2020/02/17

役所が共産党アレルギーを持っている証拠

非自民の政権交代が日本では成り立たないだろうと思う理由の一つがこれ。
本来は政権に忠実であるべきはずの役人自体が、自民党・カルト「保守」的認識に染まっていて、人権とか自律とかいう思想になじめない。どれほど理不尽であっても極右的な攻撃には脆弱な一方、行儀の良い市民運動的な異議申し立てには聞く耳を持たない。政権を支えるはずの行政機関がこんな体質では、非自民や「革新」が首長や議会の多数派を取っても、内部から暗黙の抵抗に遭って政権は瓦解する。

「共産党系」理由で講師依頼撤回 区役所、事実認め謝罪:朝日新聞デジタル(2020年2月17日 6時00分)

 昨年12月に横浜市緑区が開催した人権啓発講演会で、いったん講師を依頼した男性について、「所属団体は共産党系ではないか」と区役所内で声が上がり、「ダブルブッキング(二重予約)だった」という事実と異なる理由で依頼を取り消していたことが市への取材でわかった。区は先月31日、事実関係を認め、男性に謝罪した。

 男性の所属団体は特定の政党を支援しておらず事実誤認のうえ、識者は「『信条によって差別されない』という憲法の規定に反する行為だ」と指摘する。

 共産党神奈川県委員会の田母神悟委員長は、今月2日に投開票された京都市長選で「大切な京都に共産党の市長は『NO』」とする新聞広告が出たことにも触れながら、「時代錯誤な共産党アレルギーが社会に残っていることがうかがえる」と指摘。「緑区の対応は不愉快だ」と話した。

 区の三瓶(さんべ)一道副区長は「中立性を過度に意識してしまった。安易に断らず、藤井氏側と、中立性が担保できるよう講演内容を相談するべきだった。批判があればきちんと藤井氏の実績を説明すればよかった」と話している。

 依頼を取り消されたのは、NPO法人日本障害者協議会(東京都新宿区)の藤井克徳代表(70)。障害者が働く場を支援する全国組織「きょうされん」(同中野区、前身は共同作業所全国連絡会)の専務理事なども務める。

 東京都や内閣府などの諮問機関の委員を歴任し、障害者の自立支援策などを提言している。自身も視覚障害があり、2014年には国連の第7回障害者権利条約締約国会議に日本代表団顧問として参加した。

 緑区によると、講演会は夏の東京五輪・パラリンピックに向けた「東京2020公認プログラム」の一つで、多様性への理解を進めるための事業。昨年7月5日、きょうされんを通して藤井氏に講師を依頼し、承諾を得た。ところがその後、講師選定の場に加わっていた総務課の係長がきょうされんをインターネットで検索し、予測検索ワードに「共産党」が出てきたことや、共産党大阪府委員会のホームページのリンク先にきょうされん大阪支部があったことを理由に、「きょうされんは共産党系ではないか」と指摘した。

 区役所内で同11日に再協議した場で、係長が「検索するとすぐに所属する団体が共産党系だとわかる」「(一部の市民から)なぜこの人を呼んだのかと意見が入る可能性もある。(他政党などの)団体系の講師の依頼を断れなくなる恐れもある」と反対。区は同日、きょうされんに講師依頼をキャンセルする連絡をした。この時点で他の人物とは日程調整をしていなかったが、キャンセルした本当の理由を言いにくかったため、「ダブルブッキングだった」と事実と異なる説明をしたという。

 きょうされんの多田薫事務局長は「団体設立以来、どの選挙でも特定の政党の候補を公認・推薦したことはない。行政が発言を封印するような過ちを犯さないよう強く求めた」と話す。藤井氏は「中立とは本来、様々な意見に耳を傾けること。多様性を理解するための人権啓発事業で、忖度(そんたく)を疑わせる排除が行われたのは悲しい」と語った。(茂木克信)

木村草太・首都大学東京法学部教授(憲法学)の話

 木村草太・首都大学東京法学部教授(憲法学)の話 緑区がインターネットの検索エンジンの結果だけで講師の取り下げを決めたというのは、ずさんに過ぎる。そもそも「共産党系」という前提事実すら正しくない。

 人権啓発などの文化活動の講師は、本人の専門性や業績を基準に選ぶもので、どこかの政党や支援団体に属しているということは考慮しないのが、本来の行政の中立性だ。憲法14条も、信条や政治的関係などで差別を受けないことを保障している。

 もちろん、講師は講演会の中で政党の宣伝活動をしてはいけない。講師を受ける側もそれは意識するだろうし、行政の側も、事前に話す内容を打ち合わせておけば事足りる。

 今回の区の反応の裏には、ネットの発達などによって外部から圧力をかける手法が増え、行政が萎縮している問題がある。だが批判を受けても、講演する分野の著書や活動歴といった根拠があれば説明できる。行政はそうした基準を整備することが必要だ。

2015年の「表現の不自由展」の会場となったギャラリー古藤(ふるとう)(東京都練馬区)の田島和夫オーナーの話

 2015年の「表現の不自由展」の会場となったギャラリー古藤(ふるとう)(東京都練馬区)の田島和夫オーナーの話 練馬区役所を定年退職する前、人権・男女共同参画課長だった時のこと。ある選挙で野党系候補だった女性を講演会の講師に呼ぼうとしたら、自民党議員から電話が来て、根拠をただされたという引き継ぎを受けた。女性は公募の実行委員会が選んだが、そうした外部からの声に備え、選考の根拠を説明できるようにしていた。

