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2014/08/09

生物進化論も教科書から削除すべきということ

このニュース。
看板の「強制的に」の文字覆う - NHK 首都圏 NEWS WEB(2014年08月08日 22時56分)

・松代大本営の案内板で、朝鮮人労働者が建設に動員された経緯を説明した記述の中の「強制的に」という文字を、長野市がテープをはって見えなくしていた。
・数年前から、「強制ではないのではないか」という指摘が、電話などで寄せられていた。
・市は、「見解がわかれている以上、全員が強制であったかのように説明するのはよくない」として去年8月、「強制的に」という文字をテープで覆い見えなくした。
・パンフレットも「強制的に」の文字を削除した新しいものを配布している。

・市の言い分:「全員が強制動員されたように説明するのはよくないと判断した」
・市長の説明:「強制的な動員があったのかなかったのかという議論にはしたくない。」

自治体の立場としては「見解が分かれているものは表示しない」ということです。まあ、もっともですよね。

ということは、
・生物進化論も、神による創造説の支持者から根強い批判を受けていますから、公共の博物館などで表示してはいけません。ましてや学校教育で教えるなどとんでもない。

・日の丸君が代の学校での表示・斉唱も、反対意見や抗議が繰り返し表明されていますし、裁判にもなっているぐらいですから、やはり見解が分かれていると言えます。庁舎前などの日の丸も表示しないようにすべきです。

・辺野古への基地移転も、抗議が続いています。「数年前から電話で」などとは比べものにならないぐらい強い意思表示ですよね。だからこれも、公共の立場からはしてはいけませんね。

・「在日特権」とか「生活保護」とかの公共サービスへの抗議も執拗だし、「朝鮮人を日本から追い出せ」という意見はどんどん強くなっていますから、これらもやはり「意見が分かれているもの」ですよね。だからこれらへの公共サービスは停止したらどうですかね。

・原発再稼働も批判が強いから止めた方がいいし、温室効果ガスが地球温暖化を招いているという主張も批判を受けているから行政は表示しない方がいいし、予防接種も批判があるから中止すべきだし、がん検診もがん抑制に効果がないという批判があるから止めた方がいいですよね。

これらの主張がばかばかしいのは、単に「意見が分かれている」から「……しない」という理屈が、ばかげているからです。意見が分かれてるのは当たり前であって、そういう状態の中で判断をして決定しなければならないわけです。つまり、長野市は、「強制的な」という文言の削除をするのであれば、「強制的だと言えない」という論拠を明示しなければならないはずです。「辺野古への基地移転は正しいことだ」と国が主張しているように。

抗議が執拗だから、住民の意見が強いから、だけで判断停止をすると、行政は自律性も失うし、何もできなくなってしまいます。産廃処分場なんかどうやって決めるんですかね。何度も抗議の電話を入れていれば、「やりません」ってことになるんでしょうか。なるわけがないですよね。

結局、「見解が分かれているから」というのは、本音を隠すいいわけに過ぎない。

ゼンショーのすき家問題で、「全員が強制されたように説明するのはよくない」から「アルバイトが強制的な長時間労働に従事した」を「アルバイトが長時間労働に従事した」と修正するというのは、すき家問題の本質を隠蔽することだと批判されても仕方ないでしょう。

ではなぜ今回のような行政の判断が起きるのか。それは、群馬県の例と同様に、日本の戦争責任を直視したくない意識、韓国朝鮮人や在日外国人への根強い差別・排外意識、あるいは、戦前の皇国日本の栄光を汚したくない意識が下地にあって、こうした隠蔽主義や歴史修正主義に迎合しやすい気分が、行政上層部には蔓延しているということです。

行政や政治の世界がこうした「保守性」(記述が面倒なのであえてこう書きますが)を帯びているのは昔からです。こうした「保守性」に抗して様々な人が一つずつ積み上げてきたのがこうした史跡とその記述なのですが、最近は中央政府がいっそう「保守性」をあからさまにしていることもあって、群馬県やこの長野市のような逆行が起きやすくなっています。

長年地道に積み上げてきた実績も、壊すのは簡単で、一瞬で財産が失われてしまいます。
過去から目を背け、他国の人々をないがしろにする立場は、日本国家の外交的損失を招くばかりか、再び悲劇を起こさないために先人が残した貴重な教訓までも失うことになるのですが、こうした後退はどこまで行くのでしょうか。

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看板の「強制的に」の文字覆う - NHK 首都圏 NEWS WEB(2014年08月08日 22時56分)

太平洋戦争末期、軍の中枢機能の移転先として長野市に建設が進められ、現在、一般に公開されている地下ごう「松代大本営」の案内板で、朝鮮人労働者が建設に動員された経緯を説明した記述の中の「強制的に」という文字を、長野市がテープをはって見えなくしていたことがわかりました。
市では、「全員が強制動員されたように説明するのはよくないと判断した」としています。
長野市松代町にある「松代大本営」は、太平洋戦争末期、軍の中枢機能などを移すため建設が進められた地下ごうで、現在は、戦争遺跡として市が管理し、一般に公開しています。
市によりますと現地に設置された案内板のうち、「朝鮮人の人々が労働者として強制的に動員された」という記述について、数年前から、「強制ではないのではないか」という指摘が、電話などで寄せられていたということです。
このため市は、「見解がわかれている以上、全員が強制であったかのように説明するのはよくない」として去年8月、「強制的に」という文字をテープで覆い見えなくしたということです。
同じ表現があったパンフレットも「強制的に」の文字を削除した新しいものを配布しているということです。
これについて長野市の加藤久雄市長は、「強制的な動員があったのかなかったのかという議論にはしたくない。私の見解を述べることは避けたい」と話しています。


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