« 外国人労働者問題、技能実習制度問題、人身売買問題:毎日新聞記事のクリップ | トップページ | 本当の思いつき:ニュースで国に言及するときの傾向を調べる? »

2015/02/20

外国人技能実習問題:読んでないけど取り急ぎクリップ

最近本当に全然時間がない……。ので、とりあえず私の基本的立場だけ述べておきます。

1.外国人労働者も人間でありたった一度の人生を生きる存在なのだということ。
2.キャリア形成と人生設計という不可逆の時間の流れを無視する制度は必ず離反者が出て多大な社会的費用と人生を失わされる犠牲者が出るということ。
この2点を踏まえない一切の制度に私は反対します。

記者の目:「外国人技能実習制度」見直し=河津啓介(横浜支局) - 毎日新聞(2015年02月19日 東京朝刊)

 ◇「就労」の現実、直視の時だ

 政府は今国会に、途上国の労働者を実習生として受け入れる「外国人技能実習制度」を見直すための関連法案を提出することを決めた。3年の滞在期間を5年に延長することや、受け入れ先の介護分野への拡大などを盛り込む。政府は「途上国支援」と位置付けるが、この制度を利用して入国した外国人の多くが、日本人から敬遠される業界に「労働力」として雇用されている。政府は建前の「実習」を改め、現実に見合った外国人就労制度を制定すべきだ。

 ◇搾取助長する、あいまいな身分

 「実習生なしでは経営が成り立たない」。日本の生産現場では、そんな声が珍しくない。昨年8〜9月に制度の運営を担う「国際研修協力機構」が受け入れ先1103団体・企業に対して実施した調査では、「制度の効果」を三つまで選ぶ設問に63・9%が「人材確保」と回答した。実習生への依存度が高まる中で、安価な労働力として使い捨てにされる事件も後を絶たない。

 1年前、東京都の縫製工場に勤務する中国人実習生の女性たちを取材した。無休で働いても月の手取りは数万円。薄い外壁の工場内に設けられた「宿舎」はすきま風が吹き込み、防寒着が必要だった。トイレとシャワーは、屋外に置かれるような簡易型。天井の鉄骨や床の基礎部分がむき出しになった空き部屋に設置されていた。「凍えながらシャワーを浴びている。最初はシャワーさえなかった」

 全国に約16万人とされる実習生の平均賃金は月約12万円で、法定の最低賃金レベルだ。毎年3000カ所前後の実習先を監督指導している労働基準監督署の調査では、約8割の企業で賃金や就労時間に関する法令違反が確認されている。実習生を支援する「移住労働者と連帯する全国ネットワーク」の鳥井一平事務局長は「日本の都合で働かせているのに『支援だ』と言うおごりが、搾取の背景にある」と批判する。

 事業主と実習生には「教える側」と「教えられる側」の上下関係が生まれがちだ。実習生は特定の受け入れ先で働くことを条件に日本滞在を認められているが、来日費用を借金で工面することが多く、事業主に嫌われて途中帰国させられれば負債だけが残る。「支配と隷属」につながる背景には、そんな立場の弱さがある。鳥井事務局長は「普通の社長さんが圧倒的な支配力を得て、外国人を酷使する悪人に変わる。それが真の恐ろしさだ」と訴える。「実習生」というあいまいな身分が残る限り、国外からも批判される搾取の構造はなくならない。

 ◇介護人材の確保、「支援」と呼ぶ愚

 今年1月23日、介護分野への拡大を議論していた厚生労働省の有識者検討会が、最終的な見解をまとめる会議を開いた。厚労省の担当者が「拡大の目的は、人材不足への対応ではない」と念押しし、多くの出席委員が「『途上国支援』との趣旨ならば理解できる」などと応じた。労働組合出身の委員が「介護の質が担保できず、拡大は反対だ」と訴えても、冷めた空気が広がるだけで結局、厚労省が示した素案がほぼ追認された。

 検討会のやり取りに「裸の王様」の物語を連想した。真の狙いが「労働力確保」なのは明らかなのに、政府が「途上国支援」と言えば、委員たちは虚構に異を唱えず、現実とかけ離れた議論で取り繕う。「実習生は労働者だ!」と声を上げる人はいない。

 本来、介護人材の確保は、日本人の待遇改善も含めた総合的な視野で考えなければならない。その上で外国人が必要ならば、制度を作って受け入れればいい。「実習生」とごまかす限り、外国人材の活用と国内の雇用保護を両立させるための建設的な議論は封じられる。現実の課題から目を背け、小手先の対応を続けるのはあまりに無責任だ。

 制度の存続は、外国人労働者を苦しめるだけでなく、日本の将来をゆがめかねない。

 人口減少という転換期を迎えた日本は、既に外国人の支えなしに社会が成り立たなくなっている。5年後の東京五輪も、実習生を活用して人手を確保しなければインフラ整備が追い付かないと見込まれる。国籍や性別、世代を超えて知恵や力を出し合う「多様性」の社会を構築しなければ、産業界の発展も難しくなるだろう。実習生と同じ程度の短期就労を制度化し、外国人を社会の担い手として正面から迎え入れる総合的な政策を考える時期に来ている。

 関連法案を審議する今国会を、急場しのぎの対応を議論する場に終わらせてはならない。移民社会の入り口に立つ現実を直視し、日本人と外国人が共生する将来像について真摯(しんし)に話し合う姿勢が、政治家に求められている。


« 外国人労働者問題、技能実習制度問題、人身売買問題:毎日新聞記事のクリップ | トップページ | 本当の思いつき:ニュースで国に言及するときの傾向を調べる? »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/83801/61167527

この記事へのトラックバック一覧です: 外国人技能実習問題:読んでないけど取り急ぎクリップ:

« 外国人労働者問題、技能実習制度問題、人身売買問題:毎日新聞記事のクリップ | トップページ | 本当の思いつき:ニュースで国に言及するときの傾向を調べる? »