« 2014年8月 | トップページ | 2014年10月 »

2014年9月の8件の記事

2014/09/27

国連人権高等弁務官事務所の報告書リンク

【いわゆる「クマラスワミ報告書」へのリンク】
原文は、国連の人権高等弁務官事務所のウェブページにあります。
Human Rights Documents」のページで、下記の文書番号・タイトルのものを参照。

本文:E/CN.4/1996/53
Report of the Special Rapporteur on violence against women, its causes and consequences
上記ページを開いてから→PDF文書(英語)へのリンク

補足(付属文書)1:E/CN.4/1996/53/Add.1
Report of the Special Rapporteur on violence against women, its causes and consequences: mission to the Democratic People's Republic of Korea, the Republic of Korea and Japon on the issue of military sexual slavery in wartime
上記ページを開いてから→PDF文書(英語)へのリンク
従軍慰安婦問題でよく取り上げられるのがこちらの文書。

補足(付属文書)2:E/CN.4/1996/53/Add.2
Report of the Special Rapporteur on violence against women, its causes and consequences: a framework for model legislation on domestic violence
上記ページを開いてから→PDF文書(英語)へのリンク

【いわゆる「マクドゥーガル報告書」へのリンク】
Human Rights Documents」のページで、下記の文書番号・タイトルのものを参照。

E/CN.4/Sub.2/1998/13
Report of the Special Rapporteur on systematic rape, sexual slavery and slavery-like practices during armed conflict
上記ページを開いてからPDF文書(英語)へのリンク

【参考】
慰安婦問題とアジア女性基金 デジタル記念館 The Commission on Human Rights

| コメント (0) | トラックバック (0)

従軍慰安婦問題の「広義の強制」についてのメモ

ジョンお姉さん慰安婦論争と南京論争を語る - Togetterまとめ

こちらのコメント欄で「ジョンお姉さん@jpn1_rok0」氏がこのように書いている。

吉見が苦し紛れに出した「広義の強制性(たとえ本人が、自由意思でその道を選んだようにみえるときでも、実は植民地支配、貧困、失業など何らかの強制の結果)」貧困とか失業とかって、世界中の普通の売春婦が売春する理由だよね。つまり、こんなものは「日本軍」に全く関係ない(ゲラゲラゲラ

日本軍が組織的に行った女性の性的搾取について、日本軍は責任がなく、恨むべきは女性らの貧困や失業であると言っているように読める。
別のところでは「違法性」はなかったと主張しているので、その面だけを論点にしているようで、この人が慰安婦問題を引き起こした責任や教訓をどう考えているのかよく分からない。このような悲劇がなぜ起きたのか、類似の悲劇を今後起こさないためには何が必要か、という観点には興味がないように見える。被害者を冷酷に嘲笑し、糾弾する人を冷笑するだけのようでもある。

ところで、この人が言う、
吉見氏による「広義の強制性」=たとえ本人が、自由意思でその道を選んだようにみえるときでも、実は植民地支配、貧困、失業など何らかの強制の結果
という説明は、正当なのだろうか。

広義の強制という場合、それは、強制連行=嫌がる人を銃剣や暴力・脅迫によって拘束・拉致するというイメージに対して、「強制連行」という場合、詐欺、甘言を弄した誘引、人間関係や義理や因果を説いてあきらめさせること、金銭的・契約的な縛りなどによって、従わざるを得ない状況に追い込むことも含める方が適切だ、という意味だと私は理解していた。
また、人員の徴発や人身売買に直接関与した主体ばかりでなく、徴発や人身売買の動機を作り、督励し、あるいは便宜を図り、容認、黙認するような場合も、その強制連行の責任は免れないという趣旨も含まれるものと理解していた。

ちなみに、「強制性」についてはこのように解釈する方が、今後の人権擁護を進めるためにも有益だと私は考えている。

従って、
「一見、自由意志に見えることも環境によって支配された行動である」
ということを「広義の強制」という言葉が主張しているという説明には違和感を感じるわけである。

吉見氏が「広義の強制」について触れた著作には、1992年の『従軍慰安婦資料集』(大月書店)があるという。
Amazon.co.jp: 従軍慰安婦資料集: 吉見 義明: 本

この本を持っていないので他の人の引用を孫引きする。
例えば、小林よしのり氏のブログの2014年4月23日付けエントリ「「広義の強制連行」の発明は学者失格」によれば、

『従軍慰安婦資料集』巻頭の解説で、吉見はこう書いた。
「一般には、強制連行というと人狩りの場合しか想定しない日本人が多いが、これは狭義の強制連行であり、詐欺なども含む広義の強制連行の問題をも深刻に考えてしかるべきであろう」(P35)
吉見はここで「狭義の強制連行」「広義の強制連行」という、これまで誰も考えたこともなかった新概念を「発明」したのである。
「捏造」と言ってもいいが。
そして、奴隷狩りのような「狭義の強制連行」がなくても、「いい仕事がある」などと騙されて連れて来られた場合でも「広義の強制連行」に当たる、と言い出したのだった。
とある(なお改行箇所を変更している)。
ここに引用された一文

