本日のクリップ
●出来レース?というか茶番?
時事ドットコム:政府・自民が「譲歩」演出=公明は成果強調-安保法制(2015/03/18-20:26)
・公明党の北側代表、公明党の会合で一任の取り付けに成功。
・北側氏、「政府の主張が後退したところもある」と「成果」を強調
・首相官邸、事前に「高めのボールを投げろ」と指示、政府案で「無理」を見せて公明党に譲歩する筋書きを設定。
・公明党が歯止めをかける「見せ場」を演出、政府・自民党がしっかり「実」を取った。
滅びの道に手を貸しながら、自らは正義の味方を演出する。これぞ公明党の真骨頂ですね。自民党も先刻ご存じ。
安全保障法制の大枠に関する自民、公明両党の協議が18日、事実上決着した。自衛隊の海外活動拡大に当たり、安倍政権の「ブレーキ役」を自任する公明党が、党の主張がある程度反映されたと評価した。政府・自民党は与党協議で、公明党がのめない難題を次々と繰り出し、その都度「譲歩」する形で合意に持ち込んだ。
与党協議会で座長代理を務める公明党の北側一雄副代表は18日、与党合意について記者団に「政府の主張が後退したところもある」と「成果」を強調した。北側氏はこれに先立つ党の会合で、合意案について「必ずしも断定的、確定的に書いているわけではない」と説明。出席者から反対意見はなく、今後の対応に一任を取り付けた。
2月13日に再開され、6回を数えた与党協議は、政府案を公明党が押し返すパターンで進んだ。与党合意案では、自衛隊員の安全確保など3原則が法整備の前提と位置付けられ、政府が当初検討した周辺事態法の廃止や、強制性を伴う船舶検査、他国軍と物資を融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)の締結手続き省略は見送られた。いずれも公明党の要望を入れたものだ。
一方、与党協議に携わった政府関係者は、公明党に政府案を示すに当たり、首相官邸から「高めのボールを投げろ」と指示を受けており、譲歩は想定内だった。最初に公明党の許容範囲を超える提案をすることで、同党がこれに歯止めをかける「見せ場」を演出。政府・自民党がしっかり「実」を取ったというわけだ。
新たな恒久法に基づく自衛隊派遣の要件として公明党が明記を求めた「国連決議」は、合意案では「国連決議に基づく、または関連する国連決議がある」との表現で盛り込まれた。国連総会決議を想定している。政府・自民党は、安保理常任理事国の中国やロシアの拒否権行使で決議が阻まれる事態を懸念しており、安保理決議に限定しないことで折り合った。
与党協議に当たり政府・自民党は、昨年7月の閣議決定を公明党が容認した時点で「決着済み」(政府関係者)と捉えていた。ただ、法案の具体的な条文が閣議決定の枠内と読めなければ、公明党の同意は得られそうにない。ぎりぎりの調整作業は、政府が法案の原案を策定するのを待って4月中旬に再開する協議に持ち越されそうだ。
●(異議あり)松陰の「行動」への賛美、実は危うい 儒教思想を研究する小島毅さん:朝日新聞デジタル(2015年3月19日05時00分)
吉田松陰がテロを信奉する狂信的な天皇教信者で、現代につながる巨大な禍根を作ったことは良く知られていますよね。
だからNHKが吉田松陰をねじれた形で取り上げたのは、国家主義的圧力に押された苦肉の策だったのかなあと勘ぐっています。全く見る気がしないドラマですが。さて。
今年の大河ドラマ「花燃ゆ」は、吉田松陰の松下村塾が舞台。安倍晋三首相も、地元・長州が生んだ松陰が大好きだ。「新しい日本の礎を築いた人」という松陰像に、中国思想史を研究する小島毅さんは異論を唱える。松陰の掲げた「正義」や「行動」は、実は危うさをはらんでいたのではないか、と。その理由を聞いてみた。■通じない相手を敵とみなし、テロにつながる。相手の正義も想像しよう
――安倍首相は2月の施政方針演説で、吉田松陰の「知と行は二つにして一つ」を引用し、「この国会に求められていることは、単なる批判の応酬ではありません。『行動』です」と述べました。
「松陰の称揚は明治時代に遡(さかのぼ)ります。維新という『革命』を正当化するために明治政府は『行動を起こしたことは正しい』と刷り込みを行った。行動の人として西郷隆盛、木戸孝允、大久保利通の『維新三傑』を顕彰し、後から松陰と坂本竜馬が加えられたのです。『考えるだけではだめ、行動こそ重要』という考えが広まりました」
――松陰たちの「行動」が明治政府をつくったと。
「ただ、そこには矛盾があります。行動によって体制の打倒に成功すると、今度は自分たちの新しい体制を守るために、ときには『行動の人』を敵と見なさざるをえなくなる。ひとたび行動が反体制に向かえば、容易にテロリズムにつながるからです」
