2019/05/20

自民党 谷川弥一衆議院議員による般若心経演説

文部科学副大臣を務めた人。

2016年に話題になった国会での般若心経演説。与党がカジノ法案の強行採決に踏み切った委員会で、自民党の谷川弥一議員は「心を耕す仕事」の大切さを訴えた。
40歳から3年間「禅の勉強」を積み、般若心経を学び、文部官僚に夏目漱石の勉強会を呼びかけるぐらいに夏目漱石や種田山頭火に親しんできた谷川議員。

2019年にはまた別の発言で再び話題になった。

九州新幹線長崎ルートで長崎県が主張するフル企画案に反対している佐賀県知事に対して、

「台湾のような付き合いをしてほしい。韓国か北朝鮮を相手にしているような気分だ」

と言ったという。

禅を学び、般若心経をそらんじ、夏目漱石や種田山頭火に親しみ、「文学であり、彫刻であり、陶芸であり、三味線であり、それから宗教」による「心を耕す仕事」を77歳まで続けると、こんな発言ができるようになるのだろうか。

あるいは凡人には計り知れない宇宙の深奥を究める真理が述べられているのかもしれないな。

もっとも、発言後に谷川議員は不適切な発言として修正したいと述べてたそうだ。やはり心を耕し続けた才人の言葉は凡人には難しすぎたということだろう。


谷川議員「韓国か北を相手にした気分」佐賀知事に : 政治 : 読売新聞オンライン(2019/05/19 09:24)

 自民党の谷川弥一衆院議員(77)(長崎3区)は18日、長崎県諫早市で建設中の九州新幹線長崎(西九州)ルートを視察した際のあいさつで、「難しい問題は佐賀の説得。佐賀の知事には『台湾のような付き合いをしてほしい。韓国か北朝鮮を相手にしているような気分だ』と言った」と発言した。報道陣から真意を問われた谷川氏は不適切だったとして、「修正したい」と述べた。

 谷川氏は、新鳥栖―武雄温泉間(約50キロ)の整備方式を議論する与党の検討委員会のメンバー。検討委はこの区間について、鹿児島ルートと同じ「フル規格」か、在来線を活用する「ミニ新幹線」の2案に絞って検討しているが、佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は、多額の財政負担などを理由に両案とも反対している。

 谷川氏ら国会議員3人はこの日、工事の進捗状況を確認するために現場を訪れた。あいさつは、同行した長崎県の中村法道知事ら地元の首長、工事関係者ら向けだった。

 山口知事は4月に東京都で開かれた検討委の会合に出席した。関係者によると、この会合で谷川氏は「日韓のような関係ではなく、日台のような関係であってほしい」と発言したという。谷川氏は検討委での発言について報道陣に「韓国とは言ったかもしれないが、はっきり覚えていない」と述べた。

 山口知事は読売新聞の取材に対し、谷川氏の発言について「真摯に佐賀県と向かい合ってほしい。冷静な議論が必要だ」と語った。

「佐賀、北朝鮮のよう」自民・谷川議員が長崎新幹線めぐり発言 - 毎日新聞(2019年5月19日 18時45分(最終更新 5月19日 19時44分))

 自民党の谷川弥一衆院議員(77)=長崎3区=が18日、長崎県諫早市で建設中の九州新幹線長崎ルートを視察した際のあいさつで「難しい問題は佐賀の説得。佐賀の知事には『台湾のような付き合いをしてほしい。韓国か北朝鮮を相手にしているような気分だ』と言った」と発言した。谷川氏は「不適切だった」として撤回したが、佐賀県の反発は必至で、新幹線の財源負担をめぐる両県の対立がさらに激化しそうだ。

 九州新幹線長崎ルートの新鳥栖―武雄温泉の整備方式を検討する与党は、JR九州や長崎県が要望するフル規格を前提に議論しており、2020年度に環境影響評価(アセスメント)に着手し、23年度末ごろの着工を目指している。国の試算では、フル規格の建設費は約6200億円で、佐賀県の実質負担は約660億円と見込まれている。

 これに対し、佐賀県の山口祥義知事は4月26日の与党検討委員会で「新幹線整備を求めていない」と述べ、建設に反対する意向を示した。同席していた谷川氏は「これから財源論に入ろうというときに、取り付く島がないようでは困る」として、考え直すよう山口知事を説得し、あいさつで紹介した発言をしたという。谷川氏は19日、毎日新聞の取材に「知事には韓国と言ったが、北朝鮮とは言っていない。18日のあいさつで北朝鮮と言ったのは言葉が走ってしまった」と述べた。【大場伸也、浅野翔太郎】

ところで、自民党ではフル規格がもう前提になっているそうだ。佐賀県知事の山口祥義氏は2018年には自公の推薦を受けて再選しているのだが、どうするのだろうか。

カジノ審議中、「般若心経」唱え時間消費 自民・谷川氏:朝日新聞デジタル(2016年12月5日20時15分)

 自民党がわずか5時間33分の審議時間で衆院内閣委員会で採決を強行したカジノ解禁法案の質疑では、推進派である自民党の谷川弥一・元文部科学副大臣(長崎3区)が「(質問)時間が余っている」と言って、法案の内容とは直接関係のない般若心経を唱えて解説し、自分の持ち時間を費やす場面があった。

 谷川氏は法案が審議入りした11月30日の衆院内閣委員会で、40分間の質問時間をもらって最初に質問に立った。最初はカジノ合法化の理由をただしていたが、28分が過ぎた時点で「一応質問が終わったのですが、あまりにも時間が余っているので」と前置きし、「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時……」と般若心経を唱え、「『般若波羅蜜多』は『般若』は知恵、『蜜多』は行く、『波羅』が彼岸、『幸せになるための道』ということなんです。『どうしたら幸せになるの?』といったら『無念無想で生き抜け』ということなんです」などとしゃべり続けた。

 それでも時間が余った谷川氏は、自身が愛読しているという夏目漱石の作品の紹介を開始。「やっぱり心を耕す仕事を考えないといかん。心を耕す仕事は何だといったら、文学であり、彫刻であり、陶芸であり、三味線であり、宗教なんです」などと語った。(南彰)

国会会議録検索システム 平成28年11月30日衆議院内閣委員会


○谷川(弥)委員 一応質問は終わったんですが、余りにも時間が余っているので、地元のことを一点。これは、答えにくかったら答えてもらわなくても結構です。そして、最後に私見を述べて終わります。
 地元のことですが、私の地元長崎県は、恥ずかしいことですが、五年間で約五万人人口が減っております。その最大の理由は水産業なんです。東シナ海という大変いい漁場を持って、私の出身の五島列島を中心に、以西底びきとかまき網がどんどん出て大変な経済的効果があったんですが、今から言う理由によってもうがたがたになっております。
 一つは、中国が、川魚を主としたのが海の魚に移ってきて、東シナ海に約二万隻出ております。日本は八百しか出ておりません。そのことによって、以西底びきはほぼ壊滅状態になっております。まき網もほとんどそれに近い。もう一つは、温暖化によって、すむ魚が、地域が違った、西の魚が山陰沖に行き、山陰が青森の沖あたりに移っていっている。三番目が、消費者の魚離れによって、お肉をパックでぱっと買っていく。四番目が、冷凍技術の進歩によって、ノルウェーの魚が、瞬間冷凍して日本に持ってきて解凍したら、すぐその辺の魚と同じような状況になってきた。つまり、産地の優位性が崩れているんです。
 この四つは、どれも簡単に解決できません。できないと思います。そうすると、水産の復興というのは、まず養殖を確立させぬ限りあり得ないかな、こう思っているんですね。
 もう一つは、これは歴史の宿命ですが、造船業が韓国、中国にほとんど移って、主産業の造船業は長崎はもう思うに任せません。
 とすると、何でやるのという話になるんですよ。私は、口を酸っぱくして観光をやれと言っているんですが、なかなか思うとおりやってくれません。これを言うと個人攻撃になるので、中身は言いません。非常に、私は経営感覚は人並み以上にすぐれていると思っているので、これをやれ、あれをやれ、これをやれると言うんですが、一つも実行してくれない。
 そういう中で、このIRというのはすごいなと思っているので、ひとり言ですが、所見があったら教えてください。

○細田(博)議員 谷川議員の御出身の五島列島を初め、厳しい環境と過疎、高齢化が進んでいるということをよく承知しております。議員が主導権を持って国境離島の振興、保全に関する法律を成立させたことも一つ大きな業績でございますが、やはり、それぞれの産業がそれぞれの問題を抱えておりますから、観光振興というのも、そして、津々浦々に日本国民も外国人も来てもらって、文化遺産を見てもらったり楽しく旅をしてもらうということも非常に大事な要素になっております。六千万人と一口に言いますけれども、さまざまな工夫を凝らす、これは非常に大切な地域振興につながると思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

