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2014/09/26

自民党の情報戦検討(笑)のメモ

「朝日慰安婦報道に関する自民党・国際情報検討委員会の決議」全文掲載 - 荻上チキ・Session-22
こちらに上がっていた二つの自民党文書から。

平成26年9月19日「決議」自由民主党 外交・経済連携本部 国際情報検討委員会.pdf
この文書の気になること。

朝日新聞が発信してきた虚偽の記事が国際的な情報メディアの根拠となり、国際社会が我が国歴史の認識を歪曲し、結果として我が国の評価、国益を著しく毀損した。
これは間違いですね。朝日新聞の当該記事の影響はあったとしてもごく軽微なものにすぎないので。
いわゆる慰安婦の「強制連行」の事実は否定され、性的虐待も否定されたので、世界各地で建設の続く慰安婦像の根拠も全く失われた。
これも全くの誤り。別に否定されていないので。「強制連行」というカッコ書きの単語がこの検討委員会の独自定義によるのであれば別ですが、それにしても、慰安婦像の根拠が失われたというのはありませんね。

国の主権や国益を守り抜くためには、単なる「中立」や「防御」の姿勢を改め、より積極的に情報発信を行う必要がある。
上記の基本的な認識が根本的に誤っているので、「中立」や「防御」ではない「積極的な」情報発信がどういうものになるか……まあ火を見るよりも明らかですかな。

平成26年6月17日「中間とりまとめ」自由民主党 外交・経済連携本部 国際情報検討委員会.pdf
{国際情報戦略} >>>> 「攻めの情報発信」へ <中間取りまとめ> という文書。

日本の内政外交に対し中国、韓国などの反日宣伝とも思える情報があふれている(慰安婦問題、日本海呼称、靖国問題、安重根記念館など)。
これらを「反日宣伝」と呼ぶ時点で、もう心に余裕がないというか、問題解決に向けた気運のなさが明らかですな。自民党の国際情報検討委員会には全く期待できませんね…。

で、「攻める情報発信」の方針としてあれこれあるんですけど…

◆中国、韓国を中心とした他国の情報戦略についての情報収集、分析を強化する。
このほかにも、「中国などの謀略」とか平気で書いてあるし、なんでここまで隣国を敵視できるのかな…。そりゃ利害対立はいろいろあるけどねえ…。与党に名指しでこんなことを言われたら、そりゃ先方も対話する気なくすでしょ。
◆情報発信の拠点たる在外公館、施設の機能を質量とも拡充する。
被害妄想に凝り固まり人権意識の欠落したトンデモ理論を宣伝するのに、国の資源を使わないでほしい…血税に支えられた貴重な外交資源ですよ…(汗)

他にも、
・米国をはじめとする議員との交流の強化、若手交流を含む招へいプログラムの充実
・日本語教育拠点の拡充、大学等での日本研究の支援強化
・外国でのロビー活動
・メディアへの積極的働きかけ
等々が上がっているのだけれど、これらは自民党の資金でするんですよね?国にやらせようって腹じゃないでしょうね…(と分かっていて言ってみる。「予算措置など」って項目で政府がやれって書いてあるしなあ。嗚呼、このいかにも与党=政府はオレ様の所有物的な文書。)

で、一番問題だと思うのがこちら。

◆NHKの在外日本人向け国際放送に英語の字幕をつけて、外国人にも情報発信をする。
◆新型の国際放送の設立を検討する。(中略)従来のNHKワールド等の枠内では報道の自由など基本的な制約が多いため、今日の事態に十分対応できない。全く新しい発想が必要である。(強調は引用者)
「反日宣伝」に対抗するための英語字幕って、NHKに何をさせようというのか。そもそもNHKって公共放送で国有放送じゃないという認識がないような。籾井さんみたいな人事は、ああそういうことなのね…という。
それと、「新型の国際放送」とか「全く新しい発想」って…まさかチャンネル桜みたいなものを国策で流そうというのでしょうか。恥ずかしすぎる…。しかも、それって70年前に回帰するだけで、別に新しくはないのでは…(汗)
しかし何と言っても、報道の自由を「制約」と見なす発想ってのが露骨すぎます。憲法を何だと考えているんだろう…。まあこれは要するに「NHKが思い通りにならないからもう一個別のを作れ」っていう苛立ちでしょうけど、こういう認識を党の公式文書に載せるというあたり、自民党はもう戻って来られない世界に行ってしまったのですね…。

上記二つの文書から伺えるのは、この検討委員会の人たちは、基本的に政府や公共放送を自分たちの私物のように感じているらしいということです。上層部が自分の組織の方針について述べる文書と同じにおいがします。与党を長年続けるというのはそういうことなのかもしれないけれど、いくら内閣と国会を支配しているからと言っても、もうちょっと謙虚であってもいいんじゃないかという気がします。

最後に、この文書に名が上がっている人を列挙しておきます(敬称略)。
原田義昭(委員長)、衛藤征士郎、中山康秀、土屋正忠、大塚拓、星野剛士、簗和生、山田賢司、前田一男、城内実、猪口邦子、片山さつき、笹川博義、菅屋一郎、小島敏文、桜井宏

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