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2014/01/25

記事メモ:早速やらかしたNHK新会長の籾井さん

安倍政権の露骨な情実人事で懸念されていたNHK。放送で急に腰が引けるようになってきたという印象がちらほら出てましたが、早速ひどい話。

思想信条がバカ丸出しなのは措くとしても、空気を読むことすらできない無能な人をトップにいただくことほど悲しいことはないなあ。我が身に引き寄せて sinking feeling を覚えます…。

NHK:籾井会長、従軍慰安婦「どこの国にもあった」 - 毎日新聞


毎日新聞 2014年01月25日 21時26分(最終更新 01月25日 21時53分)

 NHK新会長の籾井勝人(もみい・かつと)氏(70)は25日の就任記者会見で、従軍慰安婦問題について「戦争地域にはどこの国にもあった。ドイツにもフランスにもヨーロッパはどこでもあった」と述べた。過去にも経営委員長が国際放送の編集方針について「国益を主張すべきだ」と発言して問題になった。就任記者会見で政治的中立を疑われかねない不用意な発言を繰り返し、トップとしての資質も問われそうだ。

 さらに個人的意見として「今のモラルでは悪い」としつつも「韓国が『日本だけが強制連行した』と言っているからややこしい。補償問題は全部解決した。なぜ蒸し返すのか、おかしい」と韓国の姿勢を批判した。特定秘密保護法の報道が少なく、姿勢が政府寄りとの指摘があることについて、「(法案は国会で)通ったこと。あまりカッカする必要はない」と、問題点の追及に消極的な姿勢を示した。

 また、籾井氏は3年間の任期中に取り組む最重要課題の一つに国際放送の充実を挙げ、領土問題について「尖閣諸島(沖縄県)や竹島(島根県)について日本(政府)の立場を主張するのは当然」として早急に強化する姿勢を示した。「政治との距離」については「(政府と)相談しながら放送していく必要はないが、民主主義に対するわれわれのイメージで放送していけば、全く逆になることはない」との認識を示した。【土屋渓、有田浩子】

同様の朝日新聞の報道によれば、
「なぜオランダにまだ飾り窓があるんですか」
とも述べたとのこと。頭が痛い。オランダ女性を従軍慰安婦にしていたというのに…。

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追記(2014年1月28日)
籾井会長の発言詳報がありました。
NHK新会長・籾井勝人「慰安婦 どこでもあった」「お金をよこせ、補償しろと言ってる」(詳報・追記) - 薔薇、または陽だまりの猫
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NHK、領土問題「国際放送で」 就任会見で籾井会長 - 47NEWS(よんななニュース)

 NHKの籾井勝人会長は25日、東京・渋谷の放送センターで開かれた会長就任の記者会見で「尖閣や竹島という領土問題は、明確に日本の立場を主張するのは当然のことだ」と述べ、外国人向け国際放送で領土問題を取り上げることを最重要課題とする考えを示した。

 籾井会長は特定秘密保護法や従軍慰安婦問題についても持論を展開、公共放送の在り方について今後議論を呼びそうだ。

 籾井会長は「政府が『右』と言っているものを、われわれが『左』と言うわけにはいかない。国際放送にはそういうニュアンスがある」と説明した。

2014/01/25 19:59 【共同通信】

で、次は同じ記者会見をNHK自身が報道したもの。さすがだなあ…。

NHK 籾井新会長が記者会見 NHKニュース

25日、NHKの新しい会長に就任した籾井勝人会長が記者会見し、不偏不党や公平をうたった放送法の順守に努めるとともに、国際放送の充実に取り組む考えを示しました。

籾井会長は70歳。三井物産の副社長などを経て、ITサービス会社の日本ユニシスで社長や特別顧問などを務めました。
記者会見で、籾井会長は「私がまず第一に挙げているのは放送法の順守で、放送法に沿った経営をやっていくことが、われわれに課された重大な任務だ。職員一同が放送法をもう一度身近に考えるよう徹底していきたい」と述べ、不偏不党や公平をうたった放送法の順守に努める考えを示しました。
また、籾井会長は「国際放送の充実など、さまざまな課題をしっかり実行に移していきたい」と述べました。

特集ワイド:安倍政権のNHKでいいの? 経営委員会、「お友だち」人事に批判 - 毎日新聞
特集ワイド:安倍政権のNHKでいいの? 経営委員会、「お友だち」人事に批判
毎日新聞 2013年11月14日 東京夕刊

 ◇政治家としての品格の問題 製作現場の萎縮を懸念

 「みなさまのNHK」が「安倍政権のNHK」に染まってしまう……そんなことがあるのだろうか。NHKの最高意思決定機関、経営委員会に4人の委員が新たに決まった。いずれも安倍晋三首相と近い関係の人物とされる。「NHKと政治」の問題点を考えてみた。【江畑佳明】

 政府がNHK経営委員の同意人事案を衆参両院に提示した先月25日。菅義偉官房長官は定例記者会見で「首相に近い人をあえて選んだのか」と問われ、「自らが信頼し評価する方にお願いするのはある意味では当然」と語り、「お友達人事」を半ば認めた。人事案は8日の衆参本会議で賛成多数で同意され、新体制が決まった=表。

 作家の百田尚樹氏は昨秋、月刊誌「WiLL」の対談で安倍氏と意気投合した。安倍首相も百田作品のファンで、総裁選の応援に「本当に勇気づけられた」と感謝している。百田氏は自身のツイッターで「他国が日本に攻めてきたら、9条教の信者を前線に送り出す」などと述べ、物議を醸したこともある。

