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2009年2月の13件の記事

2009/02/26

珍しい・もったいない:「副振動」が鹿児島で観測される

asahi.com(朝日新聞社):潮位急変する「副振動」九州などで被害 転覆・浸水など - 社会

被害にあった人には申し訳ないんだけど。

 港や湾内などで海面の高さ(潮位)が急激に変化する現象「副振動」が、24日夜から25日にかけて九州沿岸や奄美大島で観測された。気象庁によると、長崎県や鹿児島県では5~30分の周期で最大約160センチも潮位が変化し、小型船が転覆したり、住宅が浸水したりするなど各地で被害が出た。26日午前にかけて満潮を迎えるところもあり、気象庁が警戒を呼びかけている。
すごく短い周期で、海面水位が大きく変化するらしい。こんな現象が存在していたんだねえ。
 長崎海洋気象台によると、25日夕までに観測された副振動の大きさは、長崎市や鹿児島県十島村で約160センチ、鹿児島県枕崎市で約140センチ、同県西之表市で約90センチ、同県奄美市や長崎県五島市で約80センチなど。いずれも周期は5~30分ほど。
5分とか30分とかで1メートルくらい水位が変化するんだもの、これはかなりすごい。
 鹿児島県内では25日午後4時半現在、上甑(かみこしき)島で海水が川を逆流して堤防を越え、8棟が床下浸水したほか、薩摩川内市や南さつま市など3市で計12隻の小型船が沈没、7隻の小型船が転覆した。大きな潮位の上昇で船体が浮き上がろうとしたが、アンカーロープが短かったために、海中に引き込まれる形で転覆したとみられる。ロープが切れて漂流した小型船も10隻あった。薩摩川内市上甑支所によると、同島の浦内(うらうち)湾の堤防で目測したところ、最大で約250センチの潮位変化があったという。
完全に想定外の潮位変動だったことがわかる。上甑島では、転覆した船を復旧しようとして車を止めていたら、水位が上がってきて車が浸かってしまったらしい。海のプロである漁師さんたちですら見誤るくらいの現象だったってことだろう。
 気象庁によると、副振動は低気圧が中国大陸から日本へ向けて発達しながら進むときに発生しやすい。今回は日本から大陸にかけて延びた停滞前線付近での気圧変化が「引き金」になったと考えられるが、これほど大規模なものは珍しいという。
なんでも、気圧の変化で外洋で長波の震動が生まれ、それが湾内に進入するときに振幅が増幅されて、海岸で数メートルくらいの上下震動になるという仕組みらしい。 「珍しい」と言われると反射的に食指が動いてしまうドケチ関西人としては、こんな貴重な現象がすぐそこで起こってたというのに、そんなことには全く気づかず、「もったいない!」の一言。皆既日食を見逃すぐらいにもったいない感じがする。というわけで、今度からはちゃんと予告してください。>海

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2009/02/24

[メモ]思いつきメモ

漂流生活的看護記録 : 水の伝説、略して水伝

せつなくてしみじみとつらいエントリなんだけど、読んでちょっと思ったことをメモ。

そんな「科学的根拠」もない、ただの水に奇跡が起こせるわけなんてないだろ、って。

罵倒とか中傷みたいな下品なことはしない人達は「科学的根拠」に基づいて「論理的」に「冷静」に説得できるんでしょ?
終始一貫した、毅然とした態度がそんなに立派なものならば、これぐらい平気で言えるでしょ?


これを「共感派」と呼ぶのならそれも結構。でもわたしの仕事から「共感」を取ってしまえば何が残る?

誰かに向けた言葉なんだろうと思うのだけど、外部者として感じたことを。(あと、コメント欄でややこしいことになってたみたいだけどそれもよくわからないのでおいておく。)

1.論理に複数のレイヤーがあるんじゃないかな
諸々の実践の場では「科学的根拠」とか科学的正当性を追求するべき層と、必ずしもそればかりではない、あるいはそれを特に要求しない層とがあって、それらをまぜこぜにしてしまうと、不毛な誤解的解釈が生じるんじゃないかな。

2.「科学」って言葉に対して悪印象を持つ人と何ら特別な感情を持たない人とがいるらしい
悪印象を持つ人は、「科学」(まあ研究機関や企業などで研究開発されたいろいろな事柄)のユーザ側(それらを使わされている側?)に多くて、特別な感情を抱いていない人ってのは、アカデミズムも含めて研究開発の現場にいる人って感じのような気がする。
まあそれはどうでも、知識や規則、制度を押しつけられつつ、それらと実践で直面する「現実」とのギャップに悩む人は「科学」という言葉に悪印象を持ちやすくなるのかなあと思った。ビジネスの人たちや公務員、社会活動をしている人たちが、経済学などの「学」や「学者」をしばしば軽蔑するのに似ているような。経済学者のほとんどは何らの権威も権力も持たないから、このエントリみたいに厳しく言われず、単に無視されるか鼻で笑われる対象になってるだけなんだけど。

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2009/02/19

[メモ]「引きこもる大人たち36」「泣いてもいいんだ」自分の"居場所"を発見

「引きこもる大人たち36」「泣いてもいいんだ」自分の"居場所"を発見

 「彼は“居場所”の中でも、他のみんなに気を使い、好かれるタイプ。一方、1人で突っ走る傾向があって、周りに過剰適応するあまり、うまく社会につながらなかったのではないか」(スタッフ)
「いい間隔で距離の取り方ができず、依存か従属してしまう人が多い。こう生きればいいというモデルがないから、誰かに承認してもらわないと主体性が揺らいでしまうのではないか」(スタッフ)。
「過剰適応」というのには考えさせられる。そういう傾向はとてもある。 自分のことだけじゃなくて、うちにもそういう傾向を感じる子が何人かいる。見ていてとても心配になる。どうアプローチしていいのかわからなくて結構悩んでいる。
30代のAさんは、コンパス事業の話を聞いて、昨年8月、相談に来た。高校受験で志望校に入れず、不登校の傾向があった。成績は良かったものの、大学受験にも失敗。結局、2浪の末、志望校ではない大学に入るという挫折感があった。IT系や人材派遣の会社への転職を繰り返すうち、引きこもり状態になった。
うちの子たちにも結構な挫折感を持っている子が多いと感じている。ぱっと見ただけだと彼らの鬱屈は見えないんだけど、時々、ちらっちらっと姿を現す。そういうとき、どう接したらいいかわからない。 このAさんみたいに、一見明るく陽気そうに見える彼らも将来の人生に大きな障害を抱えたりするんだろうか。どうすればその鬱屈を和らげたり楽にしたりできるのだろうか。彼らの心にどこまで寄り添うことが出来るのか、寄り添うべきなのか、わからないことだらけのまま時が流れていく。