○谷川(弥)委員 全部時間を使おうとは思っていませんが、私見ですが、一番の心配はやはり、批判する人も言っているとおり、負の部分ですね、この法律による負の部分。
 それで、提案ですけれども、これは私見ですよ、人間の本能というのは苦しいことは避けて楽を求める、これは僕は本能だと思うんです。そうすると、いい結果が出ないので、悪い結果に対して、人のせいにして言いわけをする。これを私は保守本能、美化本能と言っているんですけれども、これに対抗するのは実は五つありますよ、五つ。
 一つは、人生に壮大な目標を持つこと。これは私見ですからどこにも書いていませんよ、私が勝手に言っているだけですから。二つは、このままほっておいたらどうなるかな。例えば、日本はどんどんどんどん借金を重ねていっていますが、このままほっておいたらどうなるのかなといって、将来に対する危機感を持ってそれに構える。三つ目は、あいつには負けたくないよという負けん気を持つ。四つ目が、恥ずかしいんですけれども、愛ですよ、愛。家族を守る。女房、子供を守るために命がけで働く。自分のことは自分でやる。五つが宗教なんです。
 宗教については、日本の社会は触れたがりません、憲法違反とかいって。しかし、我々の先祖はもともと、一週間に一回ぐらいお寺に行ったり教会に行ったりしておったんです。何でやれないのかなと思っているんですけれども、現実はやれない。
 例えば、宗教について一つ触れると、私は禅宗なので、禅の勉強を四十の記念に三年やったんですが、般若心経というのがあるんです。「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄」というんですが、その根底にあるのは、般若波羅蜜多というのは、般若は知恵なんです。蜜多というのは行くなんです。波羅が彼岸。幸せになるための道ということなんですよ。どうしたら幸せになるのといったら、無念無想で生き抜けと言うんですよ。言いわけするなと言うんですよ。七十五分の一秒単位でうわっと行けと言うんですよ。行けますかね。あなたはがんで死にますよと言われて、さて、無心になれるのかなと、私は自問自答するんですが、それはできないと思いますよ。できないでも、泣きながら、はいずり回ってでも、一日でも生きようとする、これが実は般若なんです。
 こんなことを徹底してやっていかないと、解決できない部分が出てきますよ、このIR法案には。やってほしい、けれども負の部分もあるよということをよくよくお考えいただいて、もう一回、宗教については見直せないのかな。自分の宗教でいいじゃないですか、全否定するんじゃなくて。どれをやれと言ったら問題だけれども、自分の宗教なら徹底してやるよということを議員それぞれ考える時期に来ているんじゃないかな。膨大な借金、人のせいにする、平気で人の金を使う、それを何とも思わない。当たり前だとして推奨する新聞もあります。政党もあります。そういうことを、僕は、ここでぜひ立ちどまって考えていただきたい。これがIR法案の負の部分に対する私の心構えなんです。
 もう一つ、ぜひお願いしたい。
 私は、文部副大臣のときに、夏目漱石を読んだことのある人は俺と語ろうよ、来いよと言って手を挙げさせたけれども、誰も来ませんでした。へえ、最近の文部省というのは漱石も読んでいないのかよと思ったんですが、私は、猫と草枕については全部、何ページの何行目から何行目は、これはいけるぞ、これはこの法律について書いているよというのをずっと書いて持っているんですけれども、私は実は漱石が好きなんです。全巻、十二回ぐらい読みました。
 そういうことの中で、例えば、「まつすぐな道でさみしい」とか、「日ざかりのお地蔵さまの顔がにこにこ」とか、「しぐるゝや人のなさけに涙ぐむ」とか、全部山頭火なんですが、こういう部分をもうちょっと見直していただきたい、教育面で。
 そういうことをもう一遍、人の心を、例えばAIが普及したら四九%失業する、どうするんですか。やはり心を耕す仕事をもう一遍我々は考えんといかぬ。
 そうすると、心を耕す仕事というのは何だというと、文学であり、彫刻であり、陶芸であり、三味線であり、それから宗教なんですよ。そういうことを構えていかないと、このIR法案の負の部分についての抜本的な解決にならぬぞ、そういうことを提案して反対するならいいけれども、何も提案せぬで、負の部分だけ見て反対反対と言うのはいかにも芸がないよ、それを本当は言いたいんです。
 もうこれで終わりますから、御所見があったら承っておきたいと思います。

○細田(博)議員 これまでも、公営競技等について、そのお金を使ってさまざまな振興を図っておりますが、このIR、カジノ収益については、おっしゃるような伝統文化の振興と観光の振興、こういったことをもっと深くやる仕組みを考えなければならないということを今考えておりますので、またお知恵を出していただきたいと思います。実現の際にはよろしくお願いします。

○谷川(弥)委員 時間が余りましたが、終わります。ありがとうございました。

参考までに、谷川議員によるこの質疑応答の前半部分も掲げておく。短いが、グローバリズムが到来した世界情勢からカジノの意義を説き、占領軍による日本の伝統文化破壊を告発する演説である。

○谷川(弥)委員 自由民主党の谷川弥一です。  質問に入る前に、ちょっと私見ですが、本日、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案、いわゆるIR法案をようやく内閣委員会で審議を始めることができることに感謝申し上げたいと思います。同時に、御尽力いただいている会長の細田先生、幹事長の岩屋先生、西村先生ほか議連に所属している全議員に敬意を表したいと思います。  さて、冷戦構造が終結し、市場が一つになるグローバリズムが到来したことで世界経済は飛躍的に拡大しましたが、結果として、労働賃金が相対的に安い途上国に労働賃金が高い先進国から資本と技術を持って進出した結果、先進国の工場が閉鎖され、大量の失業者が出、閉鎖しないまでも賃金の上昇のスピードが鈍ったことによって、大変な貧富の格差を及ぼしております。同時に、デジタル革命によって情報通信、金融等が飛躍的に伸び、所得格差がますます広がりました。このことによる国民の二層化が進んだことにより、イギリスがEUから離脱、トランプ大統領の誕生等、大変な時代の激変を迎えております。  国内に目を向けると、少子高齢化により、社会保障制度の維持が難しくなり、市場の縮小によって、個人消費の伸び悩みでなかなか経済がうまく伸びない。アベノミクスで、第一の矢、超金融緩和をしたが、そのことによって必ずしも思ったほどの効果が出ていない。第二については、膨大な借金によって、これも思うに任せない。第三についてのイノベーションですが、これも国立大学の独法化の結果、十二年で千四百五十億も切ったというような大変な状況下にあります。  そういう中で、日本は、インフラの輸出とかいろいろやっているんですが、この観光産業というものをもう少し大々的にやっていき、それは成功しつつありますが、さらに力を入れるためには今回のこの法案は大変有力なる武器になると思っておりますので、そのことを踏まえながら、以下、数点お尋ねいたします。  一つは、特定複合観光施設とは何なのか、なぜカジノを合法化しようとするのか、お尋ねしたいと思います。

○岩屋議員 まず、この審議の場をお与えいただきました秋元委員長を初め委員の先生方に、心からお礼を申し上げたいというふうに思います。
 今、谷川先生から、我が国の経済の現況についてのお話もいただきましたが、その中で、一番、今着実に伸びていて、なおかつこれからも確実に伸びていく分野はどこかということを考えますと、それは観光だというふうに私ども考えておりまして、先生がおっしゃっていただいたように、我が国の観光振興に資するためにこの法案を提案させていただいているところでございます。
 そこで、先生のお尋ねの特定複合観光施設とは何かということでございますが、推進法案にも明記させていただいておりますように、会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与する施設、及び、その施設のごく一部と想定をしておりますが、カジノというゲーミング施設が一体となっている施設を指すものでございます。
 なぜそれが必要かということでございますが、例えば、シンガポールは二カ所のIRを設置することによりまして観光を飛躍的に伸ばしているわけでございますが、そのシンガポールのIRの施設の中には、ごく一部にカジノという非常に収益力の高い施設が設けられております。それが加わっていることによって、国際会議場や展示場、単体であれば不採算になるような施設も含めた施設全体が円滑に運営できている、さらに集客力を飛躍的に伸ばしているという事例がございます。
 したがって、私どもも、日本のMICEの機能を強化していくためにも、一部にカジノ施設を含むIRというものを認めていく必要があるのではないかと考えているところでございます。

○谷川(弥)委員 次に、カジノを合法化することの社会的な問題やリスクについてどのようにお考えなのか、お尋ねいたします。

○岩屋議員 カジノというのは、言うまでもなくギャンブルでございますので、それが及ぼす社会的な負の影響について十分対策を講じなければいけないというのは、当然のことだと思っております。
 例えば、ギャンブル依存症の問題、それから治安がもしかすると悪化するのではないかという懸念、あるいは青少年に悪影響を及ぼすのではないかというような心配、あるいは社会悪、組織悪の関与があるのではないかという懸念、こういったリスクを最小限に抑制する措置を設けることによって、国民の理解、信頼を深めることが必要であるというふうに考えているところでございます。
 そのために、今回の法案におきましても、カジノ施設の設置、運営に関しまして、不正行為の防止や有害な影響の排除のための必要な措置を政府に講じなさいということを命じております。また、カジノ施設の設置及び運営に関する秩序維持、安全確保を図る、独立性の高いカジノ管理委員会の設置を予定しているところでございます。これらの厳重かつ適正な規制、監督を行うことを前提にしているところでございます。

○谷川(弥)委員 次に、三点目に、IRの推進、導入にはどのような効果があるのか、お尋ねしたいと思います。

○細田(博)議員 IRの推進、導入にどのような効果があるのかという御質問でございますが、このIRの導入によりまして、国際観光の振興、国際会議機能の強化、文化の振興、魅力ある都市づくり、地域活性化など、幅広い波及効果が期待されております。
 具体的には、施設整備に伴う建設需要、直接的、間接的な雇用創出、第三に国内外の観光客の増加による経済効果、第四にカジノ収益による財政改善が期待されるわけであります。また、これらの経済効果は、IR施設の設置区域以外の地域にも広域的に波及するのではないかと考えております。
 例えば、シンガポールにおきましては、二〇一〇年に二つのIRが開業したところ、マリーナ・ベイ・サンズの初期投資は約五十七億米ドル、約五千億円弱にも上ります。また、両IRのカジノにおける直接雇用は約二万三千人であり、間接雇用を含めればさらに多くの雇用創出効果があると考えられます。二〇一三年においては、海外旅行者数が導入前の二〇〇九年と比較して六〇%増の千五百五十万人に、また、海外旅行者の消費額が、観光、娯楽、賭博、宿泊、ショッピング、飲食における増加を中心に約九〇%増、二百三十五億シンガポール・ドル、約一・九兆円となっており、これらはIRの導入による影響も大きいと考えられるわけでございます。さらに、二〇一三年のカジノ収入でございますが、導入前と比較して約四一%増の二十四億シンガポール・ドル、二千億円となっております。
 厳しい管理のもとで運営されるカジノは、他の施設とも相まって、今やファミリー層のデスティネーション、観光目的地になっているわけでございまして、旅行をされた方は御理解いただけると思いますが、これらの都市は、今や大人から子供まで家族全員が楽しむことができる総合エンターテインメントシティーに変貌したと言えるわけでございます。そのような効果を参考にしながら、大きな効果に期待しております。

