行ってみたい…とは言い切れないところ
05/04/21(木), 21:40:39
歴史公園ワープステーション江戸(茨城県伊奈町)
同僚に聞いたところでは、かなりイタいテーマパークらしい。
本日現在、上記公式ホームページでは、文字通り表紙しかなく、所在地や営業時間等、一切わからない。情報提供を拒まれているような気持ちさえする。
こういうときはグーグル様のお力をお借りして検索をかける。すると過去のページの残骸が見つかったりする。
・残骸とおぼしきホームページ
・過去のイベント情報
・交通アクセス(どこからもリンクなし。どうなってるの?)
結局、営業時間や入場料の情報はなし。全然別のところから情報を確保。
・大江戸コスプレ博 in ワープステーション江戸
中の写真がたくさんある。建物の造作自体はわりと見られるじゃん、という感じ。それにしても閑散としている…。
・「ワープステーション江戸」レポート(空間通信)
「空間施設に関わるリーダーのための運営とコミュニケーションのWeb専門誌」を標榜する「空間通信」の取材レポート。ここで初めて入場料とか営業時間とかがわかった。
ここは2000年4月オープンだったそうで、その数ヶ月後の夏の取材のようだ。結構詳細なレポートで、参考になる。直接的な評価はないものの、ビミョーな表現が楽しい。
施設設立の経緯が「マルチメディアと自然を調和させた新しいまちづくりを実現させる」メディアパークシティ事業という県の第1期事業だったことや、営業主体の「株式会社メディアパークつくば」が、かなり怪しい雰囲気を漂わせた会社(だった)らしいこと、それがわずか2年ほどで破綻して(させて?)、しかも民事再生法で処理するという手口を使ったことなど、県や地元、NHKに大手企業が絡んだ結構香ばしい案件らしいことがよくわかる。
この当時からかなりイタい運営だったらしいこともわかる。まあ施設運営の収益とか地域活性化とかが関係主体の目的関数には入ってなさそうなことは上記から自明なのだけれど。
それと、設定価格が高すぎ。大人1400円、小人700円、しかも中の施設は別途有料。
・茨城県伊奈町ホームページ
「ワープステーションイベント情報」というのがあって、どうやらまだ何とかし(てるというポーズをとり)たいらしい。ここで今年度から「営業時間・入場料金等」が変わったことを知る。入場料金:大人1400円⇒500円、小人700円⇒300円 だそうだ。やっと下がった。つーか、やっぱり営業時間はわからないんですけど。
ちなみに、伊奈町は隣の谷和原村と合併して「つくばみらい市」になるんだそうだ。南セントレア市とタメを張れる発想だ。それにしても、地方行政官のセンスって、なんでこんなにことごとくダメダメなんだ?
で、「メディアパークつくば」でぐぐってみたら、色々な情報が出てきた。全部に目を通せないし紹介も無理だが、
・潮来出身「海老沢会長」と「茨城県」の深い関係(サンデー毎日)
「テーマパークを柱に先端都市を造る計画」(バカ?)が90年代に出てきて、「94年に映像未来都市事業化推進協議会が発足」して、どうやら県がNHKとつるんで「メディアパーク」構想を作り、そのプロセスでNHKが一儲けしたらしいことがわかる。
・日経ビジネスの2002年09月09日号に「敗軍の将、兵を語る 誰も知らなかったテーマパーク▼助川幹夫氏[メディアパークつくば専務]」という興味深い記事があるらしい。
・メディアパークつくば、2千万円に減資(常陽新聞2004年6月4日)
資本金をなんと31億1千万円から一気に2000万円に減資との報道。2002年に再生法で債権者者は泣きを見ているわけだが、上記サンデー毎日の報道、空間通信のレポートと合わせると、民間出資者のほとんどが損金処理したのではないかと思われるが…?しかし誰の生首も飛ばなかったのかな。
なお、ワープステーション江戸はメディアパークつくばから県開発公社に売却されていたらしい。下記毎日放送のページによると、2億円あまりで購入したことになっているそうだ。
