国際政治学者らによる声明
「日本が過ち、潔く認めるべきだ」学者ら74人が声明:朝日新聞デジタル(2015年7月17日16時26分)
安倍晋三首相がこの夏に出す戦後70年の「安倍談話」について、国際政治学者ら74人が17日、「日本が過ちを犯したことは潔く認めるべきだ」とする共同声明を発表した。侵略や植民地支配への反省を示した1995年の村山富市首相の「村山談話」の継承を強く求めた。文化勲章受章者の政治学者である三谷太一郎・東京大名誉教授、国際法学者の大沼保昭・明治大特任教授らが17日午前、東京都千代田区の日本記者クラブで記者会見し、発表した。
声明では、戦後日本について「戦争で犠牲になった人々への強い贖罪(しょくざい)感と悔恨の念が、戦後日本の平和と経済発展を支えた原動力だった」と指摘。このことは、戦後50年の「村山談話」や、戦後60年の小泉純一郎首相による「小泉談話」に継承されたとの認識を示した。
その上で「村山談話や小泉談話を構成する重要な言葉が採用されなかった場合、これまで首相らが強調してきた過去への反省についてまで関係諸国に誤解と不信が生まれる」とし、「安倍総理が『談話』で用いられる『言葉』について考え抜かれた賢明な途をとられることを切に望む」と求めた。
安倍首相らが「侵略の定義は定まっていない」と述べていることに対しては、「学問的に正しい解釈と思えない」と批判。「日本が遂行した戦争が国際法上違法な侵略戦争だったという国際社会で確立した評価を否定しようとしているとの疑念を生じさせる」と懸念を示した。
大沼氏は「安倍談話について学者の社会的責任として見解を表明すべきだと三谷さんに相談し、日本の学界の明確な意思を示そうと考えた」と説明。大沼、三谷氏ら10人が発起人となり広く呼びかけたという。
会見には、毛里和子・早稲田大名誉教授(中国政治)や小此木政夫・慶応大名誉教授(韓国・朝鮮政治)も出席。声明には緒方貞子・元国連難民高等弁務官、入江昭・米ハーバード大名誉教授(アメリカ外交史)、藤原帰一・東大教授(国際政治)、作家の半藤一利氏や保阪正康氏らが署名している。
安倍首相は戦後70年の節目に「21世紀にふさわしい未来志向の談話を出し、世界に発信したい」としている。戦後50年の95年に当時の村山首相が出した「村山談話」については「全体として引き継ぐ」と語っている。
記者クラブのサイトに声明が掲載されていた。
三谷太一郎氏、大沼保昭氏、毛利和子氏、小此木政夫氏、波多野澄雄氏、石田淳氏 | 会見記録/昼食会/研究会 | 日本記者クラブ JapanNationalPressClub (JNPC)
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