天皇教の一事例
サザン桑田 ラジオ謝罪【ほぼ全文】/芸能/デイリースポーツ online2015年1月18日
上の記事で。なお、以下の引用で下線・強調は引用者による。
また、朝日新聞の報道記事をこのデイリースポーツの記事の下に置いておく。
ちなみに、朝日新聞は桑田氏の「現政権批判ではない、反日ではない」という弁明を残しているが、上記デイリースポーツ記事はこの分を省いている。この弁明を読むと、「ピースとハイライト」という楽曲には幼児に「みんなで仲良くしましょう」というのと同じ意味しかなく、要するに全く無内容で無価値なものだと制作者自ら説明していることが分かる。
桑田氏の弁明が本心か本心でないかは別にして、著名人の言動が不敬不遜、政権批判として問題視され、それに対してこのような発言があったということを記録しておく。また、ヒトラーを模したという「批判」等の騒ぎになったということ自体が、一般世間の間でも現政権について独裁的・タカ派的イメージが強く流布していることを示していると言えよう。
では閑話休題。
1.勲章をぞんざいに扱ってはいけないというタブー
(1)紫綬褒章をポケットから取り出した件特に、勲章を神棚に上げていた、家人が「大丈夫?」と心配するというところは天皇教が明瞭になっている。
年越しライブの4日間のライブの中で、4日間ともお客様にお披露目しようとする場面を(ステージで)いたしました。3日間は木箱に入れて、白い手袋をしたスタッフが私に丁寧に手渡してたんですが、4日目のライブだけは、紅白と年越しというのがありまして。すでに言い訳になってしまってますけども、時間調整に舞い上がったりしたのもあり、段取りを間違えてあのように扱ってしまいました。
大変反省しておりますし、心より、心よりお詫び申し上げます。
(中略)
(3)紫綬褒章をオークションにかけるギャグ
オークションのパロディーはジョークにしたつもりだったんですけども、軽率。こういう場面で下品なじょうだんを言うべきじゃありませんでした。
うちの神棚から紫綬褒章を持ち出す時も、家内が「大丈夫?」なんて言ってたんですが、家内の杞憂が現実になってしまいました。
2.天皇のものまねをしてはいけないというタブー
昨年秋の(紫綬褒章の)皇居での伝達式の話をみなさんにお話する時に、伝達式の陛下のご様子を皆さんにお伝えしようとしたというとこが…私の浅はかなところで。大変失礼にあたり、私自身、大変反省しております。「天皇の様子を伝えること自体が失礼にあたる」というところが特徴的。大御神への直接言及はしてはならない、畏れ多い存在だという認識があることがわかる("He who must not be named." の類型)。
以下に上記記事の全文を示しておく。
サザンオールスターズの桑田佳祐(58)が17日、パーソナリティーを務めるTOKYO FM「桑田佳祐のやさしい夜遊び」で、昨年の年越しライブでの一部演出について、14分間かけてあらためてファンに説明し、謝罪した。お正月休み、いただいていたんですけども、私、ネットとかやらないものですから、世間の話題に疎いといいますか。最近になってご批判をいただいていることを知りました。1月3日と先週の放送も3日に収録したものだったんですけども。その時点では私自身気付いておりませんで、ノーテンキで申し訳ございません。対応が遅くなって申し訳ないんですが。今週の木曜日(15日)にお詫び出させていただいたいたんですが、それについて私の口からご説明させていただきたいと思います。
(ファンからのメールを読み上げる)『オークションギャグはやるべきじゃなかった。客観的に見ても批判されても仕方がないかな、と思いました』
(続いて桑田がネット上で批判された内容などについて状況と経緯を説明)
(1)紫綬褒章をポケットから取り出した件
年越しライブの4日間のライブの中で、4日間ともお客様にお披露目しようとする場面を(ステージで)いたしました。3日間は木箱に入れて、白い手袋をしたスタッフが私に丁寧に手渡してたんですが、4日目のライブだけは、紅白と年越しというのがありまして。すでに言い訳になってしまってますけども、時間調整に舞い上がったりしたのもあり、段取りを間違えてあのように扱ってしまいました。
大変反省しておりますし、心より、心よりお詫び申し上げます。
(2)天皇陛下のモノマネを披露した件
昨年秋の(紫綬褒章の)皇居での伝達式の話をみなさんにお話する時に、伝達式の陛下のご様子を皆さんにお伝えしようとしたというとこが…私の浅はかなところで。大変失礼にあたり、私自身、大変反省しております。
(3)紫綬褒章をオークションにかけるギャグ
オークションのパロディーはジョークにしたつもりだったんですけども、軽率。こういう場面で下品なじょうだんを言うべきじゃありませんでした。
うちの神棚から紫綬褒章を持ち出す時も、家内が「大丈夫?」なんて言ってたんですが、家内の杞憂が現実になってしまいました。
(4)紅白出演時につけていたちょびヒゲ
