはそれぞれ、毎年1億円、合わせて60億円が支給されることになっていました。関係者によりますと、廃炉が始まってから数年間は、とくに地域経済に与える影響が大きく、新たな産業に対して支援を行う必要があるとして、特例で、支給額を上乗せすることを検討しているということです。

こうした財政的な支援については近く開かれる政府と福井県、それに敦賀市が参加する協議会の中で示される見通しです。

地元対策として、60億円+60億円=120億円。福井県と敦賀市に。これはまだまだ膨らませることができるだろう。核燃サイクルと最終処分場問題という手を付けられない荷物があり、それ故に原発をやめられない行政論理が働き、原発システムとその制度の維持に巨額のカネがかかるが故に、自治体も含めて有象無象が血税目当てにゆすりたかりに群がるという構図。このもんじゅ廃炉の補助金は、全国の廃炉自治体の要求根拠になり、補助金額はせり上げられていくだろう。

毎日新聞の関連記事をついでに記録しておく。

もんじゅ:廃炉、課題山積 どうする液体ナトリウム /福井 - 毎日新聞
2017年7月1日 地方版(福井県)

 昨年末に廃炉が決まった高速増殖原型炉もんじゅ(敦賀市)について、日本原子力研究開発機構は6月13日、工程を定める廃止措置計画の前段となる基本計画を国に提出した。作業は今後本格化するが、水と激しく反応する液体ナトリウムを大量に使う高速炉の廃炉は国内に例がなく、技術的ハードルは高い。政府が基本方針で明記した使用済み燃料の県外搬出も見通しが立っておらず、政治的に不透明な部分も多い。【近藤諭】

 冷却材に使う液体ナトリウムは、もんじゅ内に1670トンもあるが、抜き取りや抜き取り後の処理の具体的な方法はまだ決まっていない。

 760トンある2次系冷却材は、放射性物質を含まないため、別施設での再利用や工業用として売却することが考えられる。

 一方、原子炉内を循環する1次系760トンと、原子炉から取り出した燃料を一時保存する炉外燃料貯蔵槽にある150トンは、放射性物質を含むため、化学処理した上で廃棄する必要がある。

 また、取り出したナトリウムを保管するタンクの容量も、1次系540トン、2次系725トンで、いずれも一度に抜き取ることはできない。原子力機構は、仮設タンクの設置なども検討している。

過去に装置落下事故も
 作業中のリスクを減らすには、使用済み燃料の速やかな取り出しが求められる。政府は5年半で完了するとしているが、クリアすべきハードルは多い。燃料は遠隔操作で炉内中継装置と燃料交換装置を使って抜き取り、燃料出入機で炉外に出す。しかし、2010年8月、運転再開作業中に、燃料を着脱する炉内中継装置が炉内に落下し、作業中止に追い込まれた。

 中の液体ナトリウムは危険な上、銀色で透明でないため目視確認ができない。落下した装置の抜き取りに1年近くを要した。期間内に作業を終えるのに、ミスは許されない。

搬出先、見通し立たず
 順調に燃料を取り出せても、搬出先については「県外へ」との方針が示されているだけだ。茨城県東海村の再処理施設は14年に廃止が決定しており、フランスなど海外での再処理が考えられる。

 ただし、同じウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使った廃炉中の新型転換炉ふげん(敦賀市)では、03年の運転停止時にあった使用済み燃料738体のうち466体の搬出先が決まらずに残されたまま。もんじゅも約束通り県外に搬出される保証はない。

 炉内中継装置落下事故の復旧作業に関し、原子力機構が設置した検討委員会で委員長を務めた福井大国際原子力工学研究所の竹田敏一特任教授(71)は、さまざまな検討課題があることは認めつつ、「トラブルがなければ5年半での燃料取り出しは十分可能だ」と話す。その上で「燃料の県外搬出など政治による解決が必要となる部分も大きい。国がしっかりと支援する必要がある」と指摘した。

掲載図1「原子炉内から引き抜いた燃料を炉外燃料貯蔵槽などへ運ぶ燃料出入機(左端)=福井県敦賀市白木2の高速増殖原型炉もんじゅで(代表撮影)」(略)
掲載図2「もんじゅの燃料取り出しルート魚拓

もんじゅ:地域振興に増額要求 予算、廃炉・管理に179億円 文科省説明 /福井 - 毎日新聞
毎日新聞2017年9月1日 地方版(福井県)

 文部科学省の増子宏・大臣官房審議官らが31日、県庁と敦賀市を訪れ、廃炉が決まった高速増殖原型炉もんじゅ(敦賀市)関連の来年度予算概算要求について説明した。廃炉経費や維持管理費などとして今年度当初予算と同額の179億円、地域振興のため地元が求めていたもんじゅ敷地内に新設する試験研究炉の調査・検討費には、900万円増の2000万円を盛り込んだ。

 179億円の内訳は、燃料輸送装置の点検などの廃炉経費に16億円増の25億円を計上。一方、安全対策・維持管理費は廃炉作業が進み点検対象が減るため、16億円減の154億円とした。試験研究炉については、今年度中に運営主体のあり方などの中間とりまとめを行い、来年度に予算を倍増させて詳細な仕様を検討する。

 説明を受けた藤田穣副知事は、地域振興関連が増額要求となっている点に「県の要請に対し一定の受け止めをいただいた」と評価した上で、「中長期的な地域振興策についても、もんじゅ関連協議会のような場でしっかりと説明してほしい」と注文。増子審議官は「速やかに協議の場を設けたい」と応じた。【近藤諭、岸川弘明】

もんじゅ:廃炉…遅れる計画 地元と政府「お荷物」綱引き - 毎日新聞
毎日新聞2017年11月21日 07時30分(最終更新 11月21日 07時30分)