「一般には、強制連行というと人狩りの場合しか想定しない日本人が多いが、これは狭義の強制連行であり、詐欺なども含む広義の強制連行の問題をも深刻に考えてしかるべきであろう」

によれば、吉見氏の「広義の強制連行」とは、
「自由意思でその道を選んだようにみえるときでも、何らかの強制の結果」なる「ジョンお姉さん@jpn1_rok0」氏の解釈は当てはまらないと言える。
すなわち、吉見氏の「広義の強制連行」とは、「人狩り」以外にも、詐欺などの一見非強圧的に見える手段を使う場合も含めようという趣旨であって、被害者の生活環境などによる制約を「強制」と呼ぼうということではないわけである。

なお、小林よしのり氏は、この吉見氏の「広義の強制連行の問題」という一文をことさらに「発明」や「ねつ造」と重大視しているが、私はそれは「発明」や「ねつ造」というほどに吉見氏の独創性があるとは思わないし、些末な論点だとも思う。というのは、詐欺や甘言、言いくるめ、金銭的拘束などをも「強制」の一手段と見なすというのは、それなりに世間に認められた観念で、別に吉見氏に由来するものでもないと思うし、この歴史的被害を今後の人権擁護に生かすという観点からは、公的権力の責任をその責任主体が直接「人狩り」に関与したときのみに認めるという考え方は適当ではないと思うからである。

なお、kmiura氏の「"狭義の強制"の発祥 (キーワード化予定) 」(2008年8月4日?)に関連のリンクがまとまっており、「狭義」と「広義」を巡る当時の状況をある程度うかがえる。

こちらにある情報によれば、小林よしのり氏が「吉見氏が言い出した」とする「広義の強制」だが、そもそもは秦郁彦氏が先に持ち出した論点ではないかということだ。つまり、秦氏が先に、

「官憲の職権を発動した『慰安婦狩』ないし『ひとさらい』的連行」=狭義の強制連行

に議論を限定しようとしていることに対応して、それは適切ではないと述べる含意があったのではないか、というのである。

この点について、こちらのリンクにある上杉聰氏の「マンガに洗脳されてしまう若者たち」の「被害者の名乗り出が与えた衝撃」、及び上記kmiura氏の記事から、吉見氏がこの一文を書いた当時の状況をまとめておく。本当ならば、典拠として示されている『従軍慰安婦資料集』の32~35ページに当たるべきだが。

1991年8月 金学順さんの告白に吉見氏が衝撃を受け、資料の再調査を決意する。
1992年1月 吉見氏が副官通牒を発見したことが新聞報道される。
1992年2月 元慰安婦による提訴。
   吉見氏、副官通牒、警保局長通牒、元慰安婦の訴状について分析を進め、以下を確認。
   ・当時日本が「婦女売買禁止に関する国際条約」の制約下にあること
   ・同条約第2条は「詐欺に依り、又は暴行、脅迫、権力濫用その他一切の強制手段」を禁止し、強制連行を「詐欺」を含むものと「広く規定している」こと
   ・訴状では9名中7名がだまされて連行されたとしていること
   ・従ってこれらの事例は当時の条約に違反していること
1992年5月?8月? 秦郁彦氏、「狭義の強制連行」という表現を使用。
   「昭和史の謎を追う-第37回:従軍慰安婦たちの春秋」『正論』1992年6月号
   (文春文庫版『昭和史の謎を追う・下』第41-42章)
   「『慰安婦狩り』証言 検証・第三弾 ドイツの従軍慰安婦問題」『諸君!』1992年9月号
1992年11月 『従軍慰安婦資料集』刊行

なお、「強制連行」の語義については、こちら
『強制連行』について整理する - Stiffmuscleの日記
が参考になるし、他の辞典的なものの記述をあれこれ見てみても、どのような手段を取ったかは基準ではなく、むしろ国家の徴発・動員を強制連行と呼ぶのが通常のようだ。この観点からすれば、「広義」とか「狭義」とかはそもそも論点でなく国家の責任を認めるべきということになるし、その方が被害回復や被害防止の観点からも適切だろう。

