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2014/03/31

「調査捕鯨」という言い訳はやはり無理筋だったか

日本の調査捕鯨中止を命令=国際司法裁 (時事通信) - Yahoo!ニュース

時事通信 3月31日(月)18時54分配信
 【ハーグ時事】国際司法裁判所は31日、日本の調査捕鯨の許可取り消しと、今後の中止を命じた。日本の敗訴となった。
 国際司法裁判所(ICJ)のトムカ裁判所長は31日、判決朗読で、日本の調査捕鯨は研究目的ではないと述べた。
「日本の調査捕鯨は研究目的ではない」。→実際は商売してるよね?という話。

まあ、以前からそういう声は根強くあった。そういう指摘は他ならぬ日本国内からもずっとあった。
食文化の保護みたいなロジックも破綻しているという指摘は国内からも出されていた。
捕鯨関係者の既得権益擁護でしかないという批判も永くあった。(まあ水産庁ってそういう感じのことが多い印象がある…。)

で、今回の判決。
水産庁が「調査捕鯨」という主張の防衛に失敗したということは、実態として商業化されていること、「研究のためと称する過剰な殺戮」という批判を否定できなかったのだろうなあ。
「調査捕鯨」という名目を裏切るような話は、何年も前から国内の批判者からもいろいろ出されていたので、それを考えると、やっぱりそうだろうねえ、認めてもらえないだろうねえという感想。
というわけで、まあ妥当な判断ではないか。これを潮に、捕鯨そのものから撤退してもいいと思うのだが。

捕鯨の話になると妙なナショナリズムが混ざった変な議論が多いのでどうなるやら。

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調査捕鯨巡る裁判 きょうの夕方判決 NHKニュース

3月31日 4時28分
日本が南極海で行っている調査捕鯨が国際条約に違反するかどうかを巡って争われている裁判で、オランダのハーグにある国際司法裁判所は日本時間の31日夕方、判決を言い渡します。
日本が裁判で敗訴となれば、日本政府が1987年から続けてきた調査捕鯨をこれまでどおり継続することができなくなる可能性もあり、判決の行方が注目されます。

この裁判は、4年前の2010年にオーストラリア政府が、日本が南極海で行っている調査捕鯨は、実態としては商業的な目的であり、国際捕鯨取締条約に違反しているとして、捕鯨の中止を求めてオランダのハーグにある国際司法裁判所に訴えたものです。
裁判では、オーストラリア側が捕獲される鯨の頭数が年間数百頭に及んでいることや鯨肉が日本の市場で売られていることなどを理由に、「実態としては商業捕鯨にほかならない」と主張してきました。
これに対し、日本側は、捕獲する鯨の頭数は調査のために必要なもので、鯨肉の販売は条約で認められている、などと反論し、「科学的な調査が目的の捕鯨である」と主張してきました。
国際司法裁判所の判決は31日午前(日本時間の31日午後5時から)言い渡されることになっています。
判決は上訴することはできず、双方とも判決を受け入れる姿勢を示しています。
仮に日本が敗訴となった場合には、日本政府が1987年から30年近く続けてきた南極海での調査捕鯨をこれまでどおり継続することができなくなる可能性もあり、判決の行方に注目が集まっています。

両国の主張
今回の裁判でオーストラリアは、南極海で行っている日本の調査捕鯨について、生息数を把握するためなら捕獲しなくても調査が可能であることや、捕獲した鯨の肉を販売していることから、国際捕鯨取締条約が一時停止するよう定めている「商業捕鯨」だと主張しています。
これに対して、日本は、調査が目的の捕鯨であり、国際捕鯨取締条約で認められていると反論しています。
まず、捕獲については条約の規定で「政府は、科学的研究のために鯨を捕獲し、殺し、処理することを認可する特別許可証を与えることができる」としていて、条約にのっとっていると主張しています。
また、鯨肉の販売についても「捕獲した鯨は実行可能なかぎり加工する」よう定めているため、合法だと主張してきました。

調査捕鯨とは
調査捕鯨は1982年に開かれたIWC=国際捕鯨委員会の決議をきっかけに始まりました。
この決議では商業捕鯨を一時停止する一方で1990年までに調査したうえで見直すという条件が付いていました。
日本は当初、決議に従わないと宣言していましたが、1985年に受け入れを決断。
2年後の1987年からは鯨を捕獲して、生息数や生態などを調べる調査捕鯨を南極海で始めました。
鯨の生息数が一定の水準以上にあることを確認し、商業捕鯨の再開につなげるためです。
1990年には調査が間に合わず、具体的な数字を示せなかったものの、1992年にはミンククジラを年間2000頭を捕獲しても生息数に影響を与えないことが分かったとして再開を訴えました。
しかし、オーストラリアをはじめ、アメリカやイギリスなど捕鯨に反対する国が委員会の4分の3を占めていたため、決議は見直されませんでした。
その後、20年以上たった今も商業捕鯨は一時停止されたままです。
一方で、日本は、商業捕鯨の再開に向けたデータを集めるためとして調査捕鯨の規模を徐々に拡大し、今では南極海で最大でミンククジラを935頭、大型のナガスクジラ、ザトウクジラもそれぞれ50頭の合わせて1000頭を超える鯨を捕獲する計画です。
また、1994年からは日本に近い北西太平洋での調査も始め、現在ではミンククジラなど380頭を上限として調査を行っています。
ただ、ここ数年は反捕鯨団体のシー・シェパードによる調査捕鯨への妨害行為が相次いでいます。
調査が妨げられ、捕獲枠を大幅に下回る年が続いていて、おととしの捕獲頭数は全体の捕獲枠の3分の1程度の400頭余りにとどまりました。

国内への供給量は
国内に供給される鯨肉は年によって変動しますが、水産庁によりますと、おととしは5028トンでした。
このうち、南極海の調査で捕獲された鯨肉は992トン。
反捕鯨団体のシー・シェパードの妨害行為で、捕獲枠を下回っているものの全体の20%程度を占めています。
このほか、北西太平洋の調査捕鯨で1564トン、日本沿岸の調査捕鯨で431トンが供給されたのに加えて、商業捕鯨を続けているアイスランドなどから878トンが輸入されました。


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コメント

無理筋でした。

投稿: まるーべり | 2014/08/03 12:09

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