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2015/06/16

「潮目が変わった」のか単に学者が叫んでいるだけになるかは、我々国民次第。

報道ステーション 憲法学者に聞いた~安保法制に関するアンケート調査の最終結果

自由記述のコメントで、「自衛隊が憲法違反だというのが多数派だ」というものがあった。へー、やっぱりそうなんだ。

いくつかのコメントを見ると、

1.集団的自衛権を防衛政策上必要と見なすかどうかは別にして、
2.今回上程されている安保法案が憲法に反するのは疑いない。
3.したがって、集団的自衛権を認めるためには改憲が必要。

という考え方が中心ということのようで、ほぼこれまでの各社の報道の通りの印象。
結局、政府として取るべき正当な手段は改憲だということだろう。

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考えてみると、このアンケートは菅氏が「合憲だという学者は沢山いる」と述べたことがきっかけになったようなものだから、菅氏からすれば苦々しいの一言だろう。さらに元をたどると衆院憲法審査会の参考人招致がきっかけだったわけで、
・この制度があったこと
・自民党が露骨な参考人選びをしなかったこと
・民主党の中川氏が安保法案について質問したこと
が契機になっている。
自民党としては
・安保法案の解釈が話題になることが想定外だった
・自党が選んだ参考人が、まさか自党の見解に反することをいうとは思わなかった
ということだったらしいので、油断というかおごりというかがあったのかもしれない。数でごり押しできる勢力を持っている上に強権的な政権・党執行部を持っているので、気がゆるんでいるというか視野狭窄に陥っていたということかもしれない。

ともあれ専門家集団の公的な意見表明の機会が生まれたことは、瓢箪から駒というか、まあ良かったことではないか。

専門家というのはあまり先日の政治問題にはコミットしないものだが、憲法の専門家集団が今回やっと声を上げたわけである。
現状、国会は改憲の発議ができるぐらいに改憲派が多く、集団的自衛権を含む軍備強化・戦争容認は基本的な論調になっている。さらに、現政権はこの法案をごり押しするつもりらしいし、それは実際にできる情勢にある。
従って、状況は非常に良くないのだが、それでも学者は声を上げたわけで、それを生かせるかどうかはわれわれ国民の意思表明次第であろう。

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安全保障関連法案に反対する学者の会
安保関連法案に反対する憲法研究者
上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場

衆院審査会:「安保法制は憲法違反」参考人全員が批判 - 毎日新聞2015年06月04日 21時34分(最終更新 06月04日 23時19分)

 衆院憲法審査会は4日、与野党が推薦した憲法学者3人を招いて参考人質疑を行った。この日は立憲主義などをテーマに議論する予定だったが、民主党の中川正春元文部科学相が、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案について質問したのに対し、全員が「憲法9条違反」と明言した。政府・与党は今国会で、関連法案の必要性を丁寧に説明して国民の理解を得ようとしているが、専門家から批判的な見解が示されたことで、今後の審議への影響を懸念する声も出ている。
 ◇「解釈、整合性確保」官房長官

 参考人は、自民党、公明党、次世代の党推薦の長谷部恭男氏、民主党推薦の小林節氏、維新の党推薦の笹田栄司氏。自民党の委員に続いて質問に立った中川氏は「先生方が裁判官なら安保法制をどう判断するか」と各氏の見解を聞いた。

 長谷部氏は集団的自衛権の行使容認について「憲法違反だ。従来の政府見解の基本的枠組みでは説明がつかず、法的安定性を大きく揺るがす」と指摘。「外国軍隊の武力行使と一体化する恐れが極めて強い」と述べた。

 小林氏も「憲法9条は海外で軍事活動する法的資格を与えていない。仲間の国を助けるために海外に戦争に行くのは憲法違反だ」と批判した。政府が集団的自衛権の行使例として想定するホルムズ海峡での機雷掃海や、朝鮮半島争乱の場合に日本人を輸送する米艦船への援護も「個別的自衛権で説明がつく」との見解を示した。

 笹田氏は従来の安保法制を「内閣法制局と自民党が(憲法との整合性を)ガラス細工のようにぎりぎりで保ってきた。しかし今回、踏み越えてしまった」と述べた。

 これに対し、安保法制に関する与党協議会で公明党の責任者だった北側一雄副代表は「9条でどこまで自衛の措置が許されるか、(憲法解釈を変更した)昨年7月の閣議決定に至るまで突き詰めて議論した」と反論。憲法上許される自衛の措置には集団的自衛権も一部含まれるという見解を示して、違憲ではないと強調した。

 これに関連し、菅義偉官房長官は4日の記者会見で「憲法解釈として法的安定性や論理的整合性が確保されている」としたうえで、「まったく違憲でないという著名な憲法学者もたくさんいる」と述べた。

 しかし、3人の参考人がそろって安保法制を批判したことに、自民党国対幹部は「自分たちが呼んだ参考人が違憲と言ったのだから、今後の審議に影響はある」と認めた。一方、民主党の長妻昭代表代行は会見で「本日の憲法審査会での議論を踏まえて質疑する」と述べ、5日に再開する衆院平和安全法制特別委員会で政府を追及する考えを示した。【田中裕之、高橋克哉】

 長谷部恭男氏(はせべ・やすお)早稲田大大学院法務研究科教授。東京大卒。著書に「憲法と平和を問いなおす」など。

 小林節氏(こばやし・せつ)慶応大名誉教授。慶応大卒。著書に「白熱講義! 集団的自衛権」「憲法改正の覚悟はあるか」など。

 笹田栄司氏(ささだ・えいじ)早稲田大政治経済学術院教授。九州大卒。著書に「司法の変容と憲法」「実効的基本権保障論」など。


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