海外経験がある人はスパイ予備軍として国家からマークされる
いかにも内調や公安らしい。
海外経験は漏えいリスク 秘密保護法で内調 - 47NEWS(よんななニュース)(2014/12/07 18:02 【共同通信】)
海外で学んだ経験や働いた経験があると、国家機密を漏らす恐れが高まる―。10日施行の特定秘密保護法の制定過程で、同法を所管する内閣情報調査室(内調)がこうした考えを関係省庁に示し、学歴や職歴の調査が必要と強調していたことが7日、共同通信の情報公開請求で開示された政府文書で分かった。共同通信はよい仕事をしてくれました。情報公開制度の大切さが身に染みますね。文書は内調が2011年11月、内閣法制局との会合で示したメモ。
海外の学校や国内の外国人学校で教育を受けた経験、外国企業での勤務経験も挙げ「外国への特別な感情を醸成させる契機となる」「外国から働き掛けを受け、感化されやすい。秘密を自発的に漏えいする恐れが存在する」としている。
こんな馬鹿げた発想が実際に政策を動かす力になっているという事実も、秘密保護法によって見えなくなるわけです。
統治機構や行政組織をよりよいものにするためにも、政策決定プロセスでの議論の進み方が見えることはとても大切なのですが、そうしたカイゼンのタネの「見える化」もできなくなってしまいます。日本の政治学や行政学の研究水準も低下してしまうかもしれません。
情報の保全や公開は、官僚の暴走と無責任体質との抑止力でもあって、例えば旧日本軍と帝国政府の暴走と自滅は、情報隠蔽と言論統制のなれの果てであるわけです。
かつての自民党による小泉改革や、今の維新、みんななどに所属した人々は、こうした官僚支配の構造を打破し、「抵抗勢力」を封じ込め、「政治主導」の「決められる政治」を目指した(目指している)わけです。しかしながら、そうした人々が、官僚の横暴を許す情報隠蔽制度を支持したのは、ちょっと興味深いことです。
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そういえば、私の知人の体験談ですが、その人は自分の祖父母の世代に戦時中の北朝鮮に縁があったそうなのですが、北朝鮮による拉致事件が大きく取り上げられた頃、警察に呼び出されて事情聴取されたそうです。ご本人は、当たり前ですが、全く北朝鮮とは関わりもなく、当初は何で呼び出されたのか全く分からず、北朝鮮との関係をあれこれ聞かれても「???」状態だったとか。後で警察の意図がうっすらと分かって、ぞっとしたと言っていました。
これとは別の話ですが、大学の留学生寮に、定期的に警察官がやってきて、在寮者のリストを求めたり留学生の近況を尋ねてくるという話を聞いたこともあります。
日本の警察、公安などにとって、外国人(特に中国、韓国、北朝鮮など、その次にアジアアフリカ諸国の人たち)は、犯罪予備軍であり、スパイや治安撹乱要員でもあるというのが基本認識らしいということは、我々が知っておいてもいいことでしょう。
そういえば、先日県警の偉い人と懇談する機会があったのですが、まだ異動してきて日が浅いと言っていたのに、地域のいろいろな人の消息にやたら詳しかったので驚きました。警察官僚の情報収集力と記憶力に舌を巻いた次第です。同時に、自分もその網の中に入っているのかと思うと、ちょっと薄ら寒い怖さを感じましたが…。
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