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2013/05/24

自分自身を誉めよう

私学共済事業団が発行する「レター」という広報誌を眺めていると「ほほう…」と思う記事があったのでメモ。

木村陽子の社会保障千夜一夜 19 心のエネルギーを高めよう

最近、とてもよいストレス管理法を聞いたのでぜひ皆さんにお伝えしたい。それは韓国の光州市にお住まいの精神科医イ・ムソク先生の「心のエネルギーをどう高めるか」という話である。
心のエネルギーを高めるために大切なことはいくつかあるが、先生のお話で面白いと思ったのは、劣等感から自分自身を解放すること、怒りを持ち越さないこと、笑うことである。笑いは免疫力を高め、健康に良いというのは今や常識であり、笑えないときには作り笑いでも良いという話だ。
私が最も感銘を受けたのは、自分自身を誉めるということであった。私たちは家庭でも学校でも、「ここがだめ」、「あそこがだめ」と指摘されながら育てられてきた。大学院の授業の発表でも「何を言っているか分からない。もう一度考え直して来い」と教授にしかられるのは当たり前、むしろそうされなければ見放されたような気がしたものだ。
だからかも知れないが、「自分はだめだ、こんなことではだめだ」と内心、自分自身を責めることはよくある。また、特定の事柄のために身を粉にして頑張ったのに、逆に誤解され、とがめられて悔しい思いをし、やり場のない喪失感に茫然とすることもある。
イ・ムソク先生は、そのような時にも、「私は自分が誇らしい」と自分にささやくように勧める。先生は、「そうすると、必ず心の声が、『おまえなんか誇れるものが何もないではないか』と反論するが、『それでも、私は自分が誇らしい』と答えなさい」と念を押す。また、「つらいことが起きた時には、『心配しなくても大丈夫』と、何度も自分にささやくように」と、先生はアドバイスする。
このように自分自身を誉め、いとおしく思うことは、「なんで私だけがこう言うめにあうのか」と言う自己憐憫とは全く違い、心のエネルギーを高める力がある。
(日本私立学校振興・共済事業団 共済事業本部「レター」2013年5月号)
「劣等感から自分自身を解放する」というのは「なるほどなあ…」と思いました。
思えば、私は幼少の頃から明治生まれのばあちゃんから「負けるな」、「なにくそと思え」、「根性だ」という精神をたたき込まれ、気がつけば、常に上を目指す、つまり下から見上げる構えが基本となってしまいました。
言い換えると、常に自分の至らぬ所を探し、他の優れた人たち…正確に言えば任意の人の自分よりも優れている点…と比較して、「自分はだめだ、こんなことではだめだ」と努力し続ける、このような態度が正しいもの、人として当然あるべき姿だと感じるようになりました。木村氏が「しかられるのは当たり前、むしろそうされなければ見放されたような気がした」というのも非常に共感します。

で、これって実は結構…かなり…しんどいのですよね。徹底した自己否定を基礎として自尊心や自己肯定感を組み直さないといけない。実際には、どこかで妥協したり現実との摺り合わせをするわけですが、その妥協自体がまた劣等感の源泉になったりして。この劣等感のスパイラルというか多重構造というか、どこかで断ち切らないと行けない…実際は、問題を放置したまま日々の生活の中で半ば忘れている…わけですが、まあその一つの方策として、作為的でも「自分を誉める」というのは「あり」かなあと。

「特定の事柄のために身を粉にして頑張ったのに、逆に誤解され、とがめられて悔しい思いをし、やり場のない喪失感に茫然とすること」というのも、また重い一言だなあと。そういう時こそ、まず「私は自分が誇らしい」と自分にささやく。そうやって自分を支えるのが心の救急ケアなのかもしれないなあと思いました。
確かに「なんで私だけが…」や「いつも私には…」という恨みのような思いは、後がしんどくなるばかりだし、周囲の人をも傷つけて、結局更に悪い事態を生んだりするものです。負のエネルギーを周囲にまき散らすのではなくて、一旦は自分自身を受け止めてあげて心にタメを作る。そうしてじんわりと対応することで、自分の心も周囲の人との関係も落ち着かせられる。そういうことなのかなあと思いました。
考えてみたら、悪いことが起きた時に「神の思し召し」とか「成長のチャンス」とか思えというのも、同じような効果を狙っているのかもしれません。

普段は「心のエネルギー」とか「免疫力」とかという言葉にはぴぴっとトンデモアンテナが反応してしまう私ですが、今回はちょっと考えさせられたコラムでありました(これらの概念はやっぱり気持ち悪いですが。)

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