 横浜市緑区の対応は論外だが、異論が出ない講師を選ぼうとした気持ちはわからなくもない。だが、それでは萎縮が社会に広がる。必要な情報を発信したり吸収したりできなくなると、表現の自由の土台が揺らぎ、民主主義が劣化する。そうならないためにも、行政はあらゆる面でルールをオープンにし、批判に答えられるようにしてほしい。

     ◇

 〈きょうされん〉 1977年8月、16の共同作業所の連絡会組織「共同作業所全国連絡会(略称・共作連)」として発足。99年に1千会員を達成し、現在は就労系事業所やグループホーム、相談支援事業所など全国約1900の事業所が会員となっている。障害のある人の労働を通じた社会参加を進めるため、政党の枠を超えて国会への請願や政策提言、要望活動に取り組んでいる。


横浜市緑区の総務課係長は実名で報道してもいいと思うし、こんな難癖みたいな意見が役所で通って、しかも嘘までついたのかは、調査して明らかにされるべき。副区長は共産党系を排除しようとしたこと自体には問題がないという認識のようだし、ろくでもない。

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2019/12/11

「令和」時代の中央集権国家にふさわしい顔認証ゲート。維新が民営化した「大阪メトロ」が試験導入

国内初 顔認証の改札 大阪メトロが導入へ あすから実証実験 | NHKニュース(2019年12月9日 17時20分)


切符やICカードを使わず、顔認証で改札を通れるシステムを国内の鉄道事業者で初めて大阪メトロが導入することになり9日、試作機が駅に設置されました。

顔認証による改札の試作機は大阪メトロのドーム前千代崎駅に設置されました。

改札に取り付けたセンサーが利用客の顔の輪郭や目や口のバランスなどの情報を読み取り、事前に登録した顔写真の特徴と一致するか判断する仕組みです。

試作機ではマスクやサングラスなどで顔の一部が隠れてしまうと正しく認証ができませんが、大阪メトロでは10日から来年9月まで、4つの駅に設置した試作機で、社員による実証実験を行うなどして改良を重ね、2024年度にはすべての駅で顔認証システムを導入することにしています。

切符もICカードも使わず顔認証だけで改札を通るシステムは中国ではすでに導入されていますが、国内の鉄道事業者では初めてです。

導入後も切符やICカードは使えるということですが、大阪メトロは将来的には顔認証で乗客の乗り降りをすべて管理したいとしています。

大阪メトロを運営する「大阪市高速電気軌道」の井手貴大係長は「最新の技術を取り入れることでICカードをかざす手間をなくし、お客様にとってより便利で快適な鉄道を目指していきたい」と話していました。

大阪メトロ 万博前にチケットレス化実現目指す

大阪メトロは、将来的には既存の改札をすべてなくし、顔認証だけで乗客の乗り降りを管理したいとしていて、まずは2025年に開かれる大阪 関西万博を前に2024年度までに顔認証による「チケットレス化」を実現したいとしています。

利用者は、乗車券やICカードを使わず、いわば「顔パス」で地下鉄に乗れるようになり大阪メトロは利用客の利便性が高まるほか、駅の混雑解消にもつながるとしています。

大阪メトロ側にとっても、乗車券の発行など駅での業務が削減でき、コストの削減につながるほか、駅構内や地下街の商業施設などでも顔認証を導入することで利便性を売りに利用客の囲い込みを進めたいねらいもあります。

一方で顔写真とともにいつ誰がどこに移動したかといった膨大な個人情報について、大阪メトロは「本社にあるサーバーで厳格に管理する」としていますが、具体的な方策については示していません。

また警察が捜査目的で提供を求められた際には協力するとしているほか、個人情報から性別や年齢などの属性データを抽出して活用する考えを示していて、この際のルールについては今後、利用客の意見を聞きながら決めていきたいとしています。

利用には大きなリスク 専門家から懸念の声

顔認証が社会のさまざまな分野に広がっていることについて、専門家からは懸念の声も上がっています。

顔認証を含む生体認証について詳しい国立情報学研究所の越前功副所長は「顔の情報と、それにひもづく個人情報がひとたび漏れれば、あらゆる情報を第三者が入手できてしまうし、パスワードなどと違って変更することもできない」と述べ、利用には大きなリスクが伴うと指摘しました。

そのうえで「データをどのように活用されるのか利用目的などをしっかりと確認することが必要だ。みずからが差し出す個人情報と、受ける利便性を比べ、利用すべきかどうか、これからの時代はみずからで判断していかなければならない」と話し、個人情報を企業などに差し出すリスクを個人が慎重に判断する必要があると強調していました。

ここが邪悪。

一方で顔写真とともにいつ誰がどこに移動したかといった膨大な個人情報について、大阪メトロは「本社にあるサーバーで厳格に管理する」としていますが、具体的な方策については示していません。

また警察が捜査目的で提供を求められた際には協力するとしているほか、個人情報から性別や年齢などの属性データを抽出して活用する考えを示していて、この際のルールについては今後、利用客の意見を聞きながら決めていきたいとしています。

政治家や官僚、大企業などを含め、国を挙げて「平気で嘘をつく」国づくりに邁進している本邦において、「厳格に管理する」という言葉など信じられるはずがない。
おまけに、人権保護では前近代的とまで揶揄されている我が国の警察に情報提供すると言い切っていて、何が「厳格に管理する」だという話。すでに鉄道では防犯カメラ映像の解析と警察への提供は行われているので今更感もあるが、個人を完全に特定して行動を把握し、それを本人が分からないようにして各所に提供するというのは邪悪さが更に増していると言える。習近平体制はトップダウンの統制だが、日本で進行してるのは人民自らが統制システムの構築に参画していくボトムアップのディストピア建設。

