2017/12/30

安倍昭恵氏の人脈の広さがうかがわれる話。

久しぶりにテレビと新聞を眺める時間ができたら、貴乃花親方を巡る話題が大きく取り上げられていて、なぜこれがトップニュースに値するのかよく分からない。それはともかくとして。

マルチ商法「ジャパンライフ」の陰にまた昭恵夫人が登場|政治|ニュース|日刊ゲンダイDIGITAL(2017年12月29日)

 高齢者をターゲットにマルチ商法を展開してきたジャパンライフが、銀行から取引停止処分を受け倒産した。日刊ゲンダイは、同社が長年、問題ビジネスを継続できた背景に時の政権との“癒着”があった可能性を報じてきたが、安倍首相との蜜月がうかがえる写真がネット上に出回っている。

 写っているのは、モリカケ疑惑でも問題視された昭恵夫人だ。笑顔を浮かべる夫人の隣にいるのは、10月27日に消費者庁から3カ月間の一部業務停止命令を受けた「48ホールディングス(HD)」の淡路明人会長である。48HDは「公開前に購入すれば、1カ月半後には10倍に値上がりする」などとウソを言って仮想通貨を販売。マルチ商法まがいで3万5000人の会員をかき集め、この2年で約220億円を売り上げたという。

 ジャパンライフと48HDには接点がある。48HDの渡部道也社長はかつてジャパンライフの取締役を務めていたのだ。

「2016年のジャパンライフの会社案内で、渡部氏は『取締役香港支社長』の肩書で紹介されています。ジャパンライフの山口隆祥会長と関係が深く、ネットワークビジネス業界では知られた存在です」(専門紙記者)

 淡路会長については、毎年4月に首相が主催する「桜を見る会」で、安倍首相や菅官房長官と一緒にいる写真までネットに出回っている。

 ジャパンライフは安倍政権との蜜月関係を背景に問題ビジネスを続けてきたのか。実は、安倍官邸も事が大きくなるのを恐れているという。

「消費者庁は17年3月に行政処分を下した後、新たな追加措置を検討していた。しかし、官邸からストップがかかったといいます。当時はモリカケ疑惑が国会で紛糾中。官邸は、ジャパンライフ問題を突くと、新たな疑惑が噴出しかねないと判断したとみられています」(永田町関係者)

 結局、消費者庁は今月15日に1年間の一部業務停止命令を下したが、これが“ユルユル処分”なのだ。

「ジャパンライフは16年末に1回目の行政処分を受けた後も、手を替え品を替え、ビジネスを続けてきました。一部業務停止命令など、痛くもかゆくもないということです。事を荒立てたくない官邸が消費者庁と“調整”し、処分の程度を緩くした可能性があります」(前出の永田町関係者)

 ところが、今月20日に被害対策弁護団が告発したことで事態は動き、大手メディアもこの問題を報じ始めている。ある野党議員は「通常国会で追及する」と意気込む。新たな“アベ友”疑惑が、年明けの国会で炎上するかもしれない。

ジャパンライフについては、マルチ商法というだけでなく、消費者の被害は最大級、安愚楽鍋の4300億円に次いで2400億円ほどとされている。詐欺容疑で告発する動きも出ているそうだ(毎日新聞12月27日付)。「ジャパンライフ」で検索するといろいろなニュースがヒットする。
安倍昭恵氏は悪意や故意があるわけではないのかもしれない。もしそうだとすれば、イノセントな人が権力を握ることほど恐ろしい事はない、そういう実例になっているのかもしれない。

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2017/12/24

回答率の低さにちょっと闇を感じる件

もちろん回答率は調査方法や調査の告知、回収方法にも強く影響されるのだけれども。

市議「1千万で愛人に」…市職員に嫌がらせ多発 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)(2017年12月24日 12時19分)

 東京都国立市議会の調査で、市職員ら48人が、市議からハラスメント(立場を利用した嫌がらせ)行為を受けたと回答していたことがわかった。

 調査は7月19~24日、市職員、嘱託員の計約1100人を対象に行い、庁舎内のボックスで回答用紙を回収した。回答した172人(男69人、女84人、不明19人)のうち、48人が何らかのハラスメント行為を受けたとしていた。

 その内容(複数回答)を聞いたところ、「職務について違法・不当な要求を受けた」(23人)、「人前で激しく叱責しっせきされたり、暴言を吐かれたりした」(18人)、「執務時間内に雑談に長時間つき合わされるなど、業務執行を妨げられた」(17人)が多かった。

 「その他」の欄に、「『1千万円あげるから、愛人にならないか』と言われた」「市民の病歴など個人情報の提供を迫られた」「議員が所属する団体の活動を手伝わされた」「『長く今の仕事をやっていきたいんだろう』と圧力的な発言があった」と書き込んだ人もいた。

 ハラスメント行為による影響については「何らかの負の感情を持つようになった」(31人)、「精神的にダメージを受け、不安定になった」(14人)が多く、「自殺を考えたことがある」との記述もあった。

 男性市議(5月に辞職)によるセクハラなどが判明したことから、再発防止を図る目的で実施された。

回答率が15%程度にとどまるのは一般的な調査でもよくあることなのだけれど、この調査は上下関係がある組織内の調査だから回収率は高くなりやすいはず。なのにこの低さなので、何かあったのか、あるいは純然たる任意調査だったのか、いろいろ想像できてしまう。質問文も見てみたいところだ。

調査には副作用が避けられないという問題がある。それは、調査自体が調査対象に対する働きかけになり、ある特定のメッセージ・価値観を与えてしまうということだ。今回の件では、市議会または市役所トップがハラスメント問題にどんな態度を取っているかを示すという意味がある。もちろん、ハラスメントは許さない、被害者を守るという姿勢が望ましいので、このアンケート調査に際しても「組織トップとして本気で取り組んでいる」という態度が感じられるように行うことが望ましい。その意味で、今回の回答率の低さはちょっと気になる。

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2017/12/20

森友学園問題:近畿財務局と大阪航空局、業者を説得して嘘をつかせた。

東京新聞:「森友」国有地 売却協議の詳細判明 「9メートルまでごみ混在、虚偽にならぬ」:社会(TOKYO Web)(2017年12月20日 07時04分)

 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、昨春行われた学園側と財務、国土交通両省との協議の詳細が本紙が入手した音声データで判明した。八億円超の値引きの根拠となった地中のごみについて、学園側の工事業者は「三メートルより下にあるか分からない」と主張し、虚偽報告の責任を問われかねないと懸念。これに対し、国側は「九メートルまでの範囲でごみが混在」しているとの表現なら、虚偽にならないと説得し、協議をまとめていた。 (望月衣塑子、清水祐樹)

