京大ポポロ事件?を鋭く()批判した北芝氏について(メモ)
「公安を舐めるな」元警視庁刑事が、イスラム国騒動北大生、京大拘束騒動に反論!|TOCANA
ここでコメントしている北芝健氏、なかなか興味深い。
今回、京都大学で拘束された警察官は、末端として情報収集を行っていた人間であり、ルーチンワークの中で、たまたま捕まってしまったにすぎません。捕まった警察官は、見た目も華奢で空手の有段者でもないように見える。その場で学生の話に応じてしまう人の良さも感じられます。私ならば、その場で襲ってきた人間をぶっ飛ばし、振り切って離脱するでしょうね。北大生の件も、尾行がバレバレだからといって『公安はバカだ』となるのは短絡的です。尾行にもさまざまなタイプがあり、嫌がらせとしての尾行もあります」
「襲ってきた」という表現が味わい深い。
「ぶっ飛ばし」や「嫌がらせ」などに市民を敵視する体質がうかがえるところもなかなかよいし、全体に「オレは凄い」的な押し出しが強いところもアレさがにじんでいてよい。
「ばかばかしいですね。『捜査にLINEを使う奴はアホ、という奴こそアホ』だと言いたい。携帯電話でもメールでもなんでも盗聴の危険はあります。ただし、その場で瞬時に情報が取られることはありません。公安には特殊な記号、暗号、あるいはジェスチャーなどさまざまな連絡手段があります。使えるものは何でも使う。あの場でもっとも使いやすいものがLINEだったに過ぎないのです。そこだけを取り出して、公安警察の能力の劣化を主張しても意味はありません」ここでは、「なんでも盗聴の危険はある」や、「使えるものは何でも使う。あの場でもっとも使いやすいものがLINEだったに過ぎない」という部分に風味を感じられる。もう公安の人ではないらしいから別に無理しなくてもいいし、むしろ適切に批判する方が「犯罪学者」「犯罪アナリスト」らしくていいのではないか。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ところで、本文では北芝氏が大学院講師と紹介されているだが、どこの大学院かよくわからない。
現時点で、ご本人のサイトでプロフィールを見ると、
「現在は教壇に立ち、犯罪学と国際関係論を講義する。」
とあるだけで、肩書はない。2008年から09年にかけて連載されたサイゾーの「いわんや悪人においてをや」(本人は談話のみ。ライターによる文章)での人物紹介でも「犯罪学者として教壇に立つ傍ら」とあるのみ。
Wikipediaには、日本経済大学大学院講師(「パブリックインテリジェンス研究」)とある。
しかし、日本経済大学のサイトの教員紹介(H25年度教員組織表)では記載がない。非常勤かもしれない。
「大学院 日本経済大学 渋谷キャンパス 都築育英学園」の記述によると、
博士後期課程は、…中略…わが国で唯一「インテリジェンス研究」を研究領域として有しており、…後略…とあるので、博士後期課程で何か非常勤科目を持っているのかもしれない。
日本経済大学のサイト jue.ac.jp で北芝氏を検索して唯一出てくるのが
お知らせ 先月、開催された渋谷キャンパスでの初の学会セミナー 日本経済大学 渋谷キャンパス 都築育英学園
というページで、これは、
平成22年5月22日(土)、日本コンペティティブ・インテリジェンス学会の第6回オープン・セミナーが渋谷キャンパスで初めて開催となりました。というもの。ここで、北芝氏が「犯罪とインテリジェンスの世界潮流」という論題で報告している。以下に論旨を引用する。
1945年の第2次大戦終了後、我が国が置かれた立場と、米国、ヨーロッパ諸国、ロシアを中軸としたソビエト圏、北東及び東南アジアの政治、軍事、経済等を中心とした諸情勢から入り、解析を展開する。取り分け、米国・ロシア・中国の現在と過去を基盤にして、イスラエル・アラブ・西欧及び南米・アフリカ・東アジアの動向を振り返り、おのおのの国の情報行動が如何に現在と繋がり、また将来の、予測される態様となるかを推断する。また、我が国と世界各地の情報機関の比較を行い、テロ・ゲリラ・マフィアの関わり、産業スパイ、カウンターインテリジェンス、各種事例についての分析を行う。「取り分け」とか「推断」とか微妙な言葉遣いが気になる…。