○谷川(弥)委員 次に、IR推進の目的の一つに観光振興というのが挙げられていますが、IRは観光振興に本当に役立つのか、お尋ねしたいと思います。

○西村(康)議員 お答えを申し上げます。
 今も答弁がありましたけれども、まさにIRは複合的な大型の観光施設ということで、質の高い多様なサービスが提供されるという中で、内外の老若男女を問わず、観光客それからビジネス客をも対象とし、いわゆるギャンブラーを念頭に置いてその人たちを呼び込もうということではありませんので、これは全体として大いに観光振興に役立つものと考えております。
 今もお話がありましたけれども、シンガポールではIRの導入前後で観光客が約六割増加をしておりまして、観光立国というものを実現しているというふうに思います。大いに観光振興に寄与するものと思っております。
 今もお話がありましたとおり、ファミリー層全体を引きつける施設ということで、いわゆる総合エンターテインメントシティーとして実現していければ、日本の観光にも大いに寄与するものと思っております。
 ちなみに、シンガポールのいわゆるアイコニックな外観で有名なIR施設の宿泊施設でありますホテルでありますけれども、その宿泊数のトップは日本人でありまして、その多くはカジノ目的に訪れているわけではないというふうに認識をいたしております。

○谷川(弥)委員 五番目については、私見を述べながら、いかに地域の振興が大事か、何で地域が疲弊するのかということについて触れて、今回はぜひ地域を中心に展開していただきたいというのをお尋ねするんですが、なぜ地域が疲弊するのか。それは、一次産業に対する依存度が高いところほど疲弊していっているんです。それと、情報通信社会というのは必ず大都市に集中する傾向が世界的にあります。例えば、九州でいったら福岡へ、中国地方だったら広島へというふうに、どこもなっていくんですね。
 さて、それならどうして地域が疲弊するかという前に、ひとつぜひ原点に返って考えていただきたい。
 それは、戦後の日本社会というものの一番の欠点というのは、先輩たちがむちゃくちゃな戦争をした、そのことによって国民に大変な負担をかけた、もう骨身にしみている。だから、また戦争になるよとちょっとささやいたら、そこで全ての思考がとまってしまう。これが僕は全ての諸悪の根源だと思っているんです。ここをどう脱していくか。
 現実は、戦わなければ生きていけない。全ての動植物がそうです。人間もそれから逃れることはできません。戦わなかったら生きていけないんです、生き物は。そこをまず原点に置いて物を考えていただかないと困る。そうすると、一次産業はどうやって戦っていくのか。これは難しいですよ。
 なぜならば、今はやりというか、盛んに今期待されつつあるAIとかそれからビッグデータとか、そういうのをうまくやっていけば農業も生き返ってくるんですけれども、その間はどうするか、それが完成するまでは。それは、人件費の安いところに負けるのは当たり前なんです、今のやり方では。そうすると、グローバリズムが進むほど一次産業はやられていくというのはもう当たり前なんですね。そこを無視して、農協改革をやろうとしたり、それから合理化が進むからますます地方は疲弊していく。
 それなら、何で地方を救っていくのか。これが、僕は日本だけじゃなくて世界的に抜けているんじゃないかなと。思い切って堂々と、生活保護をやるように一次産業生産者の弱い部分は助けていくべきだと僕は思っているんです。それをしきらぬなら、そのかわりに何の産業を持ってくるか。そこをしっかり頭に入れていただいて、ぜひこの件は展開していただきたい。
 最後に、余談ですけれども、ヘレン・ミアーズという人が書いた「アメリカの鏡・日本」という本があります。物すごく厚い本です。そこに気になることが二つ書いてあるんです。
 一つは、これを書いた人は、昭和二十八年の、労働問題に関係した、占領軍というか、人ですが、ヘレン・ミアーズというんですが、第一、占領の目的は、日本経済をぐちゃぐちゃにたたいてほっておけ、こう書いているんです、本の中に。うそか本当か知りませんよ。その本の中に書いているんです。第二、日本の伝統文化を破壊せよ、こう書いているんですね。
 そうすると、日本の伝統文化とは何だというと、家族なんですよ。家族であり、集落であり、神社なんですよ。それをぐちゃぐちゃにされたから、日本人は立っている基盤というのが弱くなっている。こういうこともまず頭に入れていただきたい。どうぞお願いして、質問に入ります。
 地域の活性化、地方創生の達成のためにIRを活用すべきだと僕は思っているんですが、いかがですか。

○岩屋議員 ただいま谷川先生の幅広い御識見を御披露いただきました。それにお答えする能力は私にはないわけでございますが、今先生御指摘の、地域活性化、地方創生の達成のためにこそIRを活用すべきだという点につきましては、私ども提出者も全く同じように考えております。
 どこにIRを展開すべきかということを我々は議論してきたわけではありませんが、やはり、大都市ばかりではなくて、地方への展開もあってしかるべきではないかと思っています。
 今、インバウンドは二千万人に達しましたが、その大半はいわゆるゴールデンルートに集中しております。東京に入って、富士山を見て、大阪へ行って、京都、奈良を見て帰るというのが大半でございますので、こういった海外からのお客様に北海道から九州、沖縄に至るまで幅広く我が国を旅行していただくためにも、地方型のIRというのも私はあってしかるべきではないかと思っています。
 人口減少が進んでいる地方において観光業を中心とするサービス業を発展させることが、地方創生あるいは地域活性化につながっていく。我が国には、先生のお地元もそうでありますように、それぞれ独自の文化、伝統を育み、また魅力ある観光資源に富んでいるわけでございまして、IRの推進によりましてこれからますます地方に観光客がふえていくように、またそうしていかなければいけないというふうに私ども考えているところでございます。

○谷川(弥)委員 六番目に、IRを推進するに当たって、最後にもう一回、政府にはお尋ねしますが、国の果たすべき役割は何なのかをお尋ねします。

○岩屋議員 お答え申し上げます。
 まずは、新しい取り組みでありますIRのコンセプトを国が明確に打ち出すことによって、地方公共団体や民間事業者の意欲を喚起する必要があるというふうに思っておりまして、そのための第一歩がこの推進法案であると私ども考えております。
 今回の推進法案におきましては、国は、国際競争力の高い魅力ある観光地の形成、さらに、観光産業等の国際競争力の強化、三番目に、地方経済の振興のために必要な措置を講ずる、四番目に、地方公共団体のすぐれた構想を反映させるための措置を講ずるというふうにいたしております。
 IRの円滑かつ着実な推進に当たりましては、したがって、国がこういった基本方針を、基本指針と言ってもいいと思いますが、これをしっかりと策定するなどしてその方向性を示すということが、国の役割になろうかと思います。
 さらに、国は、カジノ施設関係者に対する規制を適切に行う独立の機関といたしましてカジノ管理委員会を設ける、そのカジノ管理委員会によりまして厳しく事業者を規制するとともに、カジノ施設の設置が社会に及ぼす影響等について国民の不安や懸念を払拭するため、カジノ施設における不正行為の防止や有害な影響の排除のための必要な措置を講ずることといたしております。
 その具体的な措置の中身につきましては、この推進法案を成立させていただければ、一年以内に政府が実施法案の中でしっかりと規定をするということになるわけでございます。

○谷川(弥)委員 七番目に、入場者についての規制は想定していますか。
 例えば、未成年者や生活保護受給者、過去に犯罪歴のある人のカジノへの入場制限をすることは想定しているか、お尋ねいたします。

○西村(康)議員 お答え申し上げます。
 まさに大事な視点でございまして、カジノ施設への入場者への規制ということにつきまして、御指摘ありました、青少年の健全な育成、あるいは暴力団等の関与の排除、ギャンブル依存症への対策、こういったために必要ではないかというふうに考えております。
 そうした観点から、法案の第十条二項に、「カジノ施設への入場に関し必要な措置を講ずるものとする。」という規定も入れているところでございます。
 少なくとも、未成年者がカジノ施設に入場することは禁止をし、入場に当たっては、写真つきの身分証明書等、マイナンバーカードなんかもその一つだと思いますが、年齢確認等を行うことも考えられると思います。また、入場規制として、欠格要件を設けたり罰則を設けたりすることも考えられるわけでありまして、具体的内容につきましては、政府において策定される実施法、この中で規定をされるものというふうに考えております。
 ちなみに、ギャンブル依存症対策として、シンガポールでは、自己排除あるいは家族排除プログラム等、つまり、家族が、うちの家族の一員である夫はもう行かせないでくれといったような、そういった申し出によって抑止政策が実施されておりまして、こういった諸外国のさまざまな取り組みも、実施法案の中で今後考える、検討に当たっては参考になるものというふうに考えております。

○谷川(弥)委員 似たような質問ですが、重なっていたら飛ばしてください。
 カジノの導入によって社会的問題がいろいろ、例えば依存症とかマネーロンダリング、暴力団、地域の風俗環境、青少年に及ぼす影響等に対する国や地方公共団体の対応として、具体的にどのようなことを考えていらっしゃるか、教えてください。

