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2014年11月の15件の記事

2014/11/30

記事メモ:ツイッターがユーザのインストールアプリ一覧を収集開始とのこと。

Twitterがインストール済みアプリ一覧を収集 - 発声練習
こちらの記事経由で。

Twitter、端末にインストールされたアプリの一覧収集機能を追加 - ITmedia ニュース

上記によると、ツイッターのアプリ情報収集は12月以降のアップデートで開始するみたい。
基本的に、放っておくと、自動的に収集が開始される。(オプトアウト方式。)
→この機能を避けたいときは、自分で設定を変更しなければいけない。

この機能が有効になると、Twitterの画面に「より良くカスタマイズするためにTwitterは端末にインストールされているアプリを使用します」と表示される。この表示にある「設定を見る」ボタンをタップすることで、関連する設定画面が開き、そこでこの機能を無効にできる。

[設定]→アカウントの選択→
・Androidの場合は「プライバシー」、
・iOSの場合は「その他」→「アプリに合わせてTwitterをカスタマイズする」
で設定を無効にできる。

のだそうです。

冒頭のリンク先で興味深かった記事。
インタビュー - なぜミログは解散に至ったのか、城口代表に聞く:ITpro(2012/04/13)

スマートフォンアプリの利用履歴を収集→ユーザへの告知が不十分→「プライバシー侵害ではないか」との批判が集中→2012年4月2日、会社清算、解散

・「ユーザーが1回インストールすれば、ミログがアプリ開発者に月額1円を支払う」というモデルを採用
・ユーザーに情報収集の同意を得た上で、アプリケーションの起動履歴などを収集、送信
・ユーザーにとっては、広告が表示されないアプリを楽しめる利点

There is no free lunch.
スマートフォンは、どうも個人情報ダダ漏れな悪いイメージを持ってしまう…。PCが本質は変わらなくて、より安全とは全く言えないのだけれど。

 ユーザーの利用履歴を収集、解析するビジネスは既にある。ビデオリサーチのテレビ視聴率調査や、ニールセン傘下のネットレイティングスによるネット視聴率調査などが有名だ。
 このように全方位的に利用履歴を収集するサービスでは、データを収集している事実をユーザーが完全に理解し、同意していることが前提となる。だからこそ、収集を許可したユーザーの集合「視聴者パネル」を構築するには膨大なお金や手間がかかる。
 この点、ミログは視聴者パネルの拡大を焦りすぎ、「完全な同意」を得るプロセスをおろそかにしていた、と言わざるを得ない。
また、こうした統計データを購入し、活用する企業にも、どのようなプロセスで収集されたデータなのかをチェックする責任があったと考える。

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2014/11/28

日本が奴隷労働に基づく古代ギリシャ的な国であることの一例

金杉圭司さんはTwitterを使っています: "この数ヶ月で外国人実習生が何人逃亡してるか。。。。あまりにも酷い現状。一昨年の研修生資料、非人間的な規程。 http://t.co/P6UMpczMxh"
こちらで紹介され、2000回以上リツイートされ1000回以上お気に入りにされている写真。
ちょっと内容がひどすぎるので書き起こしました。

これは、富山県南砺市にある外国人技能実習生のおそらく監理団体である「協同組合 五光」が定めた規定の一部。

8.仕事は選んではいけない。
9.研修生の期間は、残業をしてはいけない。
10.内職またはアルバイトをしてはいけない。
11.会社の電話を勝手に使ってはいけない。
12.会社と労働条件で交渉してはいけない。
13.会社を早退や欠勤をする場合は、必ず病院に行くこと。(病院で診察を受けない場合は、認めません。)
14.挨拶を必ずすること。(朝 おはようございます。夜 お休みなさい。)
15.仕事の指示に対して、返事をすること。(分かりました。分かりません。)
16.日本語を早く覚えること。(2年目に試験があります)

生活:
1.寮の門限は、午後10時です。
2.午後10時以降、寮以外での電話は禁止です。
3.個人所有の携帯電話は禁止です。
4.パソコンの使用は、禁止です。
5.日本人との恋愛を、禁止します。
6.中国人同士の恋愛を、禁止します。
7.1人での外出を、禁止します。
8.中国人男女2人での外出を、禁止します。
9.女子寮に男子を、入室させてはいけない。また、男子寮に女子を、入室させてはいけない。
10.日本に住んでいる中国人との交流を、禁止します。(日本に在住の親戚・兄弟・知人)
11.日本(人?)との交流を、禁止します。(仕事以外)
12.会社の社員の家の訪問を、禁止します。
13.日本にいる中国人の家に、訪問を禁止します。((日本に在住の親戚・兄弟・知人)
14.協同組合 五光以外の研修生・実習生との交流は、禁止です。
15.外泊は全て禁止です。
16.会社・●●が許可した車以外に、乗車してはいけない。
17.決められた地域以外に外出するときは、外出願いを提出しなければならない。(会社・社長)
18.各行事・催し物には、会社・●●の許可のない物には、参加してはいけない。
19.日本の法律を守ること。
20.万引きをしてはいけない。(窃盗)
21.電車・バスで、無賃乗車をしてはいけない。
22.スーパーなどで、傘を盗んではいけない。
23.寮で中国人同士、ケンカをしてはいけない。
24.中国の睡眠薬・幻覚剤を服用してはいけない。
25.ギャンブルを、してはいけない。(パチンコ、競馬、競輪・その他賭け事)
26.農作物を、盗んではいけない。(畑・水田・果実)

※日本で病気(精神病・癌・重度の病気)にかかった場合は、日本の法律には、慰謝料を支払う義務はありませんので、一切慰謝料の支払いは拒否します。
※上記の違反で、帰国する場合は、渡航費は自己負担になる
※上記の違反で帰国した場合は、組合・会社が損害を受けるので、給料又は、中国の家族(保証人) 損害賠償を請求し、帰国時に精算します。
※上記の事を契約します。


この規定が明るみに出たのは、「北日本電子ほか(外国人研修生)事件」が起きたのが発端。

ちなみに、協同組合五光のサイトや構成メンバーなどが分かる資料はネット上には見つからないのですが、ここから実習生を利用していた北日本電子は紹介サイトがあります。

石川県バーチャル工業団地 - 株式会社 北日本電子 - (公財)石川県産業創出支援機構(ISICO)

高卒者の募集をしていたようです。
大聖寺実高(石川) 就職ライブラリー
これによると、会社の「特長」として、以下のようにあります。

平成12年に新社屋に移転しました。従業員が気持ちよく働くことができる快適な職場です。
午後には有線が掛かり、楽しく仕事がはかどるようにしています。
また、こちらの「先輩からのアドバイス」によれば、以下のようにあります。
 コンピューター制御による先端技術と、アナログ的なノウハウを駆使した非常にシビアな仕事ですが、社員一同フォローしあい、信頼関係がいっぱい詰まったあったかく若い会社です。

当時の報道が2chに残っています。
【石川】「社外の中国人と遊んだら強制的に帰国させられそうになった」中国人実習生が提訴[6/21]

技能実習生として加賀市内の工場で働いていた中国人女性が、「強制的に帰国させられそうになった」として、会社と、仕事を斡旋した協同組合に対し、損害賠償などを求める訴訟を起こした。
訴訟を起こしたのは、中国籍の宋銘銘さん(23)。宋さんは、富山県南砺市にある協同組合「五光」の紹介で加賀市の電子部品メーカー・北日本電子で2010年1月から働いていた。しかし、訴えによると、宋さんは今年4月になって、会社以外の中国人と遊んだことなどが協同組合が定めた「規則に違反する」として、強制的に帰国させられそうになったという。宋さん側は「組合の規則は人権を侵害するもの」として、協同組合と会社に対し、慰謝料を求めている。また、宋さんは解雇が無効であることの確認や未払いの賃金など合わせて500万円近くの支払いを要求している。これに対し、仕事を斡旋した協同組合では「規則は、中国人労働者の生活上のトラブルが多かった12年前に目安として定めたもので、拘束力があるものではない」としている。また、会社では「辞めないでほしかったが、本人が説得に応じなかった。話し合いもなく、いきなりの提訴で驚いている」と話している。
ソース:日テレNEWS24 6/21 19:39 テレビ金沢(リンク先に動画あり)http://news24.jp/nnn/news8714760.html

こちらの判決が2014年3月に出まして、その関連がこちら。

日本で不当解雇されたと中国人研修生が提訴、メーカーなどに賠償命令―金沢地裁|中国情報の日本語メディア―FOCUS-ASIA.COM2014年03月11日

日本の中国語メディア、日本新華僑報網はこのほど、労働力不足を背景に外国人技能実習生が日本企業と仲介組織に廉価な労働力として扱われ、被害を受けていると指摘し、ある中国人研修生が勇気をもって日本企業などを提訴したと紹介した。中国新聞網が10日伝えた。

金沢地裁小松支部は10日、研修中に労働者として働かされ、不当な理由で解雇されたとして、中国人の宋銘銘さんが就労先の電子機器メーカー、北日本電子(石川県)と、中国人技能実習生を仲介する協同組合五光(富山県)に対して計約500万円の損害賠償などを求めた訴訟で、解雇を無効とすること、また北日本電子、五光に計約310万円の賠償金を支払うことを命じた。

判決などによると、宋さんは五光が設けた「従業員以外との接触を禁じる」との規則に違反したとして、雇用期間満了前に帰国を命じられた。
(編集翻訳 恩田有紀)

事件概要は、こちらが詳しいです。
北日本電子ほか(外国人研修生)事件判例から 金沢地裁小松支部平26.3.7判決 (労働判例No.1094)小松社会保険労務士事務所


  • 研修計画を無視してタイムカードで時間管理して働かせ実質的に残業代を払っていたのに、未払い賃金の賠償から逃れることを目的として労働者性を否定するために、タイムカードを改ざんし、「残業代でなく小遣いだ」と社長自ら強弁。
  • パスポートや預金通帳の取り上げ、また様々な行動の自由の禁止
  • 以前会社に勤務していた中国人と会ったというだけの理由で解雇

どうやら、協同組合五光がとんでもなかっただけでなく、「従業員が気持ちよく働くことができる」「あったかい」会社である北日本電子も、とんでもなかったようです。

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2014/11/26

学費・奨学金の重負担についての朝日新聞記事から

奨学金返還訴訟、8年で100倍 機構が回収強化:朝日新聞デジタル2014年8月9日23時25分

JASSOの奨学金取り立て事案

●猶予手続きは毎年必要→手続きをしていなかった事例
・弁護士に相談→機構に返済猶予を改めて申請→提訴取り下げ、延滞金も不要になった。
・「訴訟前に改めて教えてくれれば、弁護士に相談せずにすんだのに」

●本人が障害者で自分では猶予申請できず、保証人が訴えられた事例
・司法書士の助言で提訴後に返済猶予を申請→認められた。

●泣き寝入り、不幸な例
・猶予が認められるはずなのに、提訴されて返済続行の和解案を受け入れてしまう
・返済を続けても延滞金に充てられて元金が減らない例
・自己破産する例

●3カ月以上の延滞者は金融機関のブラックリストに流す
・12年度末までに2万件以上を登録。

●提訴手順
・9カ月以上の延滞者→事前通告→裁判所を通じて督促状を送付→異議申し立て→提訴
※上記の提訴された人はいきなり提訴されたみたいだが…?