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2009/02/18

伝統かしらんが嫌なものは嫌

@nifty:デイリーポータルZ:高校生の針供養

 なぜ高校で針供養が行われなくなったかというと、過度な宗教教育排斥のせいなんだとか。針供養は神社の神主さんが行うわけで、神道にのっとっているわけだが、どうもそれを嫌う人がいるのだという。

淡島大明神。婦人病と安産の神様。
 しかし思うに、神道と宗教はちょっと違う。神道は、昔から日本人精神の中心に存在する八百万の神を基本とする「感覚」を神格化した物である。だから、日本人ならだれもが持ってるものであり、それを否定するのは自分が日本人である事を否定する事だろう。日本人が日本の伝統を否定したら国が無くなってしまう。

 だけども、それを気に入らない一部の大人が騒ぎ立て、針供養などの伝統行事を潰してきた歴史があるらしい。そうして毎年、針供養を行う学校が減り大竹学園だけになってしまったのだとか。

 針供養は神道に基づく日本の伝統行事であって、決して宗教教育ではない。だから伝統を残すために意地でも続ける。そう、校長先生が言っていた。僕もそう思う。

個人で針供養をするなら何ら気にしないけど、「日本人精神」とか「感覚」とか「日本人ならだれもが持っている」とか「それを否定するのは自分が日本人である事を否定する事だろう」とか「日本人が日本の伝統を否定したら国が無くなってしまう」とか気持ち悪すぎ。そもそも本当にこんな儀式手順が「伝統」なの?っていうか伝統って何?

自らの宗教性を真剣に考えている人がこの儀式に違和感を覚えても不思議はないと思う。一神教の人たちが持っている世界観とまるで違うものが表明されていて、それに内部関係者として参加させられるのに苦痛を覚えても当然だと思う。私はどこの宗教の信者でもないけれど、神道は正直あまり好きじゃないからこの行事の様子には正直かなり違和感を覚えるし、やっぱり参加させられるとしたら気が重い。

これはやっぱり宗教的な儀式だと思う。それを「宗教じゃない」「日本人だったら…」みたいに責められるのは嫌だ。勝手に「日本人」の枠を決めないでよって思う。この行事を続けること自体にも本当なら疑問がある。だって組織的な強制力を持っているしお金も使っているだろうからね。でもそこは飛ばすとしても、せめて自由参加(これも眉唾な概念だけど…)にしてほしいし、「日本人がどうたらこうたら」みたいな理由付けはやめてほしいなあと思う。

って、別に学校に文句を付けたいんじゃなかった。
それより、このライターが気持ち悪いなあって思ったのだった。「固い話」なんて書きながら、結局校長先生から聞いた話を、特に調べたり考えたりもせずに、フィーリングで適当に書き殴ったみたいな理屈。公と宗教というややこしくて微妙な話に足を突っ込むんだったらそれなりに裏取りして書けばいいものを、気持ちよさげでもっともらしそうな筋だけ作って、変な意味づけをして気持ち悪い記事にしちゃう。
デイリーのいいところは一切の重さをかぶらないというか、まじめで堅い話の隙間にある微妙な笑いどころを見つけてくるみたいなところだと思うんだけど、何も考えないサイトって作りのところに変なメッセージ性や意味づけを入れるとこんなふうに「ホントに何も考えてません」っていう恥ずかしい記事になっちゃう。

まあそういうのも含めてデイリーなのかもね、って今思った。

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2009/02/17

[bookmark]おすもうさん | Web草思

[bookmark]おすもうさん | Web草思

面白いのでメモ。

連綿とつづく伝統に裏打ちされた国技「相撲」の世界。って実際はどんな世界? 自ら廻しを締め土俵に上がって四股を踏んで──ユーモアあふれる異色の体験ルポ。

とのことだけど、実際は、「相撲って何だろう」という問を持っていろいろ調べたり取材したり…という話。ちょっとあざとい感じがするところもあるけれど、うがった見方がされていたりしてとても面白い。言われて初めて「そう言われれば確かにねえ…」というところがたくさんある。

たぶん、人によっては「何もわかっちゃいない」とか、何か踏みにじられたような気がして「馬鹿野郎」と不快に思ったりもするんじゃないかと思うけど、そういうふうに感じる人は、自分のその心の動きの根っこについて考えてみるのもいいんじゃないかと思う。

というわけで、ぼんやりしたいときとかにちょっとずつ読もうというのと、著者の高橋秀実さんという名前を覚えておきたくて、ここにブックマークしておく。

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2009/02/13

〈ネットはいま〉第2部―7 「58%の支持」

asahi.com(朝日新聞社):〈ネットはいま〉第2部―7 「58%の支持」 - ネット・ウイルス - デジタル

田母神氏が「ヤフーで58%が私を支持している」と言った話。

なかなかいい切り口で興味深い記事。へぇ~と思ったのが、
「ヤフーはこの仕組みを、あくまで利用者を引きつけるためのコンテンツ機能と位置づける。二重投票の制限などはしているが、そもそも統計学的な精度は担保されていない。」
というところ。無邪気に「世論調査」的な位置づけをしているものだとばかり思っていたけれど、単なる客寄せツールという割り切りをしていたわけだ。

統計的な精度が担保されていないことは、ちょっと社会調査法をかじったり、アンケート調査の「精度」について考えてみたりすればすぐわかることではあるけれど、その一方で、事もあろうに国会の、しかも国中の耳目集めているその大舞台で「ヤフーで58%が私を支持している」と言っちゃうような人もいるわけで、そうしたある種の誤解というか、投票結果の「独り歩き」を放置もしていたわけで。この種の投票がお遊びだよってコメントも注意も何もなかったと思うし。今更「利用者を引きつけるためのコンテンツ」とか言われても責任逃れと言われても仕方ないと思うなあ。

それより、面白いなあと思ったのがこれ。

 たとえば先月中旬。政権の枠組みについて尋ねた時事通信の世論調査のニュースには、約7500件の意見投稿があった。だが、投稿者の1%にあたる上位10人による投稿が全体の20%、投稿者上位20%では投稿の約80%を占めた。

7500×0.2 = 1500 だから、上位の人は150回以上の投稿を行ってることになる。この数字だけだと、粘着質の変人かと思うんだけど、実際そうかもしれないんだけど、それだけでもないかなあとも思う。
時事通信のしくみを知らないでいうのだけれど、Yahoo! のニュースのコメント欄だと、言い争いのようになってることもよくあるから、気に入らない or 反論のコメントを見て、ヒートアップして論争してしまうということもあるんじゃないかと。