北芝健公式ブログ:12月29日水曜日(2010年12月30日)
に、
テキサス、オースティンから2度通信。という記述があり、この菅澤教授とは、日本コンペティティブ・インテリジェンス学会会長の菅澤喜男・日本経済大学大学院教授のことだろう(資料:役員一覧)。
……中略……
所属事務所ミューンは辞めていると答えたら、大学院教員はいつからなるのかと問うて来た。
菅澤教授によれば、2012年からだと答えると、今度は映画大学では教えないのかと言うから、まだわからないと言った。
こちらのブログによると、2011年には日本映画大学で犯罪学と国際関係論を持っていたようだ。
2011年04月25日の記事では、
こっちは様々変転があった。とある。
学生シナリオライター→バックパッカー→会社員→制服警察官→私服警察官→マンガシナリオライター→空手道場主宰→単行本書き→ガードマン→推理小説、SF小説書き→犯罪学教員→短編小説書き→と来て平成24年から大学院教員の予定。シナリオについてはマンガ単行本が毎月出てるから言う事なし。
教員だから…と思ってCiNiiで検索してみたが、特に論文はヒットしない。
数件上がるが対談やインタビュー記事、研究会の報告概要ばかりのようだ。
少ない中では、下記のタイトルがなかなか香ばしい。
interview 北芝健 犯罪学者 「脳のきれいな母親」が社会を正すキーワード
セキュリティ研究 9(11), 20-27, 2006-11
「脳科学」(笑)やゲーム脳、脳科学おばあちゃん、水伝、親学などをいろいろほうふつとさせる。なんだろう、この現政権の教育観とのフィット感は…。
それにしても結局、どこで教えているのか結局よくわからなかった。日本経済大学は大学院の科目を公表していないのだ。大学院でもカリキュラムやシラバスを公表しているところはいろいろあるんだけどねえ。いずれにせよ、大学院の専任教員になるほど業績がなさそうではあるが。
ところで、北芝氏が所属し顧問や講師をしている日本安全保障・危機管理学会、その役員がなかなかすごい。→「役員 of 日本安全保障・危機管理学会」
名誉会長が安倍晋三となっていてなるほど…と思ったが、他に自衛隊と警察、それにアレ系の政治家が多い。学会の割に研究者の名前が少ない。企業があちこち入っていて、ほほう…という感じ。
結局、治安関係って公共事業と同じように商売の種なんだなあと改めて思わされる。有象無象がぶら下がって生きている一種の生態系になっている。
別件だが、こんなものもあった。
北芝健さんの『治安崩壊』に関する質問です。昨日「ザ!世界仰天ニュース... - Yahoo!知恵袋
元 巡査部長の刑事で出鱈目な本を責任なく書いた、北芝健 氏はスマイリーさんに謝罪し今後、この業界から身を引かれるのが賢明かと思います。
※間違いがあれば訂正してください。
巡査部長って下から2番目の階級で経験があったかもわからない(もちろんノンキャリで現場一筋で職務に没頭し昇進試験受ける時間がない警察官もいます。)ですが 一般的には元 平捜査官がこういう本を書いているんです。
経歴は早稲田大学出身ですので準キャリアなら経験がないといえます。関西ローカルの「たかじんのそこまで言って委員会」にも出て息巻いてましたよね。?
北芝健が書いた「治安崩壊」には嘘が書かれていました。
それを信じてスマイリーキクチさんを攻撃した人がたくさんいました。
しかし、北芝健も本を出版した河出書房新社も謝罪していません。
この件については、下記のAmazonの書評でも言及している人がいる。
Amazon.co.jp: 治安崩壊──凶悪犯罪社会を生き抜くために知るべきこと: 北芝 健: 本
ネット中傷を受けていたスマイリーキクチの噂を、この刑事見習いだった事もあるライターが信じてしまい
そのままこの治安崩壊に記載して、さらにネット中傷が加熱した。
その後、このライターもネット中傷を受けたと称するが、実際は経歴を不鮮明にしてきたためと
目立ちたがり屋だったためと、たかじんの番組で大きく吹くため、同業者に不審感を抱かれ
上杉隆や黒木昭雄などに批判されただけであった。
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