沖縄の2紙をつぶせについて:とりあえず記録。
安倍氏:「「報道が事実なら大変遺憾だ」「報道の自由は民主主義の根幹をなすもので、尊重するのは当然だ」
谷垣氏:「血の気の多い人たちが、血の気が多くなりすぎて発言が右であり左であることは時々ある。クールマインドでやっていただきたい」
首相の露払いというか鉄砲玉というかの百田氏がおなじみの突出発言。
それに対して親分が「まぁまぁ、若い衆が調子に乗って」的に収めにかかるという、相変わらずの田舎芝居。
百田氏にしゃべらせる自民党の若手も含めてこうやって露払いをしつつ「穏健で理性的な安倍政権」を演出するという現象が自生的に出現しているのがちょっと興味深いが、しみじみと「保守派」の気持ち悪さがにじみ出ているなあ…と。
百田氏発言:安倍首相「事実なら大変遺憾だ」 - 毎日新聞(2015年06月26日 12時56分(最終更新 06月26日 14時31分))
◇「沖縄2紙をつぶせ」 平和安全法制特別委の集中審議でそれにしても、自民党の25日の勉強会で、安全保障関連法案に関して作家の百田尚樹氏らから「沖縄2紙をつぶせ」など報道機関に圧力をかけるような発言が出た問題で、安倍晋三首相は26日午前の衆院平和安全法制特別委員会の集中審議で「報道が事実なら大変遺憾だ。(勉強会は)党の正式会合ではない。有志の会合だ。発言がどのように報道されたかは確認する必要がある」と述べた。
首相は事実関係を確認していないとしたうえで、「党において、さまざまな議論が行われる。基本的には自由と民主主義を大切にするので、報道の自由は民主主義の根幹だと言うことでの議論だと思っている」と理解を求めた。
勉強会に参加した加藤勝信官房副長官は「(百田氏は)作家としての立場で話していた。そうした視点の意見は拝聴に値すると思った」と理由を説明した。
菅義偉官房長官は26日午前の記者会見で「我が国は憲法で表現の自由が保障されている」と強調。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設を巡り政権批判を強める琉球新報と沖縄タイムスについては「地元メディアの報道は許された自由だと考える」と述べた。
加藤官房副長官の出席については「政治家としての自由で、制約すべきでない」と問題視しない考えを示した。
政権内からも会合への批判が出ている。石破茂地方創生担当相は「我々は政権の側にいる。言論の弾圧と受け取られかねないようなことは心していかねばならない」と批判。山口俊一沖縄・北方担当相は「自民党本部でやった会合。場所柄を考えていただきたい」と述べた。宮沢洋一経済産業相も「報道の自由を脅かすようなことは適当ではない」と述べた。
与党内でも懸念する声が上がっており、谷垣禎一幹事長は26日午前の記者会見で「メディアに対して批判、反論はあっていいが、主張の仕方にも品位が必要だ」と苦言を呈した。公明党の井上義久幹事長も記者会見で「政治に関わる者としては言論、報道の自由はしっかり尊重すべきだ」と批判した。
また、民主、維新、共産3党は26日午前の衆院平和安全法制特別委員会の理事会で、会合について抗議した。自民党側は陳謝した。
民主党の長妻昭氏によると、自民党の江渡聡徳筆頭理事が「謝罪する」と述べ、浜田靖一委員長も「しかるべき人に注意したい」と語った。
浜田靖一委員長は26日午後の特別委冒頭で、百田氏らの発言について「確認したところ、そのような趣旨の発言があったことが分かった。私としては、はなはだ遺憾であると存じている」と述べた。【高本耕太、村尾哲】
安倍氏:「報道が事実なら」とか「党の正式会合ではない」とか「発言がどのように報道されたかは確認する必要がある」
とか、弁護と歪曲への欲望がにじみ出ている。こういうときには絶対に「言語道断」とか言わない。
加藤官房副長官:「拝聴に値すると思った」
が論外なのは言うまでもないし、こんな発言が許されるのが今の惨状だが、
菅官房長官:「地元メディアの報道は許された自由だ」
とか、そもそも「自由」は許されて得るものではないのに相変わらず強権的な人である。
石破氏:「言論の弾圧と受け取られかねないようなことは心していかねばならない」