いずれにせよ、少数の声の大きい人の(またはグループの)声ばかりが目立ってしまうというのは、こういうシステムの弱点ではあると思う。

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ところで、この記事では、こうした弊害(?)もあるけれど、「一方で、ネットでつながる意見が、現実の世論を呼び起こすこともある」というポジティブな機能もあるよ、という話をしている。でも、ここで「現実の世論」と言っているときの「世論」と上で言う「世論調査」とかの「世論」とは、指している内容が違うと思う。記事の最後で、
「ネット世論がすべてではない。でも、力は持ち始めている」
と言っているように、ここでいう「現実の世論」は「力」に等しくて、それは何らかの集団的な行動であったり意思表示であったりという意味だろう。ここで挙げられている「銚子電鉄を救おう」キャンペーンは、社会全体の意見として実行されたんじゃなくて、それに共感したごく一部の人たちの行動だったわけだし。だから、本質的には、一部の人たちの行動・意思表示という点では、「投稿者の1%にあたる上位10人による投稿が全体の20%」というのと「銚子電鉄を救おう」キャンペーンとは同じことになるんじゃないかな。その向いた方向が評価されるべきかどうかという点で正反対だったというだけのことで。

というふうに考えると、この記事は上記の投票システムで出た意見の結果には不満で、銚子電鉄の話は「いいこと」だと思ってるんじゃないかなという気がしてくる。なんとなく、そういう特定の価値観が裏にあるような気がする。だから、
「でも、力は持ち始めている」
という結びはちょっと怖いなあと思う。ナチスとかルワンダとか思い出してしまうから。実際、吉野家とかの大規模オフもあったし、国籍法の騒動とかフリーチベットとかもあったわけで、「力は持ち始めている」んだよね。

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今回の記事で取り上げられている話には二つの要素が関係しているように思う。

1.ネットで呼びかけることで、そうでなければ散在して結びつかなかった人たちが結びつき、そして集団的な行動に繋がるという側面

特定の事柄に興味を示し、また先鋭的な人たちがそこに集まってきて意見表明したりすることで、それが実態よりも大きな割合を占めるものと見えてしまうという現象。

2.個人がたくさん意見することでその場の議論の流れが左右されたり、また逆にその場の話から個人の意見や行動が先鋭化したりするという側面

頻繁に、また長大な内容の投稿を繰り返すことで、その人の意見の存在割合が実際よりも大きく見えてしまうという現象や、過激な意見や行動指向的な議論が現れる現象。

ネット投票にせよ銚子電鉄の話にせよ、無数の興味関心が混在している社会の中で、ネットがその興味関心の先鋭化装置として機能しているという話なんだろうと思う。まあ、こういう特性も織り込みながらネットとは付き合わないとね、というリテラシの話になるのかもしれないけれど。

 ネット検索大手ヤフーは、その数字が独り歩きし始めたことに、困惑していた。

 「ヤフーで58%が私を支持している」

 昨年11月11日の参院外交防衛委員会の参考人招致。日本の侵略戦争や植民地支配を正当化する論文を公表、更迭された田母神俊雄・前航空幕僚長はそう言い放った。

 「ヤフー・ニュース」には、ニュースの話題に関するネット投票と意見投稿ができる仕組みがある。ネット投票は同月4日から参考人招致当日まで行われ、投票総数約9万7千、「ほとんど問題はない」「まったく問題はない」を合わせると58%だった。

 ヤフーはこの仕組みを、あくまで利用者を引きつけるためのコンテンツ機能と位置づける。二重投票の制限などはしているが、そもそも統計学的な精度は担保されていない。

 NHKが同月の世論調査で、田母神氏を空幕長にした政府判断の是非を尋ねたところ「大いに問題」が30%、「ある程度問題」が35%にのぼった。日本テレビの世論調査でも、田母神氏の更迭について「適切と思う」が59%。いずれも電話番号を無作為に選んで行う方法だった。

 ネット上で「世論」のように見える意見。だが一部の利用者による大量の書き込みや、同じ文言で投稿欄を埋め尽くすことも少なくない。そんな「ネット世論」の違いを、利用者にどう示すか。ヤフーでは、以前からの検討課題だった。

 たとえば先月中旬。政権の枠組みについて尋ねた時事通信の世論調査のニュースには、約7500件の意見投稿があった。だが、投稿者の1%にあたる上位10人による投稿が全体の20%、投稿者上位20%では投稿の約80%を占めた。

 「ヤフー・ニュース」は今月5日、その仕組みを一新。投稿者がヤフーに登録しているIDの一部とともに、過去にどんな投稿を何件しているのか公開するようにした。

 「どんな人が書いているか一目でわかり、意見を判断する基準になるはず」と同社の川邊健太郎・ニュースサービス部長(34)は話す。

 一方で、ネットでつながる意見が、現実の世論を呼び起こすこともある。

 「ネット世論を無視はできない」と中島竜馬さん(33)は言う。巨大ネット掲示板「2ちゃんねる」を自動解析し、話題を順位付けするサイト「2NN」の運営者だ。

 「銚子電鉄を救おう」。06年、千葉県のローカル鉄道が経営難に陥っていた時、支援を呼びかけ、世論を盛り上げた舞台の一つが「2ちゃんねる」だった。「ネット世論がすべてではない。でも、力は持ち始めている」(小堀龍之)

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2009/02/12

[メモ]“ピープルアウト”

Business Media 誠:郷好文の“うふふ”マーケティング:ムサい男たちの現場に女子が来た日……マスキングテープはアート化した (1/2)

このところ、ほとんどブックマークと化しているなあ…。

マスキングテープを作っているカモ井加工紙が、アート用?のマスキングテープを売り出してヒットした…というような話。

もともとマスキングテープに惚れて、創作活動をしていた人たちのリクエストがきっかけになって、その人たちの活動と一緒に輪が広がって…というところが肝なんだと思う。

いわゆるユーザーイノベーションとか、プロシューマとのコラボという話と重なっている。このへんの話に関心がある私としては興味深い事例の一つだった。

一つの問題は、このモデルを意図的に仕掛けられるのか?というところ。生産工程の素人とメーカがコラボして全然従来製品と違う使われ方を構想するというのは、本来の設計意図を知っている側から発想することは難しいから、供給側からすれば予想外のコミュニティから出てこないといけないと思うが、そういうチャネルをメーカが常に開いているということができるのかどうか。