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2019/11/27

共同通信の「桜を見る会」参加者取材記事

「桜を見る会」行った人に聞いてみた  浮かび上がるのは、やはり公私混同ぶり | 47NEWS(2019/11/27 07:00 (JST))

 自民党は6千人、安倍晋三首相は1人で1千人もの招待者枠を得ていた上、招待者リストは全て破棄されていた首相主催の「桜を見る会」。「行政の私物化だ」と追及を強める野党に対して政権側は、数が膨れ上がったことは「大いに反省」(安倍首相)するが、公私混同はなく公選法違反にも当たらないと否定する。

 だが、各界の著名人や芸能関係者も招かれ、満開の桜の下で酒食の提供をふんだんに受ける「特権的な催し」との印象は強く、世論の批判はやまない。そこで、省庁の推薦枠で招待され、実際に参加したことのある東京在住のAさん(52)に話を聞いてみた。浮かび上がるのは、やはり明らかな「公私混同」ぶりだ。(共同通信=内田恭司)

 ▽結婚間近の若手社員も

 Aさんは、東京に本社がある情報通信分野の大手X社に勤務する。X社には同業他社と同様に毎年1月か2月ごろ、政府から招待者の推薦依頼が届くため、社内の「政治色の強い部署」(Aさん)を中心に20~30人前後のリストをつくり政府側に提出している。推薦要請を受けている他業種の企業は「知らない」という。

 「X社内には政治色の強い部署があり、そこの部長職が代々人選しています。リストに入るのは、多くがその部署の管理職やOBで、功績や功労のあった人はいませんね。結婚間近の若手社員は男女を問わず、よく加えてもらっていました」。

 リストに基づき、3月ごろには会社にまとめて安倍首相名の招待状が届いた。Aさんは、第2次安倍政権になってから3年連続で招待状をもらっていたため、2018年4月21日に開催された桜を見る会に初めて参加してみることにした。

 妻と小学生の長男の3人で多少のおめかしをして出かけ、小田急線、東京メトロ丸の内線を乗り継いで、会場の新宿御苑に着いたのは午前9時前。複数ある入口のうち、四谷寄りの大木戸門から入った。朝から好天に恵まれ、日差しがまぶしかったという。

 入る際に手荷物検査はなく、招待状もチェックされなかった。同封された、通し番号入りの受付票を渡し、引き替えにもらうリボンを付けるだけで、すんなりと会場に入れてしまった。普段の入場料は大人500円ので、その分得したことになる。

 少し離れたところで、自民党のある女性国会議員が職員を怒鳴り上げていた。同伴してきた父母を入れてくれないらしい。確かに招待状には、一緒に入場できるのは配偶者と本人の子どもまたは孫(ただし未成年)だけと記された注意書きが入っていた。

 ▽酒と焼き鳥はすでに品切れ

 Aさんが中に入ると、芝生広場の左側に大型の白いテントが複数張られ、そこが飲食と模擬店の会場になっていた。しかし、テント内のテーブルにあるのはオレンジジュースやウーロン茶類だけ。お酒のふるまいはほぼ終わり、焼き鳥も品切れになろうとしていた。

 聞くと、国会議員の後援会関係者とおぼしき大勢の招待者が、何台もの大型バスで先乗りしており、お酒と焼き鳥は早々になくなったのだという。その後、補充されたのかもしれないし、他にも飲食できるエリアがあったのかもしれないが、大木戸門口から9時以降に入った人の多くは、何も口にできなかったのではないかという。

 Aさんは「安倍首相の地元・山口の銘酒である獺祭が飲めたそうですが、一本もなかったですね」と振り返る。今にして思えば、先乗りしていたのは安倍首相や自民党の大勢の支援者だったのではないかと話す。そうであれば、やはり公費で支援者らに優先的に飲食させたことになるのではないか。

 Aさんは、お酒と焼き鳥はあきらめ、テントの近くでお菓子を配っていたので、家族3人で長い列の後ろに並ぶことにした。15分くらいで順番が来て、3人ともバウムクーヘンと和菓子の小さな詰め合わせを1箱ずつもらった。バームクーヘンは東京の名店の、和菓子は京都の老舗のもので、見ると手土産に持って帰る人が多かった。

 桜はというと、広い御苑内の方々で咲いていたであろうソメイヨシノはとっくに散り、全て葉桜になっていた。この時期に咲いているのは八重桜で、ところどころにしか植えられていないが、ほぼ満開できれいに咲いていた。9時半ごろになると入場者もかなり増え、大勢の人が散策をしたり写真を撮ったりしていた。

 少し向こうで記念撮影の長い列ができているので、何だろうと思って近づいてみたら、警護員(SP)を従えた菅義偉官房長官が、せっせと招待客との撮影に応じていた。

 ▽遠巻きにピコ太郎見つける

 Aさんがふと見渡すと、音楽隊が演奏しているステージのあたりから、芝生広場を横切って中央の池に向かってロープの導線が張られ、幾重もの人垣ができていた。「安倍首相が通るのだろう」と思い待っていたら、複数のSPとともに安倍首相がやってきた。

 あちこちから「安倍総理ー」「あべっちー」などと声が掛かり、たくさんの人が手を伸ばしてスマートフォンで写真を撮っていた。安倍首相は笑顔を絶やさず、立ち止まって握手したり、手を振ったりしながらゆっくりと歩いていた。

