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2013年9月の5件の記事

2013/09/25

ヘイト批判がヘイトだった件

NEWSポストセブン|排外主義的ヘイトスピーチは「日本への心証を悪くするだけ」

いいことが書いてあるのかと思って読んでみたら、これ自体が排外主義的ヘイトスピーチだったという記事。
いわく、

「言いがかり的な反日が横行」
「低レベルな韓国世論」
「在特会のデモやヘイトスピーチは、まるで日本社会全体が在日韓国・朝鮮人を迫害しているような印象を諸外国に与えています。」
「同じ主張をするのなら排他的なものではなく、日本固有のルールを無視し社会に溶け込まない人に対して理知的に働き掛けるべき。」
「これでは、韓国の反日教育や日本に対する差別的な活動を非難できなくなる。『日本でも同じことをしているではないか』と反論される材料を与えているようなものです」

やれやれ…。「在特会」や「排外主義者」が自分たちの社会から生み出されたものだという意識が全くないんですね、こういう人たちは。

おいおい止めろよ、まるで俺たちがコイツをいじめてるみたいじゃないか。俺たちは、コイツを俺たちの仲間に「溶け込ませて」やろうとしてるだけなんだから、なぁ?
学園マンガか何かで、キャンキャン吠えるしか脳がない手下を暴力的で狡猾なボスがたしなめるような場面が思い浮かびます。

それに、自分の国・社会の問題を反省するときですら、他国の社会を非難せずにはいられないという卑しさ。
しかも、それがその「在特会」などが迫害の標的とする朝鮮・韓国の社会へのヘイトだという浅ましさ。

で、ちょっと検索してみると、「保守」を自認する論調の人たちには、この手の「在特会」批判が多いんですね。
在日外国人は迫害すべき(あるいは「溶け込ませる」べき)だが、もっと穏便にやるべきだ、という。
これって、強姦魔が別の強姦魔に、「あんまり目立つなよ、俺たちが強姦できなくなるだろ」って言ってるのと同じですね。「保守」の本質が差別・排外主義と極めて親和的だということがよくわかります。

・差別をしている人は、自分が差別者だと自覚することが難しい。
・自分がどれほど気をつけていても、そこにただいるだけで差別に荷担していることがある。
この単純な真理を、どれほどまで体にしみ込ませ、自分自身の問題として引き受けられるか。

「私は人種差別と黒人が大嫌いだ」というジョークを思い出すとともに、人権教育の必要性と難しさを痛感します。
それにしても、こうした言説がまかり通り、何となく許されてしまうのが私たちの社会の現実なのです。何と言っても、政府与党、総理大臣がこの種の差別を一点の恥じらいもなく世界に公言してはばからない国なのですから。

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2013/09/19

ピンマイクと録音まであと一歩

ピンマイクと録音まであと一歩

君が代斉唱:教職員の口元「確認を」 大阪府教委が通知- 毎日jp(毎日新聞)
そろそろ「気持ち悪い」タグでも用意しなくては。
教委は、自分たちがどうしてここまでムキになってしまうのかを冷静に反省すべきですが、それができないからこそこういう破廉恥なことをしているわけで。

拒否する側には体を張って抵抗する理由がありますが、強制する側に日の丸君が代にここまでこだわるだけの強い理由はないと思いますけど。
最高裁も命令ということで否定してこうした愚かしい行為を正当化したし(無茶な強制はするなみたいな補足意見は付いたけど、それは政府が国旗国歌法を制定した時に言ったことと同じ。まあ無力なコメントにしかなりませんね)、暗い方向へ行くばかりです。日本社会は既に全体主義に踏み込んでいるという人もいるけど、その色をどんどん濃くしていますね。

君が代斉唱:教職員の口元「確認を」 大阪府教委が通知

毎日新聞 2013年09月19日 07時00分
 大阪府教委が、入学式や卒業式で教職員が実際に君が代を起立斉唱しているか、管理職が目視で確認し、結果を報告するよう求める通知文を府立学校に出していたことが18日分かった。中原徹府教育長は府立高の校長時代、君が代斉唱時に教職員の口元の動きをチェックし、論議を呼んだ。今回も同様に口元を確認し、徹底を図る方針で、再び議論が起きる可能性がある。