記事からワープステーション江戸の入場者数を考えると、01年度に16万5千人、02年度に9万4千人、03年度に6万6千人だそうだ。だが、他のサイトなどの記述を見ると、とにかく人がいないそうで、「本当?」という気がする。パリーグの観客数と同じようなからくりがあるんじゃないかとか勘ぐりたくなる。
ちなみに、上記「空間通信」によれば、当初計画では40万人~45万人でペイという構想だったらしい。こんな計画で事業化へ走ったとは驚く他はない。
なお、記事では2000年度、つまり開園当初から運営は日光江戸村を運営している大新東グループに委託されてるとのことだが、下記の記述とは食い違いがある。
・ニッポンの現場 テーマパーク再建請負人(サタモニ11/30放送分)(毎日放送)
大新東グループの日光江戸村で支配人に相当する城代家老を務めていた大久保亘さん47歳が所長となって立て直しに奮闘する様子を描いた放送らしい。
ここの記述では、大新東グループはメディアパークつくばの破綻後に運営を委託されたとある。
「人間としてお客様にいかに触れ合うか。そこでお客様にいかに感動を持ってお帰りいただくか。そういう人間の力によってお客様に満足を提供していきたい」
という所長の言葉はメディアパーク事業の直接的な批判になっている。
取材後記によると、県開発公社は「過去の経緯に触れるなら取材は断わる」と言ったらしい。すばらしすぎると言えよう。
なお、このページでは、「歌謡ショー」や「手作りの遊具」、「地元で採れた新鮮な野菜の直売」が改革のための新機軸として紹介されているが、冒頭に述べた同僚は、これらに強烈なネガティブインパクトを受けたらしい。同様の記述が上記サンデー毎日の記事にもある。
本誌記者が訪れた9月1日も、平日とはいえ、午前中の入場者はわずか4人。夫婦で来ていた近くに住む男性(49)が語る。「初めて来たけど、客が誰もいない。歌と踊りのショーを見ましたが、妻と2人きりではとても楽しめない。来るのは一度で十分です」
・知事定例記者会見における発言要旨(平成17年2月3日 茨城県)
今もメディアパークつくばとワープステーション江戸が県政をひきずっていることがわかる。
メディアパークつくば事業は、結局第1期のワープステーション江戸破綻以降、凍結されているようだ。当たり前とはいえ、人ごとながらほっとする。
なんだか恐ろしく長い記事になってしまったが、要するに、ワープステーション江戸、探偵ナイトスクープ的に言えば「秘境」的味わいで楽しめそうなのだが、でもこれだけ調べたら、もうおなかいっぱいだ、ということだ。
●さらに追記。
メディアパークつくば専務だった助川幹夫氏でぐぐってみたら、おおむね次のことがわかった。
助川幹夫氏
昭和22年生まれ。明治大学法学部卒業後同庁入庁。ミュージアムパーク茨城県自然博物館、福祉部障害福祉課、生活環境部生活文化課、企画部企画監を経て平成15年より教育庁生涯学習課課長。
企画部企画監の時に専務を兼任していたのだと思われる。
1996.8? 自然博物館企画課長
2002年まで メディアパークつくば専務
2002年 財団法人 茨城県国際交流協会評議員
http://www.ia-ibaraki.or.jp/ja/iia/hyougi.htm
茨城県 教育庁参事(自然博物館副館長兼務)(年代不明。県教育委員会サイトによる。更新されていないのか?自然博物館サイトでは副館長名が異なっている)
宮城県の社労士に同姓同名があり。
http://www.sharo-miyagi.com/htmls/meibo/meibo_izumiku.html
2004/06/29時点では茨城県教育庁生涯学習課課長
http://www.asahi-kyoiku.net/interview/back_006.html
なお、常陽新聞ニュースに
・第3セクター「メディアパーク」破たん(2002年7月26日付)
・メディアパークつくばで債権者説明会(2002年7月30日付)
という2本の記事がある。
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