藺牟田池を見てきた
今日は入来町に出張がありまして、用事が終わった後、あまりの天気の気持ちよさに、ついドライブしてしまいました。
日差しはまだまぶしいですが、風情はすっかり秋で、風はすがすがしく、田んぼは薄緑色と黄金色との混じり合った稲穂の波が広がって、空はひたすら青く、雲はひたすら白く、とにかくただひたすらに気持ちがいい。
途中で入来温泉に寄ると、まあ非常に厳しく衰退した小さな温泉街の残骸に、絶望的なくらいにひなびた感じのお風呂屋さんが数軒残っていて、うわー何でタオル持ってきてへんのやぁ~オレのバカバカバカバカと発狂しそうになりましたが、実際は帰社しないといけないわけで風呂など入れないわけですが、とにかく脳髄がエンドルフィン漬けになりそうな感じの強烈に素晴らしすぎる街があったわけです。それが入来温泉。
で、地図を見ると、近くに藺牟田池があるじゃないかということに気がつきまして、またうまい具合にというか困ったことにというか、入来温泉から藺牟田池まで、山道っぽいぐねぐね道が繋がっているように描いてあるんですね。ええ、一応つながってますよ、という具合に描き込んでいるわけですよ。誰だか知らないけど。
そうすると、まあ繋がってなかったら、しょうがない、社用で移動中だし、しかたないよね、また今度だねで済んだものを、何の因果か、地図屋の困った人がご丁寧にわざわざ描き込んでるわけですよ、入来温泉は藺牟田池に繋がってますよ、と。だったらもう行かざるを得ないわけで、…だって何のために道を描いたんだってことになりますよね、それで仕方ないから藺牟田池まで走ったと。
するとですね、まあとにかく素晴らしい眺望なわけです。途中にパラグライダーの離陸場?みたいのがあって、そこからの眺めがまあ劇的。台風一過の澄んだ空気の中で、山々が、田畑が、道路や家々が、もうみんな輝いているわけです。そしてただ風が渺々と吹きすさんで、きれいに刈り揃えられた足下の草原が風に波立っているわけです。もう「うぉ~」とうなる他はない風景ですよ。そしてその山の反対側に行ってみると、なんと山々の向こうに桜島が、まるで当たり前のような顔で、昔からそこにいて、「え?そりゃ見えるよ?それがどうしたの?」みたいに頭を出しているわけですよ。この光景に卒倒しそうになりながら、よろよろと車に戻って藺牟田池に行きました。
藺牟田池はですね、時間がなくてほんのちょっと見ただけですが、これもまたアホみたいに素晴らしい。渇水だったのかあまり水はなかったですが、もうね、いかにもカルデラ湖。円錐状の、これもまたいかにも火口丘でございますといったかわいらしい山があって、周りを見るとこれもまたいかにも外輪山の残骸です、すみませんという感じで山々が連なっていて、気が狂いそうなほどにいい景色。看板の解説を読むと、なんでも、藺牟田池は水深1メートルから3メートルほどと浅くて、そのくせ、浮島があって水面を浮遊しているそうなんですよ。もうなんというか、浮島がぷかぷかしてるというだけでもすごすぎる。外輪山の内部に畑があったりして、水質管理とか大丈夫なのかとちょっときになるけど、ラムサール条約に入っているとか言うし、まあいいのでしょう。
というわけで、鼻血を出しそうになりながら帰ってきたわけですが、最後に途中の入来峠からの鹿児島側の眺望がまた劇的で感動しました。入来町、「君が代発祥の地」とかいうのは気に入らないけど、山々、田畑、温泉、そして町並み、あらゆる面ですごすぎました。まあ南九州はたいがい恐ろしくなるくらいに風光明媚で、しかも多様性があって素晴らしいんだけど、入来町も相当な実力だということが分かりました。誰か空き家を月1万円くらいで貸してくれたら別荘にするんだけど。
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