**************
朝日新聞の過去記事検索サービス「聞蔵II」で当時の記事を探していたところ、「広義」「狭義」に関する興味深い投書を見つけたので掲載する。

1993年01月15日朝刊「声」欄
「軍隊と性犯罪」は短絡的な論理(声)   盛岡市 工藤貴正(医師 27歳)
 十三日の本紙論壇「今も続く『軍隊と性犯罪』」で上野千鶴子氏は、国連平和維持活動(PKO)部隊周辺の歓楽街形成を軍隊の性犯罪と決めつけ、従軍慰安婦問題と同一視しているのは、行き過ぎたフェミニズムと思われ賛同できない。
 軍隊に限らず、人が集まる場所に歓楽街が形成されるのはふつうのことで、これを軍隊の性犯罪と決めつけることには無理がある。少なくとも、むき出しの暴力による強制が従軍慰安婦の最大の問題点であったと思う。
 貨幣による誘導は、軍隊自体の問題ではなく、「性の商品化」を温床とする一般社会が抱えている問題ではなかろうか。事の本質を考えないで、軍隊周辺の歓楽街を軍隊の性犯罪とする態度は短絡的であると思う。
 暴力による強制は狭義の性犯罪であり、貨幣による誘導は広義の性犯罪であることを、社会全体が本当に認識することが重要である。少なくとも、暴力による強制が完全に排除されているのなら、「今も続く軍隊と性犯罪」と題するのは見当違いであり、不毛な論理であろう。
 また、性の商品化なる問題の一翼は、女性も担ってきた。需要側と供給側、どちらにも問題があるのではないのか。

この工藤氏は、従軍慰安婦問題を軍の性犯罪と見なす一方で、基地周辺での性的搾取には軍の責任は問えないと見ているようで、興味深い。
一見、慰安婦問題へ国の責任を認める見解のようであるが、しかし考え方は、国の責任を否定する人々と同じである。すなわち、工藤氏は、慰安婦問題では狭義の強制があったが、基地周辺では広義の強制しかないと見ており、広義の強制を利潤や所得を目的とした自主的な性産業への参入と解しているわけである。こうした人は、「狭義の強制はなかった」という政府の発表によって簡単に国を免責する側に転ずるであろう。

ところで、軍の「関与」や「責任」の限界をどこに据えるかという点で、軍の関知しないところで起きていることに軍の責任はないという考え方を仮に取るにしても、どこまでを関知しない部分と見なせるかにも大きな幅がある。民間の社会経済的反応であったとしても、予見し得たことや事前の防止措置が可能であったことについては、軍にも責任を問われることはあるし、またその部分の認定には幅があるだろうからである。要するに、「それは社会が悪かったのだ」というような抽象的一般的な立論では、個々の主体の責任は問えないし、具体的・現実的な対策も打てない。確かに性的搾取を抑止するための広範な取り組みが必要であることは言うまでもないが、軍の存在を重要な媒介として性犯罪が引き起こされた場合は、その軍の存在あるいは存在のあり方自体を問題にしなければならないのもまた確かなことである。そしてその対処には、そこで誰がなぜ何をしたか(しなかったか)に分け入っていくこと、被害者の保護を最優先することがどうしても必要である。

人間を金で買えば(あるいは相手が同意すれば)その人をおもちゃにしようがすりつぶしてゴミにしようが一切問題はないとする考え方は、浅はかな契約万能主義であり、人身売買と奴隷制の肯定論者とでも言う他はないが、こういう人たちは、娼婦や貧困者、原発労働者などをも、境遇に同情はするが自分たちの謝罪や反省の対象としては捉えず、せいぜい一億総懺悔の中に回収するのだろう。

| コメント (0) | トラックバック (0)

2014/09/26

自民党の情報戦検討(笑)のメモ

「朝日慰安婦報道に関する自民党・国際情報検討委員会の決議」全文掲載 - 荻上チキ・Session-22
こちらに上がっていた二つの自民党文書から。

平成26年9月19日「決議」自由民主党 外交・経済連携本部 国際情報検討委員会.pdf
この文書の気になること。

朝日新聞が発信してきた虚偽の記事が国際的な情報メディアの根拠となり、国際社会が我が国歴史の認識を歪曲し、結果として我が国の評価、国益を著しく毀損した。
これは間違いですね。朝日新聞の当該記事の影響はあったとしてもごく軽微なものにすぎないので。
いわゆる慰安婦の「強制連行」の事実は否定され、性的虐待も否定されたので、世界各地で建設の続く慰安婦像の根拠も全く失われた。
これも全くの誤り。別に否定されていないので。「強制連行」というカッコ書きの単語がこの検討委員会の独自定義によるのであれば別ですが、それにしても、慰安婦像の根拠が失われたというのはありませんね。

国の主権や国益を守り抜くためには、単なる「中立」や「防御」の姿勢を改め、より積極的に情報発信を行う必要がある。
上記の基本的な認識が根本的に誤っているので、「中立」や「防御」ではない「積極的な」情報発信がどういうものになるか……まあ火を見るよりも明らかですかな。

