« 非モテはいつの時代でも常に現れ続けるだろう…という与太話 | トップページ | いずこも同じ秋の夕暮れ »

2014/10/22

在特会大勝利!!橋下氏と維新、在特会の主張を政策目標へ

●追記(2014年10月23日)
本件について誠に正鵠を射た論評を見つけたので、そちらにとりあえずリンクを張っておきます。

橋下「見直し」発言について - Arisanのノート

彼らが「浄化」の先兵という役割を担っていること、そして橋下氏に幻想を見る人々の心情への指摘、この2点は非常に鋭く、また重い課題を私たちに提起しています。
これを読んでしまったら、以下の駄文は恥ずかしくて削除したくなるんだけど、自省のために置いておきます。

****************
以下の件に関連して。
橋下・大阪市長と桜井・在特会会長が面談 主張は平行線:朝日新聞デジタル(2014年10月20日21時45分)

そもそも何でこんな面談が実現したかというと、
1.橋下市長が7月の記者会見で「大阪市内で(ヘイトスピーチを)やめてもらえるなら直接、僕が対応してもいい」と話した
2.在特会側が面談を申し入れた
ということだそうです。
橋下市長:在特会と面談、怒号飛び交い10分足らずで終了 - 毎日新聞(2014年10月20日 20時36分)

親分同士が会談して手打ちしましょうやって、ヤクザの抗争じゃないんだからさあ…。面談した時点で呆れてものも言えないという印象。
実際にはろくに話にもならなかったようですが、桜井氏を強く罵ったということで橋下氏を評価する意見も少なくないようです。しかし…。

橋下大阪市長と在特会・桜井会長の会談に在日女性が懸念抱く│NEWSポストセブン(2014.10.21 16:00)

桜井氏:特別永住制度を廃止したいと主張。
橋下氏:なぜその制度が生まれたかの歴史的なバックグラウンドを説明することもなく、「文句があるなら国会議員に言え」と答えるにとどまった。

桜井氏:「あんたが言うヘイトがどうのこうのってデモがあるなら日付言ってくれる?」
橋下氏:具体例を挙げていさめることもなかった。

 李さん(李信恵さん)は今回の面談が予定調和で終わり、ニュースなどで報道されて在特会の名前が認知されること、編集された動画がネットにアップされて、「橋下市長とやりあった在特会」とみなされることを「嫌だ」と感じている。

橋下市長:在特会と面談、怒号飛び交い10分足らずで終了 - 毎日新聞(2014年10月20日 20時36分)
 一方、在日コリアンには面談に反対する人もおり、NPO法人「コリアNGOセンター」(大阪市生野区)の金光敏事務局長は「何のための面談か全く意味が分からなかった。在特会の社会的認知を高めただけ。市民の代表の市長が公の場で罵倒される姿に不快な感じがした」と話した。

これらの懸念は、全くその通りでしょう。

結局、在特会を大きく宣伝する機会を大阪市役所が作ってあげたということに他ならないと思うんですがね。上記朝日新聞記事によれば、報道関係者を100人ほども集めたそうですよ。

橋下氏は「ヘイトスピーチを止めろ」と主張したらしいんですけど、彼自身が根本的に分かってないからね。
この面談の後、さっそくやらかしています。

橋下氏「特別永住資格の見直し必要」 憎悪表現対応で:朝日新聞デジタル(2014年10月21日13時46分)

在特会大勝利!!

 維新の党の橋下徹代表(大阪市長)は21日、在日韓国・朝鮮人らに認められている特別永住資格について「どこかの時点で、通常の外国人と同じような永住者制度に一本化していくことが必要になる」と述べ、維新として見直しを検討していく考えを示した。理由について「特別扱いは差別を生む」とし、在日韓国・朝鮮人への攻撃を抑える狙いもあると説明した。市役所で記者団に語った。

 橋下氏は20日、特別永住資格を「特権」と非難する「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井誠会長と意見交換。面談は物別れに終わったが、橋下氏は「彼らの言い分に合理性があるとは思えないが、僕なりに考えていく」と語った。「(検討は)ヘイトスピーチをやめればだ」とも語り、「国政課題として維新が引き受けた。在日韓国人への攻撃はやめて、維新や僕に攻撃してくれればいい」と述べ、在日韓国・朝鮮人への攻撃をやめる手段としたい考えも示した。

 特別永住資格は終戦前に日本に居住し、日本国籍を持っていた在日韓国・朝鮮人や子孫らに対して認められている。再入国の審査で顔写真撮影が省かれるなど「一般永住資格」とは違った対応を受ける。

「特別扱いは差別を生む」だって!……あまりにひどい。
本当に根本的に分かってない、というか、在特会そのものではないですか。

特別永住資格を「特権」と見なすのが根本的に差別なんだけどねえ…。これを「特権」と言い張る差別者たちのデマを抵抗なく信じてしまうあたりが、橋下氏が差別的意識を抱えていることの傍証になっているわけですが。

それに、これをヘイトスピーチ停止の取引材料だと言うのもゲスい。「被差別者の権利を剥奪しないから差別を続ける」という口実を与えることになりますが、それに気付かないのは、橋下氏自身がヘイト側と同質だからでしょう。

そもそも、在日の人々の権利をすべて剥奪してもヘイトスピーチが止むわけはないのです。そんなことは、あらゆるマイノリティが経験してきたことです。そもそも形式的な平等が実際に機能しないのが差別であるわけで、無権利状態に置かれた人々がどれほどの迫害を受けてきたかを想起すれば、「特別扱いは差別を生む」といういわゆる「逆差別」の論理が全く誤りであることは自明のはずです。

人権教育の必要性が本当に身に染みます。

【参考1】:特別永住資格は「在日特権」か? / 金明秀 / 計量社会学 | SYNODOS -シノドス-

【参考2】:時代の正体(36) ヘイトスピーチ考 表現の自由と対立せず | カナロコ(2014.10.22 11:22:00)
国連人種差別撤廃委員会の委員だったパトリック・ソーンベリー氏の講演から。
「ヘイトスピーチ規制と表現の自由を対立させる考えは誤りだ」。
→カナロコの「時代の正体」シリーズ。差別と表現の自由との問題、従軍慰安婦問題、特定秘密保護法など。識者へのインタビューで構成。考えさせる。

【参考3】:時事ドットコム:ヘイトスピーチ規制で共闘=民・維

 民主党の枝野幸男幹事長と維新の党の小沢鋭仁国会議員団幹事長は22日午前、国会内で会談し、特定の人種や国籍への差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)について、規制する法案の国会提出を含め、今後両党で共闘していくことで一致した。
 会談で枝野氏は、ヘイトスピーチ規制を訴える維新の橋下徹共同代表(大阪市長)を評価。「協力できるところは協力しよう」と伝え、小沢氏も応じた。(2014/10/22-12:37)
ろくなことになる気がしない。


« 非モテはいつの時代でも常に現れ続けるだろう…という与太話 | トップページ | いずこも同じ秋の夕暮れ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 在特会大勝利!!橋下氏と維新、在特会の主張を政策目標へ:

« 非モテはいつの時代でも常に現れ続けるだろう…という与太話 | トップページ | いずこも同じ秋の夕暮れ »