アドルフ・ヒトラーという人もいたようですが、ヒットラーのつもりは全くありません。31年ぶりに紅白出させていただくというということで、緊張しておりまして、笑いをとりたいな、と。本当ははげヅラかぶろうかな、と思ってたんですが。結局、ちょびひげを頼んでおいたんです。
ちょびひげというとコントの定番なんですが、そこをヒトラーと結びつける人がいるということに驚いております。
(5)「ピースとハイライト」の歌詞について
これについていろいろな方がネットで私の意図とは違う解釈をされていることに驚いておりまして。この曲、一昨年の夏に発売して、歌詞は春に作ったのかな。集団的自衛権とかも話題になる前だったと思うんですけども。東アジア全体で起こってる問題として作った歌詞なんでございます。二度と戦争などが起きないように仲良くやっていこうよ、という思いを私は込めたつもりなんですけども。
たかが歌ですのでたいした力はないかもしれませんけども、希望の苗を植えていこうよ、地上に愛を植えていこうよ、というメッセージをね。平和を願う者として今後も時折こういうメッセージを発信していきたいと私は思っております。
※ここで「ピースとハイライト」をオンエア。
◆ここで改めてファンへ。
今までもいろんなことを言われたり書かれたり、語られたことはあるんですけども。大衆芸能を生業にしてると、誤解とか曲解とか避けて通れない。今後ともよろしくお願いします。
昨年の年越しライブの一部の内容についてお詫びを説明させていただきました。いい年して失敗したり、相変わらずのおっちょこちょいなことをやったりしてますけどもね、これからもサザンオールスターズをどうぞよろしくお願いしたいと思います。
不愉快極まりない思いをさせた方々には、ごめんなさいとか申し訳ないじゃ済まないと思うんですけども。ファンの方がとても温かくて、頑張れよ、とかどんまいどんまいというメールやお手紙をいただきまして。きちっと反省するところは反省して、気持ちを切り替えてアルバムとツアーに、サザン、舵を切らせていただけたらと思うわけでございます。
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渦中の桑田さん「曲解は避けて通れぬ」 褒章扱いは謝罪:朝日新聞デジタル(河村能宏2015年1月18日01時05分)
サザンオールスターズの桑田佳祐さんは17日深夜、「TOKYO FM」のラジオ番組「桑田佳祐のやさしい夜遊び」で、大みそかのライブでの紫綬褒章の取り扱い方などをめぐり批判が出ていることを受け、「不快に思われた方にはおわびを申し上げないといけない」と述べ、謝罪した。おわびのコメントを15日に発表していたが、公の場での本人の言及は初めて。
桑田さんは会場で褒章をズボンのポケットから出して披露。褒章伝達式の様子を伝えようとして天皇陛下のものまねをしたり、褒章をオークションにかけるそぶりをしたりしていた。
桑田さんによると、白手袋をしたスタッフが木箱に入れられた褒章を丁寧に桑田さんに渡す予定だったが、段取りを間違え、早く受け取った。「ポケットに慌てて入れた。ぞんざいに扱う気持ちは毛頭ないが、大変反省している」とおわびした。オークションについても「ジョークのつもりだったが、下品な冗談を言うべきじゃなかった」と語った。
サザンは会場から中継でNHK紅白歌合戦に出演。桑田さんはちょび髭(ひげ)を付けて登場した。これがネット上でナチス・ドイツの指導者ヒトラーをまねているとする声があがったが、「ヒトラーのつもりはない。私の世代はちょび髭はコントの定番」と否定した。紅白でも演奏した「ピースとハイライト」に、集団的自衛権行使容認に反対するなどのメッセージが込められているとの解釈は「デマだ」とし、「曲の発表当時東アジアで歴史認識が違うことで摩擦があり、仲良くやっていこうよというメッセージを込めた」と述べた。また過去のライブの演出が反日的だとの指摘に対して「反日だとか、日本人ではないだとか言い出すのは残念。明確に否定させていただきます」と強調、同曲をラジオで流した。「大衆音楽を生業にしていると、誤解、曲解を避けて通れない。腹を決めなくてはいけない」とも述べた。(河村能宏)
「政府批判の指摘こそ都合いい解釈」 桑田さん発言要旨:朝日新聞デジタル
サザンオールスターズの桑田佳祐さんは17日深夜、「TOKYO FM」のラジオ番組で、紫綬褒章の取り扱い方などをめぐり批判が出ていることを受けて謝罪し、考えを述べた。桑田さんのラジオでの発言要旨は次の通り。■段取り間違え、褒章をポケットに
周囲の方々から「サザンの年越しライブがネットで話題になっているよ」と聞き、最近になって、一部の内容でご批判をいただいていることを知りました。
今週の木曜日、この前の年越しライブに関するおわびの文章を発表しました。それについて説明させていただきます。
サザンは年末にライブをやって、4日間のライブの中で毎回、昨秋いただいた紫綬褒章をお披露目する場面をやっていました。歌謡曲「ラブユー東京」の替え歌を、「ラブユー褒章」として、大きな感謝を込めて歌詞を作り替えました。会場にいたみなさんには感謝の気持ちをお伝えできました。ただ、4日目のライブは、紅白歌合戦と年越しという一大イベントがありました。そこにぴったりと時間を合わせないといけなくて、言い訳になるが、その時イヤーモニターにスタッフから巻き(の連絡が)入ってくる。時間調整に舞い上がっていた部分もあり、それまでの3日間は、紫綬褒章を正式な木箱に入れて、白い手袋をしたスタッフが私に丁寧に手渡す感じでやっていました。でも最後の日だけは、うっかりあせったのか段取りを間違え、一曲早めに手にしてしまい、慌てて衣装のポケットに入れてしまった。段取りを間違え、あのような状況になりました。もちろん、褒章をぞんざいに扱う気持ちは毛頭ありませんでしたが、結果としてポケットに入れて出すということになり、大変反省していますし、心より心よりおわび申し上げたい。
それから昨秋の皇居における伝達式の様子をライブでみなさんにお話しする時、私、日頃からずっと平和の大切さを述べておられる天皇陛下を心から尊敬しておりますが、伝達式の陛下のご様子をみなさんにお伝えしようとしたということが私の浅はかなことでした。結果として大変失礼にあたり、不快に感じた方がいらっしゃったことを大変反省しています。
紫綬褒章のオークションをするというパロディーは冗談のつもりだったが、下品な冗談を言うべきではなかった。心よりおわび申し上げます。
■ちょび髭はコントの定番アイテム
紅白に出演した時に「ちょび髭(ひげ)」を付けたことが臆測を呼んでしまったということですが、「あれはアドルフ・ヒトラーだ」「だから現在の政権を批判しているんだ」というデマも流れていたようですが、はっきり申し上げて、ヒトラーのつもりはまったくございません。(サザンとしては)31年ぶりの紅白で緊張もありましたし、重々しい雰囲気で出て行くよりも、出落ちというか、にぎやかしというか、笑いを取りたいなというか。こういうところも浅はかなんですが、直前にスタッフと相談して、ハゲヅラかぶろうかなとも思ったが、結局つけ髭の用意を頼んだ。結果(用意した)つけ髭が、ちょび髭だった。加藤茶だとかチャプリンだとか、そういう方たちのものまねさえ私の頭にはなくて、私の世代は、ちょび髭はコントの定番アイテムですから。それをヒトラーと結びつける人がいるのは大変驚いています。
紅白で「ピースとハイライト」を演奏したのですが、これについてネットで私の意図とは異なる解釈をしていることに驚きました。(曲は)一昨年の夏発売したが、当時、東アジア、特に日本の周辺の国で緊張が高まっていたんですよね。心配になる状況がありました。歴史認識が違うことでいろんな摩擦もありました。そういうこともあって書いたんです。「都合のいい大義名分(かいしゃく)で/争いを仕掛けて/裸の王様が牛耳る世は...狂気(Insane)」とも書いたが、この部分を日本政府を批判していると一部のメディアが報道したそうなんですね。はっきり言ってそれこそが都合のいい解釈です。作ったのは、一昨年ですから、集団的自衛権も話題になる前だったと思う。東アジア全体で起こっている問題として作った歌詞なんでございます。その上で「20世紀で懲りたはずでしょう?」と。まだやっているのか。二度と戦争が起きないように仲良くやっていこうよというメッセージを込めたつもりなんですけど。「色んな事情があるけどさ/知ろうよ/互いのイイところ!!」ということも書きました。
■「ピースとハイライト」は平和を願う曲
それから一昨年のサザンのライブで「ピースとハイライト」を演奏した時にバックに使用した映像がある。日の丸にバッテンをした映像だとか、領土問題に対するデモ映像だとか、それが全部サザンの主張であるかのようにね……、とにかく「ピースとハイライト」は平和を願う曲ですから、一昨年当時世界で起こっていたデモなんかのニュース映像を使いまして、「世界ではこういうのが起こっているよ」「このままじゃまずいんじゃないの」という意味で使用させていただきました。それを「反日だ」「お前は日本人じゃない」と言い出す方がいるのは本当に残念ですし、明確に否定させていただきます。
たかが歌なのでたいした力はありませんけど、「希望の苗を植えていこうよ/地上に愛を育てようよ/この素晴らしい地球(ふるさと)に生まれ」というメッセージをね、私は日本を愛するものですし、平和を願うものとして、お伝えしたいなと思っていますし、今後も時折、こういうメッセージを発信していきたいと思っています。
それではいろいろございましたが、聴いてください。サザンオールスターズで「ピースとハイライト」。
(曲の終了後)
いい曲じゃない、って自分でいっちゃ駄目ですよね。
ということで、いろいろ不快な思いをした方には心よりおわびさせていただきます。
今までもいろんなことを言われ書かれましたが、全然事実と違うこととか、語られたことがあるんですけど、語られ続けると思うんですけど、大衆音楽というか大衆芸能というか、そういうことを生業(なりわい)にしていると誤解と曲解とか、そこはさけて通れないし、我々は腹を決めなければいけないし、覚悟していますよ。今後ともよろしくお願いします。
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