佐多岬から日南へ(2/2)
前回の続きです。
夜になって、志布志でガス欠になりかかり、コンビニで聞いてみると「夜営業しているガソリンスタンドはない」とのこと。ケータイで検索して鹿屋まで行って給油しました。田舎でガス欠は致命的です…。
で、真夜中に日南線の夏井駅で休憩していると、いきなり列車が停車。終電も何もない時間のはずなのに…。
乗客は一人も乗っていません。がらーんとした車内に白々と電気だけがまぶしくて…。
かなり怖かったですが、たぶん、津波の影響で遅れた列車が着いたのだと思います。JRは軒並み運休していましたので。
今回のドライブではいろいろな動物に出会いました。
都井岬に行ったら野良馬がいてびっくりしました。
都井岬の野生馬は有名なのですが、それを全然知らず、ただ「先っちょぽいから」という理由で行ってみたら、いきなり馬がいたのでびっくりしました。「駒止め」っていう門で馬のいる岬と人の住んでいる世界とが区切られているのですが、「駒止め」の意味がわからず、「昔のお殿様が放牧でもしてたのかな」くらいに思っていました。←愚か者
ちなみに、都井岬ホテルがこの日たまたま営業最終日だったそうです。知ってたら無理してでも泊まったのに、残念なことをしました。
都井岬にも猿がいました。猿の軍団に道をふさがれて困ったのだけど、小猿が可愛くて撮った一枚。
このほかに、夜だったけど、ウサギとタヌキにはたびたび遭遇、一時は轢きそうになって大変でした。それから鹿にも出会いました。サルにウサギとタヌキにシカ、馬に牛と、日本の昔話のレギュラー動物ですね。
それから、翌日ですが、日南海岸を北上して、油津に行きました。かつて栄えた港として有名な町で、風情のある石橋があると聞いたことがあったので、一度行ってみたかったのです。
昔日の繁栄を彷彿とさせる木造3階の建物。雑貨や工具類のお店で、現役。中もレトロですが品揃えもすごいです。いろいろと店主の気合いを感じさせる店。
油津の歴史的な街並みはすごく小さくて、1時間ぐらいで見て回れます。逆に言うと隅々までじっくり見て回れて楽しい。路地のたたずまいなど、住み着きたくなるいい町です。
イタリアのまちあるきをすると思うんだけど、日本の有名な町はちょっとまちあるきにはちょっと大きすぎるんですよね、京都とか。イタリアの小都市が面白いのは、旧市街地がこぢんまりしているのが大きいと思うんです。油津はそうした点では最適です。小さすぎるくらい。人口数万人の小京都的な地方の町は実は京都にはない心地よさがあると思うんだけど、どうでしょうか。
で、これが油津の石橋。運河の掘削はかなり古いのですが、石橋自体は比較的新しい。といっても明治時代ですけど。
これも知らなかったのですが、「寅さん」がロケをしていたのですね。
第45作 男はつらいよ 寅次郎の青春|寅の巻全作品データベース|『男はつらいよ』|松竹株式会社
資料館があって、当時の写真とかがありました。
でも「寅さん」より興味深かったのが、唯物論研究会の岡邦雄がいきなり紹介されていたところ。何でも岡邦雄の奥さんが油津出身の偉人の娘で、その係累を油津の図書館の人が苦労して探し出していろいろ当時のことを聞いたということですが、歴史の地道な掘り起こしは「寅さん」のロケより価値があるように思います。こういう積み重ねが町を育てていくんでしょうね。
で、油津の次に飫肥に行きました。ここも名前だけ知っていてどんなところか知らずに行きました。(汗)
行ってみてびっくり。江戸時代がそのまま残っているみたいな街並み、しかも普通に使われている生きた町です。
出水市の武家屋敷群も現役の町なのにたたずまいが江戸時代でびっくりしましたが、ここも相当すごい。
大手門の脇にある武家屋敷。維新後、城を出た殿様が住んでいたそうです。
高床式で床と床下がすけすけ。その上に畳を置いただけですから、冬はすごく寒かったと思います。
飫肥は小村寿太郎が出た町だそうで、資料館ではいきなり明治の外交について勉強する羽目になりました。
いくら地元の偉人でも、ちょっとひいきが過ぎるんじゃないかなあ。寿太郎中心史観というか?
で、飫肥では食べ歩きマップってのを売っていて、これを買うといろいろな入館券+食べ歩き引換券をもらえて、ちょっとしたおみやげができます。
これはなかなか良かったです。全然知らなかったおいしいものとか珍しいものを見つけられて楽しいです。
で、これで試食して釣られて買い込んでしまったものが、
1.飫肥の天ぷら:薩摩揚げっぽいけど、ふかふかでおいしい。
2.飫肥の厚焼き卵:普通の厚焼き卵じゃなくて、プリンと茶碗蒸しのあいのこみたいなお菓子っぽい。
数軒あったので買って食べ比べてしまった。→正直、あまり違いはわからず。
3.醤油:甘くない地醤油がほしかったが、それほど甘くないというのでつい買ってしまった。→いける!
というわけで、思いの外、飫肥ではどっぷり観光してしまいました。
このあと、実は延々と山越えをして、綾町に入り、そこからさらに山越えをして小林市を通って霧島のドライブウェイを抜け、国分に下りて10号線を鹿児島まで帰りました。へろへろでした。
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