 音声データには、昨年三月下旬に行われたとみられる学園側と財務省近畿財務局職員、国交省大阪航空局職員らとの協議などが記録されている。

 データでは、国側が「三メートルまで掘ると、その下からごみが出てきたと理解している」と発言。これに対し、工事業者が「ちょっと待ってください。三メートル下から出てきたかどうかは分からない。断言できない。確定した情報として伝えることはできない」と主張した。

 さらに国側が「資料を調整する中でどう整理するか協議させてほしい」と要請すると、工事業者は「虚偽を言うつもりはないので事実だけを伝える。ただ、事実を伝えることが学園さんの土地(価格)を下げることに反するなら、そちらに合わせることはやぶさかでない」とやや軟化した。

 この後、学園の代理人弁護士(当時)が「そちら(国)側から頼まれてこちらが虚偽の報告をして、後で手のひら返されて『だまされた』と言われたら目も当てられない」と懸念。工事業者は「三メートル下からはそんなに出てきていないんじゃないかな」と付け加えた。

 国側は「言い方としては『混在』と、『九メートルまでの範囲』で」と提案したものの、工事業者は「九メートルというのはちょっと分からない」と難色を示した。

 しかし、国側が「虚偽にならないように、混在していると。ある程度、三メートル超もある。全部じゃないということ」と説得すると、工事業者がようやく「あると思う」と同意。国側が「そんなところにポイントを絞りたい」と決着させた。

 国が算定した地中のごみの量を巡っては、会計検査院が最大七割過大に算定されていた可能性を示した。大阪航空局は、建設用地から実際に撤去したごみが国の算定の百分の一だったことを明らかにしている。

 音声データは十一月二十八日の衆院予算委員会で財務省が存在を認めた内容を含む、より詳細なもの。本紙が著述家の菅野完(たもつ)氏から入手した。

 本紙の取材に財務、国交両省から回答はなく、学園の当時の代理人弁護士は「一切コメントしない」と回答。工事業者の代理人弁護士は電話取材に「国と学園側の落としどころの金額に沿ったものを出したが、根拠が十分ではなかった。こちらの試算では、ごみを完全に撤去する費用は九億数千万円だった」と述べた。

◆口裏合わせ はっきり記録

<解説> 会計検査院の検査では、学校法人「森友学園」への国有地売却で八億円超の大幅値引きの根拠となった地中ごみの処分量が最大七割も過大に算定されていた可能性が示された。一方で、契約に至る資料の一部が廃棄されたことなどが壁となり、価格決定の詳しい経緯は解明できなかった。

 しかし、今回、財務省が存在を認めた音声データの全容を詳細に分析すると、地中ごみが地下三メートルより下からはほとんど出ていないにもかかわらず、地下九メートルまであるという形にまとめようと、国側が口裏合わせを求めたともとれるやりとりがはっきりと記録されていた。学園側が、国側のストーリーに合わせて報告を行えば、虚偽にとられかねないと不安視している発言も含まれていた。

 なぜ財務省職員らがそんな無理をして値引きしようとしたのか。安倍晋三首相の妻の昭恵氏が小学校の名誉校長に就いたことや、首相夫人付きの職員が国有地について財務省に照会したことが影響した可能性はないのか。

 学園側への国有地の売却では、分割払いや価格の非公表などさまざまな特例がなぜか付されていた。その理由も政府はいまだに明らかにしていない。この音声データが明るみに出たのを機に、関係者を国会に呼ぶなどして、もう一度調査をやり直すべきだ。 (望月衣塑子)

掲載図:音声データで明らかになった森友学園と財務省などのやりとりweb.archive.org, 魚拓

これって即刻更迭か懲戒処分ものだと思うんだけど、官僚トップは出世するし、総理大臣は「知らなかった」みたいなことを言って何もしようとしないし。
しかし望月記者には頑張ってほしいね。期待している。

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GPIFがマイナス金利の銀行負担分を肩代わりするという報道

ちょっとよく分かっていないけれど、とりあえずメモ。

GPIF、マイナス金利分の負担検討 TBS NEWS(18日 11時32分)

 国民が支払った年金を運用するGPIF=「年金積立金管理運用独立行政法人」は、手元の資金を預けている金融機関のマイナス金利の負担分を肩代わりすることを検討していることが関係者への取材でわかりました。

 GPIFの直近の運用資産は156兆円あまりにのぼり、運用していない手元の資金を国内の金融機関に預けています。現在、長期国債の利回りは0%程度に留まるなど、資産の運用が難しくなっていて、手元の資金は10兆円を超えるまでに積み上がっています。

 関係者によりますと、この手元資金を預かる金融機関がマイナス金利の支払い分を負担しきれなくなったため、GPIFはその分を肩代わりすることを検討しているということです。

 一方、GPIFは18日、負担を減らすため手元資金を運用する他の金融機関を公募すると発表するなど、日銀の進める大規模金融緩和の影響が広がっています。


GPIF、マイナス金利負担 運用難、預金増で検討 : 京都新聞(2017年12月18日 11時46分)
 公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、預金先である信託銀行が日銀に支払うマイナス金利分を負担する案を検討していることが18日分かった。金利が下がって運用環境が厳しく、GPIFの預金が大きく膨らんだことから、信託銀が負担しきれなくなったマイナス金利分を肩代わりする。

 日銀が進めているマイナス金利政策の副作用が国民の年金資産にも波及した形だ。

 GPIFは年金給付額を確保するため、名目賃金上昇率に1・7%を上乗せした利回りを目指しているが、主な運用対象である国債は利回りが下がり、運用難に陥っている。

共同の配信記事。

年金の掛け金を納めたら、(預けたのに)銀行に利息を取られて積み立てが目減りするという話だと思うんだけど(つまり運用したら減るみたいな)、いまいち分かっていない。

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文化財保護がなし崩しにされるかも。

安倍総理大臣 地方活性化は「インスタ映えが鍵」(テレ朝ニュース テレビ朝日)
(2017/12/19 23:28)