もう一つは、市場規模の面で余り大きなものを期待しにくいだろうということ。「ニッチ」というべき分野になるのだろうと思うから、それを守れるのかというところと(他の似たような業者が現れてただでさえ少ない数量をかすめ取られるとたまらない)、経営全体とのバランスとの問題が気になる。まあやってみてから考えるということができれば、この事例で現れているような社内の変化を呼ぶ刺激として評価することも出来るかもしれない。

それと、消費財…しかもアート系・ファッション系という分野…になると、この市場の持続性も気になる。一つ新しい用途を切り開きつつあって、このこと自体は積極的な意味を持っているのだけど、マスキングテープのこうした使われ方というのは、一つの分野として今後定着するのだろうか。この成り行きも興味深いのだけれど、もう一つはこの出来事で出来た、従来とは全く異なる業界や人との関係を、このカモ井加工紙という会社がどんなふうに生かしていくのかということも気になる。なんとなく、文房具の会社が片面では伝統的で堅い「業務用」といった趣の商品を十年一日のごとく作り続け、その反面で、ファッション雑貨のような、そして多くの場合短命な商品を次々と開発し続ける、そんなふうなスタイルに重なっていくような気がする。

味も素っ気もない(というと失礼かな)純粋業務用の量産品を主体として技術と市場を守ってきた会社が、その資産を基盤にしながらも、アートの人たちの面白いところと繋がりながら、最終消費者の気まぐれにつきあっていくようなジャンルで商売を広げていくというストーリーは、傍から見ていてほほえましいし、またものづくりの中小企業に思いがある人間にとっては夢のある話でもある。願わくば、カモ井加工紙さんの仕事がもっともっと広がっていき、もっともっと面白い会社になっていってくれんことを。

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[ツール]Graphviz グラフ生成ツール

まあ、自分で面倒くさいグラフやネットワーク図などを書く機会は当分なさそうなんだけど。

だらだらと2chまとめサイトなどを眺めてたらぶつかったのがこれ。→ケータイ小説「あたし彼女」、自動生成出来ることが判明:アルファルファモザイク

ここで紹介されていたのがここ。→2008-12-18 - 理系男子の書斎には、どうしても小説が少ない。っていうか無い。 - ファック文芸部

で、ここで紹介されていたのが graphviz だったというわけ。

Graphviz
Graphviz チュートリアル 気の向くままにプログラミング

職場環境のせいもあって、最近は TeX すら使わなくなって Word-Excel-Powerpoint という無敵の MS-Office 状態だもんなあ。覚えることが少なくて楽だけど(Wordは特にソフト固有で使い回しの効かないアナログなTips(ムダスキル)を要求されて気に入らないが)、脳が退化していってるような気がしてしかたがない。

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追記

WinGraphviz というのがあるそうで。(あたし状態遷移図を作ってみる(for windows)|タダのブログ:xxx裏ページxxx

日本語化の問題なのかな?

dot2tex というのもあるらしい。(dot2texで数式を含む状態遷移図を作る - 半無限長キープ

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2009/02/11

[メモ]PIO病ってのがあるそうで。

知人がWindows XP パソコンの動作が遅くて困っていると言っていた。
インストールから数年以上経つと、起動や終了が遅くなったり全体に動作がもっさりするようになることが多いんだけど、だんだんとゴミが溜まるのかなあなんて考えていた。
HDDが空き容量が少なくなりすぎても動作が鈍くなるので、そのせいかなとも思った。それで、その知人にはもう一度インストールし直してシステムをきれいにしたらどうか、と言ったのだが、今日たまたま知ったのだが、PIO病というのがあるそうですな。

PIO病 | PEACE DOGS & timtim
PIOモード病(PIO病)を治す■【特効楽】■ - mut3の日記

Windows では通常、デバイスの転送モードが UltraDMA という高速なモードなのに、なぜだか PIO モードという遅いモードになったりするそうで、本来の高速な転送モードを使えていない状態のことを PIO病と言うらしい。

で、治し方で一番簡単そうなのは、

PIO病のIDEチャネルを削除して再起動する→Windowsが自動で再構築する。

というもの。知人に連絡しなければ。

実家のパソコンも動きが最近遅いので、今度チェックしてみよう。

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で、どうしてこんな情報を知ったかというと、職場のノートPCのHDDが容量いっぱいになり、大きなものに買い換えようかと思っていたのだけど、SSDもそこそこ大きくて速いものが出てきているらしいので、その情報あさりをしていたときに、たまたまPIO病の話を見たというわけ。

で、SSDなのだけど。

まだ値段と容量的にはHDDの方に一日の長があるみたい。容量も128GBを超えるものもそれなりにあるし、かなり値段もこなれてきているから買ってもいいかなあと思ったりもする。

ただ予想外に転送速度が遅いものもあるし、「プチフリーズ」という問題もあるみたいだし。GIGAZINEなどでは「SSDに換装したら起動が爆速になった」とか「HDDのベンチマークが劇的に改善」とかとあるので、気になってあれこれ見たらそれほど換装前と変わっていなかったりする例や、そもそも遅いSSDもあって、むしろ遅くなったという話もあるし。これはむしろ換装前にどんな状態だったかの方が重要かもしれない。だとすると、HDDでもいいのかなという気もする。

そして何より気になるのは書き込み回数上限があって、場合によっては寿命が短いということ。どんな壊れ方をするのかが気になる。HDDの不良セクタが出るみたいに部分的に壊れていくのか、それともある時突然全て読み書きできなくなるのか。
まだ調べてないけど、キャッシュファイルが書き込まれる領域とか、Windows が勝手にインデックスファイルを作ったりする領域とか、テンポラリファイルを書き込んだりする領域とか、…というのは、ソフトウェアとか自分で作ったデータとかのファイルがどんどん溜まっていくじゃないですか。その領域はもう書き込まないわけだから、書き込みする領域は次第に狭まっていくわけで、そうしたら頻繁に書き換えられる場所が次第に定まっていって、書き換え頻度が上がり、そしてある場所からだめになっていく…という感じなのかななどと思ったりしているので。

まあ妄想する前に調べればいいんだけど。

でも結局好奇心に負けて買ってしまいそうな気がする…。

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追記

SSDの書き込み上限が領域(セクタじゃなくてセルというそうだ)ごとにあり、書き込み回数が上限を超えた場所から壊れていくらしいというのは、おおむね正しいようだけど、使っているうちに書き換えしない箇所が次第に増えていって、頻繁に書き換えられる箇所が集中していくというのは、そうではないらしい。

hedgehogの日記 SSDとウェアレベリング

「本来ディスクの空領域の範囲で書き込みが行われることによる書き込み回数の偏りを是正するための技術が、『SSDの書き込み平準化』であり、この平準化は、本来一度書き込まれて殆ど変更されないOSのファイルを含めたディスク全領域を使って行われる」ようです。

この、書き換え回数の平均化アルゴリズムとか表面に現れないいろいろなことで、SSDの性能や耐久性などは、メーカーごとの違いが大きくなるような気がする。

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2009/02/05

なるほどと思ったのでメモ

どいつもこいつもいっぺん死ね: パチンコが悪いと言うなら新年一般参賀はどうだ?