 通知は9月4日付。全ての府立高校138校に出され、支援学校全31校にも出す方針。秋入学・秋卒業を取り入れている一部学校で、9月に開かれる卒業式に間に合わせた。

 通知文では、「公務に対する府民の信頼を維持する」ことを目的とし、入学式や卒業式での君が代斉唱の際の校長・准校長の職務として、「教職員の起立と斉唱をそれぞれ現認する。目視で教頭や事務長が行う」と明記。結果を文書で報告するよう求めた。

 起立斉唱しているかの判断基準は「総合的に現認し、公務の信頼性を維持するため、十分な誠意ある態度をとっているかどうかで判断すべきだ」とした。判断が困難な場合は、詳細を報告し、府教委に相談するよう指示している。

 大阪府は橋下徹知事時代の2011年6月、教職員に君が代の起立斉唱を義務付けた条例を制定。違反した場合は処分の対象とし、12年1月、府教委は各校長に起立斉唱を徹底させる通達を出した。同年3月、当時、府立和泉高(岸和田市)校長だった中原教育長が卒業式で、実際に教員が歌っているかどうか口の動きを教頭にチェックさせた。

 中原教育長は今年4月、教育長に就任。起立斉唱については「公務員として公の秩序を維持し、誠意ある行動を取れるかどうかという観点で見ていきたい」と話していた。

 今回の府教委の通知について、ある府立高校教頭は「そこまでしないといけないのかと、違和感を覚える」と話した。【深尾昭寛】

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2013/09/18

今日は柳条湖事件の日

ということで、日本の報道では反日運動の動静に焦点が当たっていますが、本来なら、8月15日と同様に、過去の戦争への思いを致す日。

なぜ反日運動が止まないのか。反日運動を正当化する根拠を現在の日本、我々が与えてしまっていることをはっきりと認識しない限り、反日運動は終わらないし、日本人への敵意や反感を和らげることも難しいでしょう。

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2013/09/10

当たり前のことだが整理されると明確になる

あらためて、オリンピックに経済効果なんかないこと。 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」

漠然と危惧していたが、五輪が東京に来ることになった。

上記の山形さんの整理と論文紹介は非常に簡潔で明快。そりゃそうだよね、という話。
公共事業の選択が経済合理的に行われうるかという点では、他の事業にしていても似たり寄ったりになるだろうという想定はありうるにしても、単一の巨大事業という枠で展開するよりも分割して各種の事業に割り振った方が社会的厚生は高まる可能性は高いだろう。

山形さんも皮肉な言い方をしているが、私は安倍政権時代に誘致が成功したということも含めて、八紘一宇的な潮流を強化するのではないかというこれも漠然とした不安を感じている。1936年の「ベルリンオリンピック」みたいにならなければいいのだけれど。

ヒトラーの祭典…1936年ベルリン・オリンピックの熱狂した様子:らばQ
ナチス・ドイツで開催された「ベルリン・オリンピック」

●あるドイツ人教師は、オリンピックで見たヒトラーについてこう回想している。

「周りのおばあさんたちは、まるで救世主が現れたように、すすり泣きしていました。……私もはずかしいことですが、一緒に歓声をあげたことを、白状しなければなりません……」

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日本の戦争犯罪への認識が急速に後退中

1980年代頃までは一般には、日本国民もまた軍部・政府の誤った軍国主義に振り回された被害者であり、悪いのは指導者であったという観点からの反戦・平和指向が大きかったと思う。例えば銃後の耐乏生活、思想統制、兵員の犠牲、空襲や中国朝鮮の開拓団、沖縄などの苦難など、国民にとって戦争がいかにひどいものかという視点が重点にあったような記憶がある。
それが教科書問題や靖国参拝、日の丸君が代の強調などから他国民への加害という視点が改めて認識されるようになり、単に軍部に巻き込まれたというだけでなく自ら積極的に加害と残虐行為を支持・荷担してきた我々という観点を含めて、戦争認識が徐々に深化してきたというのが私のこの30年ほどの認識だ。

