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2015/06/12

自民党村上誠一郎氏の日弁連集会での発言から

「あまりに傲慢」自民・村上議員が「安保法制反対集会」で自民党執行部を批判(全文)|弁護士ドットコムニュース(2015年06月10日 15時47分)

本論である安保法制のことではなく、「へぇー、そうなんだ」と思ったところをメモ代わりに抜粋しておく。

ところが昨今、やはりこれもマスコミの人に反省してほしいんですが、小選挙区になって、公認と比例と、人事まで党幹部に握られてしまって、なかなか昔のように自分の考えていることが言いにくくなってしまいました。
小選挙区制は自民党偏重のゆがみが強く出る制度であったというだけでなく、自民党内部の力関係も変化させる効果があったと。そしてそれは中央集権型だったという指摘。

28年前には(※1985年に国会提出されたいわゆる『スパイ防止法案』について)、大島(理森)さんや谷垣(禎一)さんまでが「おかしい」と言って廃案にしたんです。ところが(2013年の特定秘密保護法については)、いちばん被害を受けるというか、当事者であるマスコミの人たちが、最後の総務会で私が指摘するまで、誰も指摘しなくなった。
大島や谷垣がスパイ防止法案には反対していたが、特定秘密保護法になると考えを変えたという話。
それからもう一つ、バッジを付けている先生方も反省してほしいのは、去年の公務員法の改正ですよ。私は最後まで反対した。なぜならば、600人の人事を全部官邸に持っていった。こうなれば官僚諸君は、もう正論も本音も言わなくなるよ。私は最後まで総務会で抵抗したんですが、これも官邸の意向ということで通ってしまった。案の定、それから、公務員は正論も本音も言わなくなりました。
これは知らなかったが、官邸≒自民党執行部に結局権力が集中する構造が徐々に作られてきているという話。 こういう構造的な問題は一見地味だがその効果は実は絶大でしかも長期に及ぶことが多いので、こういう指摘があることは知っておいても良い。 また、こういう中央集権的な構造変化が現在の安倍内閣の「暴走」を支えている(即ち、それは内閣支持率を下げるような世論喚起も難しくなっているという点も含めて)ということがあるかもしれない。だとすると、現在の状況は徐々に準備されてきたことだということにもなり、その多数の小さな準備を阻止できなかったという問題にもなる。
それから、もう1点。来年から18歳の人たちが有権者になります。私は、次の世代が気の毒です。 このままでいけば、財政がおかしくなる、金融がおかしくなる、社会保障もおかしくなる。 そのうえ、地球の裏側まで行くことになる。
村上氏は要するに現在の内閣の政策全般に反対的だということらしい。
私は、父の言ったことが自分の政治命題だと考えております。
結局二世議員は先代の思想を引きずるものなのか…という印象。その点では安倍氏が祖父の遺志を継ごうとしていることに重なる。
結論はどういうことかと言いますと、もしこういうことで突破されれば、次の世代は、アメリカの要求を断ることもできません。歯止めもありません。
これは「制度がないのでできません」という、形式に仮託してお断りするという技が使えなくなるということだろうが、つまり、アメリカという国は、日本にとって「嫌です」と言うことがほとんど不可能な、それほどまでに要求を断りにくい相手だということのようだ。これは即ち、日本はアメリカの属国、植民地のようなものだという認識なのだろう。
不肖・村上誠一郎が、ただでさえやせ細った身体で、国会に来て必死にお願いをしたのは、後輩である(福島)瑞穂先生が、体重では負けないだろうからというんですが・・・。
政治信条では全くそりが合わない、水と油、犬猿の仲だろうと思っていたのだが、それでも福島氏のことを「瑞穂先生」と呼ぶあたり、弁護士仲間ということなのか、議員同士の同僚感覚ということなのか。いずれにせよ国会議員の仲間感覚を少し垣間見られて興味深い。

なお、Wikipediaの記述によれば、

1.外国人参政権には反対、女性宮家には反対、日本会議メンバー。紛れもないタカ派だろう。
2.その一方で、原発再稼働には慎重派、特定秘密保護法には反対、そして今回の集団的自衛権への反対意見。

なかなか面白い。
……まあ、原発も特定秘密保護法も集団的自衛権も、明確に反対しているわけではなくて、「拙速だ」という言い方のようだけれども。


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