○西村(康)議員 お答え申し上げます。
 御指摘ありました、カジノの導入に際して想定される社会的問題に対する具体的な対策について、政府において一年以内を目途に策定される実施法の中で規定されるものというふうに考えておりますけれども、この法案でも、第十条におきまして幾つかの項目についてしっかりと、必要な措置を講ずるという規定を設けておりまして、例えばチップ等の金銭代替物の適正な利用とか、暴力団員の関与の排除とか、青少年の健全育成とか、ギャンブル依存症対策、こういったことについて必要な措置を講じることにしております。
 依存症対策については、先ほども申し上げましたけれども、カウンセリングの枠組みとかあるいは治療等の体制整備、事業者における配慮義務、あるいは教育、こういったものについて、実態を把握しながらしっかりと政府において対応していくことを求めたいというふうに思っております。
 一方、地方公共団体は、このIR区域及びその周辺環境の健全化、安全化、こういったこと、あるいは、カジノが社会、その地域に与える問題やリスクを最小限に抑制していくために取り組んでいくということが期待をされるというふうに思います。
 いずれにしましても、政府が策定をする実施法案の中でしっかりと規定をしてもらいたいというふうに思っております。

○谷川(弥)委員 日本でギャンブル依存症の疑いがある成人は約五百三十六万、その人口に対して四・八%という厚生労働省の研究班の調査結果がありますが、カジノを合法化してIRを推進することによりギャンブル依存症が増加する懸念があるのではないかと心配されますが、対応策についてお尋ねいたします。

○西村(康)議員 御指摘のギャンブル依存症対策というのは、物すごく大事な点だというふうに思っております。ぜひ、こうしたギャンブル依存症を含めて社会的な考えられる問題、これをしっかりと排除して、最小限に抑制していくということが最重要の課題というふうに考えております。
 ギャンブル依存症については、公営競技等において既に存在する問題であるというふうに認識をしております。
 国においても、厚労省において現状について調査研究を行って、毎年一定の対策を講じてきているものというふうに承知をしております。
 二十八年度も、本年度末までを対象として依存症に対する調査を行っておりまして、こうしたものを踏まえてしっかりと対応していくことが必要だというふうに考えております。
 先ほど申し上げました諸外国の例とか最新の知見、こういったものを踏まえて、ギャンブル依存症の減少、シンガポールなんかでは減少をさせていますので、こういったことを参考にしながら、ぜひ万全の対策を講じてもらいたいというふうに思っております。
 あわせて、効果的にこの依存症対策を推進するために、地方公共団体、あるいはNPO、NGO、こういったところとも連携をとりながら、細やかな対策を講じていくことが大事だというふうに思っております。
 シンガポールの例で申し上げると、一・二%から〇・二%に下がったりしておりますので、そういった取り組みを参考にしてぜひ取り組んでもらいたいというふうに思っております。

○谷川(弥)委員 質問の最後に、政府にお尋ねしますが、本法案第五条において、政府は、本法案で定める基本方針に基づいて、特定複合観光施設区域の整備の推進を行うものとし、そのために必要な法制上の措置について、この法律の施行後一年以内を目途として講じなければならないとしているが、本法案が成立した場合、政府は今後どのような法整備を進めていくおつもりか、お尋ねいたします。

○中川政府参考人 お答え申し上げます。
 議員立法でありますこのIR推進法案第五条におきまして、政府は、特定複合観光施設区域の推進に必要な法整備の措置につきましては、推進法案の施行後一年以内を目途として講じなければならないとされていることは承知しております。
 このため、この推進法案が施行されました場合には、既にここの場でも御議論をいただきましたように、カジノ施設関係者に対するカジノ規制ですとか、あるいは入場規制などについての海外の先進的な事例なども参考にしつつ、この推進法案等に関する国会の場での御議論ですとか、あるいは国民的な議論を踏まえ、国民の納得を得ながら検討を進めていくことになるというふうに承知しております。

ちなみに谷川議員の発言は全部で5764文字。内訳を簡単に出すと、
般若心経と心を耕す教育について 1807文字、31%。
長崎県の水産業と造船業の話 824文字、14%。
占領軍が日本の伝統文化を破壊した話 376文字 7%。
敗戦経験から戦いを忌避したが一次産業の弱点を助けるべきという話 684文字、12%。
グローバル化する世界とアベノミクスが効かない日本という話 495文字、9%。
合計で73%。

今更だけど、質問の部分だけを抽出する方が早かった。


 一つは、特定複合観光施設とは何なのか、なぜカジノを合法化しようとするのか、お尋ねしたいと思います。

次に、カジノを合法化することの社会的な問題やリスクについてどのようにお考えなのか、お尋ねいたします。

次に、三点目に、IRの推進、導入にはどのような効果があるのか、お尋ねしたいと思います。

次に、IR推進の目的の一つに観光振興というのが挙げられていますが、IRは観光振興に本当に役立つのか、お尋ねしたいと思います。

 地域の活性化、地方創生の達成のためにIRを活用すべきだと僕は思っているんですが、いかがですか。

六番目に、IRを推進するに当たって、最後にもう一回、政府にはお尋ねしますが、国の果たすべき役割は何なのかをお尋ねします。

七番目に、入場者についての規制は想定していますか。
 例えば、未成年者や生活保護受給者、過去に犯罪歴のある人のカジノへの入場制限をすることは想定しているか、お尋ねいたします。

似たような質問ですが、重なっていたら飛ばしてください。
 カジノの導入によって社会的問題がいろいろ、例えば依存症とかマネーロンダリング、暴力団、地域の風俗環境、青少年に及ぼす影響等に対する国や地方公共団体の対応として、具体的にどのようなことを考えていらっしゃるか、教えてください。

日本でギャンブル依存症の疑いがある成人は約五百三十六万、その人口に対して四・八%という厚生労働省の研究班の調査結果がありますが、カジノを合法化してIRを推進することによりギャンブル依存症が増加する懸念があるのではないかと心配されますが、対応策についてお尋ねいたします。

質問の最後に、政府にお尋ねしますが、本法案第五条において、政府は、本法案で定める基本方針に基づいて、特定複合観光施設区域の整備の推進を行うものとし、そのために必要な法制上の措置について、この法律の施行後一年以内を目途として講じなければならないとしているが、本法案が成立した場合、政府は今後どのような法整備を進めていくおつもりか、お尋ねいたします。


谷川議員、自分でこの質問項目考えたのかなあ。誰かが作ってくれたメモを読んだだけだったりして。

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2019/04/26

天皇の謝罪をめぐる狂騒曲

天皇に対する人々の臣民っぷりがよく表れた記事。
人間宣言から何年経ったか知らないけど、相変わらず現人神なんだなあとこういう記事を見て思う。

天皇陛下のブルーギル「持ち帰り謝罪」発言 舞台裏を証言(京都新聞) - Yahoo!ニュース(4/26(金) 13:11配信)

「ブルーギルは50年近く前、私が米国より持ち帰りました」。2007年、天皇陛下は大津市で開かれた「全国豊かな海づくり大会」の式典で驚きの発言をされた。琵琶湖の在来魚を減らすほどブルーギルが異常繁殖した事態に「心を痛めています」と後悔の思いを明かした。発言の舞台裏には何があったのか。関係者の証言から振り返る。
 陛下は皇太子時代の1960年、訪米先のシカゴ市長から贈られたブルーギルを日本に持ち帰り、水産庁の研究所に寄贈された。魚類学者らには知られた話だったが、陛下自身が公の場で語るのは海づくり大会が初めてだった。

「実は、大会の告知ポスターからブルーギルを外したんです」。
 滋賀県の海づくり大会準備室長だった東清信さん(64)=現びわ湖放送社長=は語る。琵琶湖を泳ぐブラックバスの写真を用い、在来魚が食べられる被害をPRしたが、同じ「厄介者」のブルーギルは写っていない。「陛下との関係を考えると、避けた方がいい」と配慮した。
 大会3カ月前の07年夏、準備室は宮内庁の求めに応じて、陛下の「お言葉」に関する県の原案を出した。在来魚の漁獲量回復を願う内容で、ブルーギルには触れなかった。
 式典2日前の11月9日午後10時半ごろ、宮内庁から県に「お言葉」の原稿がファクスで届いた。帰宅していた東さんは職員から「どうしましょう」と連絡を受けた。思いもよらぬブルーギルの記述があったからだ。「琵琶湖に迷惑を掛けた、と陛下が謝ろうとされている」と仰天した。

 宮内庁は陛下が来県する翌日の昼までに、事実誤認がないか確認するよう求めていた。準備室は深夜に県幹部に連絡を取り、ブルーギルの記述への対応を協議した。「ここまで言っていただくのは忍びない。削除の意見を伝えては」との声もあったが、最終的には翌朝、「この通りで大丈夫です」と回答したという。
 そして11月11日。陛下は式典に出席した1300人の前でブルーギルを持ち帰ったと語られた。「当初、食用魚としての期待が大きく、養殖が開始されましたが、今、このような結果になったことに心を痛めています」
 会場では「おー」というどよめきが上がった。
 外来魚問題に悩まされてきた漁師たちは顔を見合わせて、「陛下も心配してくれていたんだ」と口にした。その姿を見て、東さんは「言っていただいて良かった」と思わず目を潤ませた。
 東さんは大会後、宮内庁の担当者から「遅くなって申し訳ありません。ただ、陛下から原稿が出てきたのが、あのタイミングだったんです」と伝えられた。
 琵琶湖では外来魚問題が一因となり、漁獲量が減り続けている。東さんは「陛下もずっと悔やんでこられたのでは。直前までお言葉を熟考されていたのだろう」と推し量った。
別の証言者は語る 侍従とのやりとりとは