平成26年6月17日「中間とりまとめ」自由民主党 外交・経済連携本部 国際情報検討委員会.pdf
{国際情報戦略} >>>> 「攻めの情報発信」へ <中間取りまとめ> という文書。

日本の内政外交に対し中国、韓国などの反日宣伝とも思える情報があふれている(慰安婦問題、日本海呼称、靖国問題、安重根記念館など)。
これらを「反日宣伝」と呼ぶ時点で、もう心に余裕がないというか、問題解決に向けた気運のなさが明らかですな。自民党の国際情報検討委員会には全く期待できませんね…。

で、「攻める情報発信」の方針としてあれこれあるんですけど…

◆中国、韓国を中心とした他国の情報戦略についての情報収集、分析を強化する。
このほかにも、「中国などの謀略」とか平気で書いてあるし、なんでここまで隣国を敵視できるのかな…。そりゃ利害対立はいろいろあるけどねえ…。与党に名指しでこんなことを言われたら、そりゃ先方も対話する気なくすでしょ。
◆情報発信の拠点たる在外公館、施設の機能を質量とも拡充する。
被害妄想に凝り固まり人権意識の欠落したトンデモ理論を宣伝するのに、国の資源を使わないでほしい…血税に支えられた貴重な外交資源ですよ…(汗)

他にも、
・米国をはじめとする議員との交流の強化、若手交流を含む招へいプログラムの充実
・日本語教育拠点の拡充、大学等での日本研究の支援強化
・外国でのロビー活動
・メディアへの積極的働きかけ
等々が上がっているのだけれど、これらは自民党の資金でするんですよね?国にやらせようって腹じゃないでしょうね…(と分かっていて言ってみる。「予算措置など」って項目で政府がやれって書いてあるしなあ。嗚呼、このいかにも与党=政府はオレ様の所有物的な文書。)

で、一番問題だと思うのがこちら。

◆NHKの在外日本人向け国際放送に英語の字幕をつけて、外国人にも情報発信をする。
◆新型の国際放送の設立を検討する。(中略)従来のNHKワールド等の枠内では報道の自由など基本的な制約が多いため、今日の事態に十分対応できない。全く新しい発想が必要である。(強調は引用者)
「反日宣伝」に対抗するための英語字幕って、NHKに何をさせようというのか。そもそもNHKって公共放送で国有放送じゃないという認識がないような。籾井さんみたいな人事は、ああそういうことなのね…という。
それと、「新型の国際放送」とか「全く新しい発想」って…まさかチャンネル桜みたいなものを国策で流そうというのでしょうか。恥ずかしすぎる…。しかも、それって70年前に回帰するだけで、別に新しくはないのでは…(汗)
しかし何と言っても、報道の自由を「制約」と見なす発想ってのが露骨すぎます。憲法を何だと考えているんだろう…。まあこれは要するに「NHKが思い通りにならないからもう一個別のを作れ」っていう苛立ちでしょうけど、こういう認識を党の公式文書に載せるというあたり、自民党はもう戻って来られない世界に行ってしまったのですね…。

上記二つの文書から伺えるのは、この検討委員会の人たちは、基本的に政府や公共放送を自分たちの私物のように感じているらしいということです。上層部が自分の組織の方針について述べる文書と同じにおいがします。与党を長年続けるというのはそういうことなのかもしれないけれど、いくら内閣と国会を支配しているからと言っても、もうちょっと謙虚であってもいいんじゃないかという気がします。

最後に、この文書に名が上がっている人を列挙しておきます(敬称略)。
原田義昭(委員長)、衛藤征士郎、中山康秀、土屋正忠、大塚拓、星野剛士、簗和生、山田賢司、前田一男、城内実、猪口邦子、片山さつき、笹川博義、菅屋一郎、小島敏文、桜井宏

| コメント (0) | トラックバック (0)

日本政府の抗議は「宗教儀式の踊り」、宇沢先生死去、その他のメモ

ロ長官、日本の抗議は「儀式」 北方領土・択捉訪問で - 47NEWS(よんななニュース)

 【ウラジオストク共同】北方領土・択捉島を訪れたロシアのイワノフ大統領府長官は25日、自らの北方領土訪問に対する日本政府の抗議は「宗教儀式の踊り」のようなもので形骸化していると指摘し、北方領土を「再び訪れる」と述べた。次に訪問した極東ウラジオストクでの発言をタス通信などが伝えた。

