時事通信社から何本か見たメモ。
時事ドットコム:年内の首脳会談可能=「日本が努力する姿見せれば」-韓国高官
【ソウル時事】韓国政府高官は26日(米時間)、ワシントンで記者団に対し、年内の日韓首脳会談の可能性について「日本が十分に準備すれば可能だ」と述べるとともに、従軍慰安婦問題に関し、解決や具体的措置に至らなくても前向きに努力する姿勢を日本側が見せれば、首脳会談は可能だとの考えを示唆した。聯合ニュースが伝えた。
高官は「われわれが望むのは、元慰安婦が存命中に尊厳と名誉を回復することだ」と強調。「日本の誠意ある措置がなければならないというのが基本原則だ」と指摘した。
一方で「それ(日本側の措置)がなければ(首脳会談を)やらないということではなく、日本が誠意をもって努力する姿を見せれば、われわれも努力することができるという意味だ」とも述べた。必ずしも日本側の具体的措置にこだわらない姿勢をにじませるとともに、韓国側が努力する意向も示し、これまでより軟化した発言と言えそうだ。(2014/09/27-10:51)
確かに韓国側が軟化した雰囲気もありますが、慰安婦問題について日本政府が「誠意を持って努力する姿」を見せるとは到底期待できないので、とことんまで譲歩してあげたのに日本政府が頑なすぎるという形にできるという見込みもあるのかもしれない、とゲスの勘ぐり。安倍内閣は、こちらからは何の前提もつけずに首脳会談を持ちかけているのに、相手が頑なだから外交がうまく行かない、という形に持っていきたいみたいだし、その点では両者共にお互い様なのかもという気もする。損をするのは民間ばかりなり。
時事ドットコム:首脳会談めぐりジレンマ=「慰安婦問題の進展」譲らず-韓国
【ソウル時事】韓国政府は11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などを利用した年内の日韓首脳会談開催を念頭に、対日関係改善ムードの醸成に乗り出した。しかし、「従軍慰安婦問題など歴史の傷を癒やすための誠意ある努力が先行する必要がある」(尹炳世外相)との姿勢は変わっておらず、ジレンマを抱えている。
8月の日韓外相会談で、尹氏は冒頭から安倍政権の河野談話検証などを強い調子で批判したが、25日にニューヨークで行われた会談では、「最近の関係の進展はうれしい」と和やかな雰囲気を演出した。
関係改善に向けた積極姿勢に転じたのは、米国の要請や、日中首脳会談の可能性といった外的要因が大きい。一方で、2015年の日韓国交正常化50周年を前に、このタイミングが慰安婦問題で日本の譲歩を勝ち取る「勝負どころ」でもある。韓国政府関係者は「『首脳会談には歴史問題の進展が必要』と強調するのは、交渉力を高めるためでもある」と語るが、もともと日韓の立場の隔たりは大きく、日本の世論の動向も不安材料だ。
尹氏は25日の会談で、慰安婦問題をめぐる河野談話検証や朝日新聞の誤報騒動を挙げ、懸念を伝達した。韓国は「日本が国内のこうした動きを慰安婦問題をめぐる交渉を有利に運ぶためのカードに使いかねない」(外務省幹部)と警戒している。(2014/09/26-19:44)
最後の段落がちょっと興味深い。外務省が安倍自民党の言動を失点と捉えているようにも読めるからだ。
まあ普通に考えればそれは当然なので、外務省にもそういう認識の人は少なくないだろうが、もしかして単に相手が出すカードが増えるのが嫌だという程度の話だったらちょっと泣けるな。
世耕弘成官房副長官は2日夜のBS日テレの番組で、従軍慰安婦をめぐる朝日新聞の誤報について「30年も放置して、海外の誤解の原因になった」と批判した。その上で、誤報を伝えた海外メディアや、誤報を基に日本を非難する決議を行った各国の議会の誤解を解くために「朝日新聞自身で丁寧に説明してほしい」と述べた。(2014/10/02-23:52)政治家が執拗にメディアを攻撃する。それが言論抑圧だという視点はほとんどない。おまけに朝日新聞の関連記事などほとんど読んでいるはずもない。なぜなら、すでに何度も「朝日新聞自身で丁寧に説明して」いるからだ。このでたらめさ、自らの主張や権力についての無自覚・無責任さと放埒さ。
昔からこういう手合いはたくさんいたが、政治の支配的地位には就いていなかったし、気ままでお気軽な言動は簡単にはできなかった。今はやりたい放題だ。
菅義偉官房長官は3日午後の記者会見で、従軍慰安婦問題をめぐる河野談話について「安倍政権として見直すことは考えていない。これまで通り継承する」と重ねて強調した。河野談話継承と自民の特命委員会への協力とが根本から矛盾することにはほおかむり。さすが菅氏。河野談話の継承を口だけで言って、その実河野談話に謳われたことは何一つ手をつけず、そして慰安婦問題の否定に助力。憲法を尊重すると言いつつ軍拡に走ってきた自民党の真骨頂か。連中の悪質なところは、一切本格的な論争をせずに政権与党の力で押し切ることしかやらないこと。原発もしかり。
自民党の稲田朋美政調会長が、政府の慰安婦問題への対応を検証する特命委員会を党に設置する意向を示したことに関しては、「政府としては協力できることは協力していきたい」と述べた。(2014/10/03-17:17)
自民党の萩生田光一総裁特別補佐は6日夜のBS日テレの番組で、従軍慰安婦に関する河野洋平官房長官談話について「もはや役割は終わった。見直しはしないが、新たな談話を出すことで結果として骨抜きになる」と述べた。河野談話に代わる、旧日本軍の強制性を打ち消す新たな談話を出すべきだとの考えを示したものだ。(2014/10/06-23:38)首相の本音の代弁者。「河野談話を継承する」と国会で答弁した直後にこういう発言が出てくる。隣国はおろか同盟国すら、こんな政権を信用する気にはなれないだろう。というか、もう足下は見透かされているわけだが。実に分かりやすいお子様政権。まあ、どんなに頑張っても慰安婦問題で彼らが国際的な「勝利」を得ることはできないし、「新たな談話」を出すこともできないということは明白だから、吠えてみせるだけしかできないし、また安心して吠えてみせることもできるということかもしれない。
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