母親が子供を家に残してパチンコに行っているすきに火災が起こり、子供が死んでしまったという事件。

この事件の原因は母親がパチンコに出かけたことではありません。一度食事のために帰宅したとはいえ乳幼児だけを自宅に残して長時間外出したことこそが原因で、外出の目的は直接は関係ないのです。

どうしても「火事が起きたのは母親がパチンコに出かけたからだ」と思いたい人は「火災が元日に発生し、母親が新年一般参賀のために皇居に出かけていたら、外出の目的を理由に母親を糾弾できるか?」と思考実験をしてみればいいと思いますよ。そういうシチュエーションでは非国民でサヨクでゲスな俺は「火事が起きたのは子供をほったらかして新年一般参賀に出かけたからだ!酷い母親だ!これだからアホウヨは!!」と嬉々として母親を糾弾しますけど(というのはもちろん冗談です)、それに対して「こんな不幸な事件を愛国者叩きのプロパガンダに利用するとは、なんてゲスな非国民だ!」と思いませんか?それと同じなんですよ。


確かに言われてみればそうです。パチンコと火災との因果関係はありません。
なんとなく、

子供を放ってパチンコに行く母親→自堕落で荒れた生活と下劣な人間性→子供がその犠牲に

というようなイメージを投影してました。言われてみて初めてこの連想のおかしさに気がつきました。

もちろん、上記の連想が、それ自体として全く不当とは言い切れないでしょう。こうした放置が繰り返されれば、いずれ何らかの事故が起こったかもしれないし、そうでなくても、問題のある親に養育されること自体を子供の犠牲と言えるかもしれない。しかし、こうした推測がごく一般論として成り立たないわけではないというのと同じ程度に、この推測が今回の親子に妥当しないという可能性もある。そして今回の事件発生について、この推測は全く妥当性を欠いている。つまり上記の推測は、この親子に対する推測としても、また今回の事件に関する感想としても、おかしいということになるわけです。

漠然と自分が思う「DQNな親」のイメージを無意識のうちに実在の人に投影してしまっていたことに気づかされたエントリでありました。

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2009/02/03

[新聞ネタ]企業の外国人研修生受け入れ急減 景気悪化が直撃 - MSN産経ニュース

企業の外国人研修生受け入れ急減 景気悪化が直撃 - MSN産経ニュース

JITCOの統計(速報値)によると、国内企業が法務省入国管理局に申請した新規の研修生数は昨年10月が前年同月比19%減の4753人。11月は同26%減の4692人で、「これほどの下がり幅は聞いたことがない」(担当者)という。
 JITCOは「不況で各企業が受け入れを控える傾向にある」とみており、既に日本で働く研修生らからも「途中帰国させられそうだ」などの相談が増加しているという。

一つ前のエントリで言及した『外国人研修生殺人事件』によると、研修・実習生は送り出し機関に何十万円ものお金を渡して日本にやってくる。そのお金は多くが借金で作ったものだ。母国でこれを返すことは不可能だから、この借金を返せない限り、日本から帰ることは出来ない。にもかかわらず、今回の不況で「途中帰国させられそうだ」というのだから、彼らの不安はどれほどのものかと想像する。
日本人的金銭感覚で言えば、周りから数千万円以上をかき集め、家族と自分の人生を賭けて渡航し、苦しい中をひたすら我慢していたら途中帰国なんて、家族もろとも破滅しろという最後通牒と同じだろう。

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外国人研修生の実態把握へ 厚労省が初の調査 (1/2ページ) - MSN産経ニュース

この記事の「トピックス」が「強盗事件」になっているのが産経新聞らしい(苦笑)。

 中国やベトナムなどから来日して縫製などの技術を学んでいる外国人研修・実習生について、厚生労働省が今年度内に初めて大規模な実態調査を実施することが8日、分かった。研修・実習生は年間10万人にのぼるが、「労働条件が悪い」などとして途中帰国・失踪が後を絶たず、強盗や殺人事件に発展するケースもある。厚労省では、結果を踏まえ、研修・技能実習制度の見直しに役立てる方針だ。

 調査は18、19年に技能実習を終えて帰国予定の外国人のうち、少なくとも1000人が対象。研修をした企業の対応や待遇などを聞き取るほか、制度への満足度や実際に技術を身につけることができたかも調査する。

 外国人研修・実習生は受け入れ先企業で研修を受ける。しかし、制度に詳しい弁護士などによると、希望する職種の研修を受けられなかったり、研修がまったくないまま単純労働者として扱われたりするケースが後を絶たないという。

 低賃金での長時間労働や、労働保険や社会保険への未加入など福利厚生が未整備といった劣悪な労働環境も問題化。未払い賃金を求める訴訟やセクシュアルハラスメントなどのトラブルも相次いでいる。平成18年8月には、千葉県木更津市の養豚場で中国人研修生が待遇の不満から受け入れ先の団体役員を刺殺する事件も発生した。

 研修・実習生が職場を放棄して行方不明となったり、途中帰国する事例も多発。会計検査院の調べでは失踪、途中帰国の実習生は平成18、19両年度で、計約1万3000人(一部重複)にのぼっている。



 政府はすでに制度改正の方針を表明。法務省や経済産業省も改正に動く一方、厚労省は労働基準法などの規制が受け入れ先企業に浸透するような制度改正を視野に作業を進めている。

 厚労省は「調査を通じ、実習制度が適正に運営されているか把握し、見直し作業に反映したい」と話している。

     ◇ 

 外国人研修・技能実習制度 国際協力の一環として、平成5年、途上国への技術移転と人材育成を目的に創設された。18歳以上の外国人が対象で、1年間を研修生として、その後の2年間を実習生として日本で技能を学ぶ。研修生は国際研修協力機構(JITCO)を通じ、全国の受け入れ先企業に紹介される。受け入れ先は機械金属や食品製造の工場など。19年に研修のため来日したのは約10万2000人。19年の法務省の調査では、実習生は中国人が最も多く、次いでベトナム、インドネシア。上位3カ国で全体の約9割を占める。