 安倍総理大臣は、政権の最重要政策である地方活性化について「インスタ映えが鍵となる」と訴えました。

 安倍総理大臣:「地方活性化の鍵はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にあります。SNS映えするというのはインスタ映えするとも言われていますが、旅行ニーズが爆買いといった買い物中心の旅から、その場所でしか経験できない体験型に変わりつつあります。SNS映えする街道風景を増やしていきたいと思います」
 安倍総理は最近、自らも始めたインスタグラムを引き合いに出し、地方にインスタ映えする風景を増やすことで観光客を増やしたいと強調しました。また、「お寺でミュージカル、遺跡のパワースポットでヨガ。アイデア次第で観光客を集めるキラーコンテンツに生まれ変わる」として、文化財保護法の改正案を来年の通常国会に提出する方針を明らかにしました。

「インスタ映え」云々は生暖かく曖昧な笑顔で受け止めればいいが、文化財保護法の改正は重大問題。

「お寺でミュージカル、遺跡のパワースポットでヨガ。アイデア次第で観光客を集めるキラーコンテンツに生まれ変わる」というのは、山本幸三地方創生大臣(当時)の「学芸員が地方創生のガン、一掃しなければ」という発言と軌を同じくしている。
国の観光戦略には「観光客=金づる→集客して金儲け」という視点しかなく、地域の生活、文化、芸術、歴史などを尊重し、その保全と充実に努めるという視点は全くない。それどころか、「観光振興=国民の余暇の充実→生活の質の向上」という、かつての国土計画時代の理念すら失われている。現在の観光振興とは消費拡大と外需誘致というカネの話に完全に平板化されているのである。

この発想は文化財や歴史遺産、文化芸術の食いつぶしにしかつながらない。観光学の教科書では、観光の発展によって文化が観光化され、変質して本来の意義を失ったり、文化の担い手のアイデンティティクライシスが起きる危険が指摘されている。観光とは本質的に覗き見趣味や野次馬趣味と裏表の関係にあるから、見世物になる・される側が被る圧力には十分な配慮が必要で、慎重の上に慎重を期すべきものである。単なる「おもてなし」で交流人口が拡大してハッピーだというだけのものではない。

さらに、金儲け優先の観光振興は地域の記憶や歴史の改変・平板化にも無頓着だ。金を稼げる分かりやすいストーリーと英雄譚、安い感動を売れるコンテンツの「発掘」と解釈が広告宣伝に使われ、住民の郷土愛涵養の材料として流布される。こうして、例えば英君が領民に苛政を加えた史実や差別や虐殺などの歴史、地域内多様性や反乱などの痕跡は忘れられることになる。薩長の明治維新の美化や、世界遺産登録騒動で現れた歴史のつまみ食い、強制連行の史実の否定と隠蔽などはその典型である。

現在でも文化財の保護は不十分で、開発に対抗して史跡を守ることには困難が伴う。史跡や文化財の保護は非経済的な価値に基づいていて、失われた過去の記憶を次の次代に伝えるという目的でなされるものなのだから、本来的に金儲けの論理とは相容れない。にもかかわらず、文化財保護には金(公金)がかかるという理由でカネの論理がすでに浸食してきているのが現状である。だから現法の保護の不十分さを補うための改正であればともかく、文化財の観光消費を容易化し、金儲けの種にするための改正というのだから、文化財保護が危うくなると考えるのは当然だろう。金儲け主義が蔓延しているからこそ、非経済的な価値の保護を強化すべきなのである。

それにしても安倍政権・自民党は「美しい国」とか「日本を取り戻す」とか言いながら、やっていることはことごとく先人の遺産の食いつぶし、将来世代へ遺すべき富の利食い、社会維持のシステムの破壊ばかりだなあとの思いを強くする。せめて我々はガラパゴス諸島が日本領でなかった幸いを神に感謝すべきだろう。

インバウンド:山本地方創生相「学芸員はがん。一掃を」 - 毎日新聞(2017年4月16日 21時51分(最終更新 4月17日 14時41分))

 山本幸三地方創生担当相(衆院福岡10区)は16日、大津市での講演後、観光やインバウンド(訪日外国人)による地方創生に関する質疑で、「一番のがんは文化学芸員だ。観光マインドが全く無く、一掃しないとだめだ」と述べた。法に基づく専門職員の存在意義を否定する発言で、波紋を広げそうだ。

 講演は滋賀県が主催し、山本氏は「地方創生とは稼ぐこと」と定義して各地の優良事例を紹介した。

 発言は会場からの質問への回答。山本氏は京都市の世界遺産・二条城で英語の案内表示が以前は無かったことなどを指摘した上で、「文化財のルールで火も水も使えない。花が生けられない、お茶もできない。そういうことが当然のように行われている」と述べ、学芸員を批判した。

 閉会後の報道陣の取材に対し、山本氏はインバウンドの興味を引くさまざまなアイデアについて「『文化財が大変なことになる』と全部、学芸員が反対する。観光立国として(日本が)生きていく時、そういう人たちのマインドを変えてもらわないと、うまくいかない」と説明し、「全員クビは言い過ぎ」とも述べた。

 学芸員は博物館法で定められた専門職員で、資格認定試験に合格し博物館資料の収集、保管、展示、調査研究などを行っている。ある学芸員は「観光のための文化財活用と文化財保護をいかに両立するかが大事な視点だ。観光に重きを置いている最近の国の風潮を象徴している発言だ」と話した。【北出昭】


山本地方創生相:学芸員くび発言、大英博物館「事実誤認」 - 毎日新聞(2017年4月20日 19時04分(最終更新 4月20日 19時48分))
 「一番のがんは文化学芸員」などの発言を撤回した山本幸三地方創生担当相が、大英博物館(ロンドン)について「観光マインドがない学芸員は全部くびにした」と発言していたことが分かった。大英博物館は20日までに、毎日新聞の取材に対して「明らかな事実誤認」と回答した。

 山本氏は3月9日の参院内閣委員会で、2012年のロンドン五輪で観光を盛り上げるため、大英博物館で大規模改装が行われたと説明。「一番抵抗したのが学芸員で、そのときは観光マインドがない学芸員は全部くびにした」と語った。山本氏は今月16日の滋賀県での地方創生に関するセミナーでも同様の発言をしていた。

 これについて、大英博物館の広報担当者は「事実誤認」と否定し、「大英博物館は観光のためにスタッフを解雇したことも根本的な建物改装をしたこともない」と強調した。

 この件について山本氏の事務所に見解を求めたが、20日夜までに回答はなかった。【岸達也】


山本地方創生相「大英博物館は学芸員を全部クビにした」⇒大英博物館"明らかな事実誤認"と全面否定(2017年04月19日 19時54分 JST | 更新 2017年04月20日 22時31分 JST)
山本幸三大臣の発言を引用しておく。
ロンドン・オリンピックのときに観光を盛り上げるという意味で成功したと言われているのが、文化プログラムをつくって、ロンドンのみならずイギリス全体の美術館、博物館を観光客のために大改革をしたんですね。例えば、大英博物館の中の壁を取っ払って、真ん中に人が集まるところをつくって、そこからいろんな部門に行くというように全部やり替えました。そのときに一番抵抗したのが学芸員でありまして、そのときは観光マインドがない学芸員は全部首にしたというんですね。それぐらいの取組をやって、その後、ロンドンにまさに大英博物館を始め大変な観光客が継続して続くようになりまして、オリンピック終わってもにぎやかさを保っているというようなことであります。