 日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉作業の詳細な工程を定めた廃炉計画の申請が遅れている。所管する林芳正文部科学相が「8月中に出す」と明言したが、安全体制の構築や見返りの地域振興策について、福井県や敦賀市が納得する回答を政府が用意できていないためだ。もんじゅ廃炉決定から来月で1年。ほとんど稼働実績を残せなかった「お荷物」を巡る綱引きは今も続く。【近藤諭、酒造唯、鈴木理之】

廃炉の決断を巡っては、長年国策に協力してきた地元では「政府は一方的だ」との不信感が根強い。福井県の西川一誠知事は、地域振興策を協議する場の設置や、もんじゅ内にある使用済み核燃料の県外搬出などを政府が約束したことを受け、今年6月になってようやく廃炉を容認した。

 廃炉計画申請の前提として、県と市は、原子力機構との間で廃炉に伴う安全面などの約束事を定めた協定の締結を求めている。地元側は「安全な廃炉を行うための原子力機構の体制に課題がある」ことを強調する一方、協定締結は「(地域振興策が)来年度予算でどれくらい反映されるかによる」(西川知事)とけん制も忘れない。

 8月に西川知事らが林文科相に要請した12項目の地域振興策の中には、試験研究炉2基の整備や交付金の拡充などに加え、北陸新幹線の敦賀-新大阪間の早期整備や舞鶴若狭自動車道の4車線化など、もんじゅと関わりの薄い要求も含まれる。

 これに対し、政府は近く地元側に回答する見通しだが、「要求水準はかなり高く、とてもすべてには応じられない」(文科省幹部)と対応に苦慮している。地元はもんじゅの代わりに教育用と科学研究用の試験研究炉の新設を要求しているが、「このご時世、2基も造れるわけがない」(同)と明かす。

 一方、廃炉計画を審査・認可する原子力規制委員会は「リスク低減の観点から、原子炉に核燃料が入ったままの状況は看過できず、一日も早く廃炉計画を申請してほしい」と気をもむ。原子力機構の見通しでは、核燃料の取り出し完了には最低5年半かかる。

 原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「安全に廃炉を進めることは誰もが求めていることだ。地域振興が原因で先延ばしにされているのであれば、理屈が通らない」と批判する。

掲載図:「もんじゅ廃炉計画申請までの流れ」(魚拓
地元が原発を支持する理由はカネ以外にないのだから、あらゆる事をカネの要求に変えてくるのは当然のことだ。核兵器とミサイル開発をテコに交渉力を高めようとするのと同じで、国との長期的関係の維持や個人的な関係維持への配慮があるので適当なところで手打ちするだけのことである。

論点:もんじゅ「廃炉」どう考える - 毎日新聞
毎日新聞2016年9月23日 東京朝刊

 高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉が年内に決まる見通しとなった。ウランとプルトニウムを再利用する核燃料サイクル政策の要として1兆円が投じられながらも、ほとんど成果は上げられなかった。一方で政府は核燃料サイクル政策を堅持する方針を示す。もんじゅ「廃炉」という大きな転換期を迎えるなか、国の原子力政策をどう考えるべきなのか。

決断、欧米より20年遅れ 吉岡斉・九州大教授

 1995年のナトリウム漏れ事故を受け、原子力委員会に97年に設置された高速増殖炉懇談会の委員を務めた。当時、米国は核不拡散や経済性の観点から研究開発を中止していた。ドイツも冷戦終了後の東西統一による財政難と、プルトニウムを保有するという「潜在的核兵器」の必要性がなくなったことなどから原型炉の建設を中止し、高速増殖炉開発は世界的に行き詰まっていた。日本でもこれまで何度も見直す機会があったはずだが、振り返るとこの懇談会が最後の機会だった。それを生かせず、今まで延びてしまったことが残念だ。

 懇談会で私は「もんじゅを博物館にして技術保存し、技術者は学芸員として再雇用してはどうか」と提案した。これが現実的な策ではないかと考えた。しかし、こうした意見は取り入れられることはなかった。もんじゅの次の段階となる実証炉以降の開発は白紙に戻るという成果こそあったが、もんじゅは廃炉にはならなかった。その後、廃炉を含めた在り方が検討されることはなく、巨額の費用が投入されてきた。日本で他国のように研究開発が見直されなかったのは、もんじゅを管理・運営する動力炉・核燃料開発事業団(動燃、現日本原子力研究開発機構)を所管する文部科学省が、最大の抵抗勢力になったためだ。

 使った以上の燃料を生み出すという高速増殖炉は取り扱いが難しく、もんじゅは運転実績がほとんどないまま当初言われた「夢」や「未来」とは無縁だということは多くの人が分かっていたはずだ。これまで数回もんじゅを訪れたが、現場の責任者から「士気を維持するのに苦労している」という話を聞いたことがある。2012年に明らかになった1万件もの機器点検漏れなどは、やる気のなさの表れだろう。現場は延々と敗戦処理を続けていたといえるかもしれない。昨年11月に原子力規制委員会が運営主体変更を文科省に勧告した後、電力会社やメーカーが新組織への協力に難色を示したのは、将来性に疑問を持っていたからだ。

 60年代半ば、プルトニウムを米国から入手できるという話があって、それまで無理だと思われていた高速増殖炉への道が開け、国策として研究開発が始まった。しかし、ナトリウム漏れ事故以降、もんじゅは国の原子力政策全体の足を引っ張ってきた。政府は、このままでは身動きが取れないと考えたのだろう。

 廃炉にするということは、もんじゅをもはや守っているような状況ではなく、切り離さないと原子力政策が前に進めないという判断が働いたと考えられる。

 高速増殖炉の推進派にとっては、もんじゅを維持することが、ほとんど唯一といえる希望だった。「形さえ残っていれば、いずれ復活する可能性はある」という心のよりどころだった。廃炉は事実上、その道を断ち、政策の大きな節目となる。