●JASSOの奨学金
・無利子で月5万4千円を借りると、4年間で計約260万円。
・15年の完済計画→毎月の返済額は約1万4千円。
・有利子の年利は2014年7月現在で0・79%(利率固定方式)。

・2012年度で約131万人に計1兆815億円の奨学金を貸し付け。うち、延滞は33万人計925億円。
・3カ月以上の延滞者の8割が年収300万円未満。

●JASSOが厳しくなったきっかけ
・内閣による独立行政法人の整理合理化計画(07年閣議決定)
・内閣による事業仕分けなどが債権回収の甘さを指摘
※結局、政権による政治的圧力が発端ですか…。

【奨学金返済に関する現行の救済制度】

■返済の猶予
 年収300万円以下(自営業などは所得200万円以下)を目安に最長10年を猶予。災害や傷病、生活保護受給などの場合、猶予期限はなし。産休や育休中も猶予される。毎年の更新手続きが必要。

■返済月額の減額
 経済困窮や災害、傷病などの場合、一定期間は毎月の返済額を半額に。毎年の更新手続きで最長10年。このほか、死亡や心身の障害によって返済できなくなった場合、状況に応じて全額または一部を免除。※詳細は日本学生支援機構のホームページ(http://www.jasso.go.jp/)

大学院生の奨学金借入、「500万円以上」が25%:朝日新聞デジタル2014年11月26日17時27分
奨学金が経済的支援ではなく、事実上の「借金」として重荷になっている。

「全国大学院生協議会」の調査
・2014年6~8月、全国の国公私立大82校の千人が対象

●奨学金の借入残高
あるのは428人。そのうち、
・1千万円以上:3%
・500万円以上:24・7%
・最も多かった金額幅は「100万円以上200万円未満」で22・9%

●返済に対する不安の有無
「かなりある」:43・0%
「多少」:31・7%
合わせて74・7%

●将来への懸念(複数回答)
「生活費・研究費の工面」57・1%
「就職状況」55・2%

●研究時間が十分確保できない理由(複数回答)
「アルバイト」25・5%で最多。

●自由記述
「1千万円の借金を背負って将来の見通しが立たない」
「授業料納入が困難で休学措置をとった」など

【参考】
おそらく本記事のベースになったアンケート調査:PDF
掲載ページ:2014年度アンケート報告書が完成しました|全国大学院生協議会

*****
脱・貧困のための進学が… 授業料高騰、重い奨学金返済:朝日新聞デジタル(2014年11月25日05時21分)

「貧困と東大」

 大手メーカーに勤める朝倉彰洋さん(25)は東大生だった2009年、そんなテーマで調査した。

 東大が行った「学生生活実態調査」では、東大生の親の年収は「950万円以上」が過半数を占めている一方、「どれくらいの貧困層が広がっているのか、知りたかった」。自分が入居していた学生寮は経済的な困難を抱えた学生が多く、アンケートを配ってみた。49人の回答者のうち、親の年収が300万円未満の学生が15人いた。

 「貧困層でも支援制度の存在をもっと広く知ってもらえれば、家庭の経済状況に関係なく東大に進学できるはずだ」

 朝倉さん自身、母子家庭で育った。母親には「勉強にかかるお金は出してあげる」と言われていたが、愛知県から東京への進学を伝えると一転、「行かせるお金はない」と反対された。国立大学の授業料(標準額)も、1975年度の3万6千円が、いまは約15倍の53万5800円かかる。

 そもそも中学時代は大学進学も考えていなかった。高校の先生の助言を受けながら、授業料の免除を手にした。給付型奨学金も得て大学院にも進んだ。「制度を教えてくれた中学や高校の先生、一緒に東大を目指した仲間、どれか一つでも欠けていたら進学できなかった。自分は運が良かった」

 愛知県春日井市のショッピングセンターの一角。週に1度、約2時間、大学生のボランティアが、中学生たちにほぼマンツーマンで教える。生徒は生活保護世帯や母子家庭の子ら約15人だ。

 その一人、中学3年の女子生徒(14)も母子家庭で育った。塾に通うのはあきらめていたが、教室に通いながら、商業高校への進学をめざす。卒業したら、すぐに就職するつもりだ。「大学に行くお金はないし、就職したら母が楽になるかな、と思って」

 この教室に中学3年の長男(14)を通わせる母親(38)は、「息子はなんとか大学まで行かせたい」と話す。夫(38)は病気がち。介護の資格を取ってパートで家計を支えてきた。経済的に豊かな人はどんどん上に行くのに、貧しい人は貧しいままだと感じる。「息子には繰り返してほしくない。踏ん張って上がっていってほしい」と願う。

 貧しくても能力を発揮できれば、未来を切り開けるのが、教育だった。だが、経済格差が拡大するなか、貧困を脱するための教育の平等が揺らいでいる。

■バイトを掛け持ち「もう大学やめたい」

 経済的に苦しいと、進学しても道は険しい。授業料の借金が重なり、家庭に負担がのしかかる。

 宮城県に住む保育士の母親(50)は、非正規雇用で稼ぐ月収約13万8千円で子ども2人を育てている。私立大学に通う長女(20)は、公立高校に進学時から貸与型奨学金の「借金」を背負ってきた。大学でも奨学金を二つ借りたので、卒業時の残高は、合計260万円に上る見込みだ。中学2年の長男(14)が高校に進学すれば、新たな借金が重なる。

 小学校教諭を目指す娘は、奨学金返済のためにレジ打ちなど二つのバイトを掛け持ちする。だが朝5時に起きて夜中まで学業とバイトに明け暮れる毎日。友人とのつきあいもできず、娘は夏になって「バイトがきついので、もう大学をやめたい」と言い出した。

 「バイトをやめてもいいよ、と本当は言ってあげたい。でも、今やめたら150万円の借金はどうするのと言うしかない」。無事卒業できても、借金を返せる職につけるか、確たる保証はない。「貧乏から脱出させるための進学でも、借金が増えるだけの『降りられない賭け』になっている」。母親の悩みは深い。

■奨学金受ける割合52・5%

 子どもの貧困率が過去最悪を記録する一方、国立大学の年間授業料は40年前の約15倍。奨学金という名の「借金」に頼らざるを得ない家庭は増え続けている。日本学生支援機構によると、昼間の4年制大学に通う学生のうち、奨学金を受けている割合は2012年度に52・5%に達した。10年前より20ポイント以上も増えた。奨学金を受けている人のうち、約9割が貸与型だ。

 名古屋市の杉山智哉さん(20)は、父が交通事故による後遺障害で思うように働けず、苦しい家計状況で育った。大学2年の途中で学費を払えなくなり、除籍に。高校、大学で受けた奨学金約350万円が借金となって重くのしかかる。

 子どもの貧困対策について考える集会などに参加し、「知識が無いと解決法も分からない。無知は貧困につながる」と思うようになった。貧しいと、知識を身につけるための教育さえ受けられない。「貧乏なら働けという考えが、貧困の連鎖を生んでいると思う」(杉原里美、山本奈朱香、河原田慎一)

■学費の壁、米・豪学生も

 「格差是正の装置」と見られてきた教育が、財政状況の悪化を背景に学費の高騰によって脅かされつつある。経済協力開発機構(OECD)によると、「教育は福祉」という理念があるフランスやオランダでも学費が上がっている。

 05年からの6年間で学費が28%上がった豪州では、シドニー大3年のカイル・ブレイクニーさん(21)が怒りをぶちまける。低所得層が多い先住民アボリジニーで、「貧困から脱するための高等教育を、貧困だから受けられないのでは絶望的」と憤る。「多文化主義国家と自称しながら、先住民や移民の子に『貧乏人は弁護士や医者になるな』と言っているようなものだ」

 保守連合のアボット政権は、大学への財政支出を減らし、最大300億豪ドル(約3兆円)の歳出削減案を打ち出している。法案が国会を通れば、修士号取得までにかかる授業料は現在の数万ドルから、2年後には世界でも最高級の10万豪ドル(約1千万円)以上になるとの試算もある。

 豪州では約40ある大学のほとんどが国立で、1989年までは無料だった。「今の時代に生まれたから10万ドルかかるなんて」。低所得層の生徒が多く通うシドニー郊外の高校生グレイス・ハーリーさん(17)はため息をつく。

 米国でもこれまでは、貧しい家庭で生まれ育っても大学を卒業すればいい職につき、中流階級に入れると言われてきた。しかし、米国の大学でつくるNPO「カレッジ・ボード」によると、4年制大学の1年間にかかる費用は、昨年の私立大学の平均で約3万1千ドル(約370万円)にのぼる。インフレ率を考慮しても、30年前の約2・5倍だ。公立、一般私立大の卒業生の約6割が借金を背負い、平均借入額は約2万7千ドル(約320万円)に達するという。

 NPO「学生借金危機」の創設者、ロバート・アップルボームさんは「借金のために、卒業しても家や車の購入ができず、起業できない人は多い。経済全体にも悪影響を与えている」と指摘する。(シドニー=郷富佐子、ニューヨーク=中井大助)

■進学費用は税金で 矢野真和・桜美林大学教授

 政府は貸与型の奨学金で機会の不平等の問題を解決しようとしたが、それは借金でしかない。負の遺産は親から子に引き継がれ、固定化している。大学に行けない人には、低所得だと返さなくていい所得連動型奨学金にして、私立大も国立大並みに授業料を引き下げ、進学費用は税金で負担するべきだ。親が支払うという意識を変える必要がある。高卒者と大卒者の将来得られる所得格差が広がる中、大卒者の生涯所得から得られる税収は、公的に投入した額を十分上回る。大学の授業料は、消費税1%分の額でしかない。大学は親の負担で18歳の子が行くところから、みんなで負担して、みんなが人生で一度は勉強するところになればいいのではないか。

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橋下氏主導の大阪市条例に違憲判断。団結権侵害で。

教研集会:学校使用不許可は違法…大阪市に賠償命令 - 毎日新聞2014年11月26日 11時43分(最終更新 11月26日 15時35分)

橋下氏の無法が当然のように裁かれましたが、関係者のご苦労には頭が下がります。
橋下氏は本当に弁護士なのだろうかと思わざるを得ません。
まさか控訴したりしないでしょうね…。