研修・実習生の人権という観点がほぼ完全に抜け落ちていたこれまでの制度とその運用実態。今後どのように動くのか、また見ていきたいと思う。

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[メモ]安田浩一 『外国人研修生殺人事件』七つ森書館に関するメモ

2007年2月15日が初版。まだ読んでる途中だけど。

●日中技能者交流センター

90年に「団体管理型」の制度が認められると同時に法務省より「研修生受け入れ団体」の指定を受けた。それ以来、中国から実に9000名もの研修生を受け入れてきた”大手”の一つである。

…中略…

中国取材に同行してくれた甄凱(ケンカイ)が研修生の支援活動に関わるきっかけが、近所で働く中国人研修生の悲惨な実態を目にしたからだということは前に触れた。実はその「悲惨な実態」を強いていた鉄工所は、交流センターから研修生を受け入れていたのである。

…中略…

甄凱(ケンカイ)は知り合いの税理士を通して、せめて労災保険を適用するように経営者に求めたが、「もしも労災などを申請するならば、(当該の)研修生を交流センターに送り返す」と、強制帰国を仄めかしたのである。

…中略…

研修生の支援団体である「外国人研修生問題ネットワーク」は2005年9月、交流センターの理事長の槙枝に対し、同センター受け入れの研修生・実習生から様々な人権侵害、労働権侵害の相談が寄せられているとして、労働法遵守を求める要請書を提出した。

同センターの創立20周年記念祝賀会で著者が槙枝理事長に質問したときの返答

一通りセレモニーを終えて歓談の時間に入ったとき、私は槙枝のもとへ駆け寄り、取材者であることを明かしたうえで、いわゆる「研修生問題」についての見解を質した。
槙枝はとりたてて嫌がるふうでもなく、しかし返ってきた言葉はそれほど実のあるものではなかった。
「そういう話、よく知らないんですよ。人権侵害? それはいかんねえ。人権も労働法もしっかり守らないといかん。まあ、中国では研修生を希望する若者が多いから、それを安上がりの労働力にしたがる経営者もいるかもしれませんね。まあ、問題が何もないとは言わないが、我々の組織も日中友好に寄与してきた歴史があるし、制度そのものは今後も続けていくべきでしょう。」
完全に他人事のような物言いだった。

●千葉県農業協会が関与した派遣先での殺人事件に関して

本書の記述ではないが、JITCOの理事がこれに関して語っている記録を見つけたのでメモ。

(社)日本経済調査協議会「外国人労働者受入れ政策の課題と方向~新しい受入れシステムを提案する~」2008年9月 ISSN 1342-4173


(2007 年4 月27 日ご講演)
7.外国人研修制度の理想と現実-団体監理型での問題案件とモデルケース-
国際研修協力機構常務理事  安城要氏

…中略…

さらに、この制度が15 年間うまくいっているとしてあげられる例に、来日した研修生・実習生は犯罪率が低く、殺人事件が起きていないことがあげられるが、その歴史に終止符を打ったのが某県の殺人事件である。これは殺人事件ということだけでなく諸々の点で象徴的であるので、内容を詳しく説明する。某県農業協会は県の農業政策上無視できるような小さな団体ではなく、設立時から理事の多くは県選出の国会議員で、事務局の責任者は県庁OB という立派な団体である。国費留学生として日本で勉強し、その後国に帰ってビジネスの世界に入り、再び日本に来てこの事業を手がけた人が事務局の職員として入って、この研修事業を一手に処理していた。従ってこの団体にいる日本人はほとんど中味を知らない。研修先は農家であり、農場なので人手が足りず、また難しい法的手続きはJA に任せるのに慣れているように県の組織に任せきりで、要は丸投げを受けて安心であるということがすべての面で行われていた。団体の設立当初はJITCO を経由して手続きをしていたが、途中からは事務能力が増し、入管へ直接申請し、手続きを行うようになったため、実質的にはJITCO のチェックを受けていない。殺人事件で現在係争中であるが、丸投げである点と立派な組織にブローカー的な人に入り込まれて全部任せていたため、外からは殺人事件が起こるまで問題のあることもほとんどわからなかった。犯人の研修生は日本に来て1 週間目くらいからノイローゼになり、自分は送出し機関と受入機関の両方に騙されていてこんな不当な扱いを受けるのはおかしく、他に変えて欲しい等訴えていた。それをなだめに行ったと記録されている団体の人たちを事件の前日に刃物で追い返している。そして翌日、帰国させることを決め、本人を騙して成田空港に連れて行く車に乗せるために常務理事が初めてその場に行って刺された。ブローカー的にいっしょにいた人も負傷した。本人はその後自殺を図った。こうした状況では我が国の刑事訴訟法体系及び判例からすると死刑にならないことが確実である。1 人しか殺しておらず、事前にノイローゼ状態で追い詰められており、100 万円以上借金をして来ていて帰国させられたら本人及び家族もたいへんという中で逆上して刺したとなれば死刑にはならない。犯人の送り出し国であれば通常死刑が相場だと聞いている。日本の場合であれば何年かの量刑を受けても2、3 年で出てきてしまう。結果として、裁判の判決が下りて刑が確定したら直ちに強制送還することになるであろうか。日本で罪を犯して、刑を受け、強制送還されて収監されるかは定かではなく、恐らく収監されないであろう。これが今後来る人に与える影響がどうか今のところ全くわからない。リポーター的に問題点を書き立てて儲けている人はいるが、これを考えている人はまだ見当たらない。この点を各方面で真剣に考えてもらいたいと思う。

「こうした状況では我が国の刑事訴訟法体系及び判例からすると死刑にならないことが確実である。…中略…犯人の送り出し国であれば通常死刑が相場だと聞いている。日本の場合であれば何年かの量刑を受けても2、3 年で出てきてしまう。」
「日本で罪を犯して、刑を受け、強制送還されて収監されるかは定かではなく、恐らく収監されないであろう。これが今後来る人に与える影響がどうか今のところ全くわからない。」
「リポーター的に問題点を書き立てて儲けている人はいるが、これを考えている人はまだ見当たらない。」

この方は「企業部が問題が起きた時の駆け込み先」であり「現場として日々相談を受けている立場」なのだそうである。
制度が人権侵害に直結したり、事件を誘発するような根本的・本質的な欠陥を抱えているのではないかという視点を全く見せず、追いつめられた研修生が「ノイローゼ状態」で起こした殺人について、「死刑にならない」と量刑に不満を漏らし、送還後に「収監されない」と刑期満了後の処遇について疑問を呈する。このJITCOって、法務省の所管団体なんだよね?で、その理事が研修制度自体については全く問題があるとは認識せず、管理下にあるはずの研修生の事件について、管轄外の刑事裁判の基本をぶっ壊すようなことを言う。面白いね。