 抗議に取り合わない姿勢を表明した形。日本外交筋は「記者への応答の一部だが、外交ルートによる正式な抗議をやゆした発言だ」と不快感を示した。

 これまでに北方領土を4回訪問しているとしたイワノフ氏は、社会経済の発展状況を視察するのが訪問の目的で、政治性はないとあらためて強調した。

2014/09/25 19:51 【共同通信】

完全に見透かされてる。まあ誰だってそう思うよね。それこそ共産党が政権を取ればもっと強硬に交渉するだろうけど。

理論経済学者の宇沢弘文さん死去 環境問題でも積極発言:朝日新聞デジタル
十分あり得ることだったが、衝撃。9月18日、享年86歳。一時代が終わった。合掌。

『路線バスの旅』でお蔵入り 蛭子能収が店主激怒させた失言│NEWSポストセブン
どうしても「ひるこ」と読んでしまう。

妻が出て行き清原和博邸がゴミ屋敷化 銀座ママ宅に入り浸り│NEWSポストセブン
年齢を重ねるにつれて先鋭化していくとは…。奔放さが少しうらやましいが、ちと悲しい。

佳子さまが学習院大中退 ICUをAO入試で? : J-CASTニュース
AOはずるい。どうやって落とせというのか。せめて一般入試で実力勝負してもらわないと試験委員が困る。
**************

再生エネFIT売電契約の中断関係

九州電力:FIT売電契約中断検討 広がる波紋 - 毎日新聞
買い取り保留県内3485件 九電25日から契約中断|佐賀新聞LiVE
再エネ受付中断で誰が笑うのか||NETIB-NEWS(ネットアイビーニュース)

九電のピーク需要を上回る発電量が既に再生エネだけで見込めるぐらいの状況になっているという事態。
九州などの農村部、過疎地域には衝撃。結構重大なニュースだと思うんだけど。まあいびつな小遣い稼ぎ的な事業が広がるのもそれはそれで辛いものがあったのだけど……。

温暖化対策と原発、再生エネ

主張/国連気候サミット/原発も温暖化もない世界こそ
原発存続が省エネ、再生エネ利用を阻害するという立場。

【主張】気候変動サミット 日本の遅れ原発で回復を+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
温暖化対策も原発再稼働の口実にしようというニュアンス。露骨すぎて悪印象。

<社説>気候変動サミット 日本は脱原発が最優先だ - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
・そもそも日本が温暖化対策で国際社会に後れを取っているのは、再稼働の見通しが不透明な原発にいつまでもしがみつき、温室効果ガスの削減目標の国内議論を棚上げしているためだ。
・原発依存から脱却しない限り、日本が打ち出す温暖化対策は対症療法にすぎない

【気候変動サミット】原発問題に遅れ 日本の温室ガス削減目標で議論 : 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)

経済産業省は15年内に将来の原発比率を示したいとしているが、どの程度の原発が動くか想定できず、先行きは不透明だ。それに伴い温室効果ガスの削減目標の議論も棚上げされたままだ。
 植田和弘京都大教授は「節電や省エネ、再生可能エネルギーの導入、熱の利用など、できることは山ほどある。原発がどれだけ動くか分からないから温暖化対策の展望が描けないということはない」と述べ原発頼みの姿勢からの転換を訴える。
原発で温室効果ガスを減らすという前提が間違っているという趣旨。

再生エネ普及には技術的問題が大きいとする電力会社側の今回のFIT買い取り停止、売電側への送電施設増設負担要求だが、さて。

原発の価格保証。: 思いついたことをなんでも書いていくブログ
中間貯蔵で交付金3010億円 福島側、前進と評価 | 河北新報オンラインニュース
30年間で総額3010億円を拠出という話だけど、既存の立地交付金30年間2010億円へ追加。
原発対策と電力会社の費用免除には余念がない一方で…と見えてしまう。

| コメント (0) | トラックバック (0)

山谷さんへの外国特派員の質問が在特会に集中するのは当たり前

山谷えり子さんが安倍総理同様のウルトラ右翼であることに慣れすぎていて、
「まあ、こんなもんだろ」
と近頃の報道も素通りしていたのですが、やっぱり、告発していくことが大事ですねえ。
彼女のレイシストとのつながりを明確にすることで、安倍総理周辺の思想的問題が政治問題化していくことを期待します。

1. 田中龍作ジャーナル | 山谷えり子大臣ポロリ 「在特会のHPを引用したまで」

2. 「山谷えり子議員、在特会元幹部との写真問題・質問と回答」全文掲載 - 荻上チキ・Session-22
3. 「山谷えり子大臣 外国特派員協会 会見」質疑応答の全文掲載 - 荻上チキ・Session-22

山谷さんが上記の質問に回答されたのは立派だと思います。まともな回答にはなってないですが、黙殺するよりはずっと偉い。
荻上チキさん、TBSラジオの長谷川裕さん、組織内外の風当たりは相当強いものと推察します。こういう人たちの頑張りと勇気に感謝します。

