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2014/05/12

地域振興と資源保護

「世界一の九州が始まる」島のまぐろに真心こめて 2014年3月30日放送
この番組を見て複雑な思いに。 →  :: 過去の放送

日本人が大好きなまぐろ。あまり知られていないが、沖縄県は、国内トップクラスの生鮮まぐろの水揚げを誇る「まぐろ王国」。しかし、その水揚げ量の多さゆえに、流通インフラの脆弱な離島地域では、消費しきれないまぐろを泣く泣く廃棄せざるを得ない現実がある。このような状況を打開するべく、石垣島八重山漁協の有志が立ち上がり、競りで値段がつかなかったまぐろを買い取って、ツナフレークに加工する事業を始めた。石垣島特製の、その名も「石垣島の本当にまじめなツナフレークス」は、お刺身でもおいしい新鮮な生鮮まぐろを、機械を使わずに、一つ一つ手作業で加工する。

周知のように、マグロ資源って全体に減っていて、立場はいろいろあれど、漁獲量を減らすことが大切だというのは基本的なトーンとして共有されていると思うのです。

しかるに、この番組で持ち上げられているのは、「過剰に取ったマグロの販路開拓」であるわけです。
季節によって豊漁の時期があり、そんなときには「1円でも引き取ってもらえない」時があると番組の中で漁師さんが言っていました。
「せっかく漁師さんが取ったものを、せめて燃料代の足しにでもできないか」という思いでこの製品開発を漁協が始めたということで、こうした地元発の取り組みは、地域振興的にはとても好ましいものです。

でも、ちょっと思うわけです。値段が付かない=取りすぎじゃないか、と。
市場が望む以上の量を取りすぎないようにする、漁獲量の管理をいかに行うかという取り組みの方が、本来望ましいのではないかと。

体制的にも経済的にも簡単でないのだろうとは想像できます。しかし貴重な資源(しかも次世代を生む資源)を「捨てるよりマシだから」という理由で販路拡大するというのも……。
このフレークは積極的に事業化するわけではなく、漁師の余剰の損失を減らすということが第一なのだそうで、わからないでもないのですが、引き取りで変に値段を付けると漁獲の過剰なインセンティブになりかねません。

たかだか十数分の番組で細かい話は難しいかもしれませんが、八重山漁協や地元の漁師さんたちの資源管理の考え方についても一言触れてほしかったなあという番組でした。


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