●鉾田市で起きた女性研修生暴行事件:JITCOが実習生から訴えられたケース

本書では省かれている事件の経緯について推測できる範囲でメモ。

・女性は2004年11月、日本で農業技術を学ぶため来日。[1]
・出国の際、送り出し機関に約70万円(当時のレート)を支払った(親類知人等から借金)。[2]
・受け入れ機関は「北浦有機事業協同組合」
・女性は上記受け入れ機関を通じて会社役員の建設会社の実習生となった[3]
・会社役員とは受け入れ機関の理事長。[2]
・会社役員とは大槻武德氏(当時鉾田市市議)。建設会社とは(有)大槻製材所。
・8日間、日本語会話の講習を受けた以外に研修はなく、会社役員宅の家事や会社の清掃、廃材の焼却といった雑用ばかりさせられた。パスポートや預金通帳を取り上げられ、規定通りの賃金も受け取れず、休みは1カ月間に0-2日程度しかなかった。[1]
・毎週日曜日に近所の農家に手伝いに行かされた。時給は300円。[2]
・2005年3月から翌年6月にかけて上記会社役員(協同組合理事長)から暴行を受けた。[1][2]
・2006年7月に東京入国管理局に駆け込み、保護された。[1][*]

・東京入管はシェルター施設を紹介、その後女性は全統一労働組合へ相談[2]
・労組が理事長に団体交渉を申し入れ。その後、団交拒否として労働委員会へ申し立てたが解決せず、女性の意思で訴訟に踏み切った[2]
・2006年12月25日、女性は上記役員(加害男性)、受け入れ機関(協同組合)、JITCOに対して3700万円損害賠償と未払い賃金を求め、東京地裁に提訴した。
・2007年2月19日、第1回口頭弁論で役員と会社側は女性側と和解。事実関係を争わなかった。[1]
・JITCOは争う姿勢だったが、2008年までに和解した[4]

[1]47News「外国女性暴行訴訟が和解 技能実習先、事実認める」(2007/02/19 02:57 共同通信配信)
[2]本書の記述による
[3]47News「「受け入れ先役員が暴行」 外国人実習生の女性提訴」(2006/12/25 04:36 共同通信配信)
[4]○○弁護士○小野寺信勝の徒然日記○○ : 外国人研修生全国フォーラム2008
[*]上述の安城要氏によれば、「最初JITCOに駆け込んできた」とのことで、記述に食い違いがある。

おまけメモ

・2007年1月、テレビで大槻武德氏のセクハラ問題が取り上げられる。旧鉾田町議時代の05年7月にあった政務調査旅行の宴会で同行した女性添乗員に抱きつくなどしたもの。合併前の町議会与党会派「つくしクラブ」の町議7人が観光バスで05年7月21日から2泊3日で、青森県八戸市の終末処理場を視察。その際、宴会を開き、添乗員に抱きついた写真がその後、怪文書として旧町内にばらまかれた。同年1月15日、大槻氏は「一身上の都合」として市議を辞職。[5]
・上記テレビとはテレビ朝日の「スーパーモーニング」[6]
・FRYDAY 2007年3月23日号に「【テレ朝と大モメ】セクハラ元市議「62回強姦裁判が和解」の深層」という記事が掲載される

[5]鉾田市議が辞職 セクハラ報道で?(朝日新聞茨城版) 天空橋救国戦線
[6]「鉾田市議が辞職 セクハラ報道で?」(マッド・アマノの「THE PARODY TIMES」)

*********************************

以下、参考資料として添付。

●女性暴行事件に関する上述の安城要氏の発言

業共同組合理事長が研修生から技能実習生まで3 年間いた中国人女性に対して数十回強姦したというものである。この女性は最初JITCO に駆け込んできた。強姦の件については警察に相談するように、また賃金が支払われていない件については指導して払うようにさせた。しばらくして、刑事告訴せずに民事告訴として強姦の損害賠償請求訴訟が出て、監督責任不履行によりJITCO も損害賠償請求をされた。監督責任を問われることは論理的にはあり得るが、JITCO の監督責任はなかったという認識で争っていくつもりである。しかし問題は、農業や建設業など多数の業種について小さな事業協同組合で行っており、その中で色々な不適正行為とともにセクハラが行われたことである。強姦までいくものはそうあるものではないが、これは典型的事態で、防ぐ手立ては現行法では刑事訴訟法体系しかない。これについて訴訟が起こった時に非常に困る状況になっている。
業種別の問題について典型的なことを述べたが、農業については業種特有の非常に大きな問題がある。当初この制度を作った際農業は対象ではなかった。制度全体は工場労働を対象に構築されている。従って、時間単価等で最低賃金法を適用等労働基準法体系によって規制することでできている。農業を対象とする時に、農業の研修事業だけは労働基準法の考え方で行う。よってその延長である農業の技能実習も労働基準法で適正化する。始めた時は農協が中心で、農協ではこのような問題はあまり顕在化しなかった。事業協同組合において労働基準法に抵触するようなことが多く出てきた。一番多いのは時間単価、特に残業において下回ることである。農業については、季節変動、天候変動もあり、しかも導入されているのは都市近郊の蔬菜農業なのでしかるべき時間に東京に出荷するためには夜中から作業することが常態であるにもかかわらず、時間単価で測ると夜中から18 時間継続労働で違法となり問題となる。北浦有機農業事業協同組合もこの点でまず問題になる中で強姦事件が出てきた。その後農林水産省と共に調査したところ、農業については時間の問題が隠れていることがわかった。先ごろ長野県で東京入管が集中的に摘発した事件がある。東京に夜に出荷している高原野菜の農業で、これは時間が守られていない。そこが連続して摘発されたために地域の産業ができないのではないかといわれた。漁船漁業も途中から対象になった。この制度上漁船漁業については市町村が研修を行い、漁協はその監督の下に実態を手伝う形になっている。これは特殊であるが、問題が次から次に起きているわけではない。

本書が示している研修・実習生が置かれている基本的状況を考慮すると、強姦、セクハラ等は水面下に隠れて現れにくいことが容易に推察され、さらにJITCOの巡回等が満足に行われ得ない実情を考慮すれば、「強姦までいくものはそうあるものではない」とか「問題が次から次に起きているわけではない」などと断言できるとは思えない。
いずれにせよ、この報告書はなかなか本音が赤裸々なので、消される前に保存して置いた方がいいと思う。

