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2014/02/24

隠蔽体質は組織の本能

自衛隊、警察などの治安組織はもちろんですが、それ以外の官公庁、学校、企業、さらには自治会やクラブ、サークル、ご近所付き合いのグループに至るまで、およそ「組織」に擬せられる集団には、内部事情を隠そうとする本能があります。
私的な組織・集団であれば、問題が起きない限りそれでもいいのでしょうが、公的な組織には、こうした隠蔽体質を牽制する強い仕組みが必要です。これらは市民から負託を受けて権力を行使する機関であり、その行使には陰に陽に様々な権益が伴うからです。
特定秘密保護法は、こうした隠蔽体質にお墨付きを与え、市民・内部構成員からの異議申し立てを排除するものですが、実際、こんな法が無くても、内部告発は、あたかもそれが不正であるかのように強力に圧殺されるわけです。

というわけで、朝日新聞の記事を3つクリップしておきます。最近はどこも無料で記事が読めなくなってきて悲しい。英字紙も原文が読めないからなあ。
朝日新聞デジタル:いじめアンケート破棄図る 存在発覚後に海自の担当者 - ニュース(2013年7月31日)

 海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」乗組員の男性(当時21)がいじめを受け、2004年に自殺したことをめぐり、海自が「破棄した」としていた全乗組員へのアンケートが残っていた問題で、アンケートの存在を知った海上幕僚監部の担当者が昨年6月、実際に破棄しようとしていたことが分かった。海自が30日に発表した。…

「あれは『ない』書類」 直訴を黙殺、海自のいじめ調査:朝日新聞デジタル(2013年12月8日11時41分)
 海上自衛隊が「ない」と言い続けた文書の存在を告発した男性が、処分されようとしている。組織のうみを出そうと、警鐘を鳴らし続けた現役の3佐。都合の悪い情報は隠し、告発には罰をもって対処する海自。特定秘密保護法への懸念は、もう現実化していた。

 懐には、ICレコーダーを忍ばせていた。説得に失敗したら、人生が破滅する――。覚悟のうえでの「直訴」だった。

 2011年1月26日。3佐は海自の幹部の一人である首席法務官の部屋を訪ねた。「隠している文書があります。正直に公開すべきではないかと」。自殺した「たちかぜ」乗組員へのいじめを調べたアンケートを公開するよう求めた。

 部屋に入ったのは午後1時。乗組員の遺族が起こした訴訟の一審判決が言い渡される30分前だった。「文書が隠されたまま判決が出てしまっていいのか」。そんな思いに背を押された。

 だが、返事はつれなかった。「どうしようもないじゃない。今言われても」

 なぜ3佐の進言に応じなかったのか。この元幹部=退職=は朝日新聞の取材に「信じている部下が調べて『ない』と結論が出ていたのだから、当時は『ない』と信じていた」と答えた。


海自、いじめ自殺告発者の懲戒検討 文書持ち出し問題視:朝日新聞デジタル(2013年12月8日05時44分)
 【高野遼】海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」乗組員の自殺に絡み、「いじめを示す調査文書が隠されている」と内部告発した3等海佐(46)に対し、海自が懲戒処分の手続きを始めた。遺族らに「捨てた」としていた海自は告発後、原本が見つかったと謝罪していた。特定秘密保護法で行政機関の情報隠しが懸念される中、秘密でもない文書への内部告発まで萎縮させる隠蔽(いんぺい)体質が、改めて浮かび上がった。

 3佐は2008年の告発時、調査の関連文書のコピーを証拠として自宅に保管していた。海自はこれを規律違反だと主張。3佐は「正当な目的であり、違反にあたらない」と争う構えだ。内閣府の審査会は今年10月、「不都合な事実を隠蔽しようとする傾向がある」と海自の姿勢を厳しく批判。海自の現役事務官も、遺族が国を相手に起こした損害賠償請求訴訟で「上司から文書を『捨てろ』と命じられた」とする陳述書を提出している。

 海自は乗組員が04年に自殺した直後、「たちかぜ」の乗組員190人にいじめの有無を尋ねたアンケートを実施。しかし遺族が05年に情報公開請求すると、原本は破棄したと答えた。3佐は当時、遺族の訴訟を担当。職場に原本があると知り、08年に防衛省の公益通報窓口に告発したが、海自は認めなかった。

 このため12年4月、「海自は文書を隠している」とする陳述書を東京高裁に提出。海自が再調査し、破棄は撤回された。海上幕僚監部広報室は朝日新聞の取材に対し、「個人のプライバシーを侵害する恐れがあるため回答を控える」としている。

     ◇

 〈「たちかぜ」乗組員の自殺〉 2004年10月、乗組員(当時21)が東京都内で電車に飛び込み自殺した。遺書には先輩隊員から暴行を受けたと記されており、後輩隊員らがエアガンで撃たれたり、アダルトビデオの買い取りを強要されたりしたことが発覚。遺族は「先輩隊員のいじめが原因」と約1億3千万円の賠償を求めて提訴した。横浜地裁は11年1月、いじめを認め、国と先輩隊員に計440万円の支払いを命じた。遺族が控訴し、訴訟は継続中。

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