 欧米より20〜30年遅れだ。地元の理解を得るのは難しいだろうが、国民の利益を考え、正式廃炉を決断してほしい。【聞き手・飯田和樹】

核燃サイクルこそ見直しを 鈴木達治郎・長崎大核兵器廃絶研究センター長

 政府はもんじゅの廃炉を今後検討する一方、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を減らす「高速炉」の研究を進める方針を打ち出した。しかし現時点では、高速炉は「絵に描いた餅」に過ぎない。基礎研究を進めることを否定はしないが、遠い夢に人や金を投入するのではなく、今そこにある課題に向き合うべきだ。

 政府は、核のごみの放射線量が天然ウランのレベルに下がるまで、今の再処理技術なら8000年かかるのに対し、高速炉で処理すれば理論上「300年」に短くなるとの試算を発表し、官民による高速炉開発会議の設置を決めた。政府としては、高速炉を「核のごみの焼却炉」とうたえば国民が受け入れやすいとの思惑があるのだろうが、今の科学技術で実証されておらず「誇大広告」でしかない。

 政府の増殖炉政策を検証する必要もある。政府はこれまで「もんじゅがなければ高速炉開発は進まない」と断言してきたが、今はもんじゅ廃炉の流れでも、従来通りの高速炉路線を掲げており、過去の主張はうそだったことになる。

 一方、政府は使用済み核燃料を全て再処理してウランとプルトニウムを取り出し、資源として利用する核燃料サイクルは堅持する方針だ。しかし今後、ウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電が進めば、使用済みMOX燃料が発生する。再処理が難しい使用済みMOXは、高速炉の実用化が進まなければ直接地面に埋めるなどの処分方法しかなく、政府の「全量再処理路線」は破綻し、サイクルの行き詰まりは一層鮮明になる。

 サイクルは余剰プルトニウムの問題も抱える。プルサーマルなどによるプルトニウム利用は進まず、日本は47・9トン(昨年末時点)を保有する。核兵器保有国を除けば世界的にも突出した量で、プルトニウムの使い道である高速炉がなければ「核兵器に転用するのではないか」との安全保障上の疑念を招く。政府は青森県の使用済み核燃料再処理工場を今後稼働させる方針だが、そうなれば保有量はもっと増える。サイクルを見直さなければ、日本はプルトニウムを狙うテロの脅威も一層抱える。

 今回の政策決定過程にも疑問がある。「もんじゅの廃炉方針」や「サイクルの堅持」は、誰がいつ、どう決めたのかは不明で透明性に欠けている。発表のタイミングは臨時国会(26日召集)直前で、国会のチェック機能も働いていない。政府の高速炉開発会議も、議論の透明性が確保されるのか。高速炉や核燃料サイクルを推進するなら、独立した第三者機関による徹底した検証が必要だ。

 高速炉の開発は今後30年以上かかる息の長い取り組みになる。その一方、余剰プルトニウムや核のごみの処分といった問題のほか、東京電力福島第1原発の廃炉処理や除染廃棄物の処分といった課題は目の前にある。旧来の高速炉や核燃料サイクルに固執するようでは、福島事故で失われた原子力政策への国民の信頼は回復されないだろう。それよりも、原子力技術が生み出した負の遺産への後始末に全力を注ぎ込むべきではないか。【聞き手・中西拓司】

自主技術を無駄にするな 菊池三郎・公益財団法人原子力バックエンド推進センター理事長

 資源のない日本にとって、核燃料サイクルは率先して手に入れないといけない技術だ。通常の原発である軽水炉で燃料に使えるウランは1%以下しかない。99%以上を占める燃えないウランをプルトニウムに変えて増殖し、繰り返し使うことで、海外に依存しない「準国産エネルギー」が得られる。高速増殖原型炉「もんじゅ」はその中核となる日本の自主技術だ。無駄にすべきではない。

 高速増殖炉開発は戦後間もなく始まり、日本の産学官が連携して進めてきた。実験炉の常陽は1977年に稼働し、原型炉のもんじゅも少ないながら発電実績があり、日本は開発のトップグループにいる。実用化にはこの先、経済性を確かめる実証炉、150万キロワットクラスの大型の実用炉を目指す必要がある。ロシアはすでに実証炉を稼働して発電を始めた。中国やインドも追随し各国がしのぎを削っている。もんじゅを廃炉にすれば日本の技術開発はそれだけ出遅れ、ライバル国を喜ばせるだけだ。もんじゅの代わりにフランスで計画中の実証炉「ASTRID(アストリッド)」を利用する計画もあるが、モノを持たずに人や技術が育つのか。日本もASTRIDに対抗する原子炉を持ってこそ、お互いの技術を伸ばせる。

 安全保障上の観点も重要だ。核兵器に転用できるプルトニウムを平和利用に限ることを条件に、日本は日米原子力協定で米国に核燃料サイクルを認められている。もんじゅが廃炉になればプルトニウムが利用できず、2年後の協定改定に大きな影響を及ぼす懸念がある。

 規制のあり方にも問題がある。新しい保守管理制度が2008年に始まった際、あまり議論をしないままもんじゅに軽水炉と同じ制度を導入したことが、1万件もの点検漏れを招いた背景にある。もんじゅは一品物の研究開発炉で、ある程度のつまずきは避けられない。そこを理解しないまま原子力規制委員会は、運営組織交代という一方的な退場勧告をしたように思える。いかに電力やメーカーの協力を得ても、ナトリウムの扱いを知っている人でなければ運転はできない。規制委は、中枢にいる人のモチベーションを高める指導をすべきではないか。

 もんじゅはナトリウム漏れ事故などトラブルが続き、事故直後のビデオを隠す不祥事もあった。ただその多くは、組織や人の意識を高めれば未然に防げる。当時運営主体の旧動力炉・核燃料開発事業団に「運転できなくても経営に影響しない」という甘さがあった。これほどの停滞を自ら招いたことは残念だが、信頼は必ず回復できる。ナトリウム漏れ事故を受けて私が建設所長に就任した時は、地元の福井県ですらほとんどの市町村がもんじゅに反対だった。隠蔽(いんぺい)体質を徹底した情報公開で改め、長い時間をかけて理解を得る活動を続け、今では地元自治体のほとんどがもんじゅに賛成だ。