 首相はこのまま池方面に向かったが、規制線が張られているのか、一般の招待客は入れないようだった。そこは著名人や芸能人らのエリアで、遠巻きながら、歌手のピコ太郎さんら、見たことのあるタレントが何人か確認できた。

 八重桜を背に、着物で着飾った女性歌手らと語らう安倍首相の写真を新聞やテレビなどで見るが、それはここで撮影されたもののようだ。

 首相は会場の中央であいさつもしていた。八重桜にひっかけて一句詠むのが恒例になっているようだが、遠かったのでよく聞こえなかったという。

 ちなみに2017年は「風雪に 耐えて5年の 八重桜」。今年は「平成を 名残惜しむか 八重桜」だった。

 そうこうするうちに桜を見る会はお開きとなり、10時半には一般客の入場規制が解除された。Aさん家族は会場を歩き回って疲れたので、千駄ケ谷門から出て帰路に就いた。

 Aさんは華やかな雰囲気で、お土産ももらえて満足だったとしつつ「安倍首相や自民党の支援者も同じように感じたのなら、もっと政権を応援しようという気持ちになったのではないでしょうか」と語り、〝公費接待〟の効果のほどを語った。

 ▽襟を正して運用見直しを

 桜は日本を代表する花であり、花見は日本の文化でもある。個人的には、首相が各界の功労者やさまざまな分野で功績を上げた人々を招き、ともに桜を愛でるという会があってもいいのではないかと思う。

 だが野党が「政治とカネの問題、行政の私物化、公文書のでたらめな扱い、安倍政権の『3点セット』がまたぞろ吹き出した」(立憲民主党の逢坂誠二政調会長)と強く批判するように、政権幹部や与党が一方的な優先枠を得て何千人もの支援者を招き入れていたのは、公私混同以外何ものでもない。

 民主党の鳩山政権だってやっていたとの反論もあるだろう。確かに、当時の松野頼久官房副長官に頼んで「後援会のメンバーを50人くらい入れてもらった」と、うれしそうに話していた首都圏の小選挙区選出の議員がいた。今も現職だ。

 菅官房長官が指摘したように「民主党だけで3、4千人」を招いたのも事実だろう。中止になったが、菅政権や野田政権でも招待状は発送済みだったはずだ。旧聞に属するが、自社さ政権時代に支援労組の東京見物とセットにしていた旧社会党議員もいた。

 しかし、だからといって問題なしでは済まされず、「税金で後援会活動をした」との批判も免れない。襟を正して非は改め、しっかりと運用を見直すべきだ。


記者の論調がぬるくてダメダメだが、「Aさん」の話はいくつか面白い点があるのでメモ。

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2019/11/25

国家公務員全員にマイナンバーカードを取得しない理由を書かせる調査

取得強制ではないと言うが……。
国の行政組織が色々な意味でひどいことが分かる。

業者の利権も絡んでいるのではと勘ぐりたくなる話。マイナンバーカード未取得「理由提出を」 各省庁職員に:朝日新聞デジタル

 国家公務員らによるマイナンバーカードの一斉取得を進めるため、各省庁が全職員に対し、取得の有無や申請しない理由を家族(被扶養者)も含めて尋ねる調査をしている。内閣官房と財務省の依頼を受けたもので、氏名を記入して上司に提出するよう求めている。調査を受けた職員からは、法律上の義務でないカード取得を事実上強要されたと感じるとの声が出ている。

 政府はマイナンバーカードを2021年3月から健康保険証として使えるようにする計画で、6月に閣議決定した「骨太の方針」に、国と地方の公務員らによる今年度中のカード取得の推進を盛り込んだ。22年度末までに国内のほとんどの住民がカードを保有するとも想定し、「普及を強力に推進する」としている。

 朝日新聞は各省庁などに送られた7月30日付の依頼文を入手した。内閣官房内閣参事官と国家公務員共済組合(健康保険証の発行者)を所管する財務省給与共済課長の役職名で、骨太の方針に基づき、各省庁などの部局長から全職員に対し、家族も含めてカード取得を勧めるよう依頼。10月末時点の取得状況の調査と集計・報告、12月末と来年3月末時点の集計・報告を求めている。

 文書に添付された調査用紙には個人名の記入欄、家族を含む取得の有無や交付申請の状況、申請しない場合は理由を記す欄があり、「所属する部局長に提出してください」ともある。

 財務省給与共済課によると、調査対象は国家公務員や独立行政法人職員ら共済組合員約80万人と被扶養者約80万人を合わせた約160万人。同課は取材に「回答に理由を記載するかは自由で、決して強制ではない。人事の査定に影響はない」と話している。調査は取得に向けた課題を洗い出すためで、今後は各省庁などを通じて取得率の低い部局に取得を促すという。

 マイナンバー法で、マイナンバーは全住民に割り振られているが、カードを取得するかどうかは任意だ。調査を受けた経済産業省の関係者は「公務員は政府の方針に従い、率先してカードを持つべきだというのは分かるが、記名式で家族の取得しない理由まで聞かれ、取得の強要と感じた」。財務省の関係者は「取得を迫るようなやり方に違和感を覚える。3年余でほぼ全住民が保有すると閣議で風呂敷を広げたせいで、普及に必死になっている」と漏らす。

 地方公務員ら約310万人については総務省が6月から調査。同省福利課によると、職員の名前は明記させず、本人や家族の取得の有無を職場全体で取りまとめる形で行った。取得しない理由などは尋ねていない。担当者は「事務作業の負担を考えて調査項目は必要最低限にした」と話す。