天皇陛下のブルーギルに関する原稿が「当初、おわびの色合いがもう少し強かった」と証言する人もいる。
 魚類学者でもある陛下と皇太子時代から親交がある神戸学院大教授の前畑政善さん(68)=大津市=だ。海づくり大会当時、県立琵琶湖博物館(草津市)の上席総括学芸員だった。
 大会の2日ほど前、陛下の侍従から「間違いがないか見てほしい」と原稿案が届いたという。前畑さんは「ブルーギルの部分で(当日の原稿より)謝罪やおわびのような文言が書かれていたと思う」と記憶している。
 ブルーギルはスズキに似た味わいで、60年当時、食用魚として有望視されていた。前畑さんは「当時は外来魚の食害が知られていなかった。陛下が悪いわけではない」と考え、「ここまで謝罪する必要はないのでは」と侍従に意見を伝えたという。

 それでも、お言葉には「心を痛めている」の表現が入った。
「よほど後悔されていたのだろう。(外来魚問題が広がる中で)勇気のある発言だと思う。事実は事実として認める、科学者らしい姿勢だ」と前畑さんは感じている。

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朝鮮人の民族教育を守ろうと呼びかける手塚治虫のコラム

Satoko Oka Norimatsuさんのツイート: "1966年4月16日、手塚治虫… "

手塚治虫が書いた朝鮮学校を守ろうと主張する手塚治虫のコラム。朝鮮時報1966年年4月16日付とのこと。
文字起こしされたものがあるかと思ったが検索にかからないので、勝手ながらここに掲げておく。この切り抜きを紹介したSatoko Oka Norimatsu氏に謝意を表する。

下記の文献を参考にすると、この手塚のコラムは1966年に自民党が提案しようとした「外国人学校制度」への反対の一環として書かれたものだと思われる。この自民党の「外国人学校制度」は「朝鮮人の行き過ぎた民族教育を是正」する意図を持ったものだったとされている(マキー(2013), p.50)。

手塚は「かれらは弾圧の理由づけの一つとして、朝鮮人の民族教育を「反日教育」だといっていますがこれも笑止の至りです」と述べている。彼の指摘は、その後50年を経てもなお、生き続けていると言っていいだろう。

手塚治虫が現代の日本のマンガやアニメの大きな源流の一つであることは論を待たないと思うが、いわゆる「オタク」の人々の中でも朝鮮学校の無償化に反対する人々は、その彼がこのような意識を持って政治的な主張を行っていたことについてどのような思いを抱くのだろうか。

私は広く呼びかけたい 在日朝鮮人の民族教育を日本人の手で守ろう 手塚治虫

挑戦の人たちは好きこのんで日本へやって来たのではありません。日本の軍国主義の犠牲となって、民俗の歴史を奪われ、ふみにじられ、強制労働につかわれたかたがたです。最低の生活に追いつめられ、偏見と蔑視の中で何十年も生きぬいてこられたのです。私は、日本人として本当に恥ずかしく、申しわけなく思います。
しかしその弾圧の歴史の中にあって、常に民族の誇りを持って抵抗し、ついに解放と再建の非を勝ち取られた朝鮮民族は偉大です。それは、朝鮮という祖国の歴史を教え、家庭の歴史を子弟に教えた朝鮮人の功績でしょう。
朝鮮人が、なぜ時刻の歴史や文化を、朝鮮人の教師によって朝鮮語で学んではいけないのでしょうか。逆に、われわれは、朝鮮人に対して行なった、かつての日本軍国主義の強圧政策を、どのくらい知っているでしょうか。更にまた、われわれはこれをふたたび繰返さぬようどれほど反省しているのでしょうか。
今回の「学校教育法改正」はそれらに全く耳をふさいだ、軍閥時代のよう腫(しゅ)が、またもや表面に吹出し始めたと思うほかありません。それらの法案を作成し通過させようという連中は、その暗黒時代にそれによって利益を得たり、あるいは植民地的蔑視に頭がこりかたまった、ごく一部の亡者たちでしょう。
人種差別を更に強め、母国の歴史も学べぬような骨抜きの教育を強制し、朝鮮人でも、日本人でもない自覚のない人間をつくることを意図しているこんどの法案は、まさしく改悪どころか、問題にならぬ愚案です。この法案が可決されれば、朝鮮人子弟が卑屈感と無国籍的人間性を助長されることは間違いありません。
日本の歴史から考えるに、「外国人」ということばから、すぐヨーロッパ人とアメリカ人を連想します。朝鮮人はその中に含まれてはいないといっても過言ではありません。
口では民主主義政治を唱えながら政府がまたもや朝鮮人に政治的な弾圧を加えようとしていることは、許せないことです。
かれらは弾圧の理由づけの一つとして、朝鮮人の民族教育を「反日教育」だといっていますがこれも笑止の至りです。こんなことをいっている当局者には、日本人自身に民主主義教育を行なうことすらおぼつかないのではないでしょうか。
ある日本の公立中学校に在学していた朝鮮人学生が、朝鮮人学校へ転校したとき、同級の日本人中学生は「母国語を勉強し、いつかは母国のために役立つことが本人にとっても幸福なのだ」と感想をのべて、かわらぬ友情を誓いあったといいます。
私はこのことに素直な共感を覚えます。教育とは、本人のためにもなり、また社会や母国のためにもなるべきものです。強制され、歪(ゆが)められたわくの中で教えられるべきではありません。日本人も朝鮮人も、それぞれ民族的で民主的な教育を受けるのは当然の権利です。いま少くない日本国民はつんぼ桟敷(さじき)におかれ、平和ムードと政治家の詭弁(きべん)とに麻痺(まひ)してこのような重大な問題が次々に国会を通過し実現してしまうのをみすごしています。
日本国民は朝鮮人の民族教育が政府に弾圧されぬようこれを阻止し、日本人の手によってこれを守っていかなければなりません。私はそのことを広くよびかけたいと思います。
(漫画家)


参考
マキー智子(2013)「「外国人学校制度」創設の試み : 日韓会談期における在日朝鮮人対策の模索」北海道大学大学院教育学研究院紀要, 118: 27-57
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/52887/3/AA12219452_118_02.pdf

韓東賢(2015)「朝鮮学校処遇の変遷にみる「排除/同化」―戦後日本の「排除型社会」への帰結の象徴として―」教育社会学研究第96集, 109-129 https://www.jstage.jst.go.jp/article/eds/96/0/96_109/_pdf/-char/ja

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2019/04/23

文科省、天皇の即位への祝意を学校に命令。

もはや、建前で本音を隠すことすらしなくなった。信仰の強制への抵抗が弱まっていることの現れでもあるだろう。

天皇の退位と即位への祝意 学校で理解させるよう通知 | 教育新聞 電子版(2019年4月23日)

令和が始まる5月1日の天皇即位の日に合わせ、文科省は4月22日付の全国の都道府県教育委員会などに向けた通知で、学校で児童生徒に天皇の退位と皇太子の即位に国民が祝意を表す意義を理解させるよう、配慮を求めた。

通知では、天皇の退位について定めた「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」や、天皇が即位する5月1日を祝日とした「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」の趣旨を踏まえ、あらかじめ適切な方法で、国民が祝意を表する意義を児童生徒に理解させることが適当と思われるとし、教育委員会を通じた周知と学校への配慮を求めた。

文科省では4月2日付で、即位当日に祝意を表すために、学校での国旗掲揚の協力を通知している。

しかし、自分が教育委員会とか学校長だったりしたら、さすがにこれは処分覚悟で無視するかもしれないなあ……あまりにこれは……。まあそれをさせないための綿密な指示と恫喝が降りてくるんだろうけれども……。

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2019/04/22

天皇教が国教である証拠……というか、信仰だという認識すらない証拠

そして日の丸君が代が天皇信仰と一体になっていて、それ故にそれへの反対が信者の感情を刺激するのだということも分かる。
日本は政教分離の国だということになっているけれど、自治体がこういう行事をやっても問題にされないわけで。

伊勢 1500人、両陛下に感謝の「提灯行列」 三重(伊勢新聞) - Yahoo!ニュース(4/18(木) 11:00配信)

 【伊勢】三重県の伊勢神宮内宮周辺では、天皇皇后両陛下への感謝を表す「提灯(ちょうちん)行列」があり、約1500人が午後6時半から約1時間、内宮前の「おはらい町」を練り歩いた。

 伊勢市や伊勢商工会議所などでつくる御大礼奉祝委員会(会長・鈴木健一伊勢市長)が主催。小雨が降る中、鈴木会長や上島憲委員長、鈴木英敬知事らを先頭に、参加者は提灯や日の丸の小旗を手におはらい町を歩いた。

 参加者は宇治橋前で伊勢神宮を遙拝。国歌斉唱と万歳三唱の後、上島委員長が「伊勢に生まれた幸せをかみしめながら歩き、雨の中、一生の良い思い出ができた。これからも皇室を軸に日本が平和に発展してほしい」と話した。

 三男の颯君(7つ)と一緒に参加した同市楠部町、県職員松本忠さん(53)は「息子に両陛下への感謝の気持ちを持ってもらいたいと考え、参加した。今は心が洗われるような思い。息子にとっても良い経験になったと思うのでありがたい」と語った。

記事最後の人のコメントが敬虔な信者の感情を表していてなかなかよい。

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天皇制反対の横断幕を発注したら制作業者に断られたという話。