(参議院会議録情報 第193回国会 内閣委員会 第2号より)

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2017/12/16

DHC会長の「メッセージ」

「ニュース女子」問題で話題を振りまいているDHC会長のエッセイ(?)。原文→「会長メッセージ。」

文末に吉田嘉明氏の名前と「平成28年2月12日」という日付が入っている。

冒頭に、なべおさみ『昭和の怪物 裏も表も芸能界』2015年から日航ハイジャック事件の一幕が出てくる。なべ氏の著述なのか吉田氏の要約なのか判然としないが、かなり眉唾物の話になっている。Amazonの書評
「私は、本書の内容の真偽や著者の考え方の正否を問うことに意味はないと断じたい。ブルースリーの名言「考えるな、感じろ」である。」
とあるが、おそらくはそのような本なのではないかと想像する。吉田氏の要約(?)を読んで、真偽不明な大言壮語が続く大正や昭和初期の本のようだなと感じた。

こういう話を真に受ける人の下では働きたくないなあ……という思いを強くするのだが、そういう人でも経営者として成功するのだから、社会ないし経済とは寛容なものだと思う。経済的成功と学校の勉強の出来はあまり関係ないのではないか。あるいは、経済学者が言うほど市場メカニズムは選別淘汰をやらないのではないか。まあ、理知的で人格に優れた人しか経済的に成功できない世の中というのも住みにくそうではあるが……。

この「メッセージ」は全文にわたって吉田氏のルサンチマンぽい思いが溢れているのだが(これだけ成功していてルサンチマンもなかろうと思うんだが)、それがどうしようもなく気持ち悪い差別排外主義に染まっているのが次の箇所。

創業社長は痩せても枯れても本物ですが、時々とんでもない悪(わる)がいたりしますので、この点は注意が必要です。純粋な日本人でない人も結構います。
本物、偽物、似非ものを語るとき在日の問題は避けて通れません。この場合の在日は広義の意味の在日です。いわゆる三、四代前までに先祖が日本にやってきた帰化人のことです。
そういう意味では、いま日本に驚くほどの数の在日が住んでいます。同じ在日でも日本人になりきって日本のために頑張っている人は何の問題もありません。立派な人たちです。問題なのは日本人として帰化しているのに日本の悪口ばっかり言っていたり、徒党を組んで在日集団を作ろうとしている輩です。いわゆる、似非日本人、なんちゃって日本人です。政界(特に民主党)、マスコミ(特に朝日新聞、NHK、TBS)、法曹界(裁判官、弁護士、特に東大出身)、官僚(ほとんど東大出身)、芸能界、スポーツ界には特に多いようです。芸能界やスポーツ界は在日だらけになっていてもさして問題ではありません。影響力はほとんどないからです。問題は政界、官僚、マスコミ、法曹界です。国民の生活に深刻な影響を与えます。私どもの会社も大企業の一員として多岐にわたる活動から法廷闘争になるときが多々ありますが、裁判官が在日、被告側も在日の時は、提訴したこちら側が 100%の敗訴になります。裁判を始める前から結果がわかっているのです。似非日本人はいりません。母国に帰っていただきましょう。
要するに、自分に同調しない・自分を賛美しない人を全て「似非日本人」や「在日」と呼んでいるだけのことなのだが、これらの人が「母国」を持ち徒党を組んで日本社会を牛耳っているという妄想が、彼にとっての「現実」の合理的解釈なのである。このめちゃくちゃな社会認識、劣悪な差別と優越意識を会社公式ページで公言するのが、DHC会長なのである。
DHC社員の中にはこの「メッセージ」に気持ち悪さを感じる人の方が多いだろうし、これが自社サイトで公的に発表されていることについて「恥ずかしい」「悔しい」「止めてほしい」「苦痛だ」と思っている人は多いだろう。広報担当の中でも苦々しく思っている人がいるだろうと推察する。けれどもDHC社内では会長の暴走を止められないのだろう。アパホテル、フジ住宅、播磨屋などと同じ症状なのだろう。

企業経営ではリーダーシップが尊重されるし、実際、日産のゴーン、シャープの載など、経営陣の一新が企業業績を大きく変える事例は少なくない。けれども、企業を自己表現の道具と混同してしまう君主の存在を許してしまう企業を見るに付け、経営トップへのガバナンスを効かせる制度の重要性を改めて感じる。君主制が民主主義に取って代わられた世界史の教訓をかみしめる次第である。

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2017/12/12

「北朝鮮人権侵害啓発週間」に断固反対します。

「啓発週間」だとかで、JR車内で吊り広告が出ている。一目見てぞっとした。
図案・内容は、ほぼ右記ポスターと同じ。→2017年度の啓発ポスター

初めはトンデモ右翼の扇動活動かと思った。よく見ても広告主が分からないのだ。気持ち悪い怪文書と同じである。それでウェブ検索してどうやら法務省が主体らしいと見当が付いた。

法務省のサイト:「法務省:北朝鮮当局による人権侵害問題に対する認識を深めましょう

このキャンペーンはとんでもない差別・排外主義を体現したヘイトスピーチである。
私がそう考える理由は以下の通り。

1.北朝鮮による人権侵害の解決に何の役にも立たないこと。
2.人権侵害の具体的内容や何が人権侵害に当たるのかという本質的な啓発内容がなく、「北朝鮮」という主体を敵視し悪魔化する表現に終始していること。

この問題の解決に当たる主体は第一義的に政府である。法務省は外務省と共にその担当官庁である。それが、「国民が声を上げることが後押しになる」など、何をやる気のないことを言っているのか。安倍政権がこの期間まったく無為無策だったのは、国民の声(要求)が不足しているせいだと言うつもりなのか。

