親が子どもを勉強させるのはムダ?→そうは言ってない
子どもの知能:遺伝と環境と経済レベルの影響 | WIRED VISION
親が子育てに関して行なう選択や決定にはどれだけの影響力があるのだろうか。多くの親は、幼稚園や保育園の選定からテレビゲームの方針まで、さまざまな事柄の選択が子供の将来に深く影響すると考えている。彼らの考えでは、大人は彫刻家で、子供たちは素材なのだ。
しかし、知能から自律力までさまざまな特徴を測定するテスト結果から、家庭環境が持つ影響力は、遺伝やピア・グループ(友人関係)の持つ影響力よりも小さいことがわかっている。多くの親は自分が彫刻家だと思っているかもしれないが、子供は自らを生成していくのだ。
遺伝と友人関係とが有力だとは…。孟母三遷の教えとか、朱に交われば赤くなるとかを思い出しますね。なかなか考えさせられますが…。
ただ「家庭環境」とか「友人関係」とかのあいまいな概念がどうやって計られているのかが気になります。何か分かりやすい紹介論文とかがあるといいのですが。
で、このコラムのざっとした結論は、大まかに以下の通り。
・いろいろな家庭の双生児(生後10ヶ月と2歳の2群)にテストをして成績を比較。
・生後10ヶ月では家庭環境が重要。
・2歳になると、
(1) 低所得家庭では家庭環境が重要
(2) 高所得家庭では遺伝的要因が重要
要するに、貧しいと潜在的能力の開花が妨げられやすいが、ある程度豊かになれば制約がなくなるということみたいです。
所得階層の違いがなぜ影響するかということですが、単に貧乏だとよい教育を受けられないみたいな単純なことは考えられてないそうで、
例えば、子どもに対して用いられる語彙の豊富さ(語彙が豊富なほどテストの成績は高くなる)、家庭にある書籍の数、さらには、子どもに投げかけられる肯定的なコメントと否定的なコメントの比率といったものまでだ。例えば、3歳までに、高所得家庭の子どもは肯定的なコメントを平均で約50万回、否定的なコメントを8万回聞かされるが、低所得家庭の子どもではこの比率が逆転するという。
というように、階層によって親や周囲の人の知的水準とか子どもに対する態度とかが異なることも考慮されているみたいです。まあこれが「家庭環境」というやつじゃないのかとも思いますが…。
どうも、子どもの成績を上げるには、
・親など周りの大人の知的水準を高める
・身の回りの本を増やす
・ゆったりした気持ちで子どもに接して、子どもを尊重し、褒めて認めてあげる
・子どもが付き合う友達は選ぶ。よい友達が多くなるような集団に子どもを入れる
で、それでもダメなら遺伝的限界だ(つまり自分たち親が与えた運命だ)と思って潔くあきらめる
というようなことになりそうです。なんだか普通の英才教育論とあまり変わらないような…?
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