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2013/12/14

フランスでのヘイトスピーチ問題

黒人女性大臣への差別発言が示すフランスの人権感覚 - Global Press - 朝日新聞社(WEBRONZA)

黒人女性のトビラ法務大臣に対するヘイトスピーチが広まった問題。
南米のフランス海外県出身の黒人女性がいろいろ我が国の状況と重なるところが感じられて考えさせられます。

まずは差別に対するメディアの反応の鈍さ。次に政治家の対応の緩さ。
「今回、アンジェ市を訪問中のトビラ大臣がこどもに「雌猿」と侮辱された直後、メディアは口を濁すようなコメントしかなかった。」
その後、右翼政治家、右翼雑誌がヘイトスピーチを過激化させるにいたって、ようやく首相が動き出したのですが、それでやっと
「次いで、新聞にトビラ大臣を擁護する記事が連なるようになったのは1週間後、11月になってからだった。」

次に、政治の動きが差別を激化させるという指摘も、我が国のことと重なって考えさせられます。

 私がフランスで生活を始めたのは25年前、ミッテラン政権下だった。人種差別的な発言を公の場でするのは、社会から脱落した人々か、精神的に問題のある人々の憂さ晴らしとされていた時代であった。穏健でド・ゴール派であったシラク政権下でも同様だった。

 しかし、サルコジ政権下で、ヘイトスピーチがじわじわと日常生活のなかで浮上するようになり、やがて珍しくないことになっていった。現在のフランスは過去より人種差別が激しくなってきているのだろうか? 訴訟件数だけで評価することは難しいが、2012年、人種差別的発言や行為で訴えられた件は1530件、前年より23%増、20年前と比べると5倍に跳ね上がっている。

しかしサルコジはすごいですね。
●セネガルの学生や教授を目の前にして植民地支配を認めたが謝罪はせず、「アフリカの悲劇は、人類の歴史のなかでいまだ大きな業績を残していないことである」と述べた
まさに偏見の権化。あ、日本の政治家にも似たような人が色々いましたね…。
もっとひどいのが、警察によるロマ人射殺事件をきっかけにしたロマ人の暴動に対して、
●ロマ人キャンプの50%を3カ月内に破壊する
●移民出身者が警察官や軍人を殺傷した場合は国籍を剥奪する
●移民出身で犯罪歴がある未成年者には成人後の国籍取得を阻む
という方針を打ち出していたとのこと。
出自による明確な差別の制度化を公然と演説するというすさまじい内容です。19世紀に戻ったかのような強権的な国家観。そりゃオランドが当選するわ…という気にもなります。

新保守層と言われる知識人やジャーナリストがヘイトスピーチと親和的で、過激な発言が人気を博しているというのもよく似ています。

本コラムによると、フランスでは「ポリティカリー・コレクト」という言葉で倫理的な態度をあざ笑い、マイノリティー支援をマジョリティへの逆差別のように捉える風潮があるということのようです。ここで指摘されていることは、「ポリティカリー・コレクト」すなわち「建前に終始していても仕方ない、本音で話そう」というスタンスで差別感情を表面化させることは、結局、差別感情に向き合いそれを克服するという方向ではなく、差別を容認し、積極的に肯定するという方向へ行ってしまうということなのだろうと思います。

 現在のフランスは、政治家やジャーナリストなど、国民に大きな影響力をもつ人々が、「ポリティカリー・コレクトはもうたくさん」とさえ言えば、あからさまにヘイトスピーチをすることがまかり通るようになってきているように思える。トビラ大臣が「雌猿」と侮辱されたことに対して、オランド大統領は、閣僚会議で「注意に値する」と述べただけだというが、それではあまりに生ぬるい。
気になるのは、人種差別発言が罪とされているフランスですら、ヘイトスピーチに公然と反論できないような雰囲気が生まれつつあるのかということです。こうした雰囲気の招待が何なのかを考えることは、我が国の状況を考えるときにも大切なことでしょう。

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