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2015/01/06

タバコ:自民党はやっぱりろくなもんじゃないという話。

五輪都市東京:たばこ規制失速 自民異議、条例見送り - 毎日新聞2015年01月06日 15時00分(最終更新 01月06日 17時36分)

自民党は、昔からタバコ業者の利益代表で、WHOなど国際機関のタバコ抑制活動に対しても非常に消極的……というかむしろ敵対的……で、タバコが健康上有害だという単純な事実を政府が認めることすら許しませんでした。
日本は喫煙に極めて寛容な国で、禁煙運動に対して非常に敵対的な国だというのは、WHOをはじめとして国際的には非常に良く知られたことです。なんといっても、国際会議でも日本代表は禁煙の促進に反対し続けてきたわけですから。

現在、タバコが有害だということを政府が認めているのは、民主党が政権を握ったことによるものです。民主党はこういう成果をもっと宣伝していいと思うんですけどね。
民主党にもタバコ業者とつながりのある人はいるようですが、自民党ほど露骨ではない。ちなみに自民党にも禁煙側にコミットしている人もいますが、こちらも動きはぱっとしない。

それにしても、自民党ってこんなのばっかりですな。古い利権に忠実で、認識や価値の進展に対しては著しく反発する。
捕鯨問題しかり。
ジェンダーフリーや性教育しかり。
学校給食なんてものにまで反発する。

Listening:<ガラスの天井>女性と政治/4 議会「弁当は親の愛情」 - 毎日新聞2015年01月05日

「ヤジって『昭和』のものだと思ってた」。この秋、市議会を初めて傍聴した横浜市のパート従業員、カヤ亜矢子さん(39)は苦笑する。市立中学校での給食実施を求める質問があると聞いて訪れたが「ヤジがすごくて、議会では給食が歓迎されていない雰囲気に驚きました」。

 ●ヤジ飛び交い

 保育所の待機児童ゼロを一時達成したとして話題になった横浜市。一方で、中学校給食に関しては政令市の中で唯一、実施せずに弁当を持参させる方針を貫く。有志による「横浜学校給食をよくする会」は給食実施を求める署名を毎年2万〜3万筆提出しているが、給食を求める市議の質問には今も、ほかの議員から「親の責任だ」「家庭の愛情の問題」などのヤジが飛ぶ。

 「1000人のお母さんに聞けば1000人が、1万人に聞けば1万人が中学給食を望んでいる」と伊藤大貴(ひろたか)市議(37)は言う。「弁当は親の愛情、という意見を聞いたお母さんたちは『子育てしたことのない人の意見ではないか』とあきれていました」

 前回の統一地方選で、一般の政策ビラと給食のことだけを書いたビラの2種類を作製すると、給食ビラは飛ぶようにはけた。政策を知った見ず知らずの母親たちに、行く先々で取り囲まれた。「びっくりするくらいの反応だった」

 だが議会では「質問をするのさえ勇気がいる」(伊藤議員)ほど、最大会派の自民党をはじめとした反対が強い。(後略)

まあ、自民党が「圧倒的な勝利」を納めるほどに支持し続けているのは、私たち日本の有権者であるわけですが。

五輪での禁煙法制は、反禁煙的でタバコ企業と地方政府との癒着も指摘され、世界有数の喫煙寛容国である、あの中国ですら、罰則つきで制定しているわけです。あの悪名高い(?)中国ですら行った法規制を、東京都条例というレベルですら実現できない日本。一体何なのでしょうかねえ…。
※ちなみに中国は北京市条例で禁煙を定めたそうですが、北京は特別市だから都条例よりもひょっとしたら格上かもしれません…。

上記毎日新聞記事によれば、「東京都受動喫煙防止対策検討会」も、そもそも人選からやる気がなさそう。
そのメンバーリストはこちら。
東京都受動喫煙防止対策検討会委員名簿|東京都