 長谷川三千子氏も熱心な首相支持者だ。9月に最高裁が出した民法の非嫡出子相続規定についての違憲判決に対し、産経新聞への寄稿で「国連のふり回す平等原理主義、『個人』至上主義の前に思考停止に陥った日本の司法の姿を見る思いがします」と批判。持論を展開した。このほかJT顧問の本田勝彦氏は安倍首相の元家庭教師で、首相を囲む経済人が集う「四季の会」メンバー。また中島尚正氏が校長を務める海陽中等教育学校は、四季の会主力メンバー、JR東海の葛西敬之会長が設立に尽力した。

 実は安倍内閣成立後、2、6月にも上田良一氏ら4人の経営委員が就任したが、「お友達批判」はなかった。なぜか。「6月はまだ衆参でねじれ状態だった。人事案が批判されれば参院選前にダメージになるため露骨な人選は避けたのではないか」と話すのは、元NHK政治部記者で椙山女学園大(名古屋市)元教授の川崎泰資(やすし)さんだ。「参院選でねじれが解消し、安倍首相の意向が通りやすくなった」と分析する。

 今回の人事案については「特定の立場、首相との関係に異常に偏った人選になっている」(共産党)などと野党4党が反対した。元NHK記者で元財務相の安住淳衆院議員(民主)は、8月に小松一郎・駐仏大使を内閣法制局長官へ起用したのと同様の「お友達人事」で、問題が大きいと指摘する。「例えば、内閣法制局は年間100本もの法案を審査し、集団的自衛権の解釈だけが仕事ではない。門外漢の外務官僚を起用して何の役に立っているのか」としたうえで「経営委員は本来、国民目線でNHKをチェックする。恣意(しい)的な人選では当然それは果たせない」とする。

 元総務相の片山善博慶応大教授は「一般論として、首相が自らの考えを理解する人物を要職に就けるのはあっていい。米国では政権交代のたびに行われ、政治任用や猟官制といわれる」と説明。同時に「政治任用は縁故採用の面もある。縁故で実力が伴わなければ組織内で不満が強まり、結局組織の力が落ちてしまう」と警鐘を鳴らす。

 「NHKの重要な価値は公正、中立を保つこと。だから権力者はNHKに対し謙抑的であらねばならない。『李下(りか)に冠を正さず』というが、あえて近親者を外す見識があってもいい。身内中心では慎みに欠ける。それは政治家の品格の問題につながる」と語った。

 安倍首相とNHKの間には因縁がある。いわゆる番組改変問題だ。2001年1月、従軍慰安婦についての番組放送前に、NHK幹部が安倍首相(当時は官房副長官)と面会したとされ、取材に協力した市民団体が「政治家の介入で番組が改変された」とNHKなどを相手取り提訴した。

 武蔵大の永田浩三教授(テレビジャーナリズム論)は「放送法は経営委員について『公共の福祉に関し公正な判断』ができる人物と定めているのに、今回はあまりに露骨な人事。安倍首相の『NHKの勝手は許さない』という姿勢を感じる」と語る。永田さんは慰安婦を取り上げた番組の統括プロデューサーだった。以後、製作現場を追われ09年に退職した。「NHK幹部が安倍氏らに『公正中立な立場で報道すべきだ』と指摘され、その直後に番組の内容が変更されたのは東京高裁判決で認められた事実。政府の高官が『公正にやってくれ』と求めること自体、NHKには圧力となった」と話す。

 放送法は、経営委員が個別の番組編集に介入することを禁じている。しかし07年6月まで2期6年間経営委員を務めた小林緑・国立音楽大名誉教授は「経営委員会は最高意思決定機関で、年間予算や事業計画など重要事項を議決する役割があるが、委員がNHKの番組の大きな方向性や、あり方に言及することはできるはずだ」と指摘する。つまり、安倍首相の意向をくんだ経営委員が報道や番組製作側に影響を与える可能性がある。

 さらに今回の経営委員人事は、来年1月に任期が切れる現在の松本正之会長を交代させたい首相側の布石だ、という見方が強い。会長は経営委員が選出し、12人中9人の賛成が必要。松本会長が続投を希望しても4人が反対すれば否決される。言うまでもなく、経営方針や番組内容は、組織トップの会長の姿勢によるところが大きい。首相の「お友達」や考えの近い会長が誕生すれば、原発や歴史認識問題など、政権が知られたくない情報や番組が発信されにくくなるのだろうか。

 永田さんによると、番組の製作現場からはすでに不安の声が出始めているという。「今回の経営委員人事の次に来るのは、会長の人事。もし政権の意向をそんたくするような人物が会長になれば、良心的な番組や地道な調査報道が冷遇され、さらには排除されるかもしれない。そういう恐怖感が広がっています」

 上智大の田島泰彦教授(メディア法)は、会長人事に直結する経営委員人事の根底には、特定秘密保護法案と共通する考えが横たわっていると指摘する。

 「1980年代の国家秘密法の提案以降、自民党政権には外交と防衛情報に加え、治安に関する情報を制限しようという流れがあり、安倍政権もその延長にあります。自ら提出した特定秘密保護法案の内容からわかるように、安倍政権は『国の情報は国民のもので、国民には知る権利がある』という認識が薄い。むしろ、国民を重要な情報から遠ざけようとする。経営委員や会長に身内を送り込む人事には、この考えが表れています」

 元経営委員の小林さんは「今後は新委員の発言内容を注視しなければならない」と警告する。「安倍首相のNHK」だけは避けねばならない。


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