「終わりにしよう天皇制!」という語が「公序良俗に反する」という理由だったとか。

おわてんねっとさんのツイート: "たった今衝撃の一報 反天ウィークのために業者に発注をかけた横断幕が、文言の確認段階で「公序良俗に反する」という理由でキャンセルされました これは、ひどい なんということだ 公序良俗・・・えっーーー"

おわてんねっとさんのツイート: "ちなみに書いてもらう予定だった内容は、普通に「終わりにしよう天皇制!」でした って、このアカウント自体が公序良俗違反かい! もう天皇制の是非を表明することは、公序良俗に反するんですね。 次の公序良俗違反人間は、君だ! (ヤケクソ)"

以前「オウム真理教は出て行け」などという看板などが街のあちこちに立っていたけれども、ああいうのもこの業者さんは断るのかなあ。

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2019/04/19

NHKが天照大神(アマテラス)を皇室の祖先だと断言したらしいという話

NHKが天照大神(アマテラス)を皇室の祖先だと断言したらしいという話

日本で天皇教の浸透が進んでいる例としてとりあえずメモ。

NHKニュース「皇室の祖先の「天照大神」がまつられる伊勢神宮」に「NHKは神話と現実を統合?」と話題 - NAVER まとめ

詳細は上記を参照。

元記事。
両陛下 退位前に伊勢神宮参拝の儀式 | NHKニュース(2019年4月18日 20時25分)

更新日時を見ると、上記の「まとめ」に上がった後の時間に訂正されているようだ。

三重県を訪問している天皇皇后両陛下は、今月30日の天皇陛下の退位を前に、18日、皇室の祖先をまつる伊勢神宮に参拝する儀式に臨まれました。

17日から三重県を訪問している両陛下は、18日午前、衣食住や産業の守り神がまつられる伊勢神宮の外宮にお一人ずつ参拝されました。

はじめに、モーニング姿の天皇陛下が、外宮の中心の正殿がある正宮の前で、皇位継承の象徴とされる三種の神器の剣と曲玉とともに車を降りられました。

そして、正宮の中に入り、正殿の前で玉串をささげて拝礼されたということです。白の参拝服姿の皇后さまも、玉串をささげて拝礼されたということです。

両陛下は、午後には、皇室の祖先をまつる伊勢神宮の内宮にそれぞれ参拝されました。

天皇陛下は車に乗って玉砂利が敷き詰められた参道をゆっくりと進み、途中、伊勢神宮の関係者や地元の子どもたちが整列して迎えると、会釈をするなどしてこたえられました。

天皇陛下は、正殿がある正宮に続く階段の前で車を降り、剣と曲玉を持った側近の職員とともに階段をのぼられました。そして正殿の前で、玉串をささげて拝礼されたということです。このあと、皇后さまも玉串をささげて拝礼されたということです。

18日の伊勢市は晴天に恵まれ、内宮と外宮の間の沿道では大勢の人たちが小旗を振るなどして両陛下を歓迎しました。

両陛下の車列はスピードを落として歓迎する人たちの前を進み、天皇陛下と皇后さまは窓をあけて手を振ってこたえられました。

伊勢神宮の参拝を終えた両陛下は、午後4時半前、内宮を出発し、宿泊先のホテルがある志摩市の賢島に向かわれました。

近鉄宇治山田駅の前には、何重にも人垣ができ、大勢の人たちが手や小旗を振って見送ると、両陛下は何度も左右を見渡しながら笑顔で手を振ってこたえられました。

宮内庁によりますと、両陛下は、専用列車に乗り込むと、窓のそばに立ち続けて、沿線で待ち受けていた人たちに手を振られていたということです。

そして午後5時すぎ、近鉄賢島駅に到着されました。駅前では大勢の人たちが出迎え、両陛下はにこやかな表情で手を振られていました。

沿道では、18日一日で延べ4万3000人余りが両陛下を迎えたということです。

両陛下は、このあと、午後6時前、宿泊先のホテルに入られました。

両陛下は、今夜、伊勢神宮の主な祭りをつかさどる「祭主」を務め、18日の儀式にも立ち会った長女の黒田清子さんや、伊勢神宮の関係者と夕食をともにし、ねぎらわれたということです。

両陛下にとってこれが天皇皇后として最後の地方訪問になり、19日、東京に戻られます。
即位時の儀式との違い
宮内庁は憲政史上初めてとなる天皇陛下の退位に関する一連の儀式について、天皇陛下のお気持ちを踏まえて、全体として粛々と静かに執り行うことにしています。

天皇陛下は、即位にあたって平成2年11月に伊勢神宮に参拝する儀式に臨んだ際には、古くから儀式での天皇の装束とされる「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」を身につけ、儀式用の馬車に乗って参道を進まれました。

一方、天皇陛下の退位に伴う今回の儀式の式次第は、即位の時の枠組みを基本に天皇陛下のお気持ちに沿ってまとめられ、天皇陛下はモーニングを着用し、移動には車を使って参拝に臨まれました。
沿道には多くの人たちが
伊勢神宮内宮近くの沿道には朝早くから両陛下の姿を一目見ようと多くの人が並んでいました。

60年前、ご結婚の報告のため伊勢を訪問された両陛下を見たという67歳の男性は「当時、小学生でしたがとても穏やかな表情で手を振ってくださったのを覚えています。天皇として最後なので一目見たいと思って来ました」と話していました。

また、四日市市から来たという69歳の女性は「平成最後なので30年間の感謝の気持ちを少しでも伝えようと思い、朝4時半に起きて来ました」と話していました。

この記事に付けられた「はてなブックマーク」では、『天照大神』の痕跡がうかがえる。(「皇室の祖先の「天照大神」」)

はてなブックマーク - 両陛下 退位前に伊勢神宮参拝の儀式 | NHKニュース

訂正前の魚拓が残っていた(archive.fo)。
両陛下 退位前に伊勢神宮参拝の儀式 | NHKニュース(2019年4月18日 20時25分)……魚拓時では記事更新日時は上と同じになっている。

三重県を訪問している天皇皇后両陛下は、今月30日の天皇陛下の退位を前に、18日、皇室の祖先をまつる伊勢神宮に参拝する儀式に臨まれました。

17日から三重県を訪問している両陛下は、18日午前、衣食住や産業の守り神がまつられる伊勢神宮の外宮にお一人ずつ参拝されました。

はじめに、モーニング姿の天皇陛下が、外宮の中心の正殿がある正宮の前で、皇位継承の象徴とされる三種の神器の剣と曲玉とともに車を降りられました。

そして、正宮の中に入り、正殿の前で玉串をささげて拝礼されたということです。白の参拝服姿の皇后さまも、玉串をささげて拝礼されたということです。

両陛下は、午後には、皇室の祖先の「天照大神」がまつられる伊勢神宮の内宮にそれぞれ参拝されました。

天皇陛下は車に乗って玉砂利が敷き詰められた参道をゆっくりと進み、途中、伊勢神宮の関係者や地元の子どもたちが整列して迎えると、会釈をするなどしてこたえられました。

天皇陛下は、「天照大神」がまつられる正殿がある正宮に続く階段の前で車を降り、剣と曲玉を持った側近の職員とともに階段をのぼられました。そして正殿の前で、玉串をささげて拝礼されたということです。このあと、皇后さまも玉串をささげて拝礼されたということです。

18日の伊勢市は晴天に恵まれ、内宮と外宮の間の沿道では大勢の人たちが小旗を振るなどして両陛下を歓迎しました。

両陛下の車列はスピードを落として歓迎する人たちの前を進み、天皇陛下と皇后さまは窓をあけて手を振ってこたえられました。

伊勢神宮の参拝を終えた両陛下は、午後4時半前、内宮を出発し、宿泊先のホテルがある志摩市の賢島に向かわれました。

近鉄宇治山田駅の前には、何重にも人垣ができ、大勢の人たちが手や小旗を振って見送ると、両陛下は何度も左右を見渡しながら笑顔で手を振ってこたえられました。

宮内庁によりますと、両陛下は、専用列車に乗り込むと、窓のそばに立ち続けて、沿線で待ち受けていた人たちに手を振られていたということです。

そして午後5時すぎ、近鉄賢島駅に到着されました。駅前では大勢の人たちが出迎え、両陛下はにこやかな表情で手を振られていました。

沿道では、18日一日で延べ4万3000人余りが両陛下を迎えたということです。

両陛下は、このあと、午後6時前、宿泊先のホテルに入られました。

両陛下は、今夜、伊勢神宮の主な祭りをつかさどる「祭主」を務め、18日の儀式にも立ち会った長女の黒田清子さんや、伊勢神宮の関係者と夕食をともにし、ねぎらわれたということです。

両陛下にとってこれが天皇皇后として最後の地方訪問になり、19日、東京に戻られます。

即位時の儀式との違い

宮内庁は憲政史上初めてとなる天皇陛下の退位に関する一連の儀式について、天皇陛下のお気持ちを踏まえて、全体として粛々と静かに執り行うことにしています。

天皇陛下は、即位にあたって平成2年11月に伊勢神宮に参拝する儀式に臨んだ際には、古くから儀式での天皇の装束とされる「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」を身につけ、儀式用の馬車に乗って参道を進まれました。

一方、天皇陛下の退位に伴う今回の儀式の式次第は、即位の時の枠組みを基本に天皇陛下のお気持ちに沿ってまとめられ、天皇陛下はモーニングを着用し、移動には車を使って参拝に臨まれました。

沿道には多くの人たちが

伊勢神宮内宮近くの沿道には朝早くから両陛下の姿を一目見ようと多くの人が並んでいました。

60年前、ご結婚の報告のため伊勢を訪問された両陛下を見たという67歳の男性は「当時、小学生でしたがとても穏やかな表情で手を振ってくださったのを覚えています。天皇として最後なので一目見たいと思って来ました」と話していました。

