« 竹田恒泰氏、慶大非常勤を離れたとのこと。 | トップページ | 毎日新聞のニュース解説で竹富町がかわいそうだし、全般に解説になっていない件 »

2014/05/03

毎日新聞の捕鯨支持キャンペーン

5月2日付毎日新聞の大阪版ですが、「論ステーション」というオピニオン面があり、そこに「南極海の捕鯨中止判決」について、3名の談話が出ていました。

一読して非常に残念でした。
唯我独尊というか、反捕鯨派の主張を「鯨がかわいそう」だけで終わらせていて、対立点についての分析が全くない点。歩み寄るという発想がありません。
判決は「調査捕鯨ってウソでしょ」という話なのに、その点が全く顧みられず、しかももろに「ウソでした」って認めつつ、「とんでもない判決が出てしまった」と言っている。本気で他国に捕鯨を認めさせようとしているとはとても思えない。
判決を喜ぶというコメントも肉食を止めるきっかけになるだろうという話で、捕鯨禁止側にも力にならない。

毎日新聞がこんな記事を出すわけですから、共産党が捕鯨団体に連帯の挨拶をしてもおかしくはないわけです。全体にレベルが低すぎる。

****以下、3氏のコメント要約****

●三軒一高氏(太地町長)
  鯨肉は大衆のためのもの。全国で給食に鯨肉を使ってもらう活動をしている。
  外国に頼らないたんぱく源を手放すべきではない。
  ICJ判決は太地町の船も参加している北西太平洋の調査捕鯨にも影響が出ている。
  次は段階的に沿岸捕鯨にも影響が及ぶのではないか。
  クジラ漁で生計を立てている町民がいる。どんな困難があっても町民を守っていく。
●松田泰一氏(菜食レストラン経営者)
  中止判決はうれしい。動物が殺されなくてすむという素直な感情。食べなくてすむなら無理に殺さなくてもいい。
  菜食を始めてから畜産による環境問題に危機感を持つようになった。
  欧米人が環境保護の象徴としてクジラを守れというのは矛盾。クジラを殺すのが残酷なら牛蓋を殺すのが残酷でないわけがない。
  菜食は修行食でなくおいしくて楽しい。動物を殺さなくてもすむことに気づいてもらうきっかけになる。
  人間は動物だけでなく植物の命も奪って生きている。食べることはその生き物の情報を受け継ぐこと。
  今回の判決が食べることの意味を考えるきっかけになればいい。

●岸上伸啓氏(国立民族学博物館教授)
  豪州が日本を訴えた理由は、欧米ではクジラが選挙資金と票を集める資源になっているから。
  捕鯨問題が注目を集めたきっかけは1972年の国連人間環境会議で、クジラ保護を訴えることは各国政府にとって環境問題の免罪符になった。海洋国でない国もIWCに加盟し、反捕鯨を主張した。欧米の環境NGOは選挙資金を提供して政治家を誘導した。
  鯨類の知性の研究やテレビドラマなどでクジラは海の人類だというイメージが広まり、その捕獲は非人道的だと考える人が増えた。
  IWCは反捕鯨派が過半数だが捕鯨支持国が4分の1以上を占めるため、規制強化も商業捕鯨再開も決められない膠着状態だ。今回の判決は反捕鯨の動きを勢いづけるインパクトがある。人間のクジラ観が食べるものから守るものへと大きく変わったことの表れだ。
  何を食料とするかは土地、民族、宗教によって違う。国際的な圧力の中、積極的な対策を講じなければ、残念ながら日本の鯨食文化は衰退するだろう。


« 竹田恒泰氏、慶大非常勤を離れたとのこと。 | トップページ | 毎日新聞のニュース解説で竹富町がかわいそうだし、全般に解説になっていない件 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

>判決は「調査捕鯨ってウソでしょ」という話なのに、その点が全く顧みられず、しかももろに「ウソでした」って認めつつ、「とんでもない判決が出てしまった」と言っている。本気で他国に捕鯨を認めさせようとしているとはとても思えない。

いや判決自体が異常でありこんな判事が国際間の紛争を裁くなんて恐ろしいとしかいいようがないんだけど
なんで専門家たるIWC科学委員会が高く評価してる調査を、馬鹿みたいな非常識な論法で否定してるのかと

シーシェパードの妨害で予定してた頭数が獲れなかったら、調査自体が科学的でない?
クロミンクに目視調査以外の調査は不可能だと説明したら、不可能なことをできるまでやれ?
一体何回失敗すれば不可能だと判事は認めるのでしょうか?
1万回? 100万回? 1000万回?
それで失敗した時間と費用と労力は判決出した判事達が賠償してくれるのですかね?
賠償しないくせに無責任な判決出す判事って非常識にも程がありますよ。

ランダムサンプリング縛りがあり、採算度外視で常に赤字の調査が、一体どうして商業活動なのかと問い詰めたいところですがね

投稿: アリア | 2015/04/03 09:41

アリアさん

>専門家たるIWC科学委員会が高く評価してる調査

たしか、鯨研は査読ペーパーもあまり出せていないという話だったような…?

>シーシェパードの妨害で予定してた頭数が獲れなかったら、

妨害で取れなかったというわけじゃなかったみたいですよ?

>目視調査以外の調査は不可能だと説明したら、不可能なことをできるまでやれ?

「目視調査以外の調査は不可能だと説明」?ここ、書き間違いかな?
ていうか、もともと殺さずにできる調査がたくさんある中で、なぜ殺さないといけないか合理的な説明ができなかったわけですよね?

>ランダムサンプリング縛りがあり、採算度外視で常に赤字の調査が、一体どうして商業活動なのか

いや、現在の捕鯨が商業ベースに乗ってるという批判ではなかったですよね?

投稿: muttbob | 2015/07/07 13:04

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 毎日新聞の捕鯨支持キャンペーン:

« 竹田恒泰氏、慶大非常勤を離れたとのこと。 | トップページ | 毎日新聞のニュース解説で竹富町がかわいそうだし、全般に解説になっていない件 »