第1回受動喫煙対策防止対策検討会|とうきょう健康ステーション
こちらで議事録を見ることができます。

記事中で触れられている「免疫学者」奥村康氏(順天堂大学大学院医学研究科アトピー疾患研究センター長)の発言の該当箇所は次の通り。

【奥村委員】私は免疫学が専門であり、免疫の立場からたばこがどういうふうに影響を与えるかということをいろいろ調べているんですけれども、たばこで免疫に影響が表れるということはほとんどありません。喫煙者とそうでない方との差というのは、まず見つけることができない。それから昨今においても、若い方は40%から50%と非常に喫煙率が高いのですが免疫というのは非常に強い。芯となるような免疫、軍隊のような免疫と、それからおまわりさんのような免疫と2種類あるわけですけど、TとかBとかいうのは軍隊の免疫、それはたばこその他ではほとんど動くことはないんですね。ですから喫煙者とそうでない方、差は出ません、お年を召した方も若い方も差は出ないんですが、もう一つ、軍隊に呼応しておまわりさんのような免疫がございまして、最先端の免疫、これをナチュラルキラー細胞と言っているんですけど、例えばウイルスをやっつけたり、それから毎日体の中から出てくる突然変異をした細胞をたたいたり、がん細胞をたたいたりする細胞です。そのNK細胞というのはいろんなことで影響し、上がったり下がったりする。この間、ある大学の若い方が集まって、プレリミナリーな試験ですけれども、喫煙している人としていない人でどのぐらい違うかを調べました。もし喫煙している人のナチュラルキラー活性が低ければウォーニングすべきだと思いまして調べましたら、喫煙している人のほうが高いんですね。それから風邪を引く回数、例えばウイルスに対する抵抗力というのも意外と高いんですね。たばこを吸っている人は感染しないというようなことが、思ったより逆のことが出ました。免疫学的には、そういう実験をもとにしますとあんまりたばこの弊害というのは見つからないというのが僕の専門分野です。もう一つは、私が大学院の若いときにたばこで発がんできるモデルをつくるという試験をしました。『しんせい』という銘柄のたばこを使い、専用の機械を用いて朝から晩までマウスをたばこだらけにしたんですが、肺がんも何もできなかったんですね。野田先生はご存じだと思いますけれども、いろいろな方々に聞いてもたばこでがんをつくれる動物モデルについては、確立されたものはないんですよ、誰も成功していない。非常に、遺伝子をつぶしたりして非常に強引につくったやつはありますけれども、できないのですよ。それができないものですから、どうしても僕は基礎の医学者としては、たばこの害というのはあまり信用できないということになります。
喫煙の害は科学的に確証できないという主旨だと思いますが、この奥村先生の著書をAmazonで検索すると次の通り。
Amazon.co.jp: 奥村康
象徴的な書名をいくつか上げると、
  • まじめは寿命を縮める 不良長寿のすすめ (宝島社新書)2009/1/10
  • 免疫力アップがすべてのポイント! “健康常識"はウソだらけ (WAC BUNKO)2012/4/20
  • 「腸の免疫」を上げると体も脳も10歳若返る! (アスコム健康ブック 健康プレミアムシリーズ)2012/11/23
  • 雑誌「愛煙家通信」
科学性にこだわる基礎医学者として、この書名の付け方はどうなんですかね?おまけに出版社がワックとか…汗。
いや、元「日本免疫学会会長」にして「数々の医学賞を総なめにし、サプレッサーT免疫細胞の発見者でもある世界的権威」にたてつく気は毛頭ないんですけども。

それにしても、「愛煙家通信」。いや別にいいんですけどね、禁煙の委員会に愛煙家の先生がいてもいいんですけど、この雑誌、寄稿者や座談会メンバーに、秦郁彦とか西部邁とか堤堯とか、すぎやまこういちとか、出てくるんですね…。何かトンデモない鉱脈を掘り当ててしまったようだ…(汗)

閑話休題。
次に、毎日新聞の記事中に出てきた「放射線科医」である名取春彦氏(獨協医科大学付属病院放射線科医師)の発言。
ちなみに、名取氏はこんな新書を出しています。
Amazon.co.jp: タバコ有害論に異議あり! (洋泉社新書y): 名取 春彦, 上杉 正幸: 本
中身については……ええと……上記Amazonに投稿されている書評を読んで下さい。まあ大体わかります。
なんで都はこの人を呼んだんだろう…汗