日本国民が単なる被害者にとどまらないというのは、そもそも社会では人々が複雑に関連し合っているという観点からすれば当たり前のことであり、我々は被害者であると同時に加害者でもある。この両面がどのように絡み合っているのかを丹念に検証することが、この巨大かつ凄惨な過ちを次に生かせる唯一の道であると思う。その点で、これまでの歴史認識の深化は、我々日本人にとって前進であった。

この夏、島根県などで「はだしのゲン」が事実上閲覧禁止状態に置かれたことが問題になったが、その措置を要求したのは「一市民」であり、彼は日本の加害の歴史が描写されていることを問題視して教育委員会にクレームを付けていたのであった。そして教育委員会は、描写の過度な残虐さや女性蔑視的な表現などを理由として閲覧禁止措置を執った。
数年前には「自虐史観」を問題視した日本史教科書が作られ、一部の自治体で採択されるということが起こった。また、これもこの夏のことだが、実教出版の日本史教科書の日の丸君が代問題の取り扱いで、東京、兵庫、埼玉、大阪などの県教委が高校に採択させないように圧力を掛けるという事件が起こっている。
そして今回、大阪の平和博物館で加害を見せないようにする計画が進んでいるらしい。

これは歴史認識の後退、もっと言うと終戦直後から残っている「日本は悪くなかった」論への接近である。記事では「保守系の団体や議員が「自虐的」と指摘」しているのだそうだ。また、今回の展示変更案は、「橋下徹大阪市長が提唱する「近現代史学習館」との役割分担を意識」したものでもあるそうだ。
橋下氏は、一見中立的な表現を使いながら、人権博物館「リバティおおさか」の展示にも圧力を掛けて補助金を打ち切った。そのときの理由は「展示内容が差別や人権に特化されていて、子どもが夢や希望を抱けるようなものではない」というものであった。

今回のピースおおさかでも、リニューアルの方針は「子どもに難解」「身近な地域で起きた空襲のほうが戦争と平和を自分の問題として考えやすい」ということだそうで、具体的には南京事件の展示がなくなるのだそうだ。

歴史認識が後退し「日本は悪くなかった」論が支配的になっていくプロセスは、このようにして、一見もっともらしい、みんなのためを思ったかのような、オブラートに包んだような理由で進められていく。

ナチスのユダヤ人強制連行をドイツ国民が納得したのも、「それがユダヤ人のためでもある」という理由があったのだし、戦前の日本人も、アジア解放とアジア人の教育と発展のためと信じて、あの差別と抑圧、強権支配を正当化し、アジア人と仲良く共生できると思っていたのだった。

朝日新聞デジタル:旧日本軍の行為展示、大幅縮小案 大阪の平和博物館 - 社会

2013年9月10日8時19分  戦後70年の2015年を目標に全面的なリニューアルを進める平和博物館「大阪国際平和センター」(ピースおおさか、大阪市中央区)の基本設計案(中間報告)がわかった。第2次世界大戦中の旧日本軍の行為に関する展示を大幅に縮小するとしており、改めて議論を呼びそうだ。

 ピースおおさかの現行の展示は、展示室A「大阪空襲と人々の生活」▽展示室B「15年戦争」(満州事変~日中戦争~太平洋戦争)▽展示室C「平和の希求」で構成。Bは南京大虐殺や朝鮮人強制連行を展示し、保守系の団体や議員が「自虐的」と指摘していた。

 朝日新聞が入手した基本設計案によると、戦時下の大阪の暮らし▽大阪大空襲の被災▽復興――の展示を増やす一方、日中戦争や太平洋戦争での旧日本軍の行為の展示を縮小する。一方で、大阪が戦前「軍都」と呼ばれたことや科学技術の発展と軍事のつながりを新たに展示。「15年戦争」の表記は使わず、日清戦争から太平洋戦争に至る半世紀を「世界中が戦争をしていた時代」とし、「日本の戦争」を世界的な位置づけの中で展示するという。

 現行展示の見直し理由として、運営法人は「子どもに難解」「身近な地域で起きた空襲のほうが戦争と平和を自分の問題として考えやすい」などと説明。基本設計案では、どの展示をなくすかは明示されていないが、岡田重信館長は取材に「南京の展示がなくなる可能性が高い」としている。

