なつかしい
@nifty:デイリーポータルZ:ムクドリの群れは宇宙の夢を見るか
4年前まで住んでいたつくばの様子がたくさん見える。
景色がいちいち懐かしい。
転職するべきかどうかさんざん迷って、結局今の職を選んだのだけど、残っていたら今もつくばにいたのかなあと思う。
そのころの迷いや仕事をしながら悩んでいたいろいろなこと、気持ちなんかを思い出してしんみりした。当時の悩みは今もなお解決せず、形を変えて今の悩みになっているのだけれど。
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京都でほとんど腐りかけていたとき、大学時代の友人が時々立ち寄ることがあった。みんな卒業後無事に進路を決めてサラリーマンしている連中だ。
奴らと会うと、必ず大学に行きたがる。そして構内や近所を散策しては昔話と「なつかしい」のオンパレード。一緒に歩いている私は胸がむかむかするぐらい嫌だった。何にもなれず、どこにも行けず、ただぐちゃぐちゃと腐っていくしかない自分にはただ忌まわしい場所でしかないこの街で、いちいち馬鹿丁寧に思い出をほじくり返して歩くのに付き合うのがたまらなく嫌だった。それ以来、大学時代の友人たちとはほとんど連絡を取らないようになった。
一縷の望みが与えられて、半ばやけくそで京都を出てつくばに行ったわけだけれど(思えば鹿児島に来たのもやけくそだった)、そしてあれほど忌まわしく苦しい記憶しかないはずの京都が、つくばに行って1年もすると、懐かしい場所に変わっていた。そして鬱々と暮らしたつくばが今、同じように懐かしい場所になっている。つくばのことを思うたびに、鹿児島を選んだことが何か途方もない大失敗だったのではないかという気持ちがこみ上げてくる。
あのころの記憶が過ぎ去った過去になった訳ではないのだけれど、今は少し友人たちが大学を歩きたがった気持ちが分かるような気がする。いつか機会があれば会いに行ってみようかと、最近はときどき思っている。
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