 大阪市が教職員労働組合の教育研究集会に学校を使わせなかったのは違法として、市教組が市の使用不許可処分の無効確認と約620万円の国家賠償を求めた訴訟の判決が26日、大阪地裁であった。中垣内(なかがいと)健治裁判長は市の処分を違法と判断し、約40万円の賠償を市に命じた。さらに、市が処分の根拠としている市労使関係条例の「組合活動に便宜供与はしない」という条文について、今回の違法な処分を正当化するために適用する限り、「職員らの団結権を保障した憲法28条に違反し、無効だ」とした。

 中垣内裁判長は「教研集会の意義などを十分考慮せず、条例の存在だけで判断した市の処分は合理性を欠く」と市の対応を厳しく批判した。無効確認に関しては「過去のことで訴えの利益がない」と却下した。

 判決によると、市教職員組合(日教組系、組合員約4500人)は約40年前から毎年秋に学校を借りて教研集会を開いてきた。教職員の指導力向上を目標に議論などをしている。

 市教組は2012年7月と13年7月、市立小学校の使用許可を校長に申請したが、いずれも許可しなかった。根拠としたのは、橋下徹市長の主導で12年8月に施行された労使関係条例の条文だった。

 判決は、教研集会について「教員らによる自主的研修の側面もある」と指摘。市の処分を違法とし、市教組側が払った代替施設の使用料分などとして約40万円の賠償を命じた。

 労使関係条例について「橋下市長が労組の団結権などを侵害する意図を持って制定したとみざるを得ない」と批判。違法な処分を正当化するために適用すれば違憲となり、今回の処分の根拠としては認められないと結論付けた。【堀江拓哉】

 ◇大阪市の労使関係条例◇

 橋下徹市長が「政治や人事に介入する職員労組は不適切だ」として2012年に議会提案、8月に施行された。組合活動への便宜供与をしないと定めた他、組織運営や人事に関する労使交渉を禁じた。

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2014/11/20

宇宙の時空間はまさに非加算の無限の連続性の中にあるという件について

同僚としたたかに飲んで代行を呼んで帰った直後に書いてるので、酔っ払いのたわごとと聞いてほしいのですが。

代行の運転手が最近始めたばかりの指宿出身の方でした。聞いてみると、大阪に出て40年間シャープで業績をあげ、数年前に鹿児島に戻ってそこから最近鹿児島で深夜の代行運転の運転手を始めたとのこと。
たまたま関西……というか京阪神に縁が深いこともあり、その運転手さんの40年間の大阪暮らしと妙にフィーリングがあって、ほんの10分ほどの間に話し合うことしばし。

酔っ払っているせいもあるかと思いますが、その運転手さん……の一言一言が胸にしみる。その人が故郷を出て大阪に地歩を固めそこで所帯を持って次の世代を育て……という一つ一つの情景がまるで幻燈のように目の前を去来するわけです。いや、別に運転手さんはそんな具体的な話はしませんけど、とにかく、想像と情感をいたく刺激する。
そうなるともうその人のとりこです。もっとその人の人生を知りたい、その人の情感の共感したいというただその思いだけになります。その人も、ああ関西の人なのか、故郷に帰ったようだとか言ってくれて、いやあなたの故郷は指宿でしょうが、とか突っ込む気にもなれないわけですよ。その人は、曲がりなりにも、人生の大部分を大阪で過ごし、ある意味ほとんどの苦楽が大阪の風景ととともに記憶に刻み込まれているのでしょうから。

正直、自分よりはるかに年上の方が、単に私が客だからという理由でへつらうような言葉をかけてくれると、本当に恥ずかしく、また申し訳なく、そして現実の厳しさに切なく思います。その人の尊厳を汚したような気になります。
代行の車が帰って行くとき、私はその運転手を見送りたかったのです。その人の人生に敬意を表したかった。シャープに人生をささげて定年まで勤め上げたその人が、飲んだくれてテキトーに代行運転を呼び付けたこの私に付き合ってくれて、愛想までふりまいてくれたその深さに敬意を表したかったのです。しかし、気にせず帰ってくれというその人の言葉に、見送ることはできなかったのでした。

私が何に打たれるかというと、その人、その人生、その瞬間のかけがえのなさです。
我々の宇宙が何千億年続こうが、我々の宇宙の他にどれほど無数の宇宙が何兆年続こうが、我々の地球の歴史、我々の時代、我々の一人ひとりの人生は、決して再生されない。このことは物理的にも数学的にも明らかで、どれほど膨大な時間と物質量とを費やしても、私たちの人生は、私たちのこの社会、私たちが見るこの風景は、二度と再生することはないのです。昔の映画で見る風景は、誰がどれほど願っても、決して二度と、そう、何兆回宇宙が再生しようとも、決して再び現実のものとして見ることはできません。
この唯一性、このただ一回限りのこの唯一さのものすごさに私はただ打たれる以外の方法を知りません。

宇宙でただ一度の固有の人生を生きた人がの控え目に自分を語るその人の言葉の切れ切れを聞くと、その人が到底語りつくせない、人生の何倍の時間をかけても到底語りつくすことなどできるようなものではないその人の人生とそこにかける思いとがしのばれます。この人の経験とその思い、人生の真の意味の固有性、唯一性、かけがえのなさ、そしてその尊厳に触れると、私たちのすべて、過去から存在してきた無数の私たち、そしてさらには木や草や動物や…が、真の意味で固有の存在であり、それらの体験や記憶は真の意味でただ一度限りのものであり、そしてそれらの集積は、宇宙空間の広がりと宇宙の寿命をすべてかけ合わせても到底間に合わないぐらいの大きなものになっているのだということへ、思いをはせずにはいられなくなるのです。

今、世界には70億人の人がいるといいます。日本だけでも1億人を超えています。この1億人は常に生まれ変わり死に変わりしていてその中で生きている人々は少しずつ入れ替わっています。これらの人生とそこでの感情はもう2度と現れることはありません。この果てしない宇宙の中の、無数の唯一さ、無数の固有性を、私は限りなくいとおしいと思うし、それをそれこそ骨の髄までしゃぶりつくしたいと思っているのです。
*****
宇宙は時空の世界において無限の広がりを持つかもしれない。しかし、その中に生きる我々の情念の世界においては、宇宙は無限をはるかに超えた途方もないものである。

この途方もなさこそが、私が曲がりなりにも死を選ばず、どうにかこうにか生き延びている最大の理由の一つなのです。

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2014/11/11

大阪市藤本交通局長の件、調査が動き出した

随意契約1335件、過半数は審査なし 大阪市交通局:朝日新聞デジタル(2014年11月11日17時14分)

本件、交通局に内部調査をさせていますが、信頼できるんでしょうか。こういうことに疎いのですがちょっと心配。
藤本局長前後での変化が一つの焦点なので、契約管財局がそれを調べるとのこと。
藤本氏の知人優遇はもちろん問題ですが、トップの裁量が利権に繋がりにくい仕組みにするということは大事なことなので、システム的なチェックにつながるといいなあと思います。同時に、民間などとの付き合いが有益なことも多々あるので、そこのバランスの作り方という側面もあるなあと。

 大阪市交通局が2013年4月から14年9月までに行った公募を含む随意契約1335件のうち、980件が市の内規に違反していた。過半数の715件が契約事務審査会での審査を行っておらず、613件は契約結果を公表していない。いずれも市の内規に違反している。

 市契約管財局が11日、外部有識者で構成する市入札等監視委員会で中間報告として発表した。

 契約事務審査会は原則競争入札で行う業者選定にあたり、随意契約で特定の社に発注する理由が成り立つかどうかを確認する機関で、各局に設けられている。交通局では総務部長を委員長とし、外部の弁護士を含めて5人で構成する。

 中間報告によると、1335件の随意契約のうち31件は公募だが、全31件で競争入札にしないことの適否の審査をしていなかった。そのうち22件は、審査会自体に諮っていなかった。

 また、今年6月に選定し、8月に開かれた「市営交通110周年記念シンポジウム」に関する業務委託の公募は「委員による審査結果が不自然」と認定した。契約管財局は10日、このシンポジウムを受注した大手広告会社に対して「市民の疑念や不信を招いた」として文書で警告した。

 この広告会社の役員とは、藤本昌信局長ら交通局職員が公募前に会食していたことが明らかになっている。現在、外部監察チームで調査中だ。

 ■実態解明へ調査開始

 大阪市交通局をめぐる不適切な契約問題の解明が始まった。近く外部監察チームの調査結果も出て、19日には市議会で集中審議も予定されている。

 焦点になっているのは、知人が関わるイベント会社への随意契約など、藤本局長にまつわる問題だ。

 「市民の皆さんの信頼を大きく損なったことを心から深くおわびします」

 藤本局長はこの日の入札等監視委員会で一連の問題について謝罪した。

 出席したのは冒頭の5分のみ。その後、「審議案件の当事者」を理由に退席が命じられ、交通局の有馬宏尚総務部長が、①シンポジウム受注業者との会食②局長の知人が関わるイベント会社への随意契約③局長の知人がデザインした壁画作品を選んだ公募――の三つの問題について報告した。

 監視委の委員は、イベント会社の随意契約に関して「業者が先にあり、あらかじめイベントをやることが決まっていたことが疑われる。普通は企画の提案を受けて、一番優れているものに発注する段階を踏む」と指摘。更なる内部調査を求めた。この委員は「藤本局長の就任以降で随意契約の件数が増加しているのか」とも質問。契約管財局が就任前の11年度分と、就任直後の12年度分の随意契約も調べることになった。

 有馬部長は終了後、「恥ずかしいの一言で申し訳ない。正式な審査会に(調達)課長以下で(審査に諮る随意契約を)抽出して上げていた。素通りではなかったが、正式な審査を通るよう早急に作り直したい」と記者団に語った。

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2014/11/10

川内の住民も再稼働には疑問を持っているという調査結果

川内原発再稼働 世論調査の賛否は NHKニュース(11月7日 19時21分)

電話調査でしがらみがない分、気兼ねなく真情を吐露できたということなのかな。
これまで川内の人と話をしてきても、原発に批判的な意見はあまり聞いたことがない。どちらかと言えば、不安やあきらめみたいな声の方が多い印象だったし、迷惑施設だがやむを得ないという感じで、積極支持というより「容認」という感じの意見もちょくちょく聞いたことがある。
ただ、そもそも原発が話題にはなかなかならないんだけど。
だから、川内の人たちは、今回の再稼働についても「まあ仕方ない・補助金が出るからいいだろう」ぐらいで、皆ある程度納得していて、だから選挙なんかがあっても、たぶん原発推進派を支持するんだろうなと思っていた。
そのイメージがあったので、ちょっと今回の調査結果は意外。
しかし、たとえ個人的心情が脱原発であっても、たぶん川内では表だった動きをする人は少ないだろうなあ…という気がする。選挙でもやっぱり再稼働支持派に投票するんじゃないかなあという気がしている。
国政でも、どの世論調査でも原発反対が多数なのに、選挙でも原発推進派が多数を取ったりしてるからなあ。
他人事みたいな言い方になっていて自分でもイヤだけど、本件については結構悲観的…。
*******
下記に記事内容をまとめておく。

調査の対象になった人のうち、およそ67%の人から回答を得た。

地域「賛成」「どちらか
といえば賛成」
「反対」「どちらかと
いえば反対」
薩摩川内市49%44%
いちき串木野市や
出水市など周辺地域
34%58%
福岡市37%52%
全国32%57%

再稼働に賛成する理由
薩摩川内市:「地域の経済の活性化」が43%、「電力の安定した供給」が32%
周辺地域、福岡市、全国:「電力の安定供給」が最多。

再稼働に反対する理由
薩摩川内市、周辺地域、福岡市、全国のいずれも「原発の安全性への不安」が最多。

新基準でも住民が避難するような事故が起きるおそれがあると思うか
薩摩川内市:「大いにあると思う」「ある程度あると思う」が72%、「ほとんどないと思う」「まったくないと思う」は21%
※再稼働に「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えた人でも、半数以上の56%が「大いにあると思う」「ある程度あると思う」と答えている。

東京大学公共政策大学院の松浦正浩特任准教授のコメント

……裏を返してみると、住民は経済活性化のため、不安だけれど再稼働を受け入れざるをえない状況に置かれている可能性がある。住民が不安を抱えているのは、説明を受けたうえで住民の意見を聞くというステップがきちんと踏めていないことも要因で、政府や地元行政はより丁寧な説明や議論の場を作る必要がある
「丁寧な説明や議論」をすればするほど受け入れは難しくなるだろうから、そもそも対話で住民の不安を解消するのは無理だと思う……。「不安だけれど再稼働を受け入れざるをえない」というのは、まさに住民が状況を良く理解していることの表れじゃないかなあ。「どうせ拒否はできない、反対したら何をされるか分からない」という諦めや警戒の反映でもあると思う。
***************
NHKが行った世論調査で、鹿児島県にある川内原子力発電所の再稼働について尋ねたところ、地元・薩摩川内市では、「賛成」「どちらかといえば賛成」が49%で、「反対」「どちらかといえば反対」が44%でした。
一方、全国では、「賛成」「どちらかといえば賛成」が32%で、「反対」「どちらかといえば反対」が57%でした。

NHKは、先月31日から4日間、「薩摩川内市」とその「周辺地域」、さらに「福岡市」と「全国」の4地域で、20歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行い、調査の対象になった人のうち、およそ67%の人から回答を得ました。
この中で、川内原発の再稼働について尋ねたところ、▽地元・薩摩川内市では、「賛成」「どちらかといえば賛成」が49%、「反対」「どちらかといえば反対」が44%でした。
一方、▽いちき串木野市や出水市など周辺地域では、「賛成」「どちらかといえば賛成」が34%、「反対」「どちらかといえば反対」が58%でした。
▽福岡市は、「賛成」「どちらかといえば賛成」が37%、「反対」「どちらかといえば反対」が52%。
▽全国では、「賛成」「どちらかといえば賛成」が32%、「反対」「どちらかといえば反対」が57%でした。
次に、再稼働に賛成する人にその理由を聞いたところ、薩摩川内市では、「地域の経済の活性化」が43%と最も多く、次いで「電力の安定した供給」が32%でした。
これに対して、周辺地域、福岡市、全国では、「電力の安定供給」が最も多くなりました。
一方、再稼働に反対する人の理由は、薩摩川内市、周辺地域、福岡市、それに全国のいずれも「原発の安全性への不安」が最も多くなりました。
東京電力福島第一原発の事故後に作られた新しい規制基準に適合した原発でも、住民が避難するような事故が起きるおそれがあると思うかどうか聞いたところ、薩摩川内市では「大いにあると思う」「ある程度あると思う」が72%だったのに対し、「ほとんどないと思う」「まったくないと思う」は21%でした。
事故のおそれについては、再稼働に「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えた人でも、半数以上の56%が「大いにあると思う」「ある程度あると思う」と答えています。
今回の世論調査の結果について、科学技術政策や合意形成に詳しい東京大学公共政策大学院の松浦正浩特任准教授は「地元の再稼働賛成の人でも、事故が起きる可能性が一定程度あると思う人が半数以上いるのは、リスクを認識したうえで意見を表明していると考えられるが、裏を返してみると、住民は経済活性化のため、不安だけれど再稼働を受け入れざるをえない状況に置かれている可能性がある。住民が不安を抱えているのは、説明を受けたうえで住民の意見を聞くというステップがきちんと踏めていないことも要因で、政府や地元行政はより丁寧な説明や議論の場を作る必要がある」と話しています。

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2014/11/09

中学校の部活の民間委託、大阪市で始めるとのこと。

大阪市立中の部活、民間委託へ 1千人の指導者が必要:朝日新聞デジタル(2014年11月6日12時25分)

興味深い。
部活は教員にとって長年の懸案だったので、方向性としてはよいのだけれど、一律に民間委託にするということだと記事にあるように課題も多い。これらをどういうふうに処理していくのか。

現在の部活運営について記事で挙げられている問題意識は次の5点。
1. 部活の顧問は職務の一環なのに「ボランティア」と思われがち
2. 練習時間や活動日数が度を超している
3. 教員の負担が重く専門性も不足
4. 少子化で休部や廃部が相次ぐ
5. 暴力的指導など不祥事が起きている

これらはおそらく大森不二雄・市教育委員長に取材したもの。
5の体罰等は、民間委託云々よりガバナンスの問題ではないか。

記事によれば、「人材確保や費用に課題」とのこと。
知らなかったが、10年以上前に、半田市が先行実施していたのだそうだ。だが、指導者不足で顧問教諭が結局指導せざるを得なくなったり、部活を復活させたりしたとのこと。10年の実践を通しても地域の指導者不足が解消されなかったということらしいから、これは一筋縄でいく問題ではなさそうだ。

体罰やいじめ、事故の防止体制の問題も大変だが、部活の第一義は教育にあるわけだから、民間委託するにせよ、スポーツエリートの育成のような話にスライドしないでほしいなあ…と思う。この点、橋下氏の
「スポーツ能力を高めるためには、幼少時から専門家に教わるべきだ」
というコメントは、少しポイントがずれていると思うし、義務教育に英才教育を持ち込むような匂いを感じて少々不安になる。
いずれにせよ、現場教員の負担軽減とすべての生徒がその種目を好きでいられるような部活とにつなげてほしいなあ…と願う。

なお、記事に掲載されている現場教諭の声が興味深いので下に掲げておく。

担当部活賛否理由
男性(武道)競技経験が乏しい種目で顧問を引き受けると練習やプレーの詳細な助言ができないので、専門家が加わればプレー指導ではかなり助かる
女性(球技)×部活動は教育そのもの。濃密な人間関係の中で付き合い方やルールなどを学ぶ場所でもある。民間に任せて技術が向上すればいいというわけではない
男性(球技)週末だけでも任せて休めるなら体力的にはだいぶ楽になる。ただ、生徒が外部コーチの言うことのみを聞き、教員を低く見るようになると、教員と生徒の絆が壊れる恐れがある
男性(球技)全面的な民間委託は生徒にも学校にも混乱をもたらすので反対。外部の指導者が教員を補佐する形で教員と一緒に指導にあたる形態なら賛成

◆ ◆ ◆ ◆ ◆
 大阪市は来年度から、市立中学の運動部の指導を民間委託する取り組みをスタートさせる。対象種目や実施規模、委託先の選定に近く入る。教員の負担軽減などが狙いだが、現場では歓迎と不安の両面がのぞく。課題を探った。

■「危機直視を」

 「スポーツ能力を高めるためには、幼少時から専門家に教わるべきだ」(橋下徹・大阪市長)

 「教員の負担を軽減し、閉鎖空間での体罰をなくすためにも民間委託が必要だ」(大森不二雄・市教育委員長)

 2人は中学校の運動部改革を連携して進めようとしている。直視すべき課題として、①部活の顧問は職務の一環なのに「ボランティア」と思われがち②練習時間や活動日数が度を超している③教員の負担が重く専門性も不足④少子化で休部や廃部が相次ぐ⑤暴力的指導など不祥事が起きている――を挙げる。大森氏は「部員不足に指導者不足。部活は待ったなしの危機だ」と強調する。

 現在、大阪市では市立中学校(約130校)で生徒の6割弱が運動部に所属する。約3万人に及び、改革の影響は大きい。

■人材確保や費用に課題

 だが、民間委託のハードルは低くない。大阪市立中学校で仮に全面委託すれば、1千人前後の新たな指導者が必要となる。「受け皿」となるスポーツクラブや団体の確保は容易でない。特にスポーツクラブは週末が「稼ぎ時」のためだ。

 愛知県半田市は2002年度に土日の部活を原則廃止し、練習したい生徒は「総合型地域スポーツクラブ」(有料)に通う仕組みをとった。しかし、指導者不足のため、学校の顧問教諭らが地元クラブでの指導も担わざるを得なくなり、12年度に校長判断で土日も部活ができるように方針転換。部活を復活させた学校もある。

 安全確保策も課題になる。大阪市教委は、体罰防止のため、指導者以外の第三者を立ち会わせたい意向だが、保護者や地域住民からどこまで協力を得られるかは未知数だ。全面委託の場合、委託料も膨大になる。娘が市立中のバレーボール部に所属する40代の主婦は「そもそも部活は先生と生徒、生徒同士の絆を強める場でもある。絆が壊れないか心配だ」と指摘する。

■先行自治体は

 「球の動きを予測して、もっと球に近づいて!」「良い球を飛ばすため、サーブの時はもっとひじを伸ばしていこう!」

 スポーツクラブのコーチがアドバイスする。昨春から民間委託を実施中の東京都杉並区立神明中を見学した。毎週日曜、テニス部(部員約30人)の指導にあたる臼倉明博コーチ(43)は「普段は大人が相手で、学校の部活動にかかわるのは初めて。技術面はもちろん、礼儀やあいさつなど『部活』を意識して指導している」と強調する。

 2年の男子生徒は「平日に教わる顧問の指導と、週末に教わるコーチの言うことが食い違うこともあり、最初は少し戸惑ったけれどもう慣れた」と話す。

 同区では、委託先が指導する時は原則として顧問教諭は立ち会わないが、事故防止などのため、保護者や地域住民が交代で顔を出す仕組みをとっている。練習に立ち会った母親は「保護者の金銭負担がなく、プロ級の指導を受けられるのは大きい」と言う。別の母親は「立ち会い当番にあたると保護者も日曜返上だけど、やむを得ない」。同区は区立23校中10校で土日を中心に野球やテニス、サッカー、陸上競技など9種目の部活を民間委託。委託料は指導者1人につき1回約1万5千円で区の負担だ。(阪本輝昭)

     ◇

 《学校活動に詳しい赤尾勝己・関西大教授(教育学)の話》 授業時間数の増加や学力向上の取り組みなどで現場の教員は超多忙だ。せめて部活指導を教員の仕事から切り離し、負担を減らそうというのは自然な流れといえる。部活も教育の場という意識を、市教委と委託先が共有することが重要で、事前研修などもすべきだ。事故時の責任の所在も明確にする必要がある

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京大ポポロ事件?を鋭く()批判した北芝氏について(メモ)

「公安を舐めるな」元警視庁刑事が、イスラム国騒動北大生、京大拘束騒動に反論!|TOCANA

ここでコメントしている北芝健氏、なかなか興味深い。

今回、京都大学で拘束された警察官は、末端として情報収集を行っていた人間であり、ルーチンワークの中で、たまたま捕まってしまったにすぎません。捕まった警察官は、見た目も華奢で空手の有段者でもないように見える。その場で学生の話に応じてしまう人の良さも感じられます。私ならば、その場で襲ってきた人間をぶっ飛ばし、振り切って離脱するでしょうね。北大生の件も、尾行がバレバレだからといって『公安はバカだ』となるのは短絡的です。尾行にもさまざまなタイプがあり、嫌がらせとしての尾行もあります」

「襲ってきた」という表現が味わい深い。
「ぶっ飛ばし」や「嫌がらせ」などに市民を敵視する体質がうかがえるところもなかなかよいし、全体に「オレは凄い」的な押し出しが強いところもアレさがにじんでいてよい。
「ばかばかしいですね。『捜査にLINEを使う奴はアホ、という奴こそアホ』だと言いたい。携帯電話でもメールでもなんでも盗聴の危険はあります。ただし、その場で瞬時に情報が取られることはありません。公安には特殊な記号、暗号、あるいはジェスチャーなどさまざまな連絡手段があります。使えるものは何でも使う。あの場でもっとも使いやすいものがLINEだったに過ぎないのです。そこだけを取り出して、公安警察の能力の劣化を主張しても意味はありません」
ここでは、「なんでも盗聴の危険はある」や、「使えるものは何でも使う。あの場でもっとも使いやすいものがLINEだったに過ぎない」という部分に風味を感じられる。もう公安の人ではないらしいから別に無理しなくてもいいし、むしろ適切に批判する方が「犯罪学者」「犯罪アナリスト」らしくていいのではないか。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ところで、本文では北芝氏が大学院講師と紹介されているだが、どこの大学院かよくわからない。
現時点で、ご本人のサイトでプロフィールを見ると、
「現在は教壇に立ち、犯罪学と国際関係論を講義する。」
とあるだけで、肩書はない。2008年から09年にかけて連載されたサイゾーの「いわんや悪人においてをや」(本人は談話のみ。ライターによる文章)での人物紹介でも「犯罪学者として教壇に立つ傍ら」とあるのみ。

Wikipediaには、日本経済大学大学院講師(「パブリックインテリジェンス研究」)とある。
しかし、日本経済大学のサイトの教員紹介(H25年度教員組織表)では記載がない。非常勤かもしれない。
大学院 日本経済大学 渋谷キャンパス 都築育英学園」の記述によると、

博士後期課程は、…中略…わが国で唯一「インテリジェンス研究」を研究領域として有しており、…後略…
とあるので、博士後期課程で何か非常勤科目を持っているのかもしれない。
日本経済大学のサイト jue.ac.jp で北芝氏を検索して唯一出てくるのが
お知らせ 先月、開催された渋谷キャンパスでの初の学会セミナー 日本経済大学 渋谷キャンパス 都築育英学園
というページで、これは、
平成22年5月22日(土)、日本コンペティティブ・インテリジェンス学会の第6回オープン・セミナーが渋谷キャンパスで初めて開催となりました。
というもの。ここで、北芝氏が「犯罪とインテリジェンスの世界潮流」という論題で報告している。以下に論旨を引用する。
1945年の第2次大戦終了後、我が国が置かれた立場と、米国、ヨーロッパ諸国、ロシアを中軸としたソビエト圏、北東及び東南アジアの政治、軍事、経済等を中心とした諸情勢から入り、解析を展開する。取り分け、米国・ロシア・中国の現在と過去を基盤にして、イスラエル・アラブ・西欧及び南米・アフリカ・東アジアの動向を振り返り、おのおのの国の情報行動が如何に現在と繋がり、また将来の、予測される態様となるかを推断する。また、我が国と世界各地の情報機関の比較を行い、テロ・ゲリラ・マフィアの関わり、産業スパイ、カウンターインテリジェンス、各種事例についての分析を行う。
「取り分け」とか「推断」とか微妙な言葉遣いが気になる…。

北芝健公式ブログ:12月29日水曜日(2010年12月30日)
に、

テキサス、オースティンから2度通信。
……中略……
所属事務所ミューンは辞めていると答えたら、大学院教員はいつからなるのかと問うて来た。
菅澤教授によれば、2012年からだと答えると、今度は映画大学では教えないのかと言うから、まだわからないと言った。
という記述があり、この菅澤教授とは、日本コンペティティブ・インテリジェンス学会会長の菅澤喜男・日本経済大学大学院教授のことだろう(資料:役員一覧)。
こちらのブログによると、2011年には日本映画大学で犯罪学と国際関係論を持っていたようだ。
2011年04月25日の記事では、
こっちは様々変転があった。
学生シナリオライター→バックパッカー→会社員→制服警察官→私服警察官→マンガシナリオライター→空手道場主宰→単行本書き→ガードマン→推理小説、SF小説書き→犯罪学教員→短編小説書き→と来て平成24年から大学院教員の予定。シナリオについてはマンガ単行本が毎月出てるから言う事なし。
とある。

教員だから…と思ってCiNiiで検索してみたが、特に論文はヒットしない。
数件上がるが対談やインタビュー記事、研究会の報告概要ばかりのようだ。
少ない中では、下記のタイトルがなかなか香ばしい。

interview 北芝健 犯罪学者 「脳のきれいな母親」が社会を正すキーワード
セキュリティ研究 9(11), 20-27, 2006-11

「脳科学」(笑)やゲーム脳、脳科学おばあちゃん、水伝、親学などをいろいろほうふつとさせる。なんだろう、この現政権の教育観とのフィット感は…。

それにしても結局、どこで教えているのか結局よくわからなかった。日本経済大学は大学院の科目を公表していないのだ。大学院でもカリキュラムやシラバスを公表しているところはいろいろあるんだけどねえ。いずれにせよ、大学院の専任教員になるほど業績がなさそうではあるが。

ところで、北芝氏が所属し顧問や講師をしている日本安全保障・危機管理学会、その役員がなかなかすごい。→「役員 of 日本安全保障・危機管理学会
名誉会長が安倍晋三となっていてなるほど…と思ったが、他に自衛隊と警察、それにアレ系の政治家が多い。学会の割に研究者の名前が少ない。企業があちこち入っていて、ほほう…という感じ。
結局、治安関係って公共事業と同じように商売の種なんだなあと改めて思わされる。有象無象がぶら下がって生きている一種の生態系になっている。

別件だが、こんなものもあった。
北芝健さんの『治安崩壊』に関する質問です。昨日「ザ!世界仰天ニュース... - Yahoo!知恵袋

元 巡査部長の刑事で出鱈目な本を責任なく書いた、北芝健 氏はスマイリーさんに謝罪し今後、この業界から身を引かれるのが賢明かと思います。
※間違いがあれば訂正してください。
巡査部長って下から2番目の階級で経験があったかもわからない(もちろんノンキャリで現場一筋で職務に没頭し昇進試験受ける時間がない警察官もいます。)ですが 一般的には元 平捜査官がこういう本を書いているんです。
経歴は早稲田大学出身ですので準キャリアなら経験がないといえます。

関西ローカルの「たかじんのそこまで言って委員会」にも出て息巻いてましたよね。?

北芝健が書いた「治安崩壊」には嘘が書かれていました。
それを信じてスマイリーキクチさんを攻撃した人がたくさんいました。
しかし、北芝健も本を出版した河出書房新社も謝罪していません。

この件については、下記のAmazonの書評でも言及している人がいる。
Amazon.co.jp: 治安崩壊──凶悪犯罪社会を生き抜くために知るべきこと: 北芝 健: 本

ネット中傷を受けていたスマイリーキクチの噂を、この刑事見習いだった事もあるライターが信じてしまい
そのままこの治安崩壊に記載して、さらにネット中傷が加熱した。
その後、このライターもネット中傷を受けたと称するが、実際は経歴を不鮮明にしてきたためと
目立ちたがり屋だったためと、たかじんの番組で大きく吹くため、同業者に不審感を抱かれ
上杉隆や黒木昭雄などに批判されただけであった。

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2014/11/06

何もしないで800万円をせしめた話。

大阪市のトップと仲良しだといろいろといいことがあるんだなあ。

・地下鉄構内のイベントに知人の業者を使う→800万円支払ったがイベントは中止。
・交通局のシンポジウム開催の業者に知人を使う→1389万を支払う。
・地下鉄ホームの壁画作成に知人の作家を使う→1496万2500円で内装工事。

・外部審査を通さずに随意契約を19件(1億5700万円)行う。
ほかには
・職員が交通局に裁判を起こしたら呼び出して恫喝、それも訴えられる(交通局が)。

しかし、橋下さんは、自分で連れてきた局長を処分しないどころか、
・「高く評価している」として、更迭する考えはないことを強調

実に橋下さんの人事らしい順調な運営ぶりで、今後が楽しみです。
*******
駅の催事中止、大阪市に「損失」 交通局長の知人が提案:朝日新聞デジタル(2014年11月6日07時29分)

 大阪市交通局が昨年中に計画し、800万円を支払った地下鉄駅構内でのイベントが中止になった。交通局関係者によると、イベントの提案者は藤本昌信局長の知人。交通局はこの知人と関わりがあるイベント制作会社と随意契約を結んでいた。市契約管財局はこの随意契約が市の内規に抵触する可能性があるとして、調査に乗り出す方針だ。

 交通局によると、イベントは御堂筋線心斎橋駅(大阪市中央区)の構内に芸術作品を展示し、終電後にはカクテルパーティーを行うという内容。「アートフェスタ」と銘打ち、地下鉄民営化に向けた乗客増加策の一環とする狙いだった。