 マイナンバーカードは16年1月に交付が始まった。利便性の低さや個人情報の漏洩(ろうえい)への懸念などから普及が進まず、11月1日現在の交付枚数は約1823万枚、取得率は全住民の14・3%にとどまる。総務省所管の団体は7月、普及が進むとの政府の想定に基づいて5500万枚分の製造を2業者に発注している。(座小田英史、横枕嘉泰)

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2019/11/06

日本大使館、正しい日本理解「日本は検閲の国」というイメージ広報に成功。

原発事故、安倍政権扱った作品問題視か ウィーンの芸術展、日本大使館が公認取り消し - 毎日新聞(2019年11月6日 09時48分(最終更新 11月6日 12時56分))

オーストリアの首都ウィーンの「ミュージアム・クオーター」で、同国外務省が協力し、日本との国交150年の記念事業として開かれた芸術展について、在オーストリア日本大使館は公認を取り消した。東京電力福島第1原発事故や安倍政権を批判的に扱った作品などが問題視されたとみられる。

 この芸術展は、日本の美術家、会田誠氏らの作品を展示する「ジャパン・アンリミテッド」。政治的テーマへの抗議が高まり、公権力との関係が物議を醸した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」に参加していた美術集団「Chim↑Pom(チンポム)」も出展した。公式ロゴが使えなくなるだけで芸術展は続いているが、表現の自由を巡る不寛容が国外に波及した格好。


ウィーンの芸術展「ジャパン・アンリミテッド」で展示された作品。東京電力幹部の謝罪会見を基にした動画(左)や日の丸の形に血が浮かぶ放射線防護服のようなオブジェ(右上)=2019年11月5日、共同
 日本での政治社会批判の自由と限界に焦点を当てた芸術展は9月下旬に開幕。放射線防護服に日の丸の形に浮かんだ血が流れ落ちるようなオブジェや、安倍晋三首相に扮(ふん)した人物が歴史問題を巡り韓国、中国に謝罪する動画も展示、昭和天皇を風刺する作品もある。

 日本大使館によると10月30日に公認撤回を通知した。実際に芸術展を見た結果、相互理解と友好関係を促進するとの条件を満たさないと判断したとしている。

 芸術展で学芸員を務めているマルチェロ・ファラベゴリ氏は、企画展で批判された芸術家がウィーンの芸術展にも参加していることが日本で指摘されたため、日本の国会議員が外務省に調査を要請、撤回につながったとみられると述べた。

 ファラベゴリ氏は作品について「欧州の感覚では無害だと思う」と指摘。「(欧州で強権色を強める)ポーランドやハンガリー同様、日本でも検閲が強まっているのを感じた」と話した。(共同)

日本での政治社会批判の自由と限界に焦点を当てた芸術展「ジャパン・アンリミテッド」。9月下旬開幕、10月30日大使館が公認撤回。(あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」への攻撃は8月1日から。)

主催者の指摘が興味深い。
1.「表現の不自由展・その後」参加作家が参加していることを日本で誰かが通報→国会議員が外務省に圧力→大使館が公認撤回。
2.「欧州の感覚では無害だと思う」
3.「(欧州で強権色を強める)ポーランドやハンガリー同様、日本でも検閲が強まっているのを感じた」
批判的精神の内在を許さない社会、日本。この先どこへ行くのだろうか。

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2019/10/31

伊勢市教委、日本の戦争責任批判・犠牲者の鎮魂は許さないという姿勢を明瞭にする。

慰安婦像写真使用の作品、展示見合わせ=市展覧会「安全第一」と-三重・伊勢:時事ドットコム(2019年10月31日11時46分)

 三重県伊勢市が、29日から市内で開催されている市美術展覧会で、従軍慰安婦を象徴する少女像の写真を使った作品の展示を見合わせていたことが31日、分かった。主催する市教育委員会は理由について、「あいちトリエンナーレの騒動もあり、市民や観覧者の安全を第一に考えた」と説明している。
 作品は同市のグラフィックデザイナーで運営委員を務める花井利彦さん(64)が制作した「私は誰ですか」というB2サイズのポスター。「表現の不自由」をテーマとして、黒を背景に、赤く塗られた手のひらに石が置かれたデザインで、作品の左上には中国人慰安婦を象徴する少女像の写真をコラージュしている。写真の下には、英語や中国語など4カ国語で「私は誰ですか」と書かれている。
 市教委によると、作品は20日に会場に搬入されたが、展示会の運営委員会で議論された後、鈴木健一市長とも相談した上で、28日に市教委から花井さんに展示見合わせを伝えたという。花井さんは少女像の部分をインクでぼやかす対応をしたが、30日に改めて展示不可が伝えられた。
 花井さんは「こんな問題になるとは思っておらず非常に憤慨している」と述べ、「展示前に検閲するのは憲法違反。若い人の表現の萎縮にもつながる。訴訟も視野に入れている」と話した。

記事の写真を見ると、この作品の少女像の部分はほとんど分からないし、分かったとしても万人がそこに明瞭な政治的主張を見いだすのは難しい。
そのような作品であっても、「慰安婦」の片鱗でも見つかるなら、直ちに展示不可の対象となり得る。つまり「慰安婦」への関与をかすかにでも感じさせる作品は全て警戒の対象となる。これを検閲、弾圧と言わずして何というか。

そして、韓国人への差別表現は、多くの抗議にもかかわらず、県立施設での展示を許可され、抗議に屈しない姿勢を役所は示す。これを偏向と言わずして何というか。「あいちトリエンナーレ」以来の顛末は、役所が政治権力者らの思想やイデオロギーに敏感に反応し、それに忖度していることを明瞭に示している。