また、四日市市から来たという69歳の女性は「平成最後なので30年間の感謝の気持ちを少しでも伝えようと思い、朝4時半に起きて来ました」と話していました。

一見、単なる言い間違いで小さな誤りのように思えるかもしれない。しかし、これを「小さな誤り」と考えること自体が、天皇教の浸透が進んでいることの証でもある。
今回の記事では、NHKという一定の水準の訓練がなされているはずの機関で、記者が「皇室の祖先の天照大神」と書き、しかも校正も通ったことになる。つまり、NHKのメディア専門職の中の何人もの人でも「皇室の祖先=天照大神」という認識に違和感を持たず、あたかも常識のように考えていたということを示唆している。(政治的圧力があったのなら別だけど、多分そんなことではないだろう。)
これは、NHKの人たちが、「皇室の祖先は神」という神話を記事に断り無しに挿入しても国民が違和感を持たないだろうと思うぐらいに、この神話が親しまれている(あるいは真実だと思われている)と思っているということだろう。
政府見解に反する事実については過剰なぐらいに「……とされている」という語句を挿入するメディアが、この神話については「……とされている」という語句を入れなかったということは、この天皇神話の常識化、あるいはこの神話を喧伝することの政治的「正しさ」の度合いが高まっていることを意味していると言えるだろう。

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2019/04/16

都教委の日の丸君が代信仰、順調にエスカレート。

カルトっぽさにますます磨きがかかってきたのでメモ。

ていうか、にわかに本当とは思えないぐらい現実離れしてるな。

これが都教委強制の卒業式「所作」指示文書 「国旗に敬礼、君が代を高らかに斉唱」(週刊金曜日) - Yahoo!ニュース(4/16(火) 10:16配信)


「壇上の国旗に役人が深々とロボットのように何度も礼をし、天皇賛美の歌を大声で歌った。異常です」。今年3月、東京23区内の都立高を卒業した生徒は式後、校門外で取材していた筆者に語った。

 都民の情報開示請求に東京都教育委員会が3月28日、出してきた文書により、この全体主義的な所作の元凶が、明らかになった。

 以下に示すのは、卒業式に挨拶文読み上げ名目で派遣する幹部職員に対して都教委が今年初めて手渡した「卒業式等における東京都教育委員会挨拶等の所作について」という文書だ。「国旗に正対し、声高らかに、国歌を斉唱してください」のほか、挨拶文のための登・降壇時だけで全部で8回の礼を指示。国旗に敬礼する役人が「尻を向け」るのは生徒・保護者。都教委は人間より1枚の旗のほうが大事だと考えているのか。“君が代”強制を強化する2003年の10・23通達をも超える内容だ。

 もう1種開示の、ここ数年同内容の「卒業式等派遣者用マニュアル」は、「国歌斉唱(「国旗に正対してください)」と、前出の所作の文書に屋上屋を重ね、「当日の服装は略礼服・ダークスーツ等」との文言は作成時の削除ミスのせいか計3回も載せ、「2020東京オリンピック・パラリンピックのバッジ」着用は2回繰り返し、強制している。

 石田周指導企画課長は小池百合子知事のサイン入り「お祝いのメッセージ」を副校長等が読み上げ、掲示もするよう通知。「来年は卒業式後すぐ知事選。事前運動になる」との都民の抗議に、担当者は「法的問題はない」と答えた。

 管理統制型ではなく、生徒が主人公の式に転換させるには、授業で“君が代”など意見の分かれるテーマを扱う際に、政府見解に偏重せず多様な教え方が保障されるべきだ。

(永野厚男・教育ジャーナリスト、2019年4月5日号)

******************************

この記事には、上記「卒業式等における東京都教育委員会挨拶等の所作について」の一部が画像として紹介されている。面白いので書き起こしておく。

「卒業式等における東京都教育委員会挨拶等の所作について」

司会 「一同起立」「開会の辞 …」

司会 「国歌斉唱」(「一同起立」開会の辞から起立のままの学校も多くあります。)
   「前奏に引き続きご斉唱ください」

◎国旗に正対し、声高らかに、国歌を斉唱してください。

司会 「東京都教育委員会挨拶 教育庁○○部○○課長 ○○○○様」
   「教職員、生徒起立(座礼の学校もあります)」
① 起立し、自席側を振り返り、着席者に礼(1回目)
② 反対側の来賓席に向かい、着席者に礼(2回目)
③ 登壇し、数歩国旗に向かって歩き、姿勢を正して国旗に向かって礼(3回目)
④ 演台に進み、中央に立ち正面(生徒)を見る。

司会 「礼」
⑤ 司会の発声に合わせて、(4回目)
⑥ 挨拶文をゆっくりと生徒に語りかけるように読み上げる。
⑦ 読み上げを終えたら、中央に立ち正面(生徒)を見る。

司会 「礼」
⑧ 司会の発声に合わせて、(5回目)
⑨ 先ほど、国旗に対して礼をした場所まで歩き、振り返り(振り返るときに国旗にお尻を向けないようご注意ください)、国旗に正対する。
  姿勢を正して国旗に向かって礼(6回目)
⑩ 降壇し、自席まで戻る。
⑪ 反対側の来賓席に向かい、着席者に(7回目)
⑫ 自席側の着席者に、着席(8回目)    ◎全部で8回の礼をします。

司会 「着席」
(後略)
******************************

「礼」に関わるところが太文字ゴシックで強調されているところ、特に「国旗に向かって」の箇所を強調に含めているのが笑える。
あと、「振り返るときに国旗にお尻を向けないようご注意ください」というのも最高におかしい。イキすぎていて逆にパンクっぽさを感じる。
この文書、東京都の公務員試験を突破した、それなりの秀才の一人があれこれ考えて書いたんだよなあ。そう思うとなおさら面白い。こんな文書作るのに時間をかけてねえ…。

上手く表現できないが、なんともニッポンらしいというかお役所らしいというか、仰々しさとくだらなさ、繁文縟礼、形式主義と全体主義が横溢していて、2019年の今日においても、百年前の先祖たちと何も変わらないダメダメさ加減を子孫の我々も引き継いでいるのかと思うと、あまりに微笑ましくて、乾いた笑いが出てくるね。

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2019/04/12

例外規定を最大限活用して支出実態を隠す人と、その追及に及び腰の監督官庁という話。

2017年の記事。

鈴木俊一五輪相に架空計上疑惑か 政治資金1658万円に領収書がない? - ライブドアニュース(2017.08.18 07:00 週刊ポスト)

【魚拓】鈴木俊一五輪相に架空計上疑惑か 政治資金1658万円に領収書がない? - ライブドアニュース(2017年8月18日 7時0分)

 内閣改造でオリンピック・パラリンピック担当大臣に就任した鈴木俊一氏(64)。父は鈴木善幸元首相、姉は麻生太郎・財務相兼副総理の妻という名門政治家一族の“サラブレッド”だが、早々に出てきたのは金にまつわる問題だった。

 鈴木氏が代表を務める資金管理団体「清鈴会」が、3年間で1412万円ものガソリン代を計上していたことを、『週刊新潮』(8月9日発売)が「3年で地球33.8周分」と報じた。ただ、問題はそれだけに止まらなかった。

◆例外規定の「徴難」で1658万円也

「清鈴会」の政治資金収支報告書を仔細に検証すると奇妙な記載に突き当たる。支出の備考欄に記された「徴難(ちょうなん)」の2文字だ。

 徴難とは、収支報告書を提出する際に、「領収書等を徴し難かった支出」を指す。領収書を添付できなかった場合に、「領収書等を徴し難かった事情」、支出の目的、金額、年月日を記載した明細書、もしくは金融機関が作成した振込明細書と「支出目的書」を提出する。

「個人や法人の税務申告に置き換えると、税務調査があった場合、帳簿に支出とあっても、支払った相手が金額を証明している領収書がなければ原則認められません。政治資金における『徴難』のように支出の目的などを自ら記入して済ませる申告方法は、あくまで例外的なものに限られます」(税理士の浦野広明・立正大学客員教授)

 ところが、清鈴会の場合、2015年の「ガソリン代」91万1004円(21回の支出)をはじめ、「郵便代」「労務費」「家賃」などで「徴難」が乱発されている。閲覧可能な過去3年分の報告書を見ると、2013年は495万2069円、2014年は563万5322円、2015年は599万6979円と増え続け、3年間で「徴難」は228件、総額1658万円に及ぶ。そのすべてに領収書がないのである。

 他の閣僚で「徴難」の記載があるのは、松山政司・一億総活躍担当相だけで、「事務用品費」などで2013年(3件)と2015年(4件)にそれぞれ5万円程度だ。鈴木氏の団体が突出して多い。政治資金問題に詳しい日本大学の岩井奉信教授は「非常に不自然」とする。

「国会議員関係の政治団体は1円の支出でも原則、領収書の保存が必要で、使途不明金がないことを政治家自らが明らかにするよう制度設計されています。例外的に徴難が認められている趣旨は、在来線や路線バスの運賃のように慣習上領収書を求めないケースが限定的に存在するからです。領収書が発行される郵便代やガソリン代などに適用することは想定されていない」

 にもかかわらず、清鈴会で「徴難」が最も頻出するのは「郵便代」だ。2015年は290万7202円分(24件)にのぼる。

◆「領収書は全て渡しています」

「徴難」の支払先を取材していくと、より奇妙な実態が浮かび上がる。

「郵便代」の支出先である日本郵便は「全ての支払いに領収証をお渡ししている。仮に料金後納や口座振替だったとしても、郵送で通知を送っている。領収証をお渡しできないということはない」(広報室)と説明する。