前略…最近はたばこの有害作用を示すデータが次々と報告されていますが、厳密に見ますとたばこの健康への影響はまだまだわからないことばかりだと言ったほうがよいように思います。しかし、ここでそれを強調したいわけではありません。たばこは人体に有害であるだけなのか、それとも何らかのメリットがあるのか。この議論を始めますと嫌煙論者は有害作用ばかりを主張し、たばこ容認論者はたばこのメリットだけを主張します。お互いが都合のよいデータだけを並べて主張を展開し、合意に至ることはありません。…中略…
そこで、この検討委員会の議論の進め方に関して1つ要望があります。対立点を浮かび上がらせるのではなく、まずどのような立場からも納得できる合意点を確認し合って、そこから出発して提起された課題について検討していくということを提案したく思います。対立点はそっとしておいて、合意点から出発しようというわけです。
さてここから、受動喫煙問題に対しての私の見解を述べますが、原点に立ち戻って考え、立場を超えてどなたからも合意していただけるのではないかという線で、2点に絞ってお話しします。まず1点目は、たばこを吸う人がゼロになることはないという点です。…中略…東京オリンピックでは、国内だけでなく多数の外国人が東京を訪れます。その中には間違いなく喫煙者も含まれます。東京都は、たばこを吸わない人だけを歓迎するわけにはいきません。おもてなしは、たばこを吸う人にも吸わない人にも心地よいものでなければなりません。…中略…東京ではたばこを吸う人も吸わない人も仲よく暮らしており、雰囲気がとてもよい。東京には独特のスタイルがある、東京を訪れれば、喫煙者は喫煙のマナーを学び、たばこを吸わない人も東京のスタイルの心地よさを知る。このように東京には、世界に向けて東京の独自のスタイルを発信できるチャンスがあります。東京スタイルの中身をどうつくっていくかは、東京だけではなく日本中から知恵とアイデアを結集すればよいと考えます。
さて2点目です。受動喫煙問題は、基本的には喫煙者のマナーの問題であり、マナーの問題は自覚することが不可欠だという点です。…中略…自覚がなければマナーは生まれません。上からの強制は反発を招くだけで、自覚にはつながりません。喫煙者の自覚を促すためにはどうすればよいか、これも国民の知恵とアイデアを結集すればよいと考えます。(後略)
ところで、この委員会、細野助博氏(中央大学総合政策学部大学院公共政策研究科教授)が入っているんですねえ。
細野先生、コミュニティビジネスとかの本を書いたりしている先生なんですが、こんなところで何をしているんだろうかと思ったら、相当昔から禁煙推進の立場で審議会に関わっていたんですね。細野先生の紹介する大蔵・財務省とJTの動きの経緯は参考になりますが、ここではなんというか調整的で禁煙すべしという話になっていません…残念。

座長の安念潤司氏(中央大学大学院法務研究科教授)も禁煙派のようですが、

もし喫煙というのが当人にしか害がないのであれば、どうぞやってくださいという立場でございます。
とか
(前略)申し上げるまでもなくおそらく一つの出発点は、純粋にダメージが当人にだけ帰属するものであるならば、それは自由でいいだろうと。道徳としては別ですけれども、ポリシーとしてはいいだろうというのはおそらく今日のお話でも、出発点にしてよろしいのではないかと思いますが、(後略)
とか言っているので、これももうダメだなあ、と。WHOやアメリカの禁煙促進の大きな根拠が喫煙者の医療費問題だということを知らないのでしょうかねえ。
で、さすがに細野先生からすかさず「いや、依存性の問題は自由意志とは違うんじゃ?」みたいな突っ込みが入ってるんだけど、でも途中からぐだぐだになっちゃう。いやまあ、細野先生の話って途中からたくさん枝分かれするんで、だんだん何を言ってるのかわからなくなってくることが多いんですが。
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五輪都市東京:たばこ規制失速 自民異議、条例見送り - 毎日新聞2015年01月06日 15時00分(最終更新 01月06日 17時36分)
 東京都の舛添要一知事は2020年東京五輪・パラリンピックを見据え、たばこ受動喫煙防止対策の条例化に意欲を見せていたが、当面見送る考えを示した。都議会最大会派の自民党が一律規制に異議を唱え、規制強化をトーンダウンさせた。だが、他の五輪開催都市は、公共施設だけでなく飲食店なども禁煙とする法令を罰則付きで整備しており、識者から「先進国の標準に近づく機会を逃す」との声が上がっている。【武本光政、竹内良和、川口裕之】