黒い背景に灰色で朝鮮半島を浮き上がらせ、北朝鮮領を赤く強調する表現は、北朝鮮を危険物と認識させようとしているとしか思えない。文面も「拉致問題その他の北朝鮮当局による人権侵害」とあるだけで、読み手が「人権侵害」の内容を知っていることを前提にして意識喚起を図るだけの内容しかない。これは到底人権侵害の理解を深める「啓発」とは言えない。このポスターから受けるメッセージは「北朝鮮は人さらいをする危険な国家だ」という以上のものではない。そして、この認識は北朝鮮に関係する人々への敵意に容易に転化する。

人権侵害啓発週間と称して他国・他国民そして在日朝鮮人への憎悪を煽る。途方もないえげつなさである。このような愚劣かつ非道なキャンペーンを継続している法務省が人権を守る官庁だとは到底信じられない。(実際、入管がらみでの虐待や死亡事故、代用監獄と冤罪、社会運動への弾圧など、枚挙に暇がないわけだが。そして、法務省内の職員の待遇ですら人権意識どころか順法精神すらない管理がなされていたりする。法務省なのに!)
そもそも、この問題は一にも二にも外交交渉なのであって、「国際シンポジウム」など開いている場合ではないのである。何をのんきにやっているだろうか。人の寿命が有限なのを知っているのか。実際、12月11日、曽我ひとみさんの夫、チャールズ・ジェンキンスさんが亡くなり、翌12日には増元るみ子さんの母信子さんが亡くなった。もう時間がないのだ。こんな調子では、国内向けに「やっています」アピールしかやっていないと言わざるを得ない、しかもヘイトを煽る最悪の方法で。

というわけで、私はこの「啓発週間」は直ちに中止すべきだと考えます。広告屋とJRに数千万から数億の金を使うぐらいなら、外交交渉の旅費と会場代にでもしたらどうか。

参考:安倍首相が横田早紀江さんの直訴の手紙を2年間、無視し続けていた! 政治利用の裏で拉致被害者家族への冷淡|LITERA/リテラ

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2017/12/11

デボラ・リップシュタット氏のインタビュー記事(朝日新聞)

極めて重要で全文が含蓄に富む。期間限定で削除されるべきではない記事なので保存する。

インタビュー記事を書くことは、実はとても難しい。話し手が持つ知見や精神の神髄を引き出し、それを簡潔に文章化するには、話し手の無意識をも包含するような広い視野と背景知識の理解を要する。その意味で、この記事は極めて優秀だと思う。著者である編集委員・大久保真紀氏の力量をも高く評価したい。

(インタビュー)フェイクとどう闘うか 歴史学者、デボラ・E・リップシュタットさん:朝日新聞デジタル
2017年11月28日05時00分

 「ポスト真実」の時代と言われる。事実より信条や感情へ訴えるウソの方が世論形成に大きく影響するといわれる状況に、どう立ち向かえばいいのか。ホロコースト(ユダヤ人虐殺)否定者と法廷で闘った回顧録を映画化した「否定と肯定」の日本公開を機会に来日した、米国の歴史学者、デボラ・E・リップシュタットさんに聞いた。

 ――ユダヤ人虐殺はなかったと主張するホロコースト否定者たちをどう認識していましたか。

 「彼らの主張は地球が平らだと言っているのと同じです。最初は、真剣に向き合うべきものとは思えませんでした。ところが、しばらくして世の中を見ると、『否定者の言うことに一理があるかも』と言う人たちが出てきました。否定者がどんな戦略で、ふつうの人たちの意識を引き込んでいるのかに興味をもちました」

 「1993年に『ホロコーストの真実 大量虐殺否定者たちの嘘(うそ)ともくろみ』を出版しました。否定者たちに『あなた方は間違っている』と言うためではなく、彼らに説得されてしまうかもしれない人たちに否定者たちのやり口を知ってもらうために書きました。ホロコーストに限らず、歴史的な出来事は体験者から直接話を聞けなくなると、遠い過去の昔話になり、否定や作り替えの入り込む隙間が大きくなります」

 「彼らは証拠をねじまげ、記録や発言を文脈からはずして部分的に抜き出し、自分の主張と矛盾する証拠の山は切り捨てます。彼らは『羊の皮をかぶったオオカミ』です。見た目はいかにも立派な学者さながらに振る舞い、研究所を作り、機関誌も出しています。『私たちは修正主義者だ。我々の目的は誤った歴史認識を修正することだ』と言う。が、よく調べると、ヒトラーや反ユダヤ主義、人種差別を称賛する人たちでした。彼らのもくろみは、『見解』を装って事実をゆがめることです」

 ――著書で批判したホロコースト否定者の一人、英国の歴史著述家デイビッド・アービング氏に96年に名誉毀損(きそん)で訴えられました。

 「『相手にするな』と学者仲間からは言われましたが、英国の法律では被告である私に立証責任があります。もし闘わなければ、私は負け、彼は『名誉毀損が成立した。私は否定者ではない。私の説が正しい』と言うでしょう。これを黙認したら、ホロコースト生存者やその子孫に顔向けできません。歴史学者として失格です」

 「裁判費用は200万ドル(約2億3千万円)かかりました。弁護団に恵まれ、多くの人が支援してくれましたが、600万人が虐殺されたホロコーストの実在をめぐる、あまりにも重大なことを争うもので、怖くて眠れませんでした。訴えられて約3年かけて準備、法廷は2000年1月11日から32日間開かれ、4月に全面勝訴の判決が出ました。判決はアービング氏がウソつきで人種差別主義者で、反ユダヤ主義者であることを認めました。偏向した歴史観をもち、意図的にウソを述べ、真実をゆがめた、と」

 「裁判にあたり、私たちは、彼が書いた著作の脚注をたどり、出典を精査しました。すると、彼はわざと間違って引用したり、半分だけ引用したり、事件の発生の順番を入れ替えたり、ドイツ語の原文をあえて間違った英語に訳したりして、結論を彼らの都合のよい方向にもっていっていました。出典の情報を少しずつ変えていく彼の戦術は、とても巧妙で、ふつうの人は信じてしまいます」

    ■     ■

 ――映画の原作になった回顧録は10年以上前に書かれましたが、現代に通じるものがあります。

 「これほど現代性をもつとは想像していませんでした。SNSは多くの恩恵を与えてくれましたが、客観的な事実とウソの違いがわからなくなり、それらを同列にしてしまいました。SNSはナイフのような存在です。外科医の手にあるナイフは人の命を救います。ですが、殺人者の手にあるナイフは命を奪います。どうやって利用するか、人類は学ばなくてはなりません」