山谷さんはどうしても在特会を切れないのですね…。拉致問題関係とか支持基盤に人脈的な影響が出るからなのか、自らの信条を裏切れないからなのか。彼女の逃げ口上を読むと、安倍総理の国会答弁―戦争責任問題への追及への国会答弁―を思い出してしまう。

4. 日本女性学研究会 - TBSラジオの荻上チキさんたちの番組から、山谷えり子・国家公安委員長に対する5つの質問とそれに対する回答です。リ...
こちらの指摘

「きょうの会見では『在特会の人とは知らなかった。』とお答えになっていますが、在特会の方とわかっていれば写真を撮らなかったということでしょうか?」という質問に対しては、なんら回答していません。

5. 山谷えり子大臣に「在特会」の質問集中――外国特派員協会の会見でどう答えたか?|弁護士ドットコムニュース
こちらでも一問一答が掲載されています。

*****
山谷さんは、週刊文春の記事について「週刊誌のやりとりは事実ではない」、「週刊誌の書きぶりは正しくない」と述べていますが、具体的にどこが間違っているのかは述べていません。在特会のことは承知していたということのようだけれど、それって余計にやばくないですかね…?

ところで、山谷さんの応答で気になったこと(引用は上記リンク3から)をメモ。

日本というのは和を持って尊しとする一人ひとりの人権を大切にしてきた国柄でございます。
これは歴史的に誤りですね。それに、「和を持って尊しとする」と「一人ひとりの人権を大切にする」とを同格に置くことも間違いです。ていうか、この程度のひどい認識なんですよね…。

ヘイトスピーチをする人、そしてそれにまた反対する人々との間で暴力的な行為すら起きている。遺憾に思っております。
ヘイトクライムを問題視して欲しいという質問への回答。ヘイト側に原因があるという認識は絶対に示さない。むしろヘイトを阻止する側にも一因があると言いたげ。暴力行為だけを問題視するこういう表面的な認識からは、ヘイトを言論の自由とみなす親和的な心情が透けて見えます。
私も元記者として真実が明らかになっていくことを望みます。
「朝日新聞に政治的圧力をかけているのは問題ではないか」という質問に対して、「構わん、どんどんやれ」という回答。警察行政トップの発言ですよ?恐ろしいよなあ…。
拉致問題担当大臣としてのスピーチを頼まれて、きょうここに参りまして、拉致問題の質問をしていただきまして、ありがとうございます。
NHKが唯一拉致問題について質問したときの第一声。「ありがとう」はないなあ…。ヘイトスピーチ対応に消極的というイメージが付くし、自分の弱みだと認識しているという印象も付く。NHKと癒着しているようにも聞こえて、安倍内閣のメディア操作という批判に正当性を加味するし。

| コメント (0) | トラックバック (0)

歴史修正主義とナショナリズムの種は誰でも持っている。

中井貴一 海外の仕事で「俺たち下劣な民族じゃないよ」と思う│NEWSポストセブン

 歴史というのは、次の世代の者が塗り替えていくものだと思うんですね。たとえば、豊臣から徳川の時代に変わったときには、徳川から見て都合のいい歴史観に、変えられているはずなんです。

 だから、史実としてはどこが正しくてどこが正しくないのか、そのあたりのうそはかまわないと思うんです。

 それから、海外で思うのは、日本って恵まれた国だということ。そして日本人って、いつの時代でも、品格を持って常に先を見て生きてきた民族じゃなかったのかな、ということです。そうだよね、おれたちって下劣な民族じゃないよ、そういう日本人の心を思い出そうぜ、って今、思いますね。
皮肉な言い方で申し訳ないですが、中井さんのこれらの発言は「善良な人」の素朴さが現れた一典型みたいな気がします。

上記は二つとも、まあ論外な認識なのですが、今はこれが「いい人」的な発言として通ってしまっているように思います。
私が思うダメなところをメモしておきます。

1.史実のウソは構わないという点。
  歴史でも社会現象でも、解釈に幅が出るのは当たり前ですが、何が事実であったかを追究すること無しに、それらの解釈の正当さを評価することはできませんし、異なる解釈を比較対照することもできません。歴史の学習を支配者による歴史観の押しつけにのみ単純化することは、結局、歴史そのものを軽視することに他ならないわけで、「歴史が大事」といいつつ、実は歴史を愚弄しているわけです。

