これは行きたい!…のだが
一生に一度のチャンスかと言われる日本国内での皆既日食。そのツアーの募集が出ている。
2009年 皆既日食ツアー / Total Solar Eclipse of 2009 july 22
場所も鹿児島県内と非常に近い。唯一離島なのが不便だが、かえって普段いけないところを見る機会だとも言える。県内では皆既日食は去年から話題になっていて、これは観察のチャンスじゃないかと期待していたのだ。
ところが、詳細を見て「ぐはっ!」とうめいてしまった。突然みぞおちに蹴りを入れられたみたいな衝撃だった。
旅行代金が35万円もするのだ。海外旅行なみだ。いや確かに海外だけど。
しかし移動範囲は県内なのに35万円。これはきつい。7月22日だから子供も連れて行ったらと思っていたが、絶対無理。ていうか一人でも無理。
おまけにツアー日程が1週間くらいある。これ参加できる人って何なの?
まあ離島で定期船も限られてるから仕方ない面もあるんだけど。
それだけじゃなくて、離島ならではというか、なんかいろいろ書いてある。
本コースは通常のツアーとは異なり、十島村が抱える特殊な事情のため、長期行程となる、船中泊が多い、設備の整った病院はなくへき地診療所で対応する、民宿は数が限られており体育館やテントなど冷房設備のない中での宿泊が主となる、など厳しい環境下での観測となります。こうしたことから申込みにあたり、安全確保のため制約を設けさせていただきます。
また、「ツアーの環境について」というところがなかなかすごい。膨大なので象徴的なのを一つ紹介すると、
3.島内の医療施設について 設備の整った病院はなく、へき地診療所での診療となります。観測の期間中は医師および看護師の確保を予定しておりますが、少人数体制での診療であり、ベッドも数台のみで十分な治療が受けられない場合もあり、薬も限られています。滞在中は休息・水分補給など、健康管理には十分お気をつけいただくとともに常用している薬はご持参ください。 また重病(症)の場合には、ヘリコプター等にて本土へ輸送されることも考えられますので、医師の指示に従ってください。
野戦病院なみの緊迫感を感じさせる。
生活環境もかなり厳しい。震災後の避難所のようだ。
・飲料水:「ペットボトルを1日5本お配りいたします。」
・入浴:仮設シャワーと温泉施設だが使用制限あり。石けんが使えない場合も。
・トイレ:仮設トイレ。くみ取りもあり。(くみ取ったものは処理が間に合うのかな?)・宿泊:民宿か学校体育館かテント。全て相部屋か雑魚寝。クーラーなどは期待できない。
・食事:食事業者(弁当屋?)が島外から提供。火を使ってはならないので自炊は不可。湯ももらえない場合もある。売店等もほとんどなく買い物はきわめて制限される。飲食店は当然ない。
・当然だが日用品や消耗品はほとんど手に入らない。電気もコンセントはもちろんのこと、電池も売っていない。
避難所並みと言ったが、火を使えないのはそれよりきついかもしれない。とにかく蒸し暑くて虫が多くて雨風もあったりのなかで、お湯も作れないのはなかなか大変じゃなかろうか。汚れ物の洗濯なども気になる。
というわけで、基本的に、無人島で1週間キャンプする(ただし火は使えない)ツアーと同等だと思えば差し支えないだろう。天文ファンってこんなタフなアウトドアと両立してたりするのかな。
こんな感じでお金を使う場面はあまりなさそうなのだが、「地元の自治会等が飲み物や記念グッズ等の販売を予定」していたり、「現地(島)では、島民手作りの土産品、島内でのオプショナルツアーなどで現金が必要なケースもございます」とのこと。何かゆんゆんするものを感じてしまうのだが…。
もともとこぢんまりと暮らしていた島に、突如大挙して人が押し寄せるというわけで、一体どんなことになるのか、ひょっとしたらそれだけでも見に行く価値があるかもしれない。…っていつの間にか皆既日食から目的がずれてるけど。逆に考えると、離島という環境がいかに厳しい状況に置かれているかが伺えるとも言える。鹿児島や長崎などでは離島振興が大きな課題ではあるのだけれど、いかにそれが難しいことかと思わされる。
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あと、このサイトで面白いなあと思ったのが悪石島の紹介。
周囲を断崖絶壁に囲まれた悪石島は、仮面神ボゼに象徴される神々の島です。仮面神ボゼに象徴されるだけでなく、島内各所に神々がまつられ、島民は日々の平穏への祈りを捧げます。
どうもこの文章の雰囲気が、昔懐かしい南洋の秘境探検を思わせて味がある。宝島についてはこんな一節もある。
その名のとおり、昔イギリスの海賊、キャプテンキッドが財宝を隠したという言い伝えがあり、財宝を隠したという鍾乳洞もあります。実際に国内外から多くの探検家や賞金稼ぎが訪れたといわれ、歴史的にみても、宝物というというネーミングにふさわしいロマン溢れる海です。
これらの文章はいずれも十島村のサイトと同じなのだけども。
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