というが、「受け取られかねない」ではなくて弾圧そのものだし、そもそもこの人自身、公安の許可を得ているデモを「テロ」呼ばわりした人物で、「どの口が言ってるのか?」という話。
山口氏:「場所柄を考えていただきたい」
党内集会でなければいいという発言。つまり話の趣旨には賛成なのだろう。
谷垣氏:「主張の仕方にも品位が必要だ」
上品に弾圧しましょうと言わんばかり。
こうしてみると、党執行部に抵抗できる人とそうでない人とが浮き彫りになるような気がする。おそらく党内の立場も関係しているのだろう。
ユーゲントやSSなどが過激に傍若無人に振る舞って、それをナチス上層部が「遺憾である」と言ってみせているような構図である。
首相「報道の自由は尊重」 百田氏発言「沖縄紙つぶせ」:朝日新聞デジタル(2015年6月26日13時45分)
安倍晋三首相に近い自民党の若手議員による勉強会「文化芸術懇話会」(代表=木原稔・党青年局長)の25日の初会合で、講師役で首相と親しい作家の百田尚樹氏が、政権に批判的な沖縄の地元紙について「沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん」などと発言していたことが分かった。首相は26日の国会審議で、こうした発言について「報道の自由は民主主義の根幹をなすもので、尊重するのは当然だ」と述べた。安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会で、民主の寺田学氏がこうした発言を問題視。浜田靖一委員長が自民党に聞き取りし、事実関係を確認した。
参加者などによると、会合では、出席議員が米軍普天間飛行場の移設問題で政権に批判的な沖縄タイムスと琉球新報を挙げ、「沖縄の特殊なメディア構造を作ったのは戦後保守の堕落だ。左翼勢力に完全に乗っ取られている。沖縄の世論のゆがみ方を正しい方向に持っていく」と主張した。
これに対し、百田氏は「沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん。沖縄県人がどう目を覚ますか。あってはいけないことだが、どこかの島でも中国にとられてしまえば、目を覚ますはず」と語った。
さらに百田氏は「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。周りに何も無い。そこに商売になるということで住みだした。そこを選んで住んだのは誰やねん」「沖縄は本当に被害者やったのか。そうじゃない」などと語ったという。
このほか、出席議員からは、政権に批判的なメディアに関し「マスコミをこらしめるためには広告料収入がなくなるのが一番。経団連に働きかけて欲しい」などの声も出た。
これを受け、民主党、維新の党、共産党の野党3党は26日、特別委の理事会で、百田氏らの発言や、その場に加藤勝信官房副長官が出席していたことを問題視して抗議。民主によると、自民の江渡聡徳理事が謝罪したという。
「沖縄の地元紙、左翼に乗っ取られている」 自民勉強会:朝日新聞デジタル(2015年6月26日11時38分)
安倍晋三首相に近い自民党の若手議員が立ち上げた勉強会「文化芸術懇話会」(代表=木原稔・党青年局長)の25日の初会合で、出席議員が、沖縄の地元紙について「左翼勢力に完全に乗っ取られている。沖縄の世論のゆがみ方を正しい方向に持っていく」と発言していたことが分かった。出席議員は米軍普天間飛行場の移設問題で政権に批判的な沖縄タイムスと琉球新報をあげて「沖縄の特殊なメディア構造を作ったのは戦後保守の堕落だ。左翼勢力に完全に乗っ取られている」などと批判した。
出席者などによると、講師役として招かれた、首相と親しい作家の百田尚樹氏は「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。そこを選んで住んだのは誰やねん」「沖縄は本当に被害者やったのか。そうじゃない」などと答えたという。
このほか、政権に批判的なメディアに関し「マスコミをこらしめるためには広告料収入がなくなるのが一番」などの声も出た。