もっとも、伊勢市は愛国カルトの総本山みたいな伊勢神宮が立地する天皇教の中心地。日本の無謬性信仰と差別排外主義を骨格とする国家神道の聖地ゆえに、役所が狂信的な思想弾圧に走ってもまあ不思議ではないと思わされる。
しかし、このような自慰的・夜郎自大的で偏狭な「愛国」は地域社会の活力を奪い、「国益」を損ね、いずれは国を過たせることになる。功利的に考えても本当に愚かなことである。

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2019/10/30

歴史修正主義の走狗となりアメリカで破廉恥な圧力を掛ける日本外務省

米グレンデール元市長「日本総領事、少女像撤去を圧迫してきた」 | Joongang Ilbo | 中央日報(2019.10.29 08:16)

米国初の少女像が設置されたカリフォルニア州ロサンゼルス(LA)北部の小都市グレンデールの市議員フランク・クィンテロ元市長が、在LA日本総領事から少女像を撤去するよう圧迫を受けていたと主張した。

28日(現地時間)、団体「慰安婦行動(CARE)」によると、クィンテロ氏は、最近カリフォルニア州立大学ノースリッジ校で開かれた慰安婦ドキュメンタリー映画『主戦場』上映会後に行われた質疑応答の中で「今年赴任した武藤顕・在LA総領事が『総領事としての私の任務はグレンデール少女像を撤去することだけ』と話した」と暴露した。

クィンテロ氏はまた、武藤氏がグレンデール市会議員にも同じ主張をして圧迫したとしながら「(武藤氏は)日本政府が数年間推進してきたそれ、その象徴物(少女像)をなくすことについて話をしたがっていると言った」と伝えた。

グレンデール少女像は今年で設置6周年を迎えた。クィンテロ氏が市長として在任中に設置されたもので、氏は少女像設置に核心的な役割を果たした。

クィンテロ氏は「少女像設置以降、1000通を越える『憎悪の手紙』を受け取ったりもした」とし「私の息子もそういった手紙を受け取った。遠回しに表現して憎悪の手紙であり、内容は驚くようなものだった。単なる憎しみを越えている」と話した。

一方、米国の各大学では慰安婦ドキュメンタリー映画『主戦場』の上映会が相次いで開かれている。日系米国人ミキ・デザキ監督が演出した作品で、日本の右翼民族主義者や歴史修正主義者がなぜ慰安婦問題を否定して隠しているのかを追跡した作品だ。

最近、米国の大学17校のキャンパスで同作が上映されたが、UCLA大学上映会を控えて日本総領事館側が上映会を管掌していたUCLAの教授に抗議の電話をかけていたとCARE側は伝えた。

在ロサンゼルス総領事の仕事は、少女像撤去だけなのだそうで。今の政権がカルト的な憎悪の塊だということがよく分かる。

武藤顕・在LA総領事「総領事としての私の任務はグレンデール少女像を撤去することだけ」
と称して、グレンデール元市長に撤去の圧力。同市会議員にも同様に圧力。
映画「主戦場」の上映会には抗議の電話。

本当に「何やってんの?」状態である。
武藤総領事、自分でこんな愚かなことをやっていて恥ずかしくないのだろうか。こんな情けない行為を「これだけが私の任務」と称したりしていて悲しくならないのだろうか。プライドは傷つかないのだろうか。

まあもっとひどいのは、元市長が千通を超える「単なる憎しみを超えている」手紙を受け取っていることで、このヒステリックな(おそらくほとんどが)日本人たちの存在にはため息しかない。まさに狂信者の群れである。この憎悪を煽り、その危険な行為にお墨付きを与えているのが、現政権と外務省・日本大使館である。

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2019/10/28

反天皇や日本の戦争責任を問う展示は中止、朝鮮人差別の展示は続行。

この非対称。
そこに本音があることは明瞭だったが、早々に行動として示された。

右翼・排外主義者の「自由」は許され、日本社会のタブーを可視化する表現の自由は許されない。日本では朝鮮人への差別表現は許容される。日本では天皇は素材とすることすら許されない。

表現の不自由展の中止では右翼・差別主義者らの暴力を恐れてというのが理由だった。
では今回、我々がこの「展示」へのテロを予告すれば施設管理者らは中止を決断しただろうか。
私はそうは思わない。極端に言えば機動隊をずらりと並べてでも、警察と公安による徹底捜査をしてでも開催を強行しただろう。中核派が前回の大嘗祭粉砕闘争でロケット弾をいくつか打ち上げたときのように、抗議行動を圧殺してくるだろう。

この非対称性が我々の社会の「表現の自由」の現実であり、この中でなお「不自由展」を再開するために主催者らが費やした労力がその非対称性による格差の大きさを表している。いや大浦信行の「遠近を抱えて」はそもそも破壊され展示すらできなかったのだから、その格差は無限大で測定不能である。

日本では、役人も、議員も、経営者も(慰安婦写真展を中止したニコンが一例)、この非対称を内在させている。日本とはそういう社会である。その状況を踏まえない表現の自由論には意味がない。むしろこの非対称性を温存する役割さえ果たすだろう。

「日本人のための芸術祭」催しを続行 反差別団体は抗議:朝日新聞デジタル(2019年10月27日22時56分)

「反移民」などを掲げる政治団体が27日、愛知県施設の「ウィルあいち」(名古屋市東区)で開いた催しに、ヘイトスピーチ(差別扇動表現)に反対してきた市民団体などが激しく抗議し、施設に中止を申し入れた。だが、施設の管理者は「中止を判断できない」として催しを続行させた。

