気になる癖をどう直すか
自然と人間を行動分析学で科学する: NHK「あさイチ」の「気になる!?“クセ”大研究」(4/3放送分)の捕足情報です。
ひどく足の皮をむいてしまうとか、爪かみや貧乏揺すりなど、体を傷つけたり人に嫌がられたりする、困った癖をどう直すかという話。
ヒントになりそうな点をメモ。
まず、こういう癖を「神経性習癖」と言うそうです。
で、治療法として「習慣逆転法」が取り上げられています。
その内容ですが、癖が出そうになったら「拮抗行動」をするように習慣づけて、困った癖を無難なものに置き換えるという感じでしょうか。
詳細は上記の原典を見てもらうのがいいですが、大枠だけ取り出すとこんな感じ。
1.癖やチックを意識化させる。
2.癖やチックと置き換える拮抗行動を教える。
3.手続きを維持させる(動機づけの手続き)。
4.般化させる
・困った癖を自分でしっかり意識化して、その癖が起きる原因や状況をよく理解すること。
・癖の動作を起こせないような、そして無難で適切な「拮抗行動」を見つけること。
・その癖が起きたら気づいたり、拮抗行動を行えるように、自分でやる気を維持したり人に助けてもらえるようにすること。
大きく言うと、この三つぐらいが勘所じゃないかなあと思います。
ただ、習慣逆転法は、きちんと行うには「かなり手間がかかり、専門家の助言なしで進めるのは困難」とのこと。
もっと手軽な「簡易版」でも効果があり得るが、長期的な効果を維持するためにはちゃんとやった方がいいとのこと。
ちょっと残念です…。ただ、上記のエッセンスを参考にすれば、自分でいろいろ工夫もできるかもしれない。
「拮抗行動」は、数分間持続できるようにした方がいいそうです。
でも「数分」って長くて大変なので、初めは短い時間でもやってみて、徐々に長くできるように…と考えたり、いろいろやってみるのもよさそう。
「いろいろ試してみても、大きな副作用はありません」
とのことなので。
●子供の癖を直そうとするときについてのヒントも下さっています。
原典を見てもらうのが一番なんですけど、自分なりにまとめてみます。
(1)子供を叱るのはダメ。ストレスが高くなり、拮抗行動への切り替えを難しくしかねない。
子供をリラックスさせることがまず大切。
「最初からハードルをあげずに、まずは簡単なところから練習を始める(成功すれば子どもも喜びます)」
(2)「クセは直したいと思っている人でも直しにくい」。「そもそも直したいと思っていない人の行動を他人が変えようとするのは、やたらと大変」。「生活に大きな支障がないのならそのままにしておくというのも一つ」。
ただ、「直そうと思えばこうして直せるという方法を知っている」ことはとても大切。
(3)直しても直さなくてもいい。どっちでも、本人が自分で選ぶことが大切。なぜなら、自分で「やる」と決めたことは、「やれ」と言われて始めたものより、その後の遂行率に差が出るから。
癖を直すには継続が肝心なので、「本人が直したいという方向に持っていく」=「本人に選択させましょうということ」。
(4)「親の愛情不足だから」とか「恥ずかしいけど治らない」とかという悩みやプレッシャーを抱えるよりも、直そうと思えば直せるけど、それほど必要でなければそのままでも構わないというぐらいの気持ちになる方が、ずっと楽。
(5)どうやって子供にアプローチするか?
まずは子供の癖を直そうとするより、自分でやってみるといい。子供に話すためのヒントが得られる。
「私が自分の癖を直してみるから、あなたも一緒にやってみない?」と家族のプロジェクトにする。ただし、拒否されたら、その選択は尊重してあげる。
子供に自分の癖直しのサポートを頼んでみる(ソーシャルサポート)。自分の姿を見て「やってみる」という気になるかもしれない。
最後に、なぜ、こうした「癖」が起きるか。
詳しくはわかっていないそうですが、
●「ストレスがかかったときや活動が拘束されたとき」
に起こりやすいらしいです。また、
●「スケジュール誘導性行動とみなす考え方」
もあるとのこと。意味がちょっと難しいですが、
癖になった行動をする→嫌な気分やストレスを紛らわせたり問題から回避したりできる(気がする)
何かのきっかけで学習・定着した行動で(迷信的に)何となくやってしまう
みたいなことかなあと。
●ともあれ、癖には複数の機能がある(その人がその癖を行う(行ってしまう)意味は複数ある)ということみたい。
以上、なかなか学問的にも興味深いお話でした。
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 日本大使館、正しい日本理解「日本は検閲の国」というイメージ広報に成功。(2019.11.06)
- 伊勢市教委、日本の戦争責任批判・犠牲者の鎮魂は許さないという姿勢を明瞭にする。(2019.10.31)
- 歴史修正主義の走狗となりアメリカで破廉恥な圧力を掛ける日本外務省(2019.10.30)
- 反天皇や日本の戦争責任を問う展示は中止、朝鮮人差別の展示は続行。(2019.10.28)
- 朝鮮学校の無償化訴訟、東京と大阪で敗訴が確定。(2019.09.03)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント