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2015/02/07

日本を代表する公党が自信を持って世界にお勧めするレイシズムと自己中心主義

このブログでは、個人の投稿している記事を批判的に紹介するときはなるべく参考や傍証以上には利用しないようにしているのですが、この方は一応公人でもあるし、記事内容も自民党の活動紹介でもありますからまあいいかな、ということで。

2月5日 日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会|佐藤正久オフィシャルブログ「守るべき人がいる」Powered by Ameba

「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」だそうですよ。
まずもってこのネーミングがもう彼岸に行ってしまっています。ああ…という残念な感じ。
「特命委員会」ってのもいい味が出てます。テレビ番組かよ?って突っ込むところですね、漫才なら。
これを日本最大の選良、日本が誇る良識ある大人たちの集まりたる公党が堂々と掲げているんですから。モンティ・パイソンも真似できないブラックジョークですよね。

まあネーミングはいいとしましょう、所詮ネーミングだし。
で、櫻井よしこ氏を招いて勉強会をした、と。
それで、のっけからこの一文ですよ。

 櫻井よしこ氏は主に米国での慰安婦問題に関する情報戦の対処方法について話された。
慰安婦像や碑など、史実に基づかない情報を打消すには、日本文化と朝鮮文化の比較を通して、史実との齟齬を突いてはどうかという意見だ。
はぁ?
もうね、意味が分からない。何があったかなかったか、何をしたかしていないか、そのことにどういう意味があったのかなかったのか。そういう「史実」に関する議論をしたいはずなのに、出てくる方向性が「文化比較」ですよ。
何か上手く言えませんけど、「水は何度で凍るか」という問題をどうやって調べるのがいいかという議論をしている中で、「水の大切さについての考え方が人によって違うことを利用したらどうか」という提案がされたみたいな、あるいは会社の会議とかで、突然流れをぶった切るような明後日の方向から意見を語り出す人を見た瞬間というか。思わず「あっ…」と声が出そうになるような、そういう微妙な空気。

ところがですね、この勉強会ではこれで話が通じるみたいなんですね。
まあ実際、櫻井よしこ氏は、史実でないものが史実だと強く誤解されていて、正攻法ではその誤解がなかなか解けないのでどうやって納得してもらえるか、を論じたいみたいなんですね。
それならとりあえず分からないことはない。初めからそれを書いてほしいですよね。びっくりしました。

で、その「文化の比較」による誤解の解消方法ですが、櫻井よしこ氏の基本的発想は以下の通り。

慰安婦に対し行われたとされる処し方(主に拷問や処刑方法)など、日本人がするはずがない
あっ……
スミマセン、思わず声が出てしまいました。
でも話はまだ続きます。
中国の歴史書である資治通鑑を紐解けば、そこに書かれている中国古来の拷問方法が、かつて日本が慰安婦に対して行ったとされる行為とそっくりそのままである。この中国の処罰・処刑方法をまず英訳し、広めなければならない。
その上で、慰安婦がされたことになっていることは、中華文化、その影響下にあった期間が長かった朝鮮文化の下で行われる内容であり、日本文化とは相いれるものではないということを、これも英語で伝えなければならない。
もうね、何というか。
ズレの距離が大きすぎると突っ込みもできない。漫才にもできない巨大すぎるボケ。
これをたくさんの「選良」の皆さん(議会で圧倒多数を占める与党の)が、大まじめに受け止めていらっしゃるわけですから!
いや、ものすごい国です、我々の日本は。こういうのをコントでなくて見られるんですからね。

個人的には、「英訳し」・「英語で」っていうところにグッと来ました。国際化の時代(死語)にはやっぱり英語ですよね!これからの時代は英語が大事っ!うんうん、わかるなあ……。

まあ櫻井よしこ氏の論旨を素直に受け止めれば、

「中国→朝鮮半島って伝わったのなら、その次は日本にも伝わったんじゃね?」

って思うんですけれど、それは聞いちゃダメなところですからね。
処罰方法の伝播については、中華文化の影響を長く受けないといけないそうですよ。なんでか知らないけれど。

それから、下記は櫻井よしこ氏の意見なのか佐藤まさひさ氏の意見なのか分かりませんが、

情報戦はこちらに都合の良い情報とそうではないものがあるが、どんな分野であれ、内外の研究者にこちらが持つ情報を提供し、その対価として彼らの研究結果は全て明らかにしてもらうことが必要だ。
とされているんですね。

情報の取引として、
自民党側:「持っている情報」を提供 →で、「その対価として」
研究者側:「研究結果を全て明らかにする」

「全て」ですって!いやはや、この自己中心的というか上から目線というか分かってなさというか…。
研究結果の「全て」って何をもって「全て」って言えると思ってるんだろう。研究っていうか、ものをまともに考えたり学んだりしたことがあるんだろうか、この人たち…。櫻井さんも物書きだと思うんですけれどねえ。

そもそもこの「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」が持っている情報って、何一つ役に立つものはないでしょ。ゴミと引き替えに研究者の知見と労働力、研究時間を全部ごっそり頂こうって、どういう取引なの……(汗)

で、最後ですけど、

情報戦の主戦場である米国などは民主主義の開かれた国なので、
いや、さすがにここまでで笑いすぎて、もはや反応することもできませんが。ユートピアはアメリカにあったんやね!

……鬼畜米英やったんとちゃうんかいな。

しかし、くどいようですけど、こういうことを大まじめに勉強会している国会議員さんたちが、わが国最大の議会勢力なんですよ。
これ、自民党の公認の委員会ですからね。オタクの趣味の集まりとか「有志連合」とかじゃないですからね。

稲田政調会長「いわれなき非難に断固として反論を」 慰安婦誤報受け特命委が初会合 | 党内活動 | ニュース | 自由民主党(平成26年10月30日)

慰安婦に関する誤報が国際社会に与えた影響などを踏まえ、わが党は政務調査会の下に日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会を設置、10月30日に初会合を開きました。
「次世代の党」とかなら「まあ、やりそうだよね」で済ませられるんですけどねえ……。


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