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NHK会長発言、コメントせず=「圧力屈せず公正維持を」―安倍首相 (時事通信) - Yahoo!ニュース
時事通信 1月28日(火)13時53分配信読んだ瞬間に爆笑。直後にこみ上げる苦い笑い。まさにブラックジョーク。
安倍晋三首相は28日、衆院本会議で答弁し、NHKの籾井勝人会長の従軍慰安婦問題に関する発言について「政府としてコメントすべきではない」と述べた。その上で、NHKに対し「いかなる政治的圧力にも屈することなく、中立、公正な報道を続けてほしい」と語った。民主党の海江田万里代表の質問に答えた。
政治の中枢にいる人が、
「いかなる政治的圧力にも屈することなく、中立、公正な報道を続けてほしい」
と語ったのだとか。その経営人事に権力を振るえ、実際に(過去も含めて)振るった人が。
ただひたすら「センスがないなあ…」という以外の言葉がない。安倍さんの信条が極右だとかいうこととは関係なく。
この言葉を本心から無邪気に発しているのだろうと思うと、そしてそういう人がわが国の首相だということを思うと、本当にやるせないですな。
で、NHKの会長の失言で「経営委員が困惑している」という報道もあり、ちょっとは同情していたんですが、経営委員から更なるずっこけが。
「女は家で育児が合理的」 NHK経営委員コラムに波紋:朝日新聞デジタル
NHK経営委員で埼玉大名誉教授の長谷川三千子氏(67)が、女性の社会進出が出生率を低下させたとし、男女共同参画社会基本法などを批判するコラムを産経新聞に寄せた。埼玉大学か、いいなあ…。
まあそれはともかく、政治的に微妙なイシューに言及しないという嗅覚はないんでしょうねえ。
「女性の社会進出が出生率を低下させた」
どうしてこんな奇妙な命題を素朴に信じられるのやら。保守的な認知バイアスと親和的なのかなあ。
研究者とは言え、専門外については本当に素人ですよね。他山の石としなければ。
この朝日新聞記事が秀逸なのは、このハセガワ先生にちゃんと突っ込んでくれているんですよね。
で、ハセガワ先生も人がいいのか割と素直に答えていて、その答も突っ込みどころ満載なんだけど、奇妙につじつまが合っているような回答なんですね。それがすごく面白い。記者さん、いい仕事されてます。
ハセガワ先生曰く、
・人口減はNHKにとっても受信料の減少につながるため、「非常に由々しい問題」
この短絡的発想ととってつけた感じが最高です。今さっき思いついたやろ絶対。
・経済事情から共働きせざるを得ない家庭もあることについては、「若い世代の正規雇用確保が大切な条件。アベノミクスに頑張って欲しい」と答えた。
この倒錯した論理もイイ!正規雇用確保は女性から自己決定権を奪うために必要だというねじれ方が最高です。取り上げる権利を歴史的経緯を誤解してるとか、社会参加の議論の筋とそもそも違うとか、アベノミクスは雇用流動化を目指してるとか、そんなことがどうでもよくなるぐらい面白い。
・自身は大学で教えながら育児
・自身は埼玉大で教えながら1男1女を育てた。「こけつまろびつの中で子育てがどれだけ大変でかつ重要なものかを学びとった」と、取材に対して述べた。
ファッ?
共稼ぎが絶対に誤りだという経験じゃなくて、しっかり共稼ぎの苦労から学び取ってるやん?人間的に成長してるんやん?
・子育てを経験し主婦の偉大さに気づき、「反フェミニズム」の道を歩み始めたという。
それは「専業主婦」の偉大さではなくて、子育てと家庭を作る営みの偉大さなのでは…。
ハセガワ先生の「著作」を読まねばならんな…。
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ともあれ、これらの例のように、お友達人事というのはどうしようもなく脇が甘くなるものみたいですね。
橋下氏の取り巻きや公募区長や公募校長などが、絶望的に恥ずかしい言動で時々話題になっていますが、あれに似ているなあ、と。
情実というシステムが脇の甘さを誘発するのか、おごれるものの油断なのか、脇が甘い人の方が政治や権力の世界では登用されやすいのか、「類は友を呼ぶ」で橋下氏や安倍氏が本質的に脇が甘い人なのか、「保守」とか「右翼」というタイプが脇の甘さと親和的なのか。
なんだかよく分かりませんが、この喜劇というか、我々の日本社会にとっての苦痛と悲劇というか、果たしてどこまで行くのでしょうか。
…いや、傍観者的態度はよくないですね。この手の野次馬的、評論家的、冷笑的、自称中立的な態度こそが、我々の社会を掘り崩してきたわけですから。
追記
そういえば、昨夜何気なくテレビニュースを見ていたら、キャスターだか解説者だかの人が、集団的自衛権の解釈変更をめぐって、国会内が紛糾しそうなのを「面白くなる」と放言していてあっけにとられてしまった。こういうのが野次馬根性の露呈。この手の政治=見せ物だと思っている人たちが政治の土台を腐らせてきたのだなあ。
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「女は家で育児が合理的」 NHK経営委員コラムに波紋:朝日新聞デジタル
NHK経営委員で埼玉大名誉教授の長谷川三千子氏(67)が、女性の社会進出が出生率を低下させたとし、男女共同参画社会基本法などを批判するコラムを産経新聞に寄せた。安倍晋三首相を支援し、首相と思想的にも近いとされる人物だけに、物議を醸している。■少子化解決策と主張
「『性別役割分担』は哺乳動物の一員である人間にとって、きわめて自然」
長谷川氏は6日に掲載されたコラムで、日本の少子化問題の解決策として、女性が家で子を産み育て男性が妻と子を養うのが合理的と主張。女性に社会進出を促す男女雇用機会均等法の思想は個人の生き方への干渉だと批判し、政府に対し「誤りを反省して方向を転ずべき」と求めた。
これに対し、ツイッターでは2千件以上の意見が書き込まれている。「時代に逆行」との反論から、「まさに当たり前の考え方だ」との賛意まで、議論が沸いている。
長谷川氏は朝日新聞の取材に、コラムの狙いを「極めて重大な問題。早く手を打たないとならない」と説明。人口減はNHKにとっても受信料の減少につながるため、「非常に由々しい問題」と回答した。
経済事情から共働きせざるを得ない家庭もあることについては、「若い世代の正規雇用確保が大切な条件。アベノミクスに頑張って欲しい」と答えた。
■自身は大学で教えながら育児
長谷川氏の専門は「比較思想」「日本文化論」で本居宣長などを研究。「からごころ――日本精神の逆説」「神やぶれたまはず――昭和二十年八月十五日正午」などの著書がある。婚外子の相続差別規定を廃止する最高裁決定を批判し、選択的夫婦別姓制度にも反対している。
自身は埼玉大で教えながら1男1女を育てた。「こけつまろびつの中で子育てがどれだけ大変でかつ重要なものかを学びとった」と、取材に対して述べた。
著作によると、中学時代は普通の主婦になりたくないと作文に書いたが子育てを経験し主婦の偉大さに気づき、「反フェミニズム」の道を歩み始めたという。
長谷川氏は安倍首相の再登板を支援した一人。昨年11月、安倍政権からNHK経営委員に送り込まれた。経営委員の発言として問題はないのだろうか。
NHKによれば、放送法や経営委員の服務の決まりなどに、委員の発言の自由を縛る規定はない。ある委員は「インターネット上でたたかれるような発言は個人的には甘いと思う」としながらも、「委員会の総意ではなく、問題はない」と話す。
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