 催しは「日本人のための芸術祭 あいちトリカエナハーレ2019『表現の自由展』」として、各地で差別街宣を繰り返してきた「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の元会長が「党首」を務める政治団体が開いた。県は施設の使用を許可していた。

 催しを見た人によると、展示作品には「犯罪はいつも朝鮮人」と書かれたカルタの読み札など在日コリアンへの憎悪をあおる内容のものがあり、指摘を受けたウィルあいちも、カルタを含む展示内容を確認した。

 ウィルあいちを含む愛知県の各施設は2016年、利用要領に「不当な差別的言動が行われるおそれ」がある場合には、不許可とする条項を設けている。催しに抗議する市民らは「規則に基づき、即刻中止を」と求めたが、ウィルあいちの小池信純事務所長は「私の判断では決められない」との説明に終始した。

 市民団体による抗議に立ち会った熊本拓矢弁護士は「展示は完全な差別扇動で、中止できる規則があるのに行使しなかったのは行政による完全な不作為だ。県は規則をきちんと使える態勢を早急に整えるべきだ」と話した。(黄澈、比留間陽介)

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2019/10/21

Tポイントカードと個人情報

876246さんはTwitterを使っています: 「怖いというかキモい。 CCCの新卒採用サイトのTポイント "T会員の一つのIDに180社のリアルとネットの購買履歴が紐付いているので、誰がある店舗でどんな食べ物を買ったか、別店舗でどんな本買ったか見える。""トクホを多く買った健康志向の人がジャンクフードを買うのが見える。その瞬間が面白い。" https://t.co/65VY8hUX8Y」 / Twitter

ここから始まる一連のツイート。

元ネタは以下。
データベースを分析し、プロモーションにとって最適なセグメントを打ち出していく。 | カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 CCC
魚拓1:Wayback Machine, 魚拓2:ウェブ魚拓

CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株))のデータアナリストの人が語るデータの活用方法。CCCの新卒リクルートページで語っている。

今更と言えば今更だけれども、やっぱり怖い。

私たちの強みは180社を超えるTポイントアライアンス先を通じて日々蓄積され続ける、リアルとネット上の多種多様なライフスタイルのデータを活用したマーケティングのソリューションを打ち出せること。

……中略……

CCCのデータの強みは何と言っても膨大な購買履歴がシングルIDという一つのカードに紐づいているところ。例えばコンビニであるジュースを買った人は、どんな雑誌を購買して、別の飲食店では何を食べているのかといったように、消費者の多様な購買行動を読み解くことができるのです。
これほどまでライフスタイルが把握できるデータは世の中に他にないのではないかと思います。

……中略……

クライアント様が自社の商品を買っている人はこんな人だと言っていたとしても、実際にデータで見たときに違った結果が導きだされることがあります。例えばトクホ飲料をいつも購入していて健康に気を遣っていると思われている人が、別のデータを見るとジャンクフードも一緒に購入していたりする。
つまり健康志向の人だけではなく、ジャンクフードの罪悪感を拭うための同時購入をしている人も存在するといった人物像が浮かび上がってくるのです。そういった瞬間がすごく面白い。

一個人の消費データを全て一つのデータベースに集めることで、その人の私生活をほぼ丸裸にすることができる。
やるかやらないかは、その企業、もっと言えば、そのデータにアクセスできる個人の倫理観のみに委ねられている。
そして、そういうストーキングや監視を本当にしていないのか、その監視情報を誰かに引き渡したりしていないのかは、外の人間には決して分からない。

膨大な個票データを自由に操って統計的事実を見つけていくのがとても刺激的なのはその通りなのだが、そこには医学者が生体実験で人間を切り刻んだり、原爆投下後の広島で被爆者を「診察」して業績を作ったりしたのと似た、人間存在への無関心の怖さを感じる。

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2019/09/03

朝鮮学校の無償化訴訟、東京と大阪で敗訴が確定。

自民党政権下では実現できなかった高校「無償化」を民主党への政権交代によって初めて実現した。だが政権は再び自民党に戻り、朝鮮学校が狙い撃ちにされ、政権が煽り、苛烈さを増した北朝鮮への憎悪の中、朝鮮学校とその関係者らへに無数の攻撃が集中した。その憎悪を公然と煽り排外行為を行った中には、少なくない自民党や維新の会などの政治家がいた。そしてその攻撃の中、朝鮮学校への差別は正当化され、正式に制度化された。

この朝鮮学校への差別の契機は自民党政権の復活にあった。おそらく、当時の民主党政権下ではこのようなあからさまで醜悪な差別は起きなかっただろう。だから、この朝鮮学校差別は、自民党への政権復活を支えた、あるいはそれを許した日本の有権者が実行したものだ。我々が、朝鮮学校とその関係者を差別し排斥したのだ。選挙を棄権した者も、他の投票者に決定を委任したという意味でこの自民党の政権復活を黙認し、等しく差別排外主義に手を貸したのだ。

最高裁は今回、朝鮮学校を差別するもしないも裁量の範囲内だと判断を示した。であるならば、差別しない選択もまた裁量の範囲内だったのだ。そして我々は差別する政府を選択し、その選択は6年以上も続いている。その間何度も異なる選択を示す機会はあったのにだ。これを我々の責任と言わずして何と言えるか。