 ピースおおさかの展示更新は1991年の開館以来初めてで、総工費は約2億5千万円。基本設計案は橋爪紳也・大阪府立大21世紀科学研究機構特別教授(建築史)ら監修委員4人がまとめ、出資する大阪府・市の議会に近く報告する。監修委員の一人、もず唱平さん(75)は「中国やアジア・太平洋地域、植民地下の朝鮮・台湾の人々に多大の危害を与えたことを忘れない、とする設置理念は変えない」と話している。(武田肇)

     ◇

 〈日本の戦争責任資料センター研究事務局長の林博史・関東学院大教授の話〉 ピースおおさかは開館以来、日本による戦争加害の側面を本格展示する数少ない公的博物館として知られてきた。今回の設計案に沿って展示が大幅に変更されてしまうと、海外に「日本は加害の歴史に向き合っていない」と受け止められる可能性がある。設計案は限られたメンバーで拙速にまとめたという印象がぬぐえない。議論を公開し、慎重に練り直すべきだ。

     ◇

 〈国立歴史民俗博物館などの展示に関わった原田敬一・佛教大教授の話〉 大阪大空襲が展示の中心になったとしても、工夫次第では先の戦争で日本に被害と加害の両面があったと来館者に考えてもらうことは可能だ。ただ、日本が戦争をした責任と反省をあやふやにしてしまっては、「そういう時代だったから仕方ない」というメッセージになりかねない。どんな歴史認識で戦争を伝えるのか。今後、展示方法を詰めていく中で最も重要になる。

以前から問題視されていることを全く知らなかった。
朝日新聞デジタル:「ピースおおさか」展示変更を考える 29日にシンポ - 大阪 - 地域

2013年6月24日
 大阪市中央区の平和博物館、大阪国際平和センター(ピースおおさか)が「加害展示」を大幅に縮小する計画について、「ピースおおさかのリニューアルに府民・市民の声を!」と題したシンポジウムが29日午後1時半から大阪市港区弁天2丁目の港区民センターホールで開かれる。

 主催するのは、「大阪大空襲の体験を語る会」「南京大虐殺60カ年大阪実行委員会」など関西に拠点をおく約30の市民団体でつくる実行委員会。

 1991年に大阪府・市の出資で開館したピースおおさかは、先の戦争の「被害」と「加害」の両面を展示する全国でも数少ない公立博物館として知られてきた。戦後70年の2015年完成目標の展示リニューアル構想によると、橋下徹大阪市長が提唱する「近現代史学習館」との役割分担を意識し、加害展示の柱だった「15年戦争」(満州事変~日中戦争~太平洋戦争)は大幅縮小となる。市民団体からは「設置理念をゆがめる展示になりかねない」と懸念が出ている。

 シンポでは「15年戦争研究会」の上杉聡さんの基調講演の後、歴史学・教育学・平和学などの専門家や大阪大空襲の被災者らが、構想について意見を交える。府・市の担当者にも出席を求めている。参加費500円。(武田肇)

朝日新聞デジタル:消える「加害展示」(考 民主主義はいま) - 政治

2013年6月7日8時14分
 【武田肇】大阪府・市が出資する博物館「大阪国際平和センター」(大阪市中央区、ピースおおさか)が展示の一新を決めた。戦時下の日本による「加害」に関わる展示はなくなるという。何があったのか。

ということで、ウェブ上で全文は読めないが、この記事で次のように計画が示されている。
ピースおおさかの展示リニューアル計画
展示室A
 現在「大阪空襲と人々の生活」焼夷弾の模型、焼け跡のジオラマ、空襲の写真・映像など
 2015年「大阪空襲」へ変更
展示室B
 現在「15年戦争」中国との戦争、日本の植民地、原爆、沖縄戦などのパネル・映像
 2015年全部か大半をなくす
展示室C
 現在「平和の希求」戦後の核兵器、地域紛争、平和への取り組みなどのパネル・映像
 2015年「焦土からの復興 平和の創造」一部を残す?

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