2.「下劣な民族」と「日本人の心」というナショナリズムに堕ちてしまっている点。
我々の祖先の苦労や、その築き上げてきたものを誇りに思うのは構わないのですが、それを「日本人」とか「民族」とかいうあやふやな集団意識に投射してしまうところが根本的な間違いです。いつだって、どこだって、人間は様々です。立派な行いも恥ずかしい・無残な行いも同時に存在していたはず。我々の祖先の何かを批判されたことをもって存在の全否定だと思う必要はないわけです。民族浄化的な迫害や差別を受けているというわけでもない文脈で、素朴に「日本人」にアイデンティティを回収するあたりに危うさを感じます。
中井さんは「日本人は下劣な民族」だという認識が広がっていると考え、それを正さなければならないと考えているわけですが、どうしてそのように考えるようになったのか。そこには、いわゆる「自虐史観」とか「戦後民主主義の誤り」を強調する保守系の宣伝の影を落としているのではないか。自国の過ちや自国民の恥ずかしい振る舞いを告発する報道や論説を、日本と日本人という存在全体を侮辱し、否定する攻撃だと捉えるヒステリーに巻き込まれているのではないか。
海外では自らの「日本」を感じる機会は多いし、また日本のことが話題になることもあるでしょうが、そのことが、「日本っていい国だよね」的な全肯定である必要はないし、むしろ日本の多面性や複雑さを知る機会を逸してしまうことになります。個別の誤りや偏見には個別に対応すれば良いだけのことで、それが「下劣な民族」観の是正というふうに飛躍してしまうあたりがもう危ういわけです。外国の人から日本の問題点を指摘されるとつい防衛的に構えてしまう(日本批判にまず反論したくなってしまう)心情が自分にあるということの奇異さについて自省すること……自分は何に拘泥しているのかと考えること……が大切なわけです。

| コメント (0) | トラックバック (0)

2014/09/25

「妖怪のせい」

電子演算さんはTwitterを使っています: "妖怪ウォッチが及ぼす被害が確認されました。 http://t.co/q5ZtDISZHX"

人気テレビアニメが4歳の息子に与える影響に悩む母親からの相談です。
「おもちゃを片付けなかったり野菜嫌いを注意したりすると、息子は『妖怪のせいだよ』と言い返してきます。どうやら、最近見始めたアニメ『妖怪ウォッチ』の影響のよう。」
テーマソングに、朝眠いのは妖怪のせい、ウンチが臭いのは妖怪のせい―という歌詞があるのです。面白がってまねをしているのは分かっていても、ついいらっとしてしまう私。どう言って聞かせればいいでしょうか」
(広島市南区・主婦・38歳)

これについて、こちら
「妖怪のせい」で良いんです。 - スズコ、考える。
を見て、改めて、

こちら
こどもの「妖怪のせいなんだよ」にイラッと来たら。 - スズコ、考える。
を読む。

そういえば、昔は「虫の居所が悪い」とか、虫のせいにすることもあったなあ…と。
妖怪か何かわかりませんが、狐狸の仕業…とか。

確かに合理主義の社会になって、人間の責任と説明が問われるように窮屈になった面もあるかもしれませんね。
しかし、人間と社会の非線形性が認められて以降は予測不能性と不確実性が本質的について回ることも見いだされてきたわけで、その不明瞭な領域については、日常の智恵として妖怪的な何かのせいだ、として問題を流してしまうのも便法としては有効かもしれません。まあご都合主義と非科学的な妄信には注意ですが…。
とまれ、心にゆとりを持ちたいなあということに尽きますなあ。

| コメント (0) | トラックバック (0)

堀江節子『人間であって人間でなかった』を読みました。

Amazon.co.jp: 人間であって人間でなかった―ハンセン病と玉城しげ: 堀江 節子: 本

玉城しげさんという一人の女性からの聞き取りを元にして、ハンセン病患者への差別と虐待の歴史、そしてそれと闘ってきた人たちの取り組みや思いが書かれた書。
玉城さんの暮らしや体験についての聞き取りの文章が中心で読みやすい上に、時代背景やハンセン病に関する国の制度や社会事情の解説が入っているので、理解もしやすい。玉城さんの周囲の人たちからの聞き取りもあって、玉城さんからの視点だけにとどまらず、複眼的にハンセン病国賠訴訟の運動や差別撤廃の取り組みについて考えることができます。
玉城さんの半生記とは直接関係ないものの、玉城さんと深く関わってこられた河上千鶴子さんという身体障害者の「私の体験記」と題する講演原稿も印象的です。養護教育を受けるようになってから障害者であることを意識するようになったというあたりは障害児教育のあり方について考えさせられますし、周囲の人々や社会制度との軋轢の中でも強く自立しようとする意志の強さにも多くのことを考えさせられます。しかし、障害者施設の中で面会拒否や不妊・去勢手術が行われていたという記述には衝撃を受けました。