これに対し、民主、維新、共産の野党3党は26日、安全保障関連法案を審議する衆院特別委の理事会で、若手議員の発言を問題視して抗議した。
自民の谷垣禎一幹事長は26日の記者会見で「血の気の多い人たちが、血の気が多くなりすぎて発言が右であり左であることは時々ある。クールマインドでやっていただきたい」と話した。
「経団連に働きかけ、マスコミ懲らしめを」 自民勉強会:朝日新聞デジタル(2015年6月25日22時56分)
安倍政権と考え方が近い文化人を通し、発信力の強化を目指そうと、安倍晋三首相に近い若手議員が立ち上げた勉強会「文化芸術懇話会」(代表=木原稔・党青年局長)の初会合が25日、自民党本部であった。出席議員からは、広告を出す企業やテレビ番組のスポンサーに働きかけて、メディア規制をすべきだとの声が上がった。出席者によると、議員からは「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番。経団連に働きかけて欲しい」「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」など、政権に批判的な報道を規制すべきだという意見が出た。
初会合には37人が参加した。官邸からは加藤勝信官房副長官が出席し、講師役に首相と親しい作家の百田尚樹氏が招かれた。同会は作家の大江健三郎氏が呼びかけ人に名を連ねる「九条の会」などリベラル派に対抗するのが狙い。憲法改正の国民投票まで活動を続けたい考えだという。
産経新聞は気持ち悪いので普段は見ないのだけれど、その記事によると、この「文化芸術懇話会」は、
芸術家との意見交換を通じ「心を打つ『政策芸術』を立案し、実行する知恵と力を習得すること」を目的としているとのこと。
安倍首相支持の勉強会「文化芸術懇話会」が発足 - 産経ニュース(2015.6.25 21:55)
自民党の若手国会議員有志は25日、芸術家を講師に招いて意見交換する勉強会を発足させた。出席者には、安倍晋三首相(自民党総裁)に近い議員も多く、9月の総裁選を前に首相の無投票再選の機運を高める狙いがある。産経記事が内容に全く触れていないのが笑える。新勉強会は「文化芸術懇話会」。設立趣意書によると、芸術家との意見交換を通じ「心を打つ『政策芸術』を立案し、実行する知恵と力を習得すること」を目的としている。
この日、党本部で開いた初会合には加藤勝信官房副長官や薗浦健太郎外務政務官、萩生田光一総裁特別補佐ら首相を支持する議員を中心に37人が出席、作家の百田尚樹氏の講演に耳を傾けた。
代表に就任した木原稔党青年局長は会合後、記者団に「党所属国会議員として、党や政府が進めようとしていることを後押しするのは当然だ」と強調。総裁選に向け、首相の「応援団」として活動するとみられる。今後は月1回のペースで会合を開催する予定。
一方、党内のリベラル系議員による勉強会「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」も同日、漫画家の小林よしのり氏を講師に招いて会合を開く予定だったが、「運営上の都合」(同会)により急(きゅう)遽(きょ)中止した。
しかも自民党の「リベラル系」と自称する人たちが呼んだ講師が小林よしのりだというのが輪を掛けてひどい。自民党って本当にファナティックな極右集団になったのだなあ…という思いを深くする。それが国会の多数派を占めている我が国の現状。
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 日本大使館、正しい日本理解「日本は検閲の国」というイメージ広報に成功。(2019.11.06)
- 伊勢市教委、日本の戦争責任批判・犠牲者の鎮魂は許さないという姿勢を明瞭にする。(2019.10.31)
- 歴史修正主義の走狗となりアメリカで破廉恥な圧力を掛ける日本外務省(2019.10.30)
- 反天皇や日本の戦争責任を問う展示は中止、朝鮮人差別の展示は続行。(2019.10.28)
- 朝鮮学校の無償化訴訟、東京と大阪で敗訴が確定。(2019.09.03)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント