依然として北星学園大学を脅迫し続ける陰湿な人々がいる。
朝日新聞の「捏造」という表現自体が、完全にデマであるわけですが、こうした下劣な宣伝に知識人やマスメディア、総理大臣までも荷担していることは、本当に情けないことです。
下記の件。これに関する北星学園大学の苦悩と英断、そしてその後も続く陰湿な脅迫について、北海道新聞の記事をクリップしておきます。
フランスの新聞社での銃撃事件には「卑劣なテロは、いかなる理由でも許されず、断固として非難する」というメッセージを出した安倍総理、本件にも何か言ったらどうしょうか(註1)。
●北星学園大の元朝日記者、文春を損賠提訴 「記事で名誉傷つく」-北海道新聞[道内](01/09 14:20、01/09 17:50 更新)
従軍慰安婦報道にかかわった元朝日新聞記者で北星学園大(札幌市)非常勤講師の植村隆氏(56)は9日、「週刊文春などで自身の記事を捏造(ねつぞう)とされ、名誉を傷つけられた」として、発行元の文芸春秋(東京)と西岡力(つとむ)・東京基督教大教授に対し、計1650万円の損害賠償などを求める訴えを東京地裁に起こした。訴状によると、植村氏は朝日新聞記者だった1991年8月と12月、「朝鮮人従軍慰安婦」として最初に名乗り出た女性に関する記事を執筆し、同紙に掲載。被告らは文春や著書などで、植村氏は強制連行があったかのような事実の改ざんを行ったなどという趣旨の指摘をした。また、被告らによる誹謗(ひぼう)中傷で何者かが北星学園大に脅迫状を送りつけるなど、植村氏と家族は重大な人権侵害を受けているとしている。<どうしん電子版に全文掲載>
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●北星大、元朝日記者の契約継続へ 従軍慰安婦問題報道-北海道新聞[道内](12/17 06:30)
札幌市厚別区の北星学園大に、朝日新聞記者時代に従軍慰安婦問題の報道に携わった非常勤講師の解雇を要求する脅迫状が届いている問題で、同大は16日、来年度も講師の雇用を継続する方針を固めた。同大は当初、学生や受験生の安全を優先して、雇用を打ち切る方針で検討していた。しかし、大学を運営する学校法人の理事会などで、「雇用打ち切りはキリスト教を基礎とした建学精神に反する」と反対意見が多く出された。
また市民グループ「負けるな北星!の会」が発足し、全国の弁護士380人が脅迫状事件で容疑者不詳のまま札幌地検に告発するなど、支援の動きが国内外に広がった。札幌弁護士会が「民主主義に関わる」として協力を申し出たこともあり、大学は講師の契約更新に必要な安全確保ができると判断したとみられる。<どうしん電子版に全文掲載>
●北星学園大、元朝日記者の雇用継続 学長「支援広がった」-北海道新聞[道内](12/17 17:48、12/18 03:16 更新)
北星学園大(札幌市厚別区)が、慰安婦報道にかかわった元朝日新聞記者の非常勤講師を辞めさせなければ、学生に危害を加えるなどと脅迫されている問題で、同大の田村信一学長は17日、講師との契約を更改し、来年度も雇用を継続することを正式に発表した。田村学長は記者会見で、雇用継続を決めた理由として、「暴力による言論弾圧は許されない、という社会的合意が広く形成されつつある。それが卑劣な行為への一定の抑止力になりつつある」と述べ、雇用打ち切りの方針を明らかにした10月以降、大学支援の動きが広がったことを挙げた。
学長はまた、「現場の教職員は一定の不安を抱えている」としながら、全国の弁護士たちが脅迫状事件の告発に乗り出したことなどを例に、「行政、警察、弁護士会などの具体的な支援が広がり、リスクが軽減されてきた」との見方も示した。
講師は「学生たちとの授業を続けられることが何よりもうれしい。大学がつらい状況を乗り越え今回の決断をされたことに心から敬意を表する。この決断に応えられるよう、よい授業を行っていきたい」と語った。<どうしん電子版に全文掲載>
●北星学園大への支援検討 文科相、元朝日記者雇用継続で-北海道新聞[道内](12/19 17:00)
下村博文文部科学相は19日の閣議後の記者会見で、慰安婦報道に関わった元朝日新聞記者の非常勤講師の雇用をめぐって脅迫を受けていた北星学園大(札幌市厚別区)が、来年度の講師の雇用継続を決めたことについて「最終的に誰を講師として採用するかは大学の判断だが、引き続き講師として雇用を継続するなら必要に応じてフォローしたい」と述べ、同大に対する支援を検討する姿勢を示した。<どうしん電子版に全文掲載>
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●北星学園大にまた脅迫文 学生の家に放火示唆か-北海道新聞[道内](01/08 11:56、01/08 14:13 更新)
従軍慰安婦問題の報道に携わった朝日新聞元記者が非常勤講師を務める札幌市厚別区の北星学園大に対し、昨年末、学生に対して危害を加えると読み取れる内容の手紙が届いていたことが8日、分かった。札幌厚別署は威力業務妨害の疑いで調べている。同署によると、手紙は12月27日、「北星学園大学」宛てに郵送で届き、ワープロやパソコンとみられる活字で「学生の家の何軒かから出荷する」「事件が起こったら拡散する」などと書かれていた。「出荷」は「出火」を意図した可能性があるという。差出人の名はなく、朝日新聞や元記者に関する記述も無かった。同大の職員が年末年始の休みが明けた6日に手紙を開封し、7日に同署に届けた。<どうしん電子版に全文掲載>
●また北星学園大に脅迫文 元記者の雇用、継続の方針変わらず-北海道新聞[道内](01/09 07:00)
従軍慰安婦問題の報道に携わった元朝日新聞記者が非常勤講師を務める北星学園大(札幌市厚別区)に昨年末、学生に危害を加えると読み取れる手紙が届いた問題で、同大は8日、昨年12月に発表した講師の雇用契約を来年度も継続する方針に変化がないことを明らかにした。同大での入試は2月6~8日の一般入試のほか、1月17、18日に行われる大学入試センター試験でも、道内志願者の4%に当たる750人が受験する予定。同大は教室内の点検を徹底し、受験生と試験従事者以外の立ち入りを禁じるなどの安全確保策を取る。
センター試験の会場は原則、センター試験を使った入試を行う大学に設置され、同大では全3学部と短大の入学者の一部をセンター試験で選抜する。<どうしん電子版に全文掲載>
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- 註1
- 首相 パリ銃撃事件で「卑劣なテロを断固非難」 NHKニュース1月8日 1時04分
「今回のテロ事件で多数の死傷者が出たことに大きな衝撃と憤りを禁じ得ない。このような卑劣なテロは、いかなる理由でも許されず、断固として非難する。日本政府と日本国民を代表して、すべての犠牲者とその家族に心から哀悼の意を表するとともに、負傷者の方々に心からお見舞いを申し上げる。この困難な時に、日本はフランスと共にある」
※今回のフランスでの銃撃事件と安倍首相のメッセージについては、下記のような批判的コメントもあります。事情を知らないので即断はしませんが考慮すべき論点でしょう。
風刺週刊紙銃撃を非難=安倍首相*安倍晋三首相は8日午前、フラ... - Yahoo!知恵袋安倍さんは問題の本質を解っているのでしょうか?
本質とは、何でそんな事件を起こしたのかという起因となっている問題点だ。
表現の自由がイスラム教徒(過激派)の信条のからかいや皮肉が限度を超えれば敵視されるだろう。
あなただって、自分の宗教や信条が常にからかわれたり皮肉られていたらムカつき傷つくでしょう。イスラム教徒の女性の衣装などの自由も法で規制し、罰金を科し、フランス人と同じようにしない奴には罰を科す。
そんな社会の中で、専門に宗教観を蔑にする新聞社と聞く。
これが社会的な表現の自由だと言う事になれば、何が正義だと言う事になるのは仕方が無い面がある。
そういう国ゆえに起こった事件だろう。
日本人の在日韓国人の人たちに対する排斥運動と似通っている問題にも見える。
フランスのナショナリズムの台頭風潮に対する抵抗かも知れない。日本に例えれば、日本人の習慣に従い、日本語を話し、日本の法に従わずに民族衣装で顔を隠したら罰金を科す。日本で生まれた人であっても容赦しない・・・そういう状況に対する事件と思えばいいのだろう。
テロという暴力だけに対峙した強い非難であるならば、余りにも薄いパフォーマンスなのではないでしょうか?
あるいは、フランスの排他的政策が日本政府の心情に近いからでしょうか?
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コメント
記事の間違いを指摘する声を
十数年間黙殺し続ける新聞の方が陰湿だと思います。
投稿: tamanyan | 2015/01/10 17:41
>tamanyanさん
ご趣旨があいまいですが、植村氏に関して脅迫を続ける人たちを免責なさりたいということでしょうか。
であれば、論外と言わねばならないでしょう。
それとも、北星学園大学への脅迫事件と関係なく、ただ朝日新聞を論難なさりたいということでしょうか。
であれば、そこには何点か事実誤認と評価基準の偏りがあるように思います。
事実誤認については、朝日新聞は「十数年黙殺し続け」てはいません。訂正記事は出してはなかったけれど。
評価基準の偏りについては、他のメディアも数多くの誤報、捏造を多く行っている以上、メディア全体、もっと言えば、自分の誤りを容易に認められず、隠ぺいと言い訳を繰り返す主体(個人、企業、他の組織、政府機関等)も全て、「陰湿」と指弾されねばならないでしょう。朝日新聞に要求するのと同様の厳格さでもって、これら他の主体についても論難なさるというご趣旨であれば、ある程度一貫性はあるように感じます(たとえば、産経新聞などはいかがですか)。
投稿: muttbob | 2015/01/11 13:09