 「ハードルが高過ぎる面もある、罰則(付き)になると。条例を完全に捨てているわけではない。しかし、その前に他の施策をもう少しやりながらと思っている」。舛添知事は昨年末の定例記者会見で、飲食店の分煙化工事への補助など条例化以外の施策を優先させる考えを明らかにした。

 知事は、同8月の会見では「本格的に受動喫煙による害を防ぐということは非常に大事。条例制定も十分考え得る一つの選択肢」と強調していた。

 これに対し、与党会派の都議会自民党が同9月、村上英子幹事長名で知事に緊急要望書を提出。「小規模な店舗が多い飲食店等には条例による一律規制ではなく、店内の禁煙・分煙が店頭でわかる自主的な取り組みを促し、利用者が選択できる仕組み作り」を求めた。喫煙者の客足が遠のくことを危惧する飲食店の業界団体の主張に沿った内容で、要望書は「幅広く意見を聞き、対策を推進すること」と注文を付けた。

 これを踏まえ、都は同10月、有識者による「受動喫煙防止対策検討会」を発足。委員12人には日本オリンピック委員会(JOC)役員、法律家、日本医師会役員らのほか、規制強化に慎重な医師も選任された。初会合では、そのうち免疫学者が「免疫学的にはあまりたばこの弊害は見つからない」と指摘。放射線科医も「五輪でたばこを吸わない人だけを歓迎するわけにはいかない。『おもてなし』は吸う人にも吸わない人にも心地よいものでなければならない」と持論を展開した。検討会は年度内に意見をとりまとめるが、都に条例化を求める内容にはなりそうにない。

 五輪開催都市では近年、大会前に受動喫煙防止に関する法令が設けられている。都がソウル大会(1988年)以降の夏季五輪を調べたところ、来年のリオデジャネイロを含め8都市全てで罰則付きの法律や州法、条例を制定していた。

夏季五輪開催都市の受動喫煙防止に関する法令
都市(開催年)根拠(制定年)罰則内容
アテネ(2004年)法律(00年)あり<禁煙>医療施設、飲食店等
北京(2008年)市条例(08年)あり<禁煙>医療、教育施設<分煙>官公庁、飲食店等
ロンドン(2012年)法律(06年)あり<禁煙>公共施設、飲食店等
リオ(2016年)州法(09年)あり<禁煙>公共施設、飲食店等
※アテネ五輪以降、東京都調べ。リオはリオデジャネイロ

 日本禁煙学会によると、国際オリンピック委員会(IOC)は10年7月、世界保健機関(WHO)と「たばこのない五輪」を目指す協定に調印した。都によると、IOCの規定は、選手村の建物内を全面禁煙にし、屋外に分煙スペースを作ることや、競技会場に分煙エリアを設けることを盛り込んでいるが、法整備までは義務付けていない。

 ◇たばこの団体名、自民都連不記載 バーティー券購入

 自民党東京都連の2013年の政治資金パーティーで、都内のたばこ販売店の政治団体「全国たばこ販売政治連盟東京地区本部」が40万円分のパーティー券を購入したのに、都連は14年公開の政治資金収支報告書に団体名を記載していなかったことが分かった。政治資金規正法は、20万円を超すパーティー券購入者の記載を義務付けており、都連は報告書を訂正するとしている。

 パーティーは13年3月に都内のホテルで開かれた。都連や東京地区本部などによると、パーティー券販売を都連から任された都議会自民党が、東京地区本部から銀行振り込みで40万円の入金を受け、他の購入者から受け取った代金と合わせ都連に納付した。

 その際、都連は東京地区本部の購入額が20万円を超すことを伝えられず、団体名の記載義務に気づかなかったという。都議会自民党の事務局は「こちらのミスで都連に報告するのを忘れてしまった」としている。東京地区本部は13年、パーティー券の代金や寄付金として都内の自民党関連団体に少なくとも計160万円を支出している。【武本光政】

 ◇全面禁止は当然

 津田敏秀・岡山大大学院教授(疫学)の話 検討会の委員には、禁煙の医学的根拠をきちんと示せる人間が選ばれていない。米国では1991年に受動喫煙が肺がんや子供のぜんそく悪化などを引き起こすという報告書が出されている。世界の大手たばこ会社も、たばこの健康被害を認めている。健康とスポーツの祭典を開くのであれば、公共空間での全面禁煙は当然で、このままでは先進国の標準に近づくチャンスを壊す。


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