外山さんは正しかった…のかも
記憶はどう生まれ、消えるか:井ノ口馨氏らの画期的研究 | WIRED VISION
●ものすごく乱暴な要約
脳の神経新生→既存の脳細胞間の接続を不安定化→忘れる→新しい記憶が可能に
先日、某所で、外山滋比古『思考の整理学』の断片を見かけて、同趣旨のことを読んでいた。それで、
「おお、科学的根拠が全く不明な言明だったのに、科学的根拠が示されたのか」
と思ったのでメモ。
外山滋比古のその節では、
・現代は情報が多すぎて、脳に備わった自然の忘却システムでは忘れきれない
・取捨選択が大事、それに時間をかけられないから、直感的に処理できるように自分の価値観を鍛えよう
みたいな話が書かれていたのだけれど、
・脳は記憶の倉庫みたいなもの。一杯になったら新しい記憶が入らない。
・脳は工場みたいなもの。複雑な思考作業には広々とした作業用スペースが必要。
という部分があって、要するに不要物の廃棄、整理整頓によって生産効率を高めようという、まあ生産管理の3Sみたいな話だったので、
「趣旨は分かるけど、眉唾だなあ…。まあよくあるハウツー本(最近で言うとライフハック本?)ってところか」
みたいに思ってたんだけど、なんとあながち外れていなかったという驚き。まあ、偶然の一致ということは十分あり得るのだけれど。
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記事の要約
・海馬から記憶を消去されることが、新たな学習を促進している可能性を示唆
・神経新生が既存の記憶を消去する働きをしている可能性は、これまでも指摘されていた。しかし、この仮説を裏付ける証拠を提示したのは今回の研究が初めて。
・数ヵ月または数年をかけて、記憶が徐々に海馬から消去されていく仕組みは分かっていなかった。
・従来の考え方では、新たな神経細胞は記憶の回路を安定させる働きをしている、あるいは何らかの形で新たな記憶の形成に関与しているとされてきた。
・ところが今回の研究は、それとは一見、逆の可能性を示唆している。すなわち、神経細胞の新生によって、海馬に蓄えられている古い記憶どうしの連結が弱まる、もしくは消去される可能性があるというのだ。
・だからといって、脳が新しいことを覚えるのに神経新生は必要ないとは限らない。
・神経細胞の新生は、海馬が古い記憶で一杯になるのを防ぐことで、新しい記憶の形成を助けている可能性がある。
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この記事、最後にちょっと怖いことが書いてあって、
なお、心理的ストレスを長期間受け続けると、コルチゾールの分泌によって海馬の神経細胞が破壊され、海馬が萎縮する。PTSD・うつ病の患者にはその萎縮が確認されるという
とのこと。子供にストレスを与え続けているとバカになるかもしれませんぞ!(Wikipediaネタだけど。)
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