 もんじゅを廃炉にするのは、軽水炉の再稼働を進めるための「いけにえ」としか見えない。高速増殖炉は実用化に長い時間がかかるかもしれないが、百年の大計で臨むべきだ。【聞き手・酒造唯】

運転実績、22年で250日
 高速増殖原型炉「もんじゅ」は、原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを燃料とし、使った以上のプルトニウムを生み出す「夢の原子炉」と言われた。1994年4月に臨界を達成したが、95年12月にはナトリウム漏れ事故を起こすなどで22年間の運転実績は250日。2012年に約1万件の機器点検漏れが発覚し、原子力規制委員会が運営主体(日本原子力研究開発機構)の変更を求めていた。政府は年内に廃炉を正式決定する。

 ■人物略歴

よしおか・ひとし
 1953年生まれ。東京大大学院理学系研究科博士課程単位取得退学。専門は科学技術史。東京電力福島第1原発事故後、政府の原発事故調査・検証委員会の委員を務めた。

 ■人物略歴

すずき・たつじろう
 1951年生まれ。東京大原子力工学科卒、米マサチューセッツ工科大修士修了。専門は原子力政策。2010年1月〜14年3月、内閣府の原子力委員会委員長代理を務めた。

 ■人物略歴

きくち・さぶろう
 1941年生まれ。京都大工学部原子核工学科卒。旧動燃でもんじゅ建設所長や理事を歴任。フランスからのプルトニウム輸送を指揮しミスタープルトニウムと呼ばれる。2005年から現職。

鈴木氏が指摘する政策決定過程の不透明さや、政府が主張してきたもんじゅの存在根拠のすり替えなどは重要だ。他方、菊池氏の主張は根拠のない願望論と情勢論だけで、存続派ですら技術を信じられなくなっていることをうかがわせる。

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2017/11/15

記事クリップ。

使い勝手のいい備忘録を作りたくてあれこれ使っているけれど、どうもしっくりくるものがない。ブログは便利だけど記事作成にちょっと時間と手間がかかるんだよなあ。

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新たな不正疑惑 「加計学園」認可前に学生募集していた?|政治|ニュース|日刊ゲンダイDIGITAL
2017年11月14日

■文科省規定違反か

 文科省・大学設置審の答申を受け、14日、林芳正文科相から獣医学部の新設を正式に認可された加計学園。また新たな疑惑が噴出している。

 問題になっているのは、加計学園が認可される前に学生を募集していた可能性があることだ。文科省の規定では、認可前に、募集要項の配布など学生募集は一切行えないことになっている。ところが加計学園は、獣医学部の定員140人のうち、20人を韓国の留学生枠として募集していた疑いを持たれているのだ。

 今月4日、加計学園はソウルで韓国人留学生向けの入試説明会を開催。「卒業後は韓国で獣医師になれる」と強調し、「韓国より簡単」と参加した学生にも好評だったという。もし、この入試説明会で、募集要項を配っていたら完全にアウト。認可取り消しもあり得るのだ。

 加計学園に事実関係と見解を質問したが「きょう中の回答は難しい」とのこと。文科省の大学設置室は「担当者不在」を理由に未回答だった。

「野党は加計学園が規定違反をしていたかどうか、徹底的に追及する予定です。なにしろ、獣医学部がスタートしたら、毎年、巨額の助成金が支払われる。加計学園の加計孝太郎理事長の証人喚問も要求する予定です」(政界関係者)

■「答申2カ月遅れ」に他校カンカン

 さらに当初、8月に出されるはずだった認可が2カ月遅れたことで、思わぬ“しわ寄せ”が出ている。

 教育学部など設置審に学部の新設などを申請したのは、加計学園の他に16校あった。この16校の答申も遅れてしまったのだ。少子化で学生確保に必死の大学にとって、2カ月の遅れは死活問題である。学生を募集する期間が短くなるからだ。今回、学部新設を申請し、認可を得たある大学の担当者がため息交じりにこう言った。

「学生数のパイが限られている中で、学生募集のスタートが2カ月以上も遅れたのは正直、痛いですよ。せめて、問題のない学校だけでも先に答申してくれればありがたかった。ただ、文科省から答申が遅れている理由の説明はありませんでした。私たちの申請が原因で遅れているのかもしれず、待つしかなかった。これから急ピッチで開学準備を進めるしかありません」

 加計学園は、お祝いムード一色。週刊朝日によると、学園幹部は「学生の募集、集まり具合はどうか」とゴキゲンだという。

うちの家族ですら
「野党はいつまでモリカケ問題ばかりやっているんだ、だから国会はダメで、だから選挙には行く気がしない」
と言い放つぐらいだから、安倍自民党が負けるわけはないし、彼らがデタラメをやればやるほど彼らの支持は盤石になるわけである。
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平和大使演説阻止へ圧力 外務省公電で判明 「高校生に退出要求もできる」 核保有国?が日本に - 西日本新聞
2017年11月14日 06時00分

 2014年以降、毎年8月にジュネーブ軍縮会議で核兵器廃絶を世界に訴えてきた日本の高校生平和大使の演説が今年は見送られたことに関し、核保有国とみられる一部の加盟国が今年2月以降、高校生にスピーチをさせないよう日本政府に圧力をかけていたことが、西日本新聞が入手した外務省の公電で分かった。同国の軍縮大使は「自分は高校生に議場から出て行くよう求めることもできる」などと日本の軍縮大使に迫り、当初強く反論していた日本側も見送りに応じた。

 本紙は外務省に、この問題に関する情報公開を請求。軍縮会議日本政府代表部の高見沢将林軍縮大使がジュネーブやウィーンで他国の軍縮大使らから受けた「問題提起」について、岸田文雄外相に報告した公電などが開示された。公電は秘密指定を解除されているが、相手国名や発言の詳細は黒塗りにされていた。

