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2014/05/02

育鵬社の中学公民の教科書

中学社会 新しいみんなの公民|育鵬社

ここに解説や参考資料がありますが、何となく微妙な記述がちらほらと……。
まぁ「保守」色が強いのは、そういう人たちだから分かります。執筆陣がアレな意味ですごいし。
あと、どうでもいいけど、内容解説資料PDFの末尾、フジサンケイグループのマークが日の丸のごとく誇らしげに掲載されています。

教師用指導書のサンプルを見ましたが、自分が教師だったらちょっと使いたくないなあと感じました。
基本的人権と公共の福祉について考えさせる部分で、重要かつ面白いところなのですが、この指導書の要点のまとめ方や議論の素材資料がいまいちだなあと。
例えば、公共の福祉による権利の制限を「好き勝手は許されない」とまとめてしまうとか。
ある行為が「公共の福祉として制限されても仕方のないこと」と「基本的人権の侵害になること」とに分けさせるとか。
立候補者の贈答行為禁止を公共の福祉の観点で説明することとか。
どうもちょっと変なんですよね。こういうことが数ページの見本の中に数カ所出てくるとしたら、後もどうかと思ってしまいます。

自分の好みとしては、

「公共の福祉」によって人権が制限されるということをしっかりと理解させ、公民としての基本的資質を育成する必要がある。
と教師に訓示しているところがもう嫌。
自分が教えるなら、
・人権が制限されるのは、ただ「公共の福祉」によってのみである。
・「公共の福祉」を認めるには、「みんなの迷惑」や全体の利益などという漠然としたイメージではなく、当該の権利を抑制するに足る客観的な根拠が示されなければならない。
というポイントを押さえたいですね。


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