――松陰は幕府の老中、間部詮勝(まなべあきかつ)を暗殺しようとして死刑となりました。弟子の高杉晋作や久坂玄瑞は英国公使館を焼き打ちしました。
「そう、松陰は、自分の愛(まな)弟子の伊藤博文をハルビンで暗殺した朝鮮人の安重根と似た立場の人だったんです。明治政府は、いわばテロを企てた人を顕彰したことになる」
――明治政府が行動を重視し、松陰を顕彰したなら、それが第2次大戦後まで受け継がれたのはなぜでしょう。
「戦後、松陰の評価が巧みに書き換えられたからです。松陰の行動の根幹は尊王思想です。天皇にふたたび政治の実権をとってもらうことが大事で、『日本の夜明け』は二次的なものでしかなかった。戦後は尊王思想の部分が隠されて、『行動』だけがクローズアップされました」
*
――安倍首相が引用した「知行合一(ちこうごういつ)」は、儒教の陽明学の思想ですね。
「松陰が陽明学者と見なされるようになったのも明治以降です。そもそも江戸時代、陽明学はほとんど力を持ちませんでした。陽明学を有名にしたのは、幕府への反乱を起こした大塩平八郎で、彼のせいでむしろ危険思想と見なされていたのです。陽明学の『知行合一』が重んじられるのは明治維新後のことです」
――なぜ日本人はそこまで行動を重視したのですか。
「行動の重視は日本人だけの特性ではありません。ISこと『イスラム国』も行動を重視しているでしょう。ただ、日本における思想の根付き方として、体系的な理論よりも、何をすべきなのかわかりやすいものを求めがちです。陽明学もそうしたかたちで受け入れられた。理想を実現するために、地道な言論によって人々を感化するのではなく、直接行動するという考え方が強くありました」
――その理想とは何だったのでしょうか。
「一言でいえば『日本国の存続』です。天皇を中心とした挙国一致体制をつくり、西欧勢力の進出に対抗する。日本を一等国にするという目標のために、『日本のすばらしさ』が強調される。それが昭和20年の決定的敗戦でも終わらなかったところに、今に続く問題があると思います」
「バブル崩壊後、ジャパン・アズ・ナンバーワンとおだてられていた時期に戻りたいと多くの国民が思った。しかし現実には、中国に経済力で追い越されました。その状況に耐えられず、『日本のすばらしさ』を顕彰しようというムードが再燃したのでしょう。『すばらしさ』の象徴として松陰が称揚され、ことあるごとに松陰を引き合いに出す安倍首相が支持される」
――松陰的なリーダーを求める空気があると。
「近代の日本にも、大久保利通や伊藤博文など、松陰的ではないリーダーはいました。ただ、彼らも表面上は松陰的に振る舞わないと支持を得られない。本来、政治はだまし合いの世界であるはずなのに、策を弄(ろう)する政治家は嫌われ、誠心誠意の人をリーダーにしようとする。危ういことだと思いますね」
*
――『行動』の理由が善意や正義でなくてはいけない。
「中国に対する侵略戦争にしても、当事者たちは欧米列強や蒋介石の国民政府からの解放、あるいは赤化の防御と主張したわけです。善意でやっていることが恐ろしい。自分が正しいと思うことを他者もそう思うとは限らないという認識が欠けていた。海外の思想を、細かい論理のあやをすっ飛ばして受容してきたツケかもしれません」
――安倍政権が唱える「テロとの戦い」も、正義と善意が前面に出ています。
「松陰的な思考だと、自分の善意が相手に通じないとき、相手を攻撃するだけになる。『他者』の存在を認め、その『痛み』を理解すれば、テロリストたちがなぜ残虐なことをするのかも想像することができる。決して共感する必要はないのですが、彼らには彼らの正義があり、松陰の『やむにやまれぬ大和魂』ならぬ『やむにやまれぬムスリム魂』で行動しているのかもしれない。それを最初から全否定すれば、つぶすかつぶされるかしかない」
――彼らの中にも「吉田松陰」がいて「松下村塾」があるのかもしれない。
「そうです。それを理解する想像力が大切です」
◇
こじまつよし 52歳 62年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は儒教思想。東アジア海域文化という視座から、日本史の新たな読み直しも行っている。主な著書に「近代日本の陽明学」「増補 靖国史観」「父が子に語る日本史」など。
■吉田松陰と陽明学
吉田松陰は1830年、長州(山口県)生まれ。通称は寅次郎。家学である山鹿流兵学を修めたが、後に洋学者・佐久間象山に師事。54年、外国への密航を企て、下田に停泊中の米国ペリー艦隊の軍艦へ乗り込もうとするが失敗。長州・萩の牢獄に入る。
出獄後、萩郊外の私塾・松下村塾で、高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、山県有朋らを教える。幕府の老中・間部詮勝の暗殺を企てた罪により、59年、江戸で刑死した。