 高校生平和大使は、日本政府が1日だけ政府代表団に登録する形で、軍縮会議本会議場でスピーチを認められてきた。開示された公電や外務省の内部文書によると、同国の軍縮大使や次席が今年2月以降、日本側に「軍縮会議の手続き規則は、高校生が政府代表団の一員になることを認めていない」と数回にわたり指摘。「毎年続くようであれば、しかるべき対応をせざるを得ない」とスピーチの見送りを求めた。

 日本政府側は当初「若い世代の活動を通じて、核兵器使用の惨禍について正確な認識が深まり、『核兵器のない世界』に向けた国際社会の機運が高まっていくことを期待している」などと反論した。

 しかし、同国の軍縮大使は「自分は高校生に本会議場から出て行くよう求めることもできるし、実際にそうすることも考えたが、無垢(むく)な高校生を困惑させることはしたくないので思いとどまった経緯がある」「今後は手続き規則違反として異議を申し立て、ブロックする」とまで迫った。

 こうした要請を受け、外務省は見送りを決めたという。理由について外務省は(1)高校生を政府代表団に含めるには加盟国の合意が必要なため、手続き上難しい(2)本会議場で高校生がスピーチしようとしても、報道機関に公開されている場で止められてしまいかねない-と説明している。

 公電の国名は黒塗りされているが、前後の文脈などから核保有国とみられる。

 外務省軍備管理軍縮課は「強硬な言い方で問題提起する国が出てきたのは今年になってからだが、手続き面を問題視する声は以前からあった。(今年7月に採択された)核兵器禁止条約の制定とは無関係。来年以降の対応は未定」としている。

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■背景に核禁止条約も

 鈴木達治郎・長崎大核兵器廃絶研究センター長の話 高校生のスピーチをここまで強く阻むのは異常だ。昨年までは容認していたことを考えると、核兵器禁止条約制定の動きも踏まえて核保有国が被爆国・日本に核保有国寄りの態度を鮮明にするよう圧力をかけたのではないか。スピーチを例年通りに行うと、軍縮会議の円滑な運営に影響を与えるリスクはあるが、公の場でスピーチに抗議するほどの理由があるとは思えない。日本として堂々と主張を貫く選択肢もあったかもしれない。「核なき世界」への日本の立ち位置をもっと明確にし、核保有国と非保有国の橋渡しのための政策をきちんと作っていくべきだ。

=2017/11/14付 西日本新聞朝刊=


若者の思い「政治が翻弄」 平和大使演説阻止へ圧力 「核の傘」依存 長崎の関係者落胆 - 西日本新聞
2017年11月14日 06時00分
 核兵器廃絶を訴える高校生平和大使たちの演説が今年、ジュネーブの軍縮会議で実現しなかった背景には、核保有国とみられる他国からの日本政府に対する圧力があった-。西日本新聞が入手した外務省の公電からは、核兵器禁止条約の採択に向け大詰めを迎える中、一部核保有国の強硬な姿勢や、被爆国ながら「核の傘」に依存する日本政府の苦しい立場が浮かぶ。核廃絶運動に携わる長崎の関係者からは、落胆の声が上がった。

 公電によると、スピーチ見送りの要請があったのは今年2月10日、同国の軍縮代表部次席主催の昼食会だった。次席が進藤雄介公使に対し「貴国が毎年軍縮会議で実施している高校生のスピーチを止めていただけないか」と発言した。

 進藤公使は「次世代を担う若い世代に核軍縮・不拡散関連業務を委嘱している」などと反論したが、次席は「考えは分かるが、少なくとも軍縮会議の場ではふさわしくない。高校生の意見表明の場ではない」「高校生を日本政府代表団に1日だけ含めるという方法は問題がある」と指摘した。

 3月3日には、同じ国の軍縮大使が高見沢将林大使に「日本国内に原爆に対する特別な感情があることは理解しているので昨年は公の場で反対はしなかった」とした上で「今後は手続き規則違反として異議を申し立て、ブロックする」と強硬な姿勢を見せた。外務省はこれを受けて、スピーチの見送りを決めたという。

 唯一の戦争被爆国である日本は、米国の「核の傘」に依存することを考慮し、7月に採択された核兵器禁止条約に署名していない。日本が主導し、国連総会に毎年提案している核兵器廃絶決議案でも今年は条約に直接触れておらず、被爆者らからは批判の声が上がる。

 軍縮会議が開かれたジュネーブを8月に訪れた今年の高校生平和大使を務める溝上大喜さん(17)=長崎市=は「核保有国を含め多くの国々の人から、自分たちの活動は大きな意味があると言われていた。反対意見があったのが事実なら、悲しい」と話した。

 高校生平和大使派遣委員会共同代表の平野伸人さん(70)=同市=は当時、外務省から他国が反対していると説明を受け「米国に忖度(そんたく)しているのではないか」と感じたという。“圧力”を示す文書の存在を受け「高校生たちの純粋な思いが政治に翻弄(ほんろう)され、会議で伝えられなかったのは残念。愚直に核廃絶を訴えていくという決意を新たにするしかない」と語った。

【ワードBOX】高校生平和大使

 核兵器廃絶を求める署名を集め、国連へ提出する高校生。1998年、長崎の2人が反核署名を携えて米ニューヨークの国連本部を訪ねたのが始まり。市民団体「高校生平和大使派遣委員会」が毎春、被爆地の広島や長崎を中心に公募で選ぶ。2013年以降は外務省の「ユース非核特使」の委嘱を受け、14年からは夏に国連欧州本部(ジュネーブ)での軍縮会議本会議場で代表者がスピーチをしてきたが、今年は見送られた。代替措置として日本政府代表部主催のレセプションで、3人の高校生が各国外交官ら約60人を前にスピーチした。