 市幹部によると、昨年5月ごろ、藤本局長の知人が市内のイベント制作会社の代表らとともに局長のもとを訪れて企画を提案した。企画は採用され、交通局はまず800万円の随意契約を結び、局のイベント・広報費から会社に支払った。

 交通局は大阪府・市や経済団体でつくる大阪観光局と一緒に実行委員会を立ち上げ、局の予算から計7千万円を支払うことを計画。だが、協賛者が広がらず、展示内容に市内部から疑問が出たため藤本局長らがイベントの中止を決めた。800万円は手付金のような形で会社に支払われたままで、準備したグラスなどの補償に充てられたという。

 市契約管財局によると、地方自治法や市のガイドラインでは、原則として一般競争入札によって業者を選び契約することが定められている。同局の担当者は「提案されても、やれる業者は広く公募すべきだ」としており、調査する考えを明らかにした。

 藤本局長は朝日新聞の取材に「『アートフェスタ』のようなイベントは限られた人間にしかできないと考えた。契約に問題があるかどうかはしっかり調査してもらえばいい」と説明。提案した知人は「答えることはない」としている。

 藤本局長ら交通局幹部は4月下旬に市の入札参加資格がある大手広告会社の役員らと大阪市内のビアホールで会食していたことが発覚。市の入札等監視委員会が2013年度以降に交通局が結んだ随意契約に問題がなかったかどうか調査を進めている。

■大阪市交通局のイベントをめぐる経緯

2013年5月ごろ イベント制作会社代表らが藤本交通局長を訪問。地下鉄駅構内を活用したイベントを提案

     同月下旬 イベントの開催を決定。交通局がイベント会社と随意契約を結び、800万円を支払う

          実行委員会形式にして交通局から7千万円を出す計画が固まる

     9月   イベントの中止決定。イベント会社側に伝える

大阪市交通局:幹部ら不適切会食、入札資格業者と 一般職は内規違反 - 毎日新聞(2014年10月04日)

計4社の企画提案を会食に参加した藤本局長と調査役、一般職2人ら計8人が審査、最高得点だった同社が1389万円で受注した。

維新詐欺橋下が民間から連れてきた藤本昌信局長で発生。すり替える詐欺のセンターピン - 銀河英雄伝説リボーン
・ 藤本局長は4月下旬、一般職の部下たちを連れて広告会社の役員らと会食。その後、同社は5月末に交通局が公募したイベントに応募し、7月に1389万円で契約を結んでいた。

【動画】橋下が消しにかかる、百田尚樹を呼んだ交通局シンポ契約問題のからくり : 【堺からのアピール】教育基本条例を撤回せよ(2014年10月09日)
・去年交通局に採用された調査役は不自然な採点
・調査役は80点満点中、同社を74点とし、他3社は6~8点と採点。
・会食は同社員に誘われ、大阪市北区の焼き鳥店だった
・2人は昨年5月に知り合い同じ大学出身だった。

橋下市長「認識甘かった」、会食問題で交通局長を注意:朝日新聞デジタル(2014年10月6日12時25分)
「藤本局長に注意したことを明らかにした。」……「注意」だけ(苦笑)

俺は、アンタが一番悪いと思うで、徹ちゃん… - 大阪弁で世情を語る - Yahoo!ブログ(2014/10/7(火) 午後 9:07)

実は、この藤本昌信という人物は民間から大阪市の交通局長に抜擢された人物でして

ほな、いったい誰がこんなデタラメなヤツをスカウトしてきたんや?…というたら、

それは…橋下徹ちゃん、アンタやんか!

維新の会と関西財界の利権の構図…大阪市営地下鉄民営化で露呈!?市民にしわ寄せか | ビジネスジャーナル(2013.03.20)

……前略
 それを裏付けるように、関西私鉄の1社である京阪電気鉄道の佐藤茂雄相談役(大阪商工会議所会頭)は、11年11月、知事・市長のダブル選で橋下氏が圧勝すると、私鉄各社をまとめ、「各社から数人ずつ、大阪市交通局に入って一緒に改革をしていく。結果を上げて、利益を皆が享受できるような会社になってほしい」と公に語った。
 交通局という市の部署に営利企業から人が入り、「利益を享受」しようと画策するなどということが、果たして可能なのか? 
 橋下市長はまず、京福電気鉄道の藤本昌信副社長を市の交通局長に抜擢。昨年4月1日付で就任させた。そればかりか、民営化の大方針を検討する府市統合本部・市営地下鉄民営化プロジェクトチームに、関西私鉄5社の幹部らを招いたのだ。
 これから売却する事業の中に、有力買い手候補である関連民間企業の幹部らを入れて、無料でデューデリ(事業・財務の精査)をさせる。大阪市役所関係者が「まるで官製談合のようだ」と眉をひそめるのも無理はない。

徹ちゃんと愉快な仲間たち…大阪市交通局長の巻 - 大阪弁で世情を語る - Yahoo!ブログ(2013/5/11(土) 午後 2:19)
職員が入れ墨調査を拒否→交通局が戒告処分→職員が取り消しを求めて提訴
→藤本局長が恫喝「社長を訴えるということはどういうことか、腹くくりあるやろう」+配置転換
→職員が提訴
藤本局長

運転手を配置転換したことに対して
「心の動揺があると考えられる人が仮に事故を起こしたら、市民も黙っていない。
『なぜ彼にバスの運転を続けさせたんだ』ということになるだろうという判断ですね」

橋下市長のコメント
「職員を脅迫して訴訟の取り下げを迫ったわけではない。社長を訴えるような職員は現場の第一線で使えないという判断もトップとして問題はない」


大阪市交通局がドミニカ共和国に無償譲渡したバスが国内で転売されていた!仲介した大阪のNPO法人に賠償(2012年3月14日)

NPO法人側は交通局に対し「なぜ国内にあるのか分からない」と回答。バスは同法人から別の業者に渡り、仙台空港のバスなど3台は宮城県白石市の中古車販売業者を通じて売られたことが分かったが、この業者が「仕入れ先は言えない」と協力を拒否したため、すべての流通経路は解明できていないという。

ちょっと大阪市さん、この人逮捕してちょーだい! - ウィンザー通信

<橋下・日本維新の会代表代行>地下鉄清掃入札、落札前に「業者決まった」 街頭演説で発言
【毎日新聞】2012年12月9日(日)
 
日本維新の会の橋下徹代表代行(大阪市長)が11~12月、市営地下鉄の清掃業務の入札を巡り、まだ落札業者が決まっていないのに、街頭演説で、
「大阪の一流ホテルを掃除している業者が落札した」「(この業者が)有力だ」などと繰り返し発言していたことが分かった。
市幹部は、「内部情報が漏れたと、市民に疑われかねない」と、問題視している。

問題の入札は、市営地下鉄のうち、御堂筋線など44駅の清掃業務。
価格と技術面での提案などを、合計点数で評価する「総合評価方式」で、10月末に8ブロックに分けて入札を実施。
11月中旬に担当職員が点数評価し、12月中旬にも、交通局幹部が、落札業者を最終決定する予定だった。

しかし橋下氏は11月5日、大阪市内の集会で、
「地下鉄の掃除は、今まで特定の業者だった。ホテルとかを掃除している業者に振り替える」と発言。
同月23日には、市内の街頭演説で、
「大阪の一流ホテルを掃除している業者が落とした」と話した。

演説内容を知った交通局が、市長の秘書担当に「業者は決まっていない」と伝えたが、
12月に入ってからも、「有力なところは、ホテルの掃除をしている業者」などと、改革の実績を強調している。
また、橋下氏の市長就任前から競争入札を実施し、昨年度から総合評価方式を導入したのに、「全然競争がなかった」などと、誤った発言もしていた。

藤本昌信局長は、「業者はまだ決定していないので私も情報がないし、市長が知るはずがない」とコメント。
別の市幹部は取材に、「審査過程で内部情報が漏れたと、市民に疑念を持たれかねない」と懸念している。【原田啓之、津久井達、平野光芳】

追記(2012年11月8日)
大阪市交通局:駅ホーム壁面飾り公募 局長の知人作品選ぶ - 毎日新聞(2014年11月07日 15時00分(最終更新 11月07日 15時22分))

 ◇橋下徹市長、藤本局長を厳重注意

 大阪市交通局が2012年12月に実施した地下鉄駅ホームの壁面の飾りの公募審査で、藤本昌信局長の知人がデザインした作品を提案した京都市の内装工事会社を選んでいたことが分かった。藤本局長が審査委員長を務め、外部審査員の女性も局長の知人だった。橋下徹市長は7日、交通局の随意契約を巡る一連の問題を含め、藤本局長に厳重注意した。

 交通局によると、公募型プロポーザル方式の随意契約の審査だった。当時は審査方法を規制する内規はなかったが、市契約管財局は「常識的には考えられない。公正性に欠ける可能性がある」として調査を始めている。

 壁面の飾りの公募は特色ある駅に改装することを目的に実施。6駅の壁を飾り付ける作品の公募に6社が参加し、藤本局長ら局幹部3人と外部委員1人が12年12月に審査した。最高得点で同点だった2社が3駅ずつ請け負うことになった。

 堺筋線恵美須町駅、谷町線喜連瓜破駅、千日前線桜川駅の3駅分を計1496万2500円で契約した京都市の内装工事会社は、藤本局長の知人の書道家の作品を使ったものを提案していた。

 書道家は毎日新聞の取材に「京都の会社から頼まれ、大阪が元気になってほしいと引き受けた。金箔(きんぱく)も大量に使い、もうかる話ではない」。外部委員の女性は「デザインの専門家として公平に審査した」と強調した。

 藤本局長は橋下市長と面会後、「市長から厳しく注意を受けた。チェック機能の再構築など、再発防止への責任を果たしたい」と話した。【山下貴史、重石岳史】


交通局長を更迭の考えなし - NHK 関西 NEWS WEB11月07日 12時31分
大阪市の橋下市長は、記者団に対し、市の交通局で、事業の随意契約をめぐる問題が相次いでいることを重ねて批判した一方、みずからが民間から起用した交通局長については、「高く評価している」として、更迭する考えはないことを強調しました。
大阪市は業者と随意契約を結ぶ場合、原則として、外部の学識経験者を加えた委員会で審査することにしていますが、昨年度以降、交通局が結んだ随意契約のうち19件、1億5700万円あまりは、職員だけで、業者を選定していたということです。
これについて、橋下市長は記者団に対し、「ルールを守っておらず、随意契約に対する認識が甘い」と重ねて批判しました。
一方で、橋下市長は、みずからが民間から起用した藤本昌信交通局長について、「最終的には僕の任命責任になるが、今までやってきたことは高く評価する。今回は、踏み外してしまったので、きょう来てもらって厳重に注意して改めさせる」と述べました。
そして、記者団が、「更迭する必要はないか」と質問したのに対し、橋下市長は、「まったくない。高く評価する部分が、あり余るぐらいある」と述べました。