松陰はもともと軍学者・洋学者だったが、中国・明代の儒学者・政治家だった王陽明(1472~1528)の思想である「陽明学」の影響を強く受けたとされ、「知行合一」を重視した。
■取材を終えて
今、「2015年の松下村塾」があったらどうだろう。松陰のような理想を掲げる指導者のもと、「意識高い系」の若者たちが天下国家を論じる姿を想像すると、なんだかちょっとイヤじゃないですか。今回、小島さんが「松陰の立場はテロリストと同じ」と断じるのを聞いて、松下村塾がやたらもてはやされることへの違和感の理由がわかったような気がする。松陰の「正義」と「善意」は、けっこう迷惑なのだ。(尾沢智史)
●愚かとしか言いようがない。
全モザイク・無音で「公開」 西宮の報道取材ビデオ撮影:朝日新聞デジタル(2015年3月19日09時38分)
公務員試験ってそれなりに難しいし、能力も常識もある人が中心の組織のはずなんですが、こんな馬鹿らしい決定を堂々とやってしまう。組織ってすごいなあ、組織理論って大事だなあって思わされる事例がまた増えました。西宮市役所の担当者の方々は恥ずかしくないのかね。
兵庫県西宮市が報道機関の取材をビデオ撮影している問題で、市は18日、すでに撮影したテレビ局の取材の映像5件を部分公開する方針を示した。情報公開請求した朝日新聞などに通知した。報道機関や記者の名前、取材を受けた部署、取材内容などを非公開とする。市によると、ほぼ全面にモザイクをかけて音声もなくし、取材の日時と所要時間だけが分かる映像になるという。市広報課によると、市の情報公開条例にもとづき、記者や市職員らは特定の個人が識別できる個人情報に当たる▽報道機関名や記者名、取材内容は、公開されるとその報道機関にとって競争上、不利益となりかねない――と判断し、部分公開にした。23日に加工を施した動画を公開する。
今村岳司市長は今年1月、一部の市政に関するテレビ報道が「偏向報道にあたる」として、テレビ局による取材を市職員が撮影する方針を表明。その後、新聞社の取材にも拡大するほか、映像を公文書として公開する方針を示していた。(半田尚子)
●双方向性と公開性があるメディアだからこそできた新たなジョークパターン。
はてなブックマーク - yubascript — 「人を馬鹿にしたブロックくずし」に見る「努力」への敬意を忘れたインターネット世界
「mizchi これにマジレスしてコンテンツが完成する感じ」
このコメントが全て。
悪のり、マジレス含めて全体で一つのジョークになっている。秀逸。
●これこそ「私はシャルリ」と叫ぶべき案件
仏「シャルリ・エブド」 福島第一原発を風刺か NHKニュース(3月19日 5時54分)
1.風刺画の概要→「黒みがかり、煙が立ち上る福島第一原発とみられる建物の前で、防護服を着た2人が巨大化した鳥の足跡を見て「ことし最初のツバメだ」と話す。」
2.在仏日本大使館→「大使館としてどのような対応を取るか検討している」とコメント。
3.2年前には新聞「カナール・アンシェネ」が福島第一原発に絡めて、腕や足が3本ある力士が土俵で立ち合っている風刺画を掲載し、日本大使館が抗議した。
・原発事故の風刺漫画→躍起になって抗議。
・慰安婦問題を否定する極右の国辱的スラップ訴訟→訴訟を励まして協力。
・慰安婦問題を取り上げた国際漫画展→躍起になって抗議。
・日の丸を床に投影して道案内にした博物館→抗議。
日本政府って肝が小さいというか小人物というか、全く尊敬の念を持てない存在ですね。情けなくなるほどに卑小な国家。
ことし1月に襲撃を受けたフランスの新聞「シャルリ・エブド」は、18日に発売した最新号で、東京電力福島第一原子力発電所を題材にしたとみられる風刺画を掲載しました。
18日付けのフランスの新聞「シャルリ・エブド」に掲載された風刺画は、「春が来た」と題され、3枚構成のうちの1枚にはアルファベットで「fukushima」と書かれています。
そして、黒みがかり、煙が立ち上る福島第一原発とみられる建物の前で、防護服を着た2人が巨大化した鳥の足跡を見て「ことし最初のツバメだ」と話しています。
これについてフランスの日本大使館は、「事実関係を確認のうえ、大使館としてどのような対応を取るか検討している」とコメントしています。
「シャルリ・エブド」は時事問題を風刺を利かせた漫画や記事で伝えることで知られ、ことし1月には新聞社で2人組の男が銃を乱射して、編集長や風刺画家など12人が殺害されました。
フランスでは2年前にも、新聞「カナール・アンシェネ」が福島第一原発に絡めて、腕や足が3本ある力士が土俵で立ち合っている風刺画を掲載し、日本大使館が抗議しています。
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