 「米国では実際に起きている地球温暖化を全く認めようとしない人たちがいます。歴史的な事実でいえば、ホロコースト否定だけでなく、オスマン帝国でのアルメニア人虐殺事件も否定者がいます。トルコの人たちにとっては、虐殺したことなんて認めたくありません。『不都合な歴史』ですから。そんなことは起こらなかったという方が都合がいい。日本の慰安婦問題や南京大虐殺はなかったという論も同じではないでしょうか」

    ■     ■

 ――当たり前だった歴史を揺るがそうとする動きがある中、私たちは歴史にどんな目を向ければいいのでしょうか。

 「米国の作家フォークナーがこんな言葉を残しています。『過去は死なない。過ぎ去りもしない』。歴史は古い事実だけではありません。起きたのは過去かもしれませんが、現代性のあるものです。もし、私たちの歴史のなかで悪いことがあれば、重要なのはそれを認識することです。同じぐらい大切なのは、そのことについてウソをつかないこと。歴史のひとつの側面を好き勝手に操ってしまえば、ほかの側面も操られます」

 「ヒトラーの風評を変えようとしたアービング氏ら否定者は歴史に関心を寄せたいのではなく、現在を変えたいのです。彼らがやろうとしているのは、歴史を改めて違う形にすることで、いまと未来を変えようとしているのです」

 「いま、歴史家はとても重要な責任を負っています。未来のことは予言できませんが、危険信号に注意を引きつける役割を果たすべきです。私自身は将来を照らす灯台のような存在でありたいです。たとえば、トランプ大統領は批判的なことを伝える報道に対して『フェイクニュース』『ライイング(ウソをつく)』と言います。『ライイングプレス』というのは、ヒトラーが使った言葉です。私は大統領がヒトラーと同じだと言っているのではありません。でも、同じ言葉を使っていることは指摘したい。それを示すのも歴史家の役割だと思います」

 ――ホロコースト否定者の発言を法的に規制するべきだとの意見もあります。

 「その意見には反対です。私は言論の自由を信じています。自由によって扇動することは間違っていますし、街角で黒人を殴ることは許されません。ですが、言論の自由はとても大切です。何を言っていいか、いけないかを政治家が決めるのは絶対に違います」

    ■     ■

 ――いまは声の大きな人の言葉が真実のように扱われる時代です。私たちはどう向き合っていけばいいのでしょうか。

 「とても難しい。特に、政府のリーダーが真実をねじ曲げることに関与していると、本当に難しいです。いまの米国がそうです。先日も大統領の側近が、アフリカ系米国人の女性議員がある除幕式でとんでもないスピーチをしたと攻撃しました。それに対して、新聞が除幕式の様子が録画されたビデオを見つけ、実際はそんなスピーチはなかったことを伝えました。報道がなければ、みな側近の言うことを信じたでしょう。私たちにはファクトチェック(事実を確認)してくれる存在が必要です。独立し、事実を追求し、精査できる活力ある報道が必要なんです」

 「いまは非常に多くの政治的なリーダーがでっち上げをして、まるで真実のように言い募る時代です。我々は、国の中で一番偉い人にでも、世界一偉い人にでも『証拠を示せ』『事実を示せ』と言い続けることが大切です。私たちにできることは、根拠を要求すること。いまは善き人ほど沈黙してはいけない時代だと思います」

 「私たちは、何でも議論の余地があると習いました。しかし、それは間違いです。世の中には紛れもない事実があります。地球は平らではありませんし、プレスリーも生きていないのです。ウソと事実を同列に扱ってはいけません。報道機関も、なんでも両論併記をすればいいということではありません」

 ――私たちは具体的にどうすればいいのでしょうか。

 「一人一人が、注意深くならなくてはいけません。SNSで何かを共有する前に、『これは事実?』と考え、信頼できる情報源が言っていることか精査することが大切です。私自身、フェイスブックで好ましく思っていない右翼政治家がとんでもない人種差別発言をしているという投稿を目にしたとき、ツイートしそうになったことがあります。ですが、ちょっと待てよ、と考え、事実ならばほかのメディアも記事にするだろうと考えて、ネットで調べました。誰も知らない媒体がひとつだけ発信していた情報でした。私は疑念を感じ、ツイートしませんでした」

 「疑念をもって出典を精査することが重要です。私たちはカメラや車を買うときと同じように、すべての情報に対しても健康的な疑念をもった消費者になるべきだと思います。いまは真実と事実が攻撃されています。私たちに迫ってきた困難は重大です。いま行動しなくては手遅れになります」(聞き手 編集委員・大久保真紀)

     *

 Deborah E. Lipstadt 1947年生まれ。米エモリー大学教授。現代ユダヤ史とホロコーストについて教える。著書に「ホロコーストの真実」。

掲載図:「大切なのは、よき教師をもつこと。若い世代に政治から全く自由な形で歴史を教えることです」=相場郁朗撮影(氏と映画の写真・略)

リップシュタット氏の言から得られる示唆と論点は多すぎて、いちいちここにメモすることができない。一言、「知ること」の厳粛さと、この社会に生きる者としての強い覚悟を突きつけられる言葉だとだけ述べておく。その上で、二つほど、コメントしたい。

まず、「その意見には反対です。私は言論の自由を信じています。自由によって扇動することは間違っていますし、街角で黒人を殴ることは許されません。ですが、言論の自由はとても大切です。何を言っていいか、いけないかを政治家が決めるのは絶対に違います」という彼女の言葉について。
この言葉は、何を言っても自由だとか、いかなる表現でも守られるべきだという意味ではないことに留意したい。「ここでの」彼女の言葉は言論の自由至上主義で解されるべきではない。彼女のこの言葉は、「ホロコースト否定者の発言を法的に規制するべきだとの意見もあります」というインタビュワーの質問への回答であって、その文脈の上で理解されるべきものだ。この文脈を無視して、彼女の言葉を言論の自由至上主義の擁護に使うことは、それこそ彼女が言う「証拠をねじまげ、記録や発言を文脈からはずして部分的に抜き出し、自分の主張と矛盾する証拠の山は切り捨て」ると彼女が批判する歴史修正主義者らと同じになってしまう。したがって、リップシュタット氏の言を用いて、例えば差別を扇動したり性的搾取・性暴力を煽るような表現・言論に対する規制への反対を主張するのは筋が違うことになる。
ただし、彼女が言論の自由至上主義者である可能性は残っている点にも留意は必要である、少なくともこの記事の内容に限ればであるが。