=2017/11/14付 西日本新聞朝刊=

初期の報道への反響では、高校生スピーチの中止は日本政府・外務省自身の積極的な意思だと受け止められていたと思う。
今回の公電の秘密指定解除にはその批判をかわしたい外務省の意思があるのかな、と邪推。
それと、外国からの批判を突っぱねて、事を表面化させることで高校生スピーチを妨害する国を目立たせるという方法もあったのじゃないかと思ったり。
黒塗りされた国名は日本語2文字らしいから、中国、米国、英国が上げられそうだという話もある。
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衆院選:知の巨人・内田樹氏 至極真っ当な提言! 安倍独裁制 本当の正体 - 毎日新聞
2017年11月14日
ウェブ記事としてはちょっと長文なのでここに保存するのはためらわれる。

全体の趣旨は共感できるけど、前半は余談めいていてしかもあちこち変だった。
「知の巨人」とかいう見出しも恥ずかしい。これは内田氏に非はないだろうけど、毎日新聞の「知」の低劣さを象徴している。買う気を失う。

安倍自民の圧倒的強さを制度的に、かつ若干陰謀論的に解明しようとして、小泉ブーム、維新や希望の党などの躍進を説明できなくなってしまった印象がある。そうした「自民に限りなく近い非自民」的な何かを求める風潮の由来や根強さを解明しつつ、それを変えるための方向を論じないといけないような気がしているんだけど。

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2017/11/09

私たち自身が、自らの手で、人を殺した。

「理解追いつかず」 青酸事件で裁判員会見、専門家求める声 : 京都新聞
2017年11月07日 23時25分

 京都地裁の裁判員裁判で初の死刑判決が言い渡された7日、裁判員3人が地裁で会見に臨んだ。

 長期審理だったが、女性裁判員は「評議や意見交換の機会があり、心理的・精神的負担は少なかった」と振り返った。青酸を用いた犯行手口から、証人尋問などで化学の専門用語が飛び交った。「理解が追いつかず質問も浮かばなかった。素人にも分かりやすい言葉で説明してほしかった」と言及した。

 被告の認知症については「病状の判断に関して複数の証人が必要だったかもしれない」「認知症の専門家が公判を傍聴し、意見を聞く機会があれば判断は変わっていた可能性もある」などの声が上がった。

 裁判では裁判員の負担軽減のため法廷に提出される証拠が絞られた。しかし、「被告の通帳も出てこず、借金がいくらあったのか最後まで分からず疑問が残った」「審理時間が掛かっても出せる証拠は全て出してもらい、判断したかった」と述べた。

 弁護側が控訴した点については、「私たちが考えた上での判決でやりきった感がある。控訴審ではプロの判断を仰ぎたい」。

心証はクロ。ほぼ被告の犯行だろうと思える。けれども、確信がない。何か腑に落ちない。検察の説明にもよく分からない部分や疑問が残っている。
そして、求刑は死刑。判決までの時間も無い。同調圧力も感じる。
そういうときに、私は自分一人だけで「もうちょっと待ってほしい」「死刑は本当に妥当なのか」などと言い続けることができるか。
私が、自らの意思で、人殺しに積極的に荷担する。それに立ち向かうことができるか。

人殺しではないけれど、人に処分を下すこと、間接的に人の処分につながる裁定をすることには、これまで何度も関わってきた。事情や道理を十分に(徹底的に)審理しないままに、原案作成者の意を汲んだり、その場の雰囲気に同調したりして、なんとなく判断したことも多い……というか、そういうことがほとんどだ。その意味では、私も小さな殺人に何度も手を染めてきた一人なのだ。

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京都新聞の関連報道。捜査や取り調べの問題も指摘されている。

青酸連続殺害、謎の中に高齢社会の影 26日に初公判 : 京都新聞
【 2017年06月23日 12時17分 】

 関西在住の高齢男性4人が青酸化合物で相次いで不審死した事件は26日、京都地裁で初公判を迎える。殺人罪などに問われる筧千佐子被告(70)の弁護側は無罪を主張する方針だ。事件を巡っては、結婚相談所で出会った高齢男性と結婚や交際を繰り返し、遺産相続したことが注目された。高齢男性が抱える老いと孤独、公正証書遺言を用いた相続-。「後妻業」という言葉が世間に広まるなど社会に衝撃を与えた。一方、真相は謎のままだ。死亡時に病死と判断された被害者もおり、捜査機関の初動対応の在り方も突きつけている。

■老いの孤独と不安

 「年金は少ないなと思ったけど、子どもさんがいないのがね、一番の魅力やったかな」

 結婚後約2カ月で死別した向日市の夫勇夫さん=当時(75)=との結婚理由を逮捕前の千佐子被告に尋ねた時の答えだ。2013年6月に結婚相談所を通じて知り合い、わずか5カ月でスピード婚。「彼のお金がどうのこうの思っていませんよ」ときっぱり語った。

 子どもがいない▽年金収入あり▽老後が安心-。千佐子被告が結婚相談所で見合い相手に求めていた条件だ。実際に連絡を取った男性は妻に先立たれたり、結婚経験がなかったという。勇夫さんは妻子を亡くし、大阪府貝塚市の本田正徳さん=当時(71)=らも妻に先立たれていた。知人男性(78)は、「もうすぐ結婚する」と喫茶店で千佐子被告を紹介する本田さんのうれしそうな姿を覚えている。

 高齢化と核家族化が進み、配偶者と離別や死別し、介護など今後の生活に不安を抱えて子どもと離れて独りで暮らす人は多い。結婚相談所は需要に応えて高齢者の出会いに対応したサービスを充実させてきた。一方で、国民生活センターによると、結婚相手紹介サービスをめぐるトラブル相談のうち、60歳以上の割合は増加しているという。

■公正証書遺言に課題

 財産の相続を約束する公正証書遺言-。一連の事件では、遺産相続の方法にも関心が集まった。

 公正証書遺言は裁判所の判決と同等の効力があり、死後速やかに遺言内容を実現できる長所がある。全国的に作成数が年々増えているが、作成者は法定相続人に相談することなく作成できるため遺産をめぐる訴訟に発展するケースもある。