有機野菜のことなら!北浦有機事業協同組合
事件に関するコメント等は一切ない。外国人研修生等の受け入れ事業についての記述、過去の経緯等についても全く記述はない。
所在地が茨城県行方市成田688-3となっており、鉾田市の大槻氏が理事長になっていたその経緯がよくわからないが、同組合の鬼沢寛氏は「つくしクラブ」で大槻武德氏と同会派だったようだ。

●鉾田市議が辞職 セクハラ報道で?(朝日新聞茨城版)

2007年01月16日

 鉾田市の大槻武徳市議(64)が15日付で辞職した。「一身上の都合」としているが、大槻氏は旧鉾田町議時代の05年7月にあった政務調査旅行の宴会で同行した女性添乗員に抱きつくなどし、民放テレビ番組が先週、セクハラ問題として取り上げたばかりだった。
 この日は、同番組を巡る議会全員協議会が開かれ、小沼洋一議長が冒頭、大槻氏から辞職願が出され、15日付で許可したことを報告した。大槻氏は町議を含め5期目。町議会議長経験もある。
 問題の政務調査は、合併前の町議会与党会派「つくしクラブ」の町議7人が観光バスで05年7月21日から2泊3日で、青森県八戸市の終末処理場を視察。その際、宴会を開き、添乗員に抱きついた写真がその後、怪文書として旧町内にばらまかれた。
 同年10月、町議らが政務調査活動費計約57万円の返還を求めて住民監査請求を起こしたが、合併後の市監査委員は「女性の同行に問題はあるが、政務調査費の使い方に違法性はない」と報告していた。
 全員協議会には、旧つくしクラブの議員5人も出席。それぞれ「テレビ報道で迷惑をかけた。(宴会などは私費で)政務調査自体に問題はない」などと説明したという。

平成19年第1回鉾田市議会定例会会議録 第2号〔53番 石津武吉君登壇〕
大槻氏の会社である(有)大槻製材所への業務委託に関連して、女性暴行事件とセクハラ視察旅行問題とが取り上げられている。このほかの事業関係でもずさんさが暴露され、市側と市長の対応が面白い。

外国女性暴行訴訟が和解 技能実習先、事実認める

 財団法人国際研修協力機構(JITCO)の外国人研修制度で来日した技能実習生の外国人女性が受け入れ先の建設会社役員から性的暴行を受けたなどとして、役員や建設会社、JITCOなどに計約3700万円の損害賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が東京地裁(土田昭彦裁判官)であり、役員と会社側は19日、女性側と和解した。  女性の代理人弁護士によると、役員側は暴行を認め、一定額を支払うが金額は非公表。役員側は「和解条件は答えられない」と話している。  JITCOは賠償責任を争う姿勢を示した。  訴状によると、女性は2004年11月、日本で農業技術を学ぶため来日。東日本にある建設会社の実習生になったが、研修はほとんどなく、同社役員宅の家事や会社の清掃、廃材の焼却ばかりさせられた。  さらに役員所有の民家に1人で住まわされ、05年3月から昨年6月にかけて役員から暴行を受けたという。同年7月に東京入国管理局に駆け込み、保護された。
2007/02/19 02:57 【共同通信】

「受け入れ先役員が暴行」 外国人実習生の女性提訴

 財団法人国際研修協力機構(JITCO、東京)の外国人研修制度で来日した技能実習生の女性(35)が25日、受け入れ先の会社役員に60回以上も暴行された上、研修はなく、雑用ばかりさせられたとして、役員やJITCOなどに計約3700万円の損害賠償と未払い賃金を求め、東京地裁に提訴した。  訴状によると、女性は2004年11月、日本で農業技術を学ぶため来日。1次受け入れ機関となった農産物共同販売の協同組合を通じ、東日本にある建設会社の実習生になった。  しかし8日間、日本語会話の講習を受けた以外に研修はなく、会社役員宅の家事や会社の清掃、廃材の焼却といった雑用ばかりさせられた。パスポートや預金通帳を取り上げられ、規定通りの賃金も受け取れず、休みは1カ月間に0-2日程度しかなかった。  JITCO総務部は「訴訟案件になるため、一切コメントできない」としている。
2006/12/25 04:36 【共同通信】

このほかの参考URL
【鉾田市】大槻武徳・市議【政務調査費でセクハラ】(2ちゃんねる)

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[メモ]退職を拒んだら“兵糧攻め”に・・・。カリスマ経営者に騙され、「辞表」を出した管理職たち

ダイヤモンド・オンラインの「第2次リストラ時代(!?)に贈る 私が「負け組社員」になった理由」というシリーズもの。
http://diamond.jp/series/yoshida/10008/

うちの会社でも中期的にはリストラ必須と思われ、こうした労働関係はちょくちょく見ておかないと。
先日、すぐ近所の同業他社が閉鎖するという報道も出た。…生き残りゲーム?
同僚の中には逃げ出す人も出始めたしなあ…。先手必勝かもしれない。

************************
業績不振の会社。人件費総額の15%カットと役員報酬の30%カットを決定済み。

1.管理職が「カリスマ性のある創業経営者」から会議に招集される。
2.「自らの進退を一任する」という文書に署名を迫られ、それに応じる。
3.その署名を盾に、辞職を迫られる
4.応じない場合は執拗に迫られ、退職金・解雇等をちらつかされる
5.職場でも仕事を取り上げられる

ここで挙げられている教訓。

1)安易に「出処進退」に関する書類などを書かないこと
「たとえ経営者からの「命令」であったとしても、自分の意思に反して「出処進退」に関する文書を提出しないこと」

正社員は簡単に解雇できないので、「いろいろな理由をつけて自主退職(依願退職)に追い込もうとしてくる。」
始末書や業務命令違反文書なども、辞表を書かせる口実になりうるとのこと。
もっとも、始末書などを根拠に辞表を書かせる行為が正当なのかどうかは書かれていない。

2)「ただ抵抗する」だけでは、得策ではない
いったん会社が決意すると、退職させるまで簡単にはあきらめない(他の社員への示しが付かない)ので、自分たちだけでがんばり続けるのは無理があるとのこと。
一つの選択肢が、労働局や労働基準監督署、労政事務所といった第3者機関に相談し、会社との調停に入ってもらうというもの。ここで「退職強要ではないか」「会社として努力してこなかったのではないか」などを問いただすことも出来る。

「一連の行動が会社の明確な意思である以上、厳しい闘いにはなるだろう」という一文が重い。

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