次に、「大切なのは、よき教師をもつこと。若い世代に政治から全く自由な形で歴史を教えることです」という点について。
私には「政治から自由な歴史教育」というものがあるとは思えないので、この言葉は奇妙だと思うし、彼女がここで言う「政治」や「自由」という言葉には今回の文脈に固有の意味が隠れているのではないかと思う。抽象的・一般的な意味における「政治」全般からの完全なる「自由」(あるいは中立とでも言うか)を、彼女が主張しているように解するのは誤りではないかということだ。
社会で生きていれば、生活のあらゆることが「政治」に関わる……という意味での広義の「政治」……という意味では、もちろん、歴史も教育も「政治」とは切り離せない。そこまで話を広げず、行政機関や立法機関、政治家の活動という狭義の「政治」の意味に限っても、現代の教育が法令による規制と行政庁による監督下にあり、かつ、教えるべき「史実」とそれらの「解釈」の選別が不可避である以上、政治(一般)から全く自由(中立)な歴史教育など有り得ない。それに、そもそも学校で習う「歴史」のほとんどは政治史なのだし。要するに、私は、価値自由な歴史教育など有り得ないと思っている。
にもかかわらず、私は、同時に、歴史教育に対する(また歴史研究に対しても)「政治」の介入はあってはならないとも思っている。ここでいう「政治による介入」とは行政庁や政治家など(例えば地域の有力者なども含む)が権力(非公式なものも含む)によって教科内容・教師の指導などを操作しようとすることを言う。

ところで、このインタビュー記事を読むと、リップシュタット氏がなんとなく言論の自由市場を信じているかのような印象を受ける。本当はどうなのかは分からない。言論の自由がどこまで認められるべきか(すなわち政府の規制はどこまで認められるべきか)はゼロか一かという二値で割り切れるものではないし、氏の考えにも曖昧な部分もあるだろう。ひょっとしたら著者である大久保氏が言論の自由市場に肯定的なのかもしれないし、あるいは、情報に対して受け身になりやすい一般読者への警句としたいという意図があって、「exit より voice を!」というメッセージを強調した結果なのかもしれない。いずれにしても、リップシュタット氏があらゆる言論規制に反対しており、ホロコースト否定論による問題ですら市民の積極的言論活動によって解決できると信じているまではと解釈してはいけないだろうと感じている。

メモ
著書:Amazon | ホロコーストの真実〈上〉大量虐殺否定者たちの嘘ともくろみ (ノンフィクションブックス) | デボラ・E. リップシュタット, Deborah E. Lipstadt, 滝川 義人 | ヨーロッパ史一般
映画:否定と肯定 : 作品情報 - 映画.com

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2017/12/05

山口敬之氏の関係の記事

とりあえず。

女性が顔出し告発、元TBS記者の“家賃130万円”金満レジデンスライフ | デイリー新潮
週刊新潮 2017年6月15日号掲載

 警視庁刑事部長に自身の準強姦容疑での逮捕状を握り潰してもらっていたことが明るみに出た山口敬之・元TBSワシントン支局長(51)。被害女性・詩織さん(28)の顔出し会見を受け、自身のSNSで反論のコメントを出すも、いまだ表舞台に姿は現していない。
 ***
 東京・永田町の「ザ・キャピトルホテル東急」。この15~17階にはレストランや客室とは別に賃貸フロア「ザ・キャピトルレジデンス東急」がある。山口氏は、ここを生活の拠点にしてきたという。
 戸数はわずか14。階下にはスパ&プールがあり、月額賃料は平均すると約130万円という物件だ。本人は「親戚が持っている部屋を使わせてもらっている」と周囲に説明するが、そのカネの出所について、
「齋藤さんが借りている部屋を使わせてもらっているという話がありますよ」
 と明かすのは、永田町関係者だ。“齋藤さん”とは、2010年に半導体開発会社「ペジーコンピューティング」を創業した齋藤元章氏のこと。同社と山口氏の関係について、先の関係者はこう続ける。
「山口さんはTBSにいるころから齋藤社長と知り合いで、昨年5月に会社を辞める時に顧問のようなポジションを用意されたと聞いています――」
「週刊新潮」の取材に対し、山口氏は、「私の個人情報に関わる質問に答えるつもりはありません」とコメント。齋藤社長は、期限までに回答しなかった。
 ***
 報道から1カ月、握り潰された山口敬之氏の準強姦容疑での逮捕状について、ついに検察審査会が動き出した。6月8日発売の「週刊新潮」では、もう一人の登場人物「中村格刑事部長(当時)」の横顔についても掲載している。
ペジーコンピューティングの斎藤社長はなぜ山口氏をそれほどに厚遇するんだろう。
あと、半導体ベンチャー、儲かるんだなあ……と。
その「ペジーコンピューティング」社についての報道。NEDOをだまして補助金をとった疑い。
スパコンベンチャー企業強制捜査|NHK 首都圏のニュース
12月05日 10時41分
ことし、世界トップクラスの省エネ性能を誇るスーパーコンピューターの開発に成功し、注目を集めた東京のベンチャー企業の社長らが、経済産業省が所管するNEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構から助成金を不正に受け取った疑いがあるとして、東京地検特捜部は詐欺の疑いで会社を捜索するなど、強制捜査に乗り出しました。

捜索を受けているのは、スーパーコンピューターの開発を手がける東京・千代田区のベンチャー企業「PEZY Computing」です。
この会社は経済産業省が所管する国立研究開発法人「NEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構」から技術開発を支援する多額の助成金を受け取っていますが、関係者によりますと、社長らは一部の助成金を不正に受け取っていた疑いがあるということです。
東京地検特捜部は5日、詐欺などの疑いで会社を捜索するなど強制捜査に乗り出しました。
「PEZY Computing」はことし10月、計算速度が国内最速で世界トップクラスの省エネ性能を誇るスーパーコンピューターの開発に成功したと発表し、ベンチャー企業が少ない人員で大手企業などを上回る性能のスーパーコンピューターを開発したとして注目を集めました。
特捜部は、スーパーコンピューターの開発をめぐる不透明な資金の流れについて、実態解明を進めるものとみられます。


スパコン開発会社長ら逮捕 助成金4.3億円詐取の疑い:朝日新聞デジタル
2017年12月5日11時53分
 国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)から助成金を不正に受け取ったとして、東京地検特捜部は5日、スパコンの開発会社「PEZY Computing」(東京都千代田区)の社長、斉藤元章容疑者(49)と同社元取締役、鈴木大介容疑者(47)を詐欺容疑で逮捕し、発表した。