追記(2014年11月26日)

大阪市交通局:地下鉄・バス民営化、局長足かせ 「公私混同」相次ぐ不祥事 - 毎日新聞2014年11月11日 大阪夕刊

本記事最後の一文:ある交通局幹部は「局長が知人や友達に仕事を回し、不満が高まっている」とこぼした。

公金を自営業の預貯金みたいに考えてもらっては困るんですが。民間から抜擢される人には公務員倫理について試験を義務づけたらどうですかね…。

 地下鉄・バスの民営化を目指す大阪市交通局で不祥事が相次いで発覚している。橋下徹市長が抜てきした民間出身の藤本昌信局長が関わっており、市長も苦しい対応を余儀なくされている。野党からは「解任すべきだ」との声もあがっており、民営化論議の足かせになりつつある。【山下貴史、重石岳史】

 「ルール違反だ」。橋下市長は7日、交通局を巡る一連の不祥事について指摘した。

 藤本局長は2012年4月、京福電鉄副社長から転身した。この日、交通局が内規に反して職員だけで随意契約先を決めたケースが19件あったことが発覚し、橋下市長は藤本局長を呼んで厳重注意した。

 藤本局長を巡っては(1)公募事業に応募した広告代理店の幹部と審査前に会食(2)審査委員長を務めた駅の壁面飾りの公募審査で知人の作品を採用−−などの問題が次々と明るみに出た。

 藤本局長の「公私混同」なのか。橋下市長は「認識が甘い。知人が役所の仕事を取りに来たら、距離はできるだけ空けなければいけない」と批判した。

    ◇  ◇

 ただ、橋下市長は藤本局長の手腕そのものは評価しており、進退問題に発展する問題ではないとの認識だ。藤本局長の最大の任務は地下鉄・バスの民営化だ。地下鉄のトイレや売店の一新や終電時間の延長など民営化を見据えた改革をしてきた。就任早々に職員給与の削減にも手を付けた。13年度には、バス事業を路線縮小などで31年ぶりに黒字転換させ、地下鉄の経常利益は300億円超と過去最高額を達成した。労働組合もその成果に一定の理解を示し、民営化に同調するようになった。

    ◇  ◇

 野党は市議会で藤本局長らを厳しく追及する方針。民営化条例案は野党会派が慎重姿勢を崩さず、5議会連続で審議が続く。民営化には定数86の市議会で3分の2以上の賛成を要するが、維新は31議席。橋下市長は10月末、野党の妥協を引き出そうと条例案の出し直しにも言及したが、抜てきした藤本局長がブレーキになってしまった。

 民営化自体に理解を示す自民市議は「不祥事を全て検証し、改善策を考えなければ民営化などできない」と態度を硬化させた。「解任すべきだ」との声もあり、19日の市議会委員会は紛糾しそうだ。ある交通局幹部は「局長が知人や友達に仕事を回し、不満が高まっている」とこぼした。

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MSNが産経新聞専属のポータルを止めた

しばらく前のことになりますが、Microsoft のポータルサイトであるMSNが産経新聞との専属的関係を止めて、他の新聞社などの記事を広く紹介するようになりました。

以前、下記のエントリ
低劣さに反吐が出る産経新聞と上田和男(こうだ・かずお)氏: 思いついたことをなんでも書いていくブログ
で、お知らせしたとおり、Microsoft社に

御社サイトでは産経新聞社のニュースが掲載されていますが、差別主義に染まった記事の配信が多く、これを放置しておくことは、御社の企業イメージに大きな傷が付くと愚考いたします。
新聞社を変えるべきではないでしょうか。
という投書をしていたので、この要望に近い形になったことを歓迎したいと思います。今回の措置にこうした抗議が役立ったのかは分かりませんけれども。

産経の記事が完全に排除されたわけでないのが残念ですが、MSNで素晴らしいのは、記事見出し一覧に新聞社のアイコンが付いていて、どの社の記事かを事前に知ることができるところです。
最近は、ページビューを稼ぐために見出しがみなタブロイドメディア的になって、記事の質を予想しづらくなっています。その中で、どの社の記事かが分かることは記事の選別をするうえでとても有用な情報です。産経や読売を事前に避けることもできて、気持ち悪い政治記事を読まずに済むのは、いろいろと助かります。

MSNのページデザインはスマートフォン向けが意識されているようで、PCからはあまり使い勝手が良くない感じがするので、ブラウザのホームページに設定はしませんが、安心してアクセスできるようになったなあとちょっとホッとしています。
今回のことが、産経のヘイト記事の悪影響をどれくらい軽減するかは分かりませんが、朝日、毎日、ロイター、AFP、時事などの報道が産経や読売の毒を中和してくれることを期待したいところです。

願わくば、産経の記事がすっかり扱われないようになりますように。

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2014/11/04

ポイント抜き書きノート:「ヘイトスピーチ規制論と歴史修正主義の両立状況について」

ヘイトスピーチ規制論と歴史修正主義の両立状況について - コトコトじっくり煮込んだ日帝♪

備忘として、ポイントと思った文言を抜き書き。
ヘイト「スピーチ」が、本来の差別的な状況の表層であって、この表面的現象だけを取りざたする姿勢が誤りなのは言うまでもない。このスピーチ現象への批判は、差別が浸透した我々の社会、個人のあり方そのものを問い直し、変えていく契機とすることにその意義がある。
歴史修正主義との対峙が不可欠になるのは、特に戦争責任問題・近世からの我々の植民地主義が民族差別と切り離せないからであるが、同時に現在の歴史修正主義が排外主義以外に深刻な女性蔑視や自己責任論や自己中心主義と結びついて、社会の分断と憎悪を強化する働きをしているからでもある。

上記のリンク先の論説は、歴史修正主義、保守政治家らの「愛国主義」が在特会的な分かりやすい憎悪表現を生み出しただけでなく、この排外的な自己愛が着実に日本社会に浸透してきた経緯を簡潔に描いている。しかしそれよりも重要な指摘だと思われることは、保守主義者によるヘイトスピーチ規制が、言わば「外聞が悪いから止めさせる」ものでしかなく、自らの差別性を全く温存するものに他ならないという点である。かつての廃娼運動や障害者浮浪者の隔離、公共施設からのホームレスの排除と同じ構造がここにも見られる。反差別運動の拡大を、自分が差別者であり抑圧者であるという自己認識を持とうとしない人たちを取り込むことで果たそうとすることの矛盾を鋭く突いた本論説の「『普通のひとたち』の『普通』が問われないという条件」という言葉を頭に染みつけておきたい。

以下は抜粋。

特に宝塚市のように全国でも先駆けて2008年に元「慰安婦」に「誠実な対応」をするよう政府に求める意見書を可決した自治体までもが今回を契機に調子付いた反動を抑えられなかったことは深刻に受け止めたい。

事実、日本書籍の歴史教科書は「つくる会」などから激しく攻撃され、01年の採択率はそれまでと比して半減、04年までに廃刊に追い込まれた。

12年にはすべての教科書から「慰安婦」という言葉が完全に消えた。

河野談話、村山談話が日本政府の法的責任を回避させ「国民基金」というかたちで決着を図ろうとしたことで温存してしまった、ある意味ではより確固たるものとして確認された、<戦前からの連続性>こそが絶えざる反動の巣窟空間を残し、修正主義をここまで肥大化させていった面があるのではないかと私は考えている。

7月24日の規約人権委員会からの勧告にしても、8月29日の人種差別撤廃委員会からの勧告にしても何も在特会によるヘイトスピーチだけを問題にしているわけでは当然ないのである。人種・民族差別について限定しても、公人によるヘイトスピーチはもちろんのこと、朝鮮学校生徒に対する高校無償化、補助金からの排除の解消、在日外国人高齢者、障害者の無年金状態の解決、日本軍性奴隷制被害者に対する補償や名誉回復などについても言及しているにも関わらず、日本のメディアのほとんどは在特会によるヘイトスピーチばかりを焦点化している。一つの参考として8月5日~10月5日の2ヶ月間において、朝日新聞でヘイトスピーチを扱った記事は100件程度、「慰安婦」は150件程度、ヘイトスピーチと「慰安婦」が同じ記事の中で出てくるものは5件、読売新聞では同期間において、それぞれ30件、120件、3件であり、いずれにおいても日本軍性奴隷制の否定をヘイトの問題として、あるいはそれに繋がるものとして扱ったものは皆無であった。

また「五輪開催地にふさわしくない」(枡添)や「日本の誇りを傷つける」(安倍)、「日本の信用を落とす」(余語)といった反応はどれも被害者の人権を護るという目的意識を欠いた自己中心的な視点であり、朝日バッシングと同じ構造である。おぞましいのは歴史修正主義とヘイトスピーチ規制論が日本(人)の名誉回復として両立してしまっていることである。

「国民基金」提案者は日本国家の「連続性」を絶つ努力を約束するのではなく、かわりに「国民基金」という形で決着をつけさせてくれと被害者に迫ってしまった。

しかし、運動の<大衆化>が保守・右翼の参入、差別に対する自戒のないものたちの参入によって、つまりは悪い意味でそのまんま「普通のひとたち」の「普通」が問われないという条件によって果たされてきたのを体制側は当然に見抜いていたであろう。

