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2014/12/08

放送大学の「錯覚の科学」が面白い

「クリティカル・シンキング」の本を読めばいいのかもしれないけれど。

放送大学 授業科目案内 錯覚の科学('14)
主任講師 菊池 聡 (信州大学教授)
放送時間(平成26年度)第1学期:(金曜)16時00分~16時45分, 第2学期:(金曜)5時15分~6時00分

講義概要

私たちの脳が認識する世界と、客観的な世界にズレが生じる現象が、「錯覚」である。心理学の諸研究は、視覚や聴覚といった知覚を中心として、記憶や思考などさまざまな心的過程で生じる錯覚の特徴やメカニズムを明らかにしてきた。これらの研究成果を、心理学だけではなく美術史などの多様な分野から紹介し、錯覚が私たちの日常生活や社会、文化、芸術に与える影響を学際的に検討する。これらを通して、人が世界を認識する独特の仕組みについて理解を深めていく。
前回たまたま見て、前から見ていたらよかったなあと思った講義。
前回は第10回だった。
第10回 身近な情報の錯覚
私たちは、身の回りの出来事からさまざまな情報を読み取って解釈し、判断や意思決定の材料としている。その際に、情報が持つ統計的な性質を見落とすと、そこに誤った因果関係を発見してしまうことがある。
【キーワード】 平均への回帰の錯誤、前後論法、同時発生の原因、サンプリングバイアス
以下、自分なりの理解をメモしておく。
●平均への回帰
極端な値が中庸に戻る傾向を、極端な値に対して行動した結果だと因果関係を誤認するケース。
例:ほめる・叱る
学校の成績=その子の実力+ランダム浮動 と考えられるとき、
中間試験で実力以上のよい(悪い)成績→期末試験では成績は落ちる(上がる)
という傾向が出やすい(確率的に)。しかし、仮に、賞罰がまったく成績に影響を与えない場合でも、

よい成績→誉めた→成績が落ちた or 悪い成績→叱った→成績が上がった

という時間推移を経ると、あたかも、「誉めれば怠ける」「叱れば努力する」という反応があるかのように思い込みやすい。

●前後論法
子どもの学業成績と賞罰との関係を正しく把握するには、本来なら、
よい成績を取った子供達に、誉める、叱る、何もしない
悪い成績を取った子供達に、誉める、叱る、何もしない
という操作を行って効果を比較すれば、平均への回帰の効果を中立化できる。
しかし、通常は、こうした作業はできない。多くの場合、我々は、時間的に前に起こったことと後に起こったこととを並べてそれらの間に関係があるという考え方を採用している。
しかし、この論法は不完全であって、しばしば誤りを引き起こす。平均への回帰もその一つ。

●同時発生の原因
効果のあるダイエット店
そのダイエット店の客を調べたら、実際に多くの人がダイエットに成功していた。
だが、効果の原因は、その店の料金が高額のために客が食費を節約しなければならなくなったことにあるのかもしれない。また、ダイエット店まで歩いて通うことが原因なのかもしれない。
人は、「ビフォア・アフター」の間の変化について、その間に起きた印象的な事象(この場合は、大金を払ってダイエットに取り組んだという事象)を、その原因と見なしやすい。本当の原因は、それに付随する地味で目立たない小さな事柄にあるかもしれない。

ある人が、巣から落ちた鳥の雛を見つけて可愛そうに思った。何とか空に帰してあげたいと思い、その人は、雛に飛び方を教えるべく、雛に航空力学を講義した。やがて雛は無事に飛べるようになった。
全く無関係の事象を、原因だと誤認するケース。自然な変化を、それとは無関係の行動の結果だと思ってしまう。

全くダイエットに効果がないエステ店であっても、そのエステ店のダイエット法を1年続けた人たちを調査すると、確かにダイエット効果が認められる。
なぜなら、効果がなかった人たちは1年未満でその店を見限るから、1年続けた人たちは皆、偶然効果が出た人たちだけ残っている状態になっている。

大学の授業評価では、どんな授業でも高評価が出る。
期末アンケートを受講生に書いてもらうのが一般的な方法だが、期末にはこの授業を低く評価する学生は残っていない。

******
●前後論法的な認知バイアスが強力だなあと思った例
パソコンで画面をクリックすると画像が変わったので、次の画像を見ようと思って、クリックを繰り返したが何も起こらなかった。
おかしいな、と思ったら、画像の切り替えは一定時間ごとに自動的に起こるようになっていて、クリックは全く関係なかったことに気付いた。
→無意識のうちに、自分の働きかけが対象物を変化させるという因果関係を信じ込んでしまっている。

●鳥の雛に航空力学を教えたという笑い話は、景気対策の評価でもよくあると思う。
例えば、選挙前には与党が政策の成果を強調するが、その多くはそれ以前からの景気回復トレンドの反映にすぎないだろう。

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