 同社が理化学研究所などと開発したスパコン「菖蒲(しょうぶ)システムB」は、先月発表されたスパコンの省エネ部門で、世界1位を獲得している。

 特捜部によると、2人は2014年2月、同社が選定されたNEDOの12年度の研究開発費補助事業で、約7億7300万円の費用がかかったと水増しした実績報告書を出し、同年4月、助成金名目で約4億3100万円をだまし取った疑いがある。特捜部は5日、同社や関係先を家宅捜索した。

 NEDOを所管する経済産業省によると、同社には10年以降、五つの事業で助成金が出されている。法人登記簿では、同社は2010年の設立で、資本金9億4600万円。斉藤容疑者は15年に純国産のスパコンを短期間で開発したとして、産業界で活躍する人材に贈られる「日本イノベーター大賞」を受賞した。

このペジーコンピューティングの斎藤社長は、NHKが取り上げる予定だったとか。

どちらも同じ記事だが若干文言が変わっている。
逮捕のスパコン社長、NHK「プロフェッショナル」に - ライブドアニュース
「プロフェッショナル」に逮捕の社長 NHK放送見送り:朝日新聞デジタル
2017年12月5日14時55分

 国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)から助成金をだまし取ったとされる事件で、詐欺容疑で東京地検特捜部に逮捕されたスパコンの開発会社「PEZY Computing」の社長、斉藤元章容疑者(49)は、11日放送のNHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」に「スーパーコンピューター開発者」として登場する予定だった。
 NHKは「孤高の開発者」などと紹介していたウェブサイトの内容を削除し、広報によると、放送の見送りを決めたという。
(Livedoor版: NHKは「孤高の開発者」などと紹介していたウェブサイトの内容を削除し、広報担当者は「放送するか否かは確認中で、コメントできない」としている。)
NHKの番組ページでは、今は昔の「独り、山の王者に挑む 猟師・久保俊治」の再放送になっている。(放送予定 | NHK プロフェッショナル 仕事の流儀

経産省、NHK、山口氏とつながっているということらしい。

そのほか。
助成金詐欺で逮捕のスパコン業者・ペジー社は安倍御用記者・山口敬之氏のスポンサーだった! 巨額助成金に官邸の関与は?|LITERA/リテラ

リテラの上記記事末尾には、関連記事のリンクがある。

中村格刑事部長が伊藤詩織氏の取材に対して走って逃げたという話。
伊藤詩織氏が自ら「中村格」に取材。逃げまくる中村格。動画を見ると、ほんとに走っとるわ❗ |伊達直人

追記(2017年12月5日)***********************

HOM55さんのツイート: "助成金詐欺の疑いでスパコン開発ベンチャー社長の齊藤元章氏が逮捕されたとの事。昨年1月の電通報に齊藤氏の話が載っているが「社会全体が瑞穂の国になってほしい」って、まさかここでも「瑞穂の国」が使われているとは・・・。瑞穂の国記念コンピュータか? https://t.co/i4cwafejCr"

やっぱり安倍昭恵人脈の臭いがしますねえ。

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技能実習生を窮地に追い込む日本の制度

2014年:技能実習生として来日。千葉県の農家に。(29歳前後)
    低賃金のうえ差別を受けたとして逃げる。
2016年:茨城県の土木会社「来栖商事」で働き始める。
2017年:5月に在留期限が切れる。
    直後、工具の管理方法を巡り同僚とトラブル、油をかけられて火を付けられた。上半身火傷で2カ月入院。

加害元社員:火をつけたことは裁判で認められず、懲役1年6カ月執行猶予3年。

男性側代理人「少なくとも傷害罪で起訴されるべきだった」
被害男性:東京入国管理局に収容中。

法務省「技能実習生の不法残留者は過去最多、実習先からの逃走や、実習期間の終了後も帰国せずに別の職場で働くケースがほとんどとみられる。掲載図

ガイチさんのツイート: "技能実習生をいじめ抜く日本の企業、実習生は挙句に身体に油を撒かれ火をつけられて全身火傷。しかし検察は被告の「勝手に火がついた」という主張を認め、油かけただけの暴行罪でのみ起訴、結果は執行猶予判決。しかも入管は、被害者を問答無用で収監、今も彼は入管の中。もういろいろと酷すぎる https://t.co/VySmEeqTf1"

不法就労先で「火を付けられた」 元技能実習生が提訴へ:朝日新聞デジタル
小林孝也2017年12月5日07時19分

 技能実習生として来日したが実習先から逃げ出した中国籍の男性(32)が、不法に働いていた土木会社で日本人の社員(当時)に火を付けられ、大やけどを負ったなどとして、会社と元社員に慰謝料など計約9千万円の損害賠償を求め、近く東京地裁に提訴する。

 訴状などによると、男性は2014年に技能実習生として来日。千葉県の農家で実習したが、「低賃金なうえ差別を受けた」として逃げだし、インターネットで見つけた茨城県の土木会社「来栖商事」で16年から働いた。在留期限が切れた直後の17年5月、同県内の作業現場で工具の管理方法を巡り同僚の元社員とトラブルになり、油をかけられて火を付けられた、と訴えている。男性は上半身をやけどして2カ月入院した。

 元社員は、茨城県警に逮捕され、調べに争いの経緯を認めた上で「ライターは持っていたが、着火はしておらず、勝手に火が付いた」などと主張。水戸地検下妻支部は同年6月、男性に油をかけたことのみを罪に問い、元社員を暴行罪で起訴。水戸地裁下妻支部は同罪で懲役1年6カ月執行猶予3年の判決を出した。

 元社員の起訴後、男性は会社と示談し、400万円を受領した。ただ、首などにケロイドが残るほか、腕が十分に上がらないなどの後遺症があるという。

 男性側代理人の川上資人弁護士は「ガソリンが混じった油をかけられ、やけどの結果もある。少なくとも傷害罪で起訴されるべきだった」と指摘。裁判では示談当時は後遺症の程度や逸失利益が未判明だったと主張するという。男性は現在、東京入国管理局に収容中で朝日新聞の取材に「暴行ではなく殺人(未遂)だ。後遺症で今後も仕事はできない」と訴えた。同社は4日までに、朝日新聞の取材申し込みに回答していない。

 法務省によると、今年7月1日時点で、技能実習生として来日した外国人の不法残留者は6532人で過去最多。実習先からの逃走や、実習期間の終了後も帰国せずに別の職場で働くケースがほとんどとみられ、同省の担当者は「警察と入管で摘発しているが、すべての不法残留者の所在は把握できていない」と言う。(小林孝也)

掲載図:「実習生として来日した後、不法残留者となった人数」(魚拓

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«企業・団体献金が増え自民党集中が強まっているという報道