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2014/11/03

「ぼくは左翼だから、何か実践に結び付けたいんだよね」の深み

タイトルは、重い言葉だなあ…という思いから。

鈴木大介『最貧困女子』 - 紙屋研究所

論評する余裕がないので抜き書きだけ。

 たとえば、月10万円で生活する「プア充」女子の生活。
 彼女は、地元の友だちのネットワークをたくみにいかし、「シェア」をする。そして、自身の周囲にとりまいている「デフレ包囲網」、安くて節約しまくれる商品やサービスを知っているし、友だちの情報網の中からやはり探し出してくる。そういう自分のまわりのつながりや資源をフル活用できる地元=地方都市で充実ともいうべき生活を送っている。こうしたつながりのない都会に出ていくことのほうが「負け」なのである。
これって産業集積論や中小企業論でいう関係資産とか存立基盤の話にそっくりだ。
 「性技テクも磨かない、生活も工夫しない、自堕落な女」として性産業の別階層からもいっそう激しい「自己責任」論をつきつけられ、不可視化されていく。
 しかし、貧困に陥る人たち、あるいは低所得層の周辺をじっくりと見て腑わけをしなければ、分析的に見ることはできず、たちまち「自己責任」論にやられてしまうことになる。
乱暴な表現だけど「世の中が悪い」論と「自己責任」論とを互いに対極に置くと、多くの人は、この二つの間のどこかに自分の立ち位置をおくのではないか。それは、この両極の間にグレーゾーン、価値判断に困る曖昧な領域があるということでもあるし、「はい、ここからは自己責任ね」と他人の状況を評価する境界線を頭のどこかに持っているということでもある。この境界線を自分が持っている…持ってしまっていることの難しさというか面倒くささというかを考えてしまう。自己責任論を乗り越えられていないなあと自分で思う。実践のなさも一因だろう。
 いずれにせよ、地元の不良グループや性産業が用意するような私的なセーフティネットに負けない、貧困の淵にいる子どもたちの居場所をつくることが必要だということ。そういう居心地のいい場所をつくって、自然に介入できるような空間にするということだ。
左翼陣営をみていて、たとえば共産党や民青がそういう居場所や情報提供をセットにしたコミュニティになっている場合があるのだが、それをもっとしっかり、自覚的にしたようなものだ。具体的には恒常的な場所が必要になるだろう。心理的・社会的な意味だけでなく、実際にふらっと寄れて、寝泊まりも、簡単な食事もできるような場所。そういうものを左翼の有志で立ち上げて、そこに相談役が顔を見せるようなスペースである。
何となく寄せ場の支援のことを連想した。
「居心地のいい場所」が搾取者の罠だったり犯罪組織への入り口だったりというのは多分古くからある話で、非行少年の救援や更生の実践では意識されても来た視点なのだと思うが、同じような課題は学校の中でも言える。「自然に介入する」という視点からすると、単に場を用意するということでは足りないわけで、それは実際にその通りなのだけれど、なかなかそこまでカバーしきれないのが実情というところ。
場所を確保するための努力がいるし、いつもその場所にいる要員も必要だし、うるさく容喙しないといっても放っておけば無法地帯になりかねないので、しっかりとした管理が必要だし。
学校の中でも、この辺が一つのハードル。学校内で了解を取るのがまず大変だし、管理と放任とのバランスは来る子供達の特徴に応じても変わるし、どういう場作りをするかによっても変わる。また、そうしたバランス感覚は他の教職員と共有・継承しづらくてどうしても個人の味・価値観が出るし、内部での批判や反発も内包してしまう。担当者が変わるとあっという間に場が死んだということもよくある。ある子たちを受け入れることで他の子たちが来づらくなるという面もある。その場所が子供達からどういうレッテルを貼られるかという点も意識しておかないといけないし。

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餃子の王将が大連から撤退

・日本の餃子の味が中国で受け入れられなかった
という社長コメント。

・人件費と原材料費の高騰が収益を圧迫した
という京都新聞の記事。これに触れているのは京都新聞だけ。

・大連は餃子の発祥地。大連でなく上海、広州、南京、蘇州など南方なら活路があったかも。
という中国ネットユーザーの意見

日本では餃子の味はどこでもそれほど変わらない。具材も大体同じだけれど、中国ではいろいろあるようだし、家庭の味でもあるようだから、そこに割りこんで王将の餃子というバリューをうまく定着させられなかったということだろうか。いわばお味噌汁を目玉にして外資系レストランが日本に登場する…みたいな。
熊本ラーメンで味千が定着したみたいに、日本版の中華料理?として受け入れられると面白いので再チャレンジしてほしい……と思ったら、味千はもっぱら上海とかの南部だった。やっぱり新しいもの好きの大都会とか、江南など日本食に味が近い辺りとかが合っているのだろうか。

【参考】
味千ラーメン JapanSite:店舗のご案内
味千ラーメン中国店舗一覧表

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【追記】2014年11月6日
本件についてコラムがあったので追記。
「餃子の王将」、なぜ本場中国で失敗したのか | グレーターチャイナ縦横無尽 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト(2014年11月6日)
味やメニュー、店作り、立地などで現地化の方策が不十分だったのではないかという趣旨。
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Yahoo!ニュース - 餃子の王将、中国から撤退 「日本の味受け入れられず」 (朝日新聞デジタル)11月1日(土)0時16分配信

 中華料理チェーン「餃子(ギョーザ)の王将」を展開する王将フードサービスは31日、海外では唯一店を出していた中国から撤退すると発表した。渡辺直人社長はこの日の決算会見で「日本の餃子の味が、中国では受け入れられなかった」と話した。
 王将は、2005年に中国北部の大連に子会社を設け、一時は6店まで増やしたが、今は3店に減っている。結局、進出して10年間で2億3700万円の赤字だったという。渡辺社長は「3年以内に、『和食としてのギョーザ』で、北米や欧州で再チャレンジしたい」と語った。
 14年9月中間決算は、売上高が前年同期比1・4%増の379億円だったが、純利益は24・9%減の14億円。豚肉の値上がりや、国産の食材への切り替えなどで減益となった。

Yahoo!ニュース - 【中国】「餃子の王将」中国撤退、大連子会社を解散へ (NNA)11月3日(月)8時30分配信
 中華料理チェーン「餃子の王将」を展開する王将フードサービス(京都市山科区)は10月31日、中国で直営レストランを運営する王将餃子(大連)餐飲を解散すると発表した。本場中国にあえて餃子で挑み、王将ブランドの浸透を目指してきたが、設立から10期目の年度末を迎えるのを節目に中国市場から撤退する。
 王将餃子(大連)は、王将フードサービスの100%子会社。2005年1月に遼寧省大連市で設立し、7月に同市で1号店を出店。最盛期には同市内で6店舗を構えたが、業績が低迷し、現在は3店舗まで縮小している。本社担当者は「現地消費者の好みに合ったメニューを提案できず、日本人向けから脱却できなかった」と説明した。
 準備が整い次第、解散の手続きを開始する。大連は唯一の海外事業だったが、今後も引き続き海外への再展開を模索していく方針だ。<大連>

Yahoo!ニュース - 王将、中国から撤退へ 大連の運営子会社を解散 (京都新聞)10月31日(金)22時19分配信
 王将フードサービスは31日の臨時取締役会で、中国・大連市のレストラン運営子会社を解散し、中国市場から撤退する方針を決めた。中国の経済成長に伴う物価上昇などを受けて業績が伸び悩んでいるためとしている。解散時期は未定。
 同社は2005年に大連市に全額出資子会社を設立し、中国に進出した。日系人や現地の富裕層をターゲットに、日本と同じ「餃子(ぎょうざ)の王将」の店舗名でピーク時は中国国内に6店舗を運営していた。料理の下ごしらえをする自社工場も設け、焼きギョーザやチャーハンに加え、中国限定の丼物などを提供してきた。
 しかし人件費や原材料価格の高騰が利益を圧迫していたことから解散を決めた。解散の時期は未定。同社は「現地で得たノウハウを国内店舗に生かし、海外観光客の取り込みなどにつなげたい」(広報担当)としている。

Yahoo!ニュース - 「餃子の王将」が中国撤退決定、中国ネットは「中国では寿司だろ」「中国で餃子を売るなんて…」 (XINHUA.JP)11月2日(日)20時35分配信
シンガポールメディア・聯合早報は1日、日本の大手飲食チェーン店「餃子の王将」が、中国・大連市にある最後の1店舗の閉店を決定したと報じた。
この店舗は同社唯一の海外店舗。同社の渡辺直人社長は10月31日の記者会見で「日本のギョウザの味が、中国では受け入れられなかった」とコメントした。
日本新聞網は、「餃子の王将」が経営する中国料理チェーン店は、ラーメンや炒め料理のほかに、主力商品として焼きギョウザを提供していたと紹介。2005年に海外進出を開始して大連に子会社を設立、最も多い時期で6店舗を構えたが、中国の消費者には受け入れられず、この数年で店舗数が次第に減少、1店舗が残るのみとなっていたとした。
渡辺社長は、大連の子会社がこの10年間で2億3700万円の赤字を出したと発表。一方で、中国では失敗したものの、今後3年以内に欧米市場の開拓にチャレンジすることも明かした。
この報道に対して、中国のネットユーザーからは以下のようなコメントが寄せられた。
「中国でギョウザを売るなんて、死にに行くようなもの。日本人の多い上海ならまだ活路があったかもしれないけど」
「なんという市場の選び方だ。広州や南京、蘇州に行けばいいのに」
「こういうのは南方でやればいいのに。大連でギョウザを売るなんて……」
「大連で見かけたことがあるが、偽物だと思っていた。まさか本物だったとは」
「中国では寿司をやるべき」
「ギョウザの発祥地でギョウザを売るなんて。そりゃ失敗するわ」
「ハルビンに王将ラーメンっていうのがあるけど、あれは商標権を侵害しているのかな」
「日本で仕方なく食べていたのに、誰が中国に帰ってまで食べるか」
一方、少数ながら惜別の念を示すユーザーも見られた。
「なくならないで……」
「好きだったのに。場所選びが悪かったんだな」
(編集翻訳 城山俊樹)

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2014/11/02

本日の備忘録

「元慰安婦 初の証言」 記事に事実のねじ曲げない:朝日新聞デジタル(2014年8月5日05時00分)
この件、朝日新聞は頑張っていると思うのですが。

キーセン学校は宴席での芸事を学ぶ施設だ。韓国での研究によると、学校を出て資格を得たキーセンと遊郭で働く遊女とは区別されていた。
ほほう、なるほどなあ。
NHKが放映している韓国の時代劇ドラマにはしばしばキーセンが登場して、性的な意味合いを含む扱いをされたりしていたので、遊女のように性的サービスと一体化しているものかと漠然と思っていましたが、厳密には区別があるんですね。舞妓さんや芸妓さんと同じような感じでしょうか。

パットン大戦車軍団 - 作品 - Yahoo!映画
たまたま無料販促中だったイマジカBSで見ました。1970年の作品なのに映像がきれいでびっくり。
正義の戦争大勝利万歳みたいなお気楽戦争映画かと思っていたら、パットン将軍の人格と重ね合わせて戦争の無残さや理不尽さも描かれていて味わいがありました。
原題は、ただ Patton というだけで、実際、パットン将軍の伝記みたいなストーリーなので、「大戦車軍団」はミスリーディング。
映画自体は、ロンメルやモンゴメリが出てきたり、D-Day前後の戦況が出てきたりするので、ヨーロッパ戦線の予備知識があった方が絶対楽しめます。NHKの大河ドラマみたいに親切じゃないので。

一つ感心したのが、パットン将軍が一人の傷病兵を「臆病者!」と殴ったことの責任を問われ、それが失脚に繋がっていくという描写。
こんなこと、日本軍で起こっただろうか…という。
また、パットン将軍のこうした部下の虐待や英ソなど他の連合国への問題発言などがスキャンダルとして報道され、また報道記者からはパットン将軍に厳しい質問が飛ぶんですよね。結果、パットンは言動を抑制せざるを得ない。
こんなこと、日本で可能だっただろうか…という。

いや、映画の中の話ではあるのですが、思わず彼我の差を――現代の我々の状況と比してすら――改めて考えさせられたのでした。

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