おもしろ哀しい大阪の笑い話、さすがに中止になる。
おもしろおかしいのにどこか哀しいというのは浪速の人情噺の醍醐味ですが、こっちの「おもしろ哀しい」はその方向性が違います。
道頓堀プール計画、中止に 資金繰りや調整難航:朝日新聞デジタル(2015年1月30日06時36分)
とうとうさすがに誰か決断できたわけですねえ。
何とはなしに集まって、お祭りみたいに盛り上げて、誰がお金を出すのやら、誰が責任を取るのやら、皆目見当も付かぬまま、お偉いさんの思いつき、鶴の一声逆らえず、みんなアカンと思いつつ、さりとて何も言い出せず、外ではアホかと腐しつつ、内ではもみ手でお追従、これぞ浪速の心意気
って感じで(何となく七五調になってしまった)、最近の大阪の情けなさを前面に出したようなイベント、もはや止めることはできないのだろうなあ…と思っていたら、何人か、頑張った人がいたんでしょう。偉いですね。最後に「止めます」と提案して、それを全体の合意にした人たちも偉い。まあ、「もっと早く決めておけ、ていうか、そもそもこんな企画に乗るな」と言いたい人は山ほどいるでしょうけど。
……本当は、大阪市が河川専有を不許可にしてくれたおかげなんでしょうけどね。
当初案では「年間100万人の来場で約33億円の収入」をもくろんでいたんですって。おじいちゃんの妄想だよね。こんな提案、その辺のコンサルやイベンター、広告会社にはできません、後が怖すぎて。
しかしこの段階でなぜ止められなかったんだ…。火災は初期消火が大切だってあれほど教わったじゃないか、小学校の避難訓練で…。
「地元商店主らが1400万円を出資し、準備会社を設立」
義理と人情で断り切れなかった人たちも多数いたんだろうなあ…と、この辺りも涙するところですね。
で、2000メートル→800メートル→80メートルへどんどん縮小。
この辺も、何とか現実に近づけようとする作業者の苦労がうかがわれて味わいがありましたよね。で、ついに中止決定。ふー。
いやまあ、やむを得ず関わって来られたスタッフのみなさまお疲れ様でした。ノドに刺さっていた骨が取れたような気持ちになったのではないでしょうか。「何でや!ちゃんとやれや!」とかいう困ったオジサンが現れないことを祈ります。
参考:道頓堀プール計画の問題点まとめ - Togetterまとめ
大まかな流れがわかり、いろいろ切なさが伝わってきます。
しかし最近こういうおもしろ哀しい案件が散見されるようになりましたね。阿久根市や武雄市など比較的小規模なところだと、そういうこともあるかもな、と思いますが、百万人規模の大都市なのに、見た瞬間に「うわっこれアカン奴や」ってなる企画をやってしまうというのが、大阪の大阪たるゆえんですねえ……。
大阪・ミナミの道頓堀に巨大なプールをつくる計画が中止になった。資金繰りや地元との調整が難航し、計画を進めていた準備会社側が29日、出資者に断念する意向を表明。この夏に全長800メートルのプールを設ける構想は幻に終わった。巨大プールの計画は、作家で大阪府市特別顧問の堺屋太一氏が発案。「年間100万人の来場で約33億円の収入を見込む」とし、道頓堀が完成して400年となる今年の夏の開業を目指していた。
道頓堀川に特殊な布を浮かべて800メートルのプールにする計画で、2013年4月に地元商店主らが1400万円を出資し、準備会社を設立。だが、約30億円の資金集めは難航し、長期間にわたって営業するために必要な運営会社の主体企業も見つからなかった。
昨年秋には、長さを80メートルに短縮し、8月の約20日間の期間限定で実施する方針に転換。それでも期間中に運航できなくなる観光船業者との調整がつかず、大阪市は今月、準備会社が提出した河川の占用許可申請を「不許可」としていた。
準備会社は29日、出資者向けの説明会を開催。その場で計画中止の方針を伝えた。今後は道頓堀の完成400年を記念する別のイベントの開催を検討するという。(太田成美)
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