大学院改革:修士論文廃止?
“徒弟制度”や修士論文の廃止求める 大学院博士課程で中教審答申 - MSN産経ニュース
とあるので、中教審のサイトに行ってみたけれど関連文書が見つからない…。
記事の要旨は下記の通り。
・中教審が1月31日に大学院教育改革策を答申。
・博士課程修了者が民間企業で敬遠される傾向+国際社会で活躍できる人材育成も不十分という批判→幅広い分野の研究をさせる→企業などが求める人材育成を目指す。
・1つの研究室に所属・1人の教員の指導→複数の研究室で指導を受ける体制へ
・5年制の博士課程では修士論文を廃止。審査として「クォリファイング・イグザム」を導入
・修士課程単独の場合は修論存続。
・新制度はトップレベルの大学院で先行導入
◆ ◆ ◆ ◆
見出しが釣りになってる。要するに博士号取得まで行く課程だけに該当する話。しかも導入は一部トップ大学だけ。
トップクラスの大学院については何とも分からないので「まあやってみれば?」って感じ。
それ以外だと、こんなことをしても院生の就職はよくならないと思う。年齢と院卒というので門前払いなので。とりわけ文系では。
そもそも研究職・専門職の需要が低すぎるし、大学等の教育機関、公的機関も採用をものすごく絞り込んでるし、ポストが少なすぎるのが就職難の理由。行政もコンサルも経営戦略もマーケティングも金融系も、正直な話、文系大学院の専門的人材はごく一部を除いてほとんど必要としてない。たいていは学部で採って必要なら社会人大学院で数年学ばせる程度。
需要不足の不況対策でサプライサイド対策に注力してもあまり意味はないと思う。はっきり言って文系大学院は旧帝大ぐらいでもう十分じゃないか。それでもポスドクが出るかもしれないぐらいに求人がなさすぎる。構造不況業種なんだから、かつての繊維産業や鉄鋼業みたいに共同で供給能力削減した方がいいよ。
2011.1.31 22:02 中央教育審議会は31日、大学院博士課程で、院生が1人の教員に師事して研究を手伝いながら指導を受ける“徒弟制度”や、特定のテーマに絞り込んだ修士論文の廃止などを盛り込む大学院教育改革策を高木義明文部科学相に答申した。博士課程修了者が民間企業で敬遠される傾向があり、国際社会で活躍できる人材育成も不十分という批判が出ていることから、幅広い分野の研究をさせることで、企業などが求める人材育成を目指す。答申を受け、文科省は具体的な制度改革の検討に入る方針。
答申では、博士課程の院生が、1つの研究室にだけ属して1人の教員から指導を受ける現行制度からの転換を提言。複数の研究室で指導を受けながら学位を取得するように求めている。
また、5年制の博士課程の2年修了時点で、特定の研究テーマについてまとめる修士論文を原則的に廃止。代わりに幅広い分野についてテストやリポート審査を行う「クォリファイング・イグザム」の導入を求めている。
ただ、博士課程とは別にある修士課程は今後も存続するため、同課程での修士論文などは存続を認める。
新しい制度は、トップレベルの大学院教育を推進するために、各大学院の中から指定される「リーディング大学院」などで先行して導入される見通し。
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