北朝鮮への憎悪は、その後、トランプ政権が北朝鮮対話路線に向かったことで急速に水面下へ潜り、代わりに現在猖獗を極めているのが韓国への憎悪である。これは、安倍政権、自民党、その他右翼政党らがヒステリックに叫ぶ、平和を祈念する少女像や徴用工への補償要求への憤激に引きずられて、水面下の差別意識がむき出しになったものだ。しばらく前までは北朝鮮への怒りをぶちまけていたかと思えば、少し事情が変わっただけで今は韓国を徹底的に敵視する。政府与党の都合に合わせて、いくらでも容易に憎悪の矛先を変えられるのが我々日本人である。

もちろん政府の希望通りに怒ってみせられるこの憎悪の背景には、我々日本人の無意識にまで深く食い込んだ排外主義と夜郎自大な優越意識、そして朝鮮半島への度しがたい侮蔑がある。実際、北朝鮮への憎悪が見えづらくなったと思えば、次には韓国への憎悪が爆発する有様である。我々日本人は片時でも朝鮮半島の社会と人々への差別と軽蔑とを止めることができない。これは我々の病である。この病は人を傷つける加害性の症状を示す。我々はその重篤な患者であり、他者に迷惑な存在であることを自覚すべきである。

話を元に戻す。朝鮮学校への差別を行っているのは日本の政府と自治体であり、その主権者は我々日本人である。従って差別の責任を負うのは日本人である。これは日本人が押し止めなければならない「我々の」問題である。

朝鮮学校無償化訴訟 元生徒側が敗訴 初の確定 最高裁決定 - 毎日新聞(2019年8月28日 20時24分(最終更新 8月28日 21時13分))

 朝鮮学校を高校無償化の対象にしなかった処分は違法だとして、東京朝鮮中高級学校(東京都北区)の元生徒61人が国に1人当たり10万円の賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は27日付で元生徒側の上告を棄却する決定を出した。国の不指定処分を適法として請求を退けた1、2審判決が確定した。

 全国5カ所で起こされた同種訴訟が最高裁で確定するのは初めて。小法廷は裁判官5人全員一致の意見で「上告理由に該当しない」と述べた。

 高校無償化は2010年、当時の民主党政権が導入。全国の朝鮮学校が無償化の指定を求めたが、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)との関係を問題視され、自民党が政権に復帰した後の13年に不指定とされた。

 1審・東京地裁判決(17年9月)は文部科学相が朝鮮総連の影響などを考慮し、「学校運営が適正なものか十分な確証を得られない」との理由で不指定とした処分に裁量権の逸脱はないと認め、元生徒側の請求を退けた。2審・東京高裁判決(18年10月)も1審を支持した。

 最高裁決定に対し、元生徒側の弁護団は「具体的理由を述べることなく退けた決定に抗議する。一日も早く、朝鮮学校を(無償化の)対象とすることを求める」とコメントした。

 5地裁・地裁支部に起こされた同種訴訟は、17年7月の大阪地裁判決が唯一、学校側勝訴となる「不指定は違法」と判断したが、2審の大阪高裁(18年9月)が覆して国側の逆転勝訴となった。現在、名古屋、広島、福岡の3高裁で審理が続いている。【服部陽】

朝鮮学校無償化訴訟:大阪朝鮮学校も敗訴 最高裁上告棄却 - 毎日新聞(2019年8月30日)

 大阪朝鮮高級学校(東大阪市)を高校無償化の対象にしなかった国の処分は違法だとして、学校を運営する学校法人・大阪朝鮮学園(大阪市)が処分の取り消しなどを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は27日付で学校側の上告を棄却する決定を出した。学校側の逆転敗訴を言い渡した2審判決が確定した。裁判官5人全員一致の意見。

 第3小法廷は同日付で、東京朝鮮中高級学校(東京都北区)の元生徒が国に賠償を求めた訴訟でも、元生徒側の上告を棄却する決定を出していた。名古屋、広島、福岡の3高裁で審理が続く同種訴訟に影響を与えそうだ。

 1審・大阪地裁判決(2017年7月)は「教育の機会均等とは無関係な外交・政治的理由で排除したのは違法・無効だ」として同学校を無償化の対象とするよう命じた。これに対し、2審・大阪高裁判決(18年9月)は「在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)から不当な支配を受けている疑いがある」とし、学校側の逆転敗訴を言い渡した。

 高校無償化は10年に当時の民主党政権が導入したが、その後に政権に復帰した自民党政権が無償化の対象外とした。【服部陽】

朝鮮学校無償化訴訟 敗訴確定で原告らが抗議集会 文部科学省前 - 毎日新聞(2019年8月30日 21時01分(最終更新 8月30日 21時30分))

 朝鮮学校を高校無償化の対象にしなかった処分は違法だとして、元生徒や学校法人が国を相手に起こした東京、大阪の二つの訴訟の敗訴が確定したことを受け、原告らが30日、東京・霞が関の文部科学省前で抗議集会を開いた。

 集会には主催者発表で約600人が参加。小雨が降る中、「不当判決を許さない」「無償化適用」と書かれた横断幕を掲げ、「不当な差別をやめろ」などと声を上げた。

 東京都内の大学院に通う原告の男性(23)は文科省の庁舎に向かい、「私たちの民族的アイデンティティーを汚すような今回の決定は本当に許せない。最後まで闘う」と訴えた。

 同種訴訟は全国5カ所で起こされ、最高裁は27日付で東京と大阪での訴訟について、原告側の上告を退け、敗訴が確定。名古屋、広島、福岡の残り3件では1審で原告側が敗訴し、高裁に係属中。【後藤由耶】

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