 また、2015年1月23日に盛岡市内にあるレンタカー店に支払われた「レンタカー代」9万1808円にも「徴難」の記載があるが、同店舗を取材すると、「基本的に領収書は発行しているし、(支払いの)確認ができれば再発行にも応じる」という。

 さらに清鈴会の収支報告書では、2014年4月3日に「役員会会場費」として宮古市内のホテルに4万8000円を支払ったが、これも「徴難」と記載されている。2013年と2015年に同じホテルに「会場費」を計上した際の収支報告書には「徴難」はなく、領収書があるものとして処理されている。同ホテルの営業部長が困惑気味に回答した。

「台帳を確認しましたが、その日(2014年4月3日)に予約は入っていません。ご利用いただいた場合は、領収書を出すはずですが……」

 ホテルを利用した記録もなく、領収書もないとなれば、架空の経費計上である疑いすら出てくる。

 鈴木事務所に問うと、「4月3日は支払日の記載であり、会議の日を記載したものではない」と回答。収支報告書の「徴難」についてはこう回答する。

「振込で払ったものについて、振込書では支出の目的が書かれていないため、選管からの指導に基づいて『徴難』処理としている。支出を裏付ける振込書はあり、いずれも政治活動の支出として払ったもの」

 本誌・週刊ポストの取材で、支払先が「領収書を発行しないケースはない」と答えていることについて同事務所は、「振込で払ったものには領収書は出せないといわれた。選管の指導に基づき処理した」と説明した。前出・岩井氏はいう。

「不審な点があれば税務調査を受ける個人、法人と違って政治資金管理団体への監査は甘く、突っ込んだ調査はされない。だからこそ支払った相手先に支出の金額を証明させる領収書の添付が義務づけられているわけですが、『徴難』の乱発はその趣旨にそぐわない」

 鈴木事務所は取材に「今回、一部、『徴難』とすべきところに記載漏れがあったことが確認されたので、選管とも相談して必要な対応をしていく」とも答えた。領収書がないのに「徴難」の記載がなくても、収支報告書が監査を通ってしまう実態もあったということだ。

 なぜ、このような処理が認められるのか。所管する総務省は、「一般論として『徴難』にあたるのは社会通念上、客観的に領収書の発行が困難なケースです。ただ該当するかは政治団体の会計責任者に適切に判断していただく」(収支公開室)と説明するのみ。

 鈴木氏のように領収書が得られたはずの支出を「徴難」と処理しても、「総務省や都道府県選管は提出されたものを受け取るとしかいえない」(同前)というのだ。少なくとも一般の国民が「領収書なし」で経費申告すれば、税務署に突き返される可能性は限りなく高い。

※週刊ポスト2017年9月1日号

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2019/04/05

首相の顔色を見て決めた元号、天皇関係行政と「宇野家」と統一教会。

国書に敗れた漢籍 改元支えた漢学の名家「宇野家」とは [令和]:朝日新聞デジタル(2019年4月4日09時30分)

石川忠久氏が国書からの案を出すと
 → 「担当者は「首相も喜びます。これでいきましょう」。」

安倍首相が国王のようですな。

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下記の記事によれば、

「漢学界のサラブレッド」=宇野家の親子3代。

初代:宇野哲人・東大名誉教授  称号「浩宮」を考案。
2代:宇野精一・東大名誉教授  平成改元で「正化(せいか)」を提案。
3代:宇野茂彦・中央大名誉教授 今回の改元実務担当者2名の恩師。

・石川忠久氏も長年精一氏との親交が厚かった。
・90年代には精一氏の弟子だった伊東倫厚・北海道大教授(中国哲学)を事務官が頻繁に訪問。

とのこと。そして、

出目金さんのツイート: "宇野精一は、東京大学名誉教授で、国際勝共連合東京代表世話人で、世界平和教授アカデミー参与で、スパイ防止法制定促進国民会議議長で、日本を守る国民会議呼びかけ人の一人で、日本自由主義会議会員で、日本文化会議評議員で、教科書正常化国民会議の役員で、自由人権委員会委員だったそうで… https://t.co/bpsaspUDlQ"


出目金さんのツイート: "宇野精一は他にも、教科書問題協議会発起人、新教育懇話会会員、日本教育検証制定委員会役員、日本教育会刷新シリーズ監修、勝共教授団全国全国副会長、勝共運動を応援する会世話人、建国記念の日奉祝運営委員、紀元節奉祝式典実行委員、英霊に答える会の発起人でもあったそうですね… https://t.co/svSB4YhMms"


とのこと。どう見ても統一教会の関係者ですね。
こういう人が天皇がらみの政治に深く関わっているんですね。

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国書に敗れた漢籍 改元支えた漢学の名家「宇野家」とは [令和]:朝日新聞デジタル(2019年4月4日09時30分)

 4月1日。石川忠久・二松学舎大元学長は東京都内の病室で、新元号「令和」を発表する菅義偉官房長官の記者会見をテレビで見守った。菅氏が「典拠について申し上げます。令和は万葉集の……」と初めて国書を典拠にしたことを明かすと、一瞬驚いた表情を浮かべ、つぶやいた。「やっぱりかあ」  3月14日付で正式な政府の委嘱を受けた石川氏は漢詩研究の第一人者。実は2年前の夏までに、計13案を考案していた。政府から渡されたA4の提出用紙の束に1案ずつ毛筆でしたため、日本漢学の聖地「湯島聖堂」(東京・お茶の水)にある執務室で、内閣官房の担当者に手渡した。  「万和(ばんな)」(典拠は文選〈もんぜん〉)、「光風(こうふう)」(楚辞〈そじ〉)、「弘大(こうだい)」(詩経)……。漢籍の元号案が続く中、担当者の顔色が変わった。石川氏にとっては専門ではない、聖徳太子の十七条憲法にある「和をもって貴しとなす」から採った「和貴(わき)」を見せたときだった。これは国書案である。  担当者は「首相も喜びます。これでいきましょう」。13案の「筆頭案」に位置づけることになった。この時、石川氏は「権威ある漢籍より、国書の方が好まれる。もはやそういう時代か」と感じたという。最終的に「和貴」は政府原案には残らず、漢籍典拠の「万和」が最後の6案に残ったが、国書典拠の「令和」に敗れる結果となった。

 ■元号準備、中心に「宇野家」
 江戸時代までは、知識人にとって学問の中心は漢籍だった。明治以降は西洋の学問にとってかわられたが、漢籍に典拠を求める伝統は続いた。そこでは、研究者から「漢学界のサラブレッド」と呼ばれる一家が深く関わっていた。
 宇野家――。戦後70年、中国古代思想の名家であり、皇室ともゆかりを持つ親子3代だ。初代の宇野哲人・東大名誉教授は、新天皇となる皇太子さまの称号「浩宮」を考えた。平成改元で「正化(せいか)」を提案した2代目、精一・東大名誉教授は1980年代初め、他の考案者たちよりも若い70歳前後で考案依頼を受けた。文化勲章・文化功労者といった当時の基準から外れても選任されるほどの存在感だった。
 それゆえ、政府との関係も深い。元政府関係者は「ポスト平成の30年間、元号は『宇野家』を中心に準備が進んできた」。国立公文書館に籍を置きながら内閣事務官の肩書で、政府の「黒衣(くろご)」として今回の改元の実務を支えてきた2人の事務官は、それぞれ精一氏と、その長男で中央大名誉教授の茂彦氏の教え子だった。2人は、専門知識のない内閣官房幹部に代わって委嘱する学者の人選を進めるなど実質的に政府の元号選定に影響を与えていた。
 石川氏も長年、精一氏との親交が厚かった。90年代には精一氏の弟子だった伊東倫厚・北海道大教授(中国哲学)の研究室で事務官が頻繁に目撃されるなど、宇野家の人脈を頼りにした準備がうかがえる。「菅原氏」など学識のある名家が、江戸時代まで元号の勧進を一手に担ってきた構図と重なり合う。
 しかし、漢学を取り巻く環境は細る一方だった。戦前まで必修科目の一つとされた漢文は、戦後は国語科の一分野になり、授業数は激減。「論語」や「唐詩」を読み解く市民講座に若い受講者は少なくなり、「日本社会から漢文の素養は失われた」と危機感を持つ研究者は多い。
 皇室でも大正天皇は漢詩をつくったが、昭和天皇やいまの天皇陛下は和歌を詠んだ。漢籍を基本とした皇族の名前や追号にも、戦後は万葉集や日本最古の漢詩集「懐風藻」など国書典拠が出始めた。中国古典による元号案を05年に政府へ提出した小倉芳彦・学習院大元学長(東洋史)や政府から内々で考案を相談された尾形勇・東大名誉教授(東洋史)は、数年前に政府の担当者からの連絡が途絶え、今回は正式に委嘱されなかった。
 そんな中で初めて漢籍案が落選した今回。「令和」は典拠こそ万葉集だが、引用されたのは漢文で書かれた序文だ。漢籍の「文選」も典拠となりうると専門家は指摘する。漢文の専門家からは「漢籍から採る伝統はギリギリつながった」という声が出る一方、「次の元号で漢籍に戻す空気にはならない。国書に扉を開いたら、永遠に漢籍典拠の元号は誕生しないだろう」との指摘もある。
 宇野茂彦氏は元号発表後、記者団にこう語った。「漢籍を中国のものとみるべきではない。文化に国境はないのだから」。1300年続く日本の元号が、大きな曲がり角にきたのは間違いない。

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«新元号の号外を奪い合う人々、異口同音に「平和な時代になりますように」とコメント。