君が代の起立斉唱条例可決へ
予想されたことですが。
毎日新聞の記事から。
大阪府議会:君が代の起立斉唱条例可決へ…「維新の会」
大阪府議会で過半数を占める首長政党「大阪維新の会」は30日、府内の公立学校教職員に君が代の起立斉唱を義務付ける条例案を、来月3日の府議会本会議で単独可決・成立させる方針を固めた。校長の起立斉唱命令を合憲とした30日の最高裁判決が追い風となった。君が代の起立斉唱を義務付ける条例が、都道府県では初めて制定される。条例案は橋下徹知事率いる維新が25日に提出。「我が国と郷土を愛する意識の高揚」や「服務規律の厳格化」を目的に掲げ、府立と府内市町村立の小中高校、特別支援学校の教職員らを義務付けの対象としている。府施設での国旗の常時掲揚も義務付ける。
条例案に罰則規定はないが、橋下知事は不起立を繰り返した教職員を懲戒免職とする処分基準を作り、条例案を9月府議会に提出する方針。【堀文彦】
毎日新聞 2011年5月30日 20時24分(最終更新 5月30日 20時32分)
この記事にある「校長の起立斉唱命令を合憲とした30日の最高裁判決」については以下の通り。
君が代訴訟:「教職員への起立命令は合憲」最高裁が初判断
卒業式の君が代斉唱時の不起立を理由に、東京都教委が定年後の再雇用を拒否したのは「思想や良心の自由」を保障した憲法に違反するなどとして、元都立高校教諭の申谷(さるや)雄二さん(64)が都に賠償を求めた訴訟の判決で、最高裁第2小法廷(須藤正彦裁判長)は30日、「校長の教職員に対する起立斉唱命令は合憲」とする初判断を示した。その上で、申谷さんの上告を棄却。申谷さんの敗訴とした2審判決(09年10月)が確定した。公立校での君が代斉唱を巡っては、最高裁が07年2月、都内の小学校長が音楽教諭にピアノ伴奏を命じた行為を合憲と判断したが、教職員全体が対象となる起立斉唱命令について憲法判断したのは初めて。
裁判官4人全員一致の判断。小法廷はまず「起立斉唱行為は卒業式などの式典での慣例上の儀礼的な性質を有し、個人の歴史観や世界観を否定するものではなく特定の思想を強制するものでもない」と指摘。ただし、起立斉唱行為を教員の日常業務に含まれないとした上で「国歌への敬愛表明を含む行為で思想と良心の自由に間接的制約となる面がある」と位置付け、間接的制約が認められるかどうかは「命令の目的や内容、制約の態様を総合的に考慮し、必要性と合理性があるかどうかで判断すべきだ」との判断基準を示した。
その上で申谷さんのケースを検討。教育上重要な儀式的行事では円滑な進行が必要▽法令が国歌を「君が代」と定める▽「全体の奉仕者」たる地方公務員は職務命令に従うべき地位にある--ことを挙げ「間接的制約が許される必要性や合理性がある」と結論付けた。
申谷さんは04年3月、当時勤めていた都立高校の卒業式で、校長命令に反し君が代斉唱時に起立せず、戒告処分になった。07年3月の退職を前に非常勤職員としての再雇用を都教委に申し込んだが、不合格となった。
1審・東京地裁判決(09年1月)は校長の起立斉唱命令を合憲とする一方、「再雇用拒否は裁量権の乱用」として約210万円の支払いを命じたが、2審・東京高裁は都側の広範な裁量権を認めて1審を取り消す逆転判決を言い渡していた。【伊藤一郎】
毎日新聞 2011年5月30日 15時44分(最終更新 5月30日 23時05分)
「間接的制約」もやむを得ないという根拠として国旗国歌法が掲げられています。
確か、国旗国歌法の立法時には「強制しない」という説明があったと思うのですが、やはりいったん法律となってしまうと、最高裁もこのように判断してしまうのですね。当時の人たちはまさにこのような事態を恐れて反対していたわけですが、やはり現実になってしまいました。
たかだか起立斉唱しない程度で「儀式的行事」の「円滑な進行」が妨げられたと言えるのか、はなはだ疑問なのですが…。この調子なら保護者や生徒、その他の人も「間接的制約」を受けてもやむを得ないことになりそうですね。
それより、君が代とか日の丸を「儀式的行事」から外せばいいだけの話じゃないかと思うのですが。国民の思想と良心の自由を制約してまでして、なぜ日の丸君が代への忠誠を演じさせなければならないのか、さっぱりわかりません…というか、気持ち悪い。「集会では必ず毛沢東語録を携帯し暗唱せよ」と言われたら嫌な気持ちになる人は多いだろうと思うんですが、それと同じことをしているってことがなぜわからないんだろう。橋下さんは朝鮮学校の無償化の件で、北朝鮮がなんとかかんとか…と言って無償化の障害を作ったと記憶していますが、自分がそのいわゆる北朝鮮的な原理に従っていることにはお気づきではないようで。
あ、そうか、彼は専制政治と民主制とのたたかいをやってるのじゃなくて、単に金正日+主体思想に基づく専制政治と、橋下+皇国主義に基づく専制政治とのたたかいを演じているつもりなのね。
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 日本大使館、正しい日本理解「日本は検閲の国」というイメージ広報に成功。(2019.11.06)
- 伊勢市教委、日本の戦争責任批判・犠牲者の鎮魂は許さないという姿勢を明瞭にする。(2019.10.31)
- 歴史修正主義の走狗となりアメリカで破廉恥な圧力を掛ける日本外務省(2019.10.30)
- 反天皇や日本の戦争責任を問う展示は中止、朝鮮人差別の展示は続行。(2019.10.28)
- 朝鮮学校の無償化訴訟、東京と大阪で敗訴が確定。(2019.09.03)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
5月30日の最高裁判所の最期の二審判決で、ある教諭に対する卒業式での国家斉唱で起立しなかったことを理由に再雇用を拒否されたことを正しいとした判断は誤りだ。理由が国家主義に偏っている。また大阪府の橋下知事の“君が代条例”も問題だ。
民主主義は国家主義の精神も認めるが、国家主義と受け止められることを無理に強制してはならない。民主主義は自由であるべきだ。国歌を歌わなくとも、経済、自由は潰れない。一部でも、民主主義、自由を潰して国家主義を押し付けるな。国家主義に基づいた司法の判断をデモの力で民主主義に基づいた法律、憲法に変え,もう一度、裁判をやろう。
法務省での国家斉唱に対するデモ
http://www.youtube.com/watch?v=6befU3qQq0g
マイデモサイト
http://outdoor.geocities.jp/folders_for_ad/Homepage.html
マイデモ知識サイトhttp://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=2000214&tid=a5dea5a4a5ga5ba55a5a4a5ha1ua5dea5a4a5ga5bcnbc1a55a5a4a5ha31&sid=2000214&mid=1&type=date&first=1
投稿: Ad_Emb | 2011/07/27 22:27