 今回の事件では、本田さんと兵庫県伊丹市の日置稔さん=当時(75)=ら複数の男性が千佐子被告を相続人とする内容で作成していた。日置さんのケースでは、子らと遺産配分でトラブルになっていた。

■司法解剖の態勢不備

 なぜ青酸による死が見過ごされたのか。司法解剖を巡って、警察の初動捜査の遅れと態勢の不備が浮き彫りになった。被害男性2人は司法解剖されず、当初は病死などと判断された。本田さんは司法解剖されていたため、事件が顕在化した後に保存されていた血液を再鑑定し青酸が検出された。だが、保存は任意で、義務付ける法律はない。京都府警が、勇夫さんに関して司法解剖で事件性に着目したのが端緒だった。

 全国の警察が2013年に取り扱った変死体などは約17万体にのぼるが、司法解剖が実施されたのはわずか5%にとどまる。警察庁の有識者研究会による11年の報告では、犯罪死の見逃しは1998年以降で43件あり、うち38件は解剖されていなかったという。見逃し対策で死因究明推進法が2012年に成立したが、時限立法のため、14年に失効。国は同年に推進計画を閣議決定し、全国の都道府県に協議会の設置を要請している。

 本田さんらの不審死の見逃しを教訓とし、大阪府警は昨春からほぼ全ての変死体に対し、薬物使用の痕跡がないか調べる簡易検査を実施している。事件性の有無を専門に調べる「検視調査課」も新設し、態勢強化に努めている。

■財産目当て増える

 高齢男性の連続不審死事件を描いた小説「後妻業」の著者で直木賞作家の黒川博行さん(68)の話 団塊の世代が65歳を超える中、財産目当ての結婚をもくろむ女性は増える。知人が財産被害に遭い、結婚相談所を取材した。資産を持つ男性は高齢であるほど、女性にもてる。女性が資産狙いだと分かっていても付き合ってしまう。

 身の回りの世話をしてくれて、話し相手になる女性は高齢男性の孤独感を紛らわせてくれる存在だ。離れて暮らす息子や娘らから再婚を反対されても「俺の資産だから好きに使わせろ」と強く出る。男性ならではのさががそうさせてしまうのだろう。「後妻業」に防止策はない。今回の裁判は、離れて暮らす家族がいる人や独居男性など、広い層に身近な問いを突きつけている。


青酸連続殺害、筧被告は無罪主張 京都地裁初公判  : 京都新聞 http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20170626000059
【 2017年06月26日 12時10分 】

 結婚相談所で出会った高齢男性らに青酸化合物を服用させ殺害したなどとされる連続殺人事件で、向日市の夫らへの殺人罪3件と強盗殺人未遂罪に問われた筧千佐子被告(70)の裁判員裁判の初公判が26日午前、京都地裁(中川綾子裁判長)で始まった。千佐子被告は罪状認否で、文書を読み上げて、4事件いずれについても「全て弁護人に任せてあります」と話した。弁護側は男性たちの死因や飲ませた人物に疑問があるとして「青酸を飲ませたことはない。4事件全て争う」と無罪を主張した。

 物証や目撃者といった直接証拠が乏しい中、検察側が積み重ねる状況証拠を裁判員がどう判断するかが焦点となる。

 検察側は総括冒頭陳述で、4事件の共通点を挙げて、動機は遺産目的などとし「借金を抱え、高齢男性との見合い、交際、結婚を繰り返し、被害者はいずれも親しい間柄の高齢独身男性」と説明。事件直前に財産の遺贈を受ける旨の公正証書遺言が作成されたり、事件直後から金庫を開けようとしたりするなどの共通点を挙げた。殺人罪3件で相続した遺産は計約3470万円以上で、強盗殺人未遂罪では4千万円の借金を免れようとしたと述べた。

 弁護側は、「(被告は)死んでほしい、死んでも構わないと考えたことはない」と殺意を否定。被告は、昨年の地裁による精神鑑定で「軽度の認知症」と指摘されており、弁護側は冒頭手続きで住所が思い出せなかったことを挙げ、「事件のこともほとんど記憶にない。事件当時は物事の善悪の判断や感情のコントロールができなかった。法廷で自分の権利を守ることができない」と話し、責任能力の有無や訴訟能力も争う姿勢を示した。

 公判前の争点整理段階で、弁護側は捜査段階での一部関与を認める調書について「直前の記憶すら不明瞭で、捜査官の厳しい取り調べが続き、正常な判断ができないまま迎合してしまった」として任意性と信用性を否定しており、公判の大きな争点になる。今後の公判では、捜査員の証言や取り調べを録音録画したDVDの証拠採否も焦点になりそうだ。

・事件の起訴事実  起訴状によると、筧千佐子被告は2013年12月28日夕、向日市の自宅で、夫の勇夫さん=当時(75)=に致死量の青酸化合物を服用させ、青酸中毒で死亡させた。12年3月に本田正徳さん=同(71)=、13年9月に兵庫県伊丹市の日置稔さん=当時(75)=を同様の手口で殺害した。07年12月に借金返済を免れようと、神戸市の末広利明さん=09年に79歳で死亡=に青酸化合物を服用させ殺害しようとした、としている。判決は11月7日。実審理期間は裁判員裁判で過去2番目の長さとなる135日間。開廷回数は48回の予定。

青酸連続死「殺して遺産手に」 調書公開、弁護側は任意性争う : 京都新聞
【 2017年08月08日 23時00分 】

 京都府向日市などの高齢男性4人に青酸化合物を服用させたとされる連続殺人事件で、殺人罪などに問われた筧千佐子被告(70)の裁判員裁判の第18回公判が8日、京都地裁(中川綾子裁判長)であった。内縁の夫の本田正徳さん=当時(71)、大阪府貝塚市=について、被告が殺害した動機などを語った捜査段階の供述調書などが公開された。