印象的な記述は多数ありますが、そのいくつかをメモとして残しておきます。

・戦前のらい病政策の始まりが諸外国からの人権問題への批判への対応を動機とするものであったこと。
確か、明治政府の社会保障――貧困救済や障害者対策も同様の動機であったとラジオ講座で聞いたことがあります。欧米人に見られて困るもの、見苦しいものを隠すというところが日本の社会福祉政策の出発点であったという話です。確か、人身売買に関して廃娼運動にもそういう動機があったのではなかったかと。
こう考えると、今、従軍慰安婦問題が外交や国際政治という文脈でしか理解されない多くの現状を見ても、そもそも日本には人権という発想が受け入れられにくい土壌があるのかしらん、と悲観的になってしまいます。

・無らい県運動という運動が存在し、朝鮮人強制連行のような手口が横行していたこと。
1907年「らい予防に関する件」、1929年無らい県運動、1931年らい予防法という時の流れを見ると、徐々にハンセン病患者を隔離、排除、絶滅すべしという認識が深まってきたことが推測されます。それ以前からハンセン病患者は差別対象でしたが、隔離の制度化と共に排除意識も浸透・先鋭化していったのではないかと思います。その中で患者の隔離数を競う風潮が生まれていったのではないかと思います。患者は言わば犯罪者のように捜索・摘発され、甘言を弄して誘引され、周囲への迷惑を種に脅迫されていったのでした。

・「救らい思想」という道徳に基づく療養施設が実は地獄であったこと。
「沖縄ではハンセン病患者は迫害され続けており、1935年隔離小屋が焼き打ちにあう事件があった。このあと沖縄に立ち寄った林文雄は「救らい」事業の重要性を確信、自分が園長となった星塚敬愛園に沖縄・奄美大島の患者を収容することを自らの使命とした」(35ページ)
天皇皇后、戦争を理由にした権威付けや抑圧がよく行われていたことも世相を感じさせます。
患者の労働力利用が進むほど職員を減らしたこと、ずさんな胎児標本を作るというアリバイ工作から「道徳」の本音が透けて見えるようです。
鹿屋市の星塚敬愛園は地元の永田良吉代議士が誘致運動をしてできたとのこと。「みなさんは百姓をしなくても済むし、職員にも採用されるようになる。この畑を国に買い上げてもらって療養所を作ろう」(39-40ページ)、「海軍航空隊の鹿屋基地を誘致したのも永田代議士」(40ページ)という話に今も変わらない地方の哀愁を感じます。原発、廃棄物処分場、米軍基地、自衛隊……。

・戦後、治療法が明らかになった後ですら隔離政策は継続されたこと。
1948年優生保護法によるハンセン病患者への優生手術合法化。1949年の第2次無らい県運動、1953年のらい予防法。療養所長らの隔離・管理強化の主張。遺伝しない病気の患者の断種という矛盾。

・1960年に玉城さんに会いに来たお父さんの怒り。
・裁判闘争への反対者との軋轢。園の抵抗、職員の立場。
・浄土真宗の謝罪
1996年「ハンセン病に関わる真宗大谷派の謝罪声明」

・馬場広蔵、林力という父子と玉城さんとの関わり。
Amazon.co.jp: 山中捨五郎記―宿業をこえて: 林 力: 本
Amazon.co.jp: 父からの手紙―再び「癩者」の息子として: 林 力: 本

・「強制連行した麻生炭鉱の孫が総理になったと聞くと、アジアの人たちは、日本の軍国主義が復活したと思うね」(167ページ)

・鹿屋市のNPO「ハンセン病問題の全面解決を目指して共に歩む会」の代表、松下徳二さん、倉園尚さんの存在。
講演録「人間回復への言葉」にある松下さんの言葉。「私たちはみんな加害者なんだ」「いっぱい差別問題はあるのに、『私は差別していますよ』という人は、一人もいらっしゃらない。」「自分たちが差別する側に立っているんだということを、ほとんどの人は考えていないんではないか」(199ページ)

・徳田靖之弁護士の言葉 「救済の対象から、解放の主体へ」(200ページ)
・四十物和雄さんの言葉 「障害者の家族は、障害者にとってはもっとも身近な加害者であり、家族としての負担を負う被害者でもある」(200ページ)

・運動のつながり
赤瀬範保さん(HIV訴訟)「ハンセン病患者はなぜ怒らないのか」→島比呂志さんが九州弁護士連合会に手紙を書く。
島比呂志さんの作家活動→主宰する同人誌「火山地帯」で松下徳二さんと友人に→運動支援を頼まれ1999年に会を立ち上げる

参考
「いま、なぜ、らい予防法を問うのか…語る人◆島比呂志・聞く人◆篠原睦治」社会臨床雑誌第3巻第1号1995年4月9日
松下徳二「ハンセン病問題その後の歩み」、篠原睦治「〈追悼〉島比呂志さんの「生涯人間」宣言に学ぶ」社会臨床雑誌第11巻第2号2004年1月11日

| コメント (0) | トラックバック (0)

« 2014年8月 | トップページ | 2014年10月 »