何事かと思ったら吉田清治氏の話で気が抜けたという話
「済州島で連行」証言 裏付け得られず虚偽と判断:朝日新聞デジタル(2014年8月5日05時00分)
慰安婦問題で、虚偽証言が新しく判明したのか、スクープ!
と思ったら、吉田清治氏の問題で、「なんじゃこれ、今更…」でした。
当たり前のことですが、吉田氏の証言が虚偽であることは、慰安婦問題が虚偽であることを意味しません。
というか、何年も前から慰安婦問題に取り組む人たちはとっくに承知済みのことで、彼の証言は慰安婦問題の核心に本質的重要性を持っていないわけです。
例えばこちら。
『サイゾー』9月号がひどい - Apes! Not Monkeys! はてな別館
こちらのApeman氏は強制連行肯定派(変な言い方ですけど)で、慰安婦問題を含めて精力的に研究・発信されている人ですが、2007年段階で、この人が月間サイゾーの記事を批判した一節。
あげくに、「朝日新聞を中心とした、強制連行肯定派の重要な根拠になっているのが、先の戦争に参加した吉田清治氏の証言である」とカビの生えたような記述が続く。90年代半ばで時間の流れが止まってしまったらしい。
そもそも上記の朝日新聞記事でも、1993年にはすでに
吉見氏は「証言としては使えないと確認するしかなかった」と指摘しているとあり、このことは
吉見義明・川田文子編「『従軍慰安婦』をめぐる30のウソと真実」(大月書店)
に書かれているのですが、これは1997年のことだとあります。
ちなみに吉見氏は強制連行肯定派(というか、慰安婦問題を一貫して追及してきた研究者)です、言うまでもないけど。
というわけで、むしろ、なぜ今頃になって朝日新聞がこんな記事を掲載したのか、のほうがちょっと気になる……。
それと、今見たら、この件のツイッターが「1.05万」、Facebookおすすめが「6934件」、「慰安婦問題なんかなかったんだ!」みたいな反応ばかりじゃないかと思うと気が重い……。
捕鯨問題でヒステリックになっているのは、日本人が奇妙な人たちだというぐらいのことで済みますが、この問題は被害者の人権問題、差別問題と直結しているので、このような誤解と差別が蔓延する状況は非常につらいです。
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