 供述調書は本田さん事件で大阪府警に再逮捕された後の2015年2月13日に検察官が作成した。

 供述調書を巡っては、弁護側は任意性を争い、無罪を主張している。被告は逮捕された時はすでに認知症で「直前の記憶すら不明瞭だった」とし、供述は「厳しい取り調べが連日続き、取調官に迎合した作り話で信用できない。真実ではなく、記憶にないことを想像した調書」と指摘。本田さん事件について自白する直前も長時間の追及を受け続けていたと批判している。

 【公開された供述調書】

 莫(ばく)大な借金を抱え、返済を援助してくれる男性を捜そうと見合いを繰り返していました。借金によって私の悪い部分が出てきました。うそをついてでも他人から金を借りようとし、交際男性を遺産目当てで、毒で殺したことがありました。他人を殺すことは精神的に負担がかかるもので、できれば殺さずにお金の援助を受けたいという気持ちが強くありました。

 本田さんを積極的に殺したいと思った訳ではありません。自分自身の中の悪い部分が出る前に援助を受けることを望んでおり、殺すのは最終手段であって、自然なお付き合いの中でお金をもらいたいとの思いがありました。

 当初、本田さんは借金を理解していてくれて非常にうれしかったですし、殺す気持ちも薄れてきました。しかし、本田さんのお金に対する態度が変わってきたように思います。最初に言っていたのと違うなと思い始め、お金の援助を期待できなくなってきました。私の悪い部分が再び強くなり、殺して遺産を手に入れようと思ったのです。

青酸連続死「証拠は不十分」 弁護側、3件目審理で主張 : 京都新聞
【 2017年08月25日 12時30分 】

 京都府向日市などの高齢男性4人に青酸化合物を服用させたとされる連続殺人事件で、殺人罪などに問われた筧千佐子被告(70)の裁判員裁判の第20回公判が25日、京都地裁(中川綾子裁判長)であり、知人の末広利明さん=死亡時(79)、神戸市=への強盗殺人未遂罪の審理が始まった。

 検察側は冒頭陳述で「金銭の返済を免れる目的で末広さんを毒殺しようとした」と述べ、弁護側は「病気や青酸化合物以外の薬毒物で障害が発生した可能性がある」などと無罪を主張し、殺意や動機も否定した。

 起訴状では、2007年12月18日午後2時ごろ、約4千万円の借金の返済を免れようと、神戸市中央区で青酸化合物を服用させ、殺害しようとした、としている。末広さんは高次機能障害や視力障害が残り、09年5月に亡くなった。

 検察側は、事件発覚後に救急搬送先の検査データなどを精査した結果、「青酸中毒と矛盾しない症状だった」と指摘。事件の2年前から投資名目で被告は末広さんと多額の金銭をやりとりし、「当日は返済約束日で会っていたが、返済資金はなかった」と述べた。

 弁護側は司法解剖や毒物検査が実施されていないことから、「末広さんの身体から青酸成分が検出された証拠はない。青酸中毒とするには疑問が残り、証拠は不十分だ」と批判した。認知症を理由として訴訟能力も争う姿勢を示した。

 裁判は起訴された殺人罪3件と強盗殺人未遂罪の計4件を事件ごとに審理。末広さん事件は3件目で、9月4日に被告人質問、6日に中間論告と弁論がある。

「殺した」「イメージない」被告の供述変遷 京都・青酸連続死 : 京都新聞
【 2017年09月26日 22時50分 】

 京都府向日市などの高齢男性4人に青酸化合物を服用させたとされる連続事件で、殺人罪などに問われた筧千佐子被告(70)の裁判員裁判の第32回公判が26日、京都地裁(中川綾子裁判長)であった。2013年に亡くなった内縁関係の日置稔さん=当時(75)、兵庫県伊丹市=に対する被告人質問で、「逮捕されているから殺したと思う」と殺害を認める一方、「殺したイメージが湧かない」と否定するなど被告の供述が変遷した。

 被告人質問は起訴された4事件ごとにあり、最後となった。被告は全事件で殺害や関与を認めたが、直後に否定するなど不安定な供述が目立った。弁護側は「認知症の影響で責任能力と訴訟能力がない」と全事件で無罪を主張している。

 被告は殺害を認めたが「殺してもメリットがない」「殺すほどのうらみもない」などと否定もした。遺産の取得については「(殺害理由には)遺産もある」「一銭も手にしていない」などと揺れ動いた。裁判長が公正証書や遺産取得の一覧表などを示し、被告に記憶を問う場面もあった。

 裁判員の質問には、4事件で殺した認識があるのは夫の筧勇夫さん=当時(75)、向日市=だけ、と被告は答えた。その上で、「遺族にどう償うか」と問われると、「私が死ぬ以外どうして償えますか。申し訳ないという気持ちはある。今すぐにでも死刑にしてください」と述べた。

筧被告の個別審理終了 青酸連続死、4事件全て : 京都新聞
【 2017年10月02日 13時41分 】

 京都府向日市などの高齢男性4人に青酸化合物を服用させたとされる連続事件で、殺人罪などに問われた筧千佐子被告(70)の裁判員裁判の第34回公判が2日、京都地裁(中川綾子裁判長)であった。内縁の夫だった日置稔さん=当時(75)、兵庫県伊丹市=への殺人罪の中間論告と中間弁論があり、起訴された4事件の個別審理は全て終了した。

 裁判は、殺人罪3件と強盗殺人未遂罪1件を個別に審理し、事件ごとに中間論告と中間弁論を実施した。5日に4件の遺族の意見陳述、10日に検察側から4事件全体の最終論告と求刑があり、11日に弁護側が最終弁論をして結審する。判決は11月7日。

 弁護側はこの日の弁論で、「被告は(認知症の影響で)被告人質問で同じ話を繰り返し、異なる理由を説明する」などとして訴訟能力を否定した。弁護側は責任能力や死因、動機なども争っており、全事件で無罪を主張している。

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