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2015/07/08

リバティおおさかが大阪市から提訴された件

ウサギさんはTwitterを使っています: "リバティおおさか 市が提訴へ http://t.co/4fP92LLNci 元々リバティおおさかが建っている土地は地域の人々が教育施設建設のために市に寄付したものだ。そこに博物館が建てられた。なのに大阪市長である橋下は賃料が払えないのなら出て行けと言ってる。阿漕にもほどがある。"(12:06 - 2015年7月7日)

この土地の経緯について知りたいと思ったが、現在のところネット上では見つけられていない。
リバティおおさかは運営難に陥っていてサポーターを募集している。

提訴関係に関する報道。
まずは読売。
橋下市長が人権啓発の趣旨を分かっていないような発言をしているようだ。
まあ彼は戦争展示や女性の人権啓発へも文句を付ける人なのでさもありなん。しかし単に文句を付けるだけでなくて、権力を実際にふるって言うことを聞かせるのがいかにも彼らしい。

大阪市が人権博物館を提訴へ、展示内容巡り溝 : ニュース : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)(2015年07月07日)

 大阪市が、同市浪速区の人権啓発施設「大阪人権博物館(リバティおおさか)」を運営する公益財団法人に対し、市有地からの同館の退去を求めて、今月下旬にも大阪地裁に提訴する方針を固めたことがわかった。展示内容の変更などを巡って意見がくいちがい、市は無償貸与してきた市有地を4月から有料化したが、財団が支払いに応じなかったという。閉館に追い込まれる可能性もあり、財団は「訴訟は遺憾」としている。

 同館は、大阪府や市、部落解放同盟府連合会などが出資する財団法人・大阪人権歴史資料館(1982年設立、現・大阪人権博物館)が85年に開館した。

 「人権問題の生きた教材、学習の場を提供し、広く人権意識の啓発の場としていく」ことを目的に、展示室やホール、研修室を備え、人種や障害、病気などを理由に差別を受けてきた人々の主張を紹介する映像や文章など約3万点の資料を収蔵。市は開館以来、市有地(約7000平方メートル)を財団に無償貸与してきた。

 学校や企業が見学や研修で利用するケースが多く、人権啓発の観点から府と市は運営費の大半を占める補助金を支出してきたが、2008年に知事に就任した橋下徹大阪市長が「教育現場のニーズに合っていない」と展示内容を疑問視し、市とともに09年度から補助金を削減。財団は生命の誕生の仕組みや職業紹介コーナーを新設するなど展示の見直しもしたが、橋下氏は「差別や人権に特化して、子どもが夢や希望を持てる展示になっていない」とし、府市の補助金(計約1億7000万円)は12年度を最後に全廃された。

 市は市有地の無償貸与も見直し、昨年11月には、今年4月から定期借地契約を結び、賃料など年間約3400万円を支払うよう財団に要求。財団側は「自主運営が困難になる」として減免を求めたが、市は契約の意思がないと判断し提訴に踏み切ることにした。利用者は12年度に約7万7000人、補助金が打ち切られた13年度は約4万2000人、14年度は約3万6000人と大幅に減っている。

 市は「市長が求める展示内容に沿って改善がなされなかったため、財団には自主運営を求めてきた。市有地の有料化は2年間、猶予期間を設けた。一方的な通告ではない」と説明。財団の石橋武理事長は「市は博物館の社会的役割を理解しようとせず、市が支援してきた経緯をないがしろにしている」と話している。

 府市出資の公益財団法人が運営する施設では「大阪国際平和センター」(大阪市中央区)でも09年度、補助金が4割削減。展示を大幅変更し、今年4月に改修オープンした。府・市有地(計約2500平方メートル)は無償貸与されている。

次に、リバティおおさか側の考え方。「博物館用地の歴史的経過」に言及している。
なお、リバティおおさかは運営が困難になっており、サポーターを募集している。

リバティおおさかとは|大阪人権博物館[リバティおおさか]

大阪人権博物館は2015年度からも運営を継続しますので、なお一層の支援と協力をお願いします

 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。本年は大阪人権博物館(リバティおおさか)が大阪人権歴史資料館として1985年12月4日に開館して30周年になります。開館以降、周知のように当館は、今日に至るまで日本で唯一の人権に関する総合博物館としての社会的役割を果たしてきました。
 当館は約3万点におよぶ人権資料の収集・保管をはじめ人権問題の調査研究、人権に関する総合展示と斬新な特別展、企画展の開催、人権問題についての普及活動、ホールでの人間性豊かな文化事業、学校における人権教育や社会における人権啓発との連携などの多彩な事業を推進し、これまで来館者を中心とした総利用者は約153万人を数えています。これらの人権に関わる当館の存在意義と社会的役割は、大阪をはじめ日本国内はもとより国際的にも大きな関心を集め、微力ながら人権意識の伸長に寄与してきたと自負しています。
 しかし2013年度から、大阪市は大阪府とともに当館に対する補助金を全面的に廃止しました。それによって当館では、事業費や管理費のみならず人件費を大幅に削減し、全体の運営費を約半額以下に抑えて自主運営の道を歩むことになりました。そのため入館料と各種の利用料などを値上げし、また新たに企業や団体、個人から寄附金(スポンサー)と賛助会費(サポーター)を募ることによって、自主運営のための自主財源の確保に努めてきました。その結果、2013・2014年度は苦しい状況のなかでも辛うじて運営を継続してきました。しかし昨今の経済状況の悪化が続くなか、寄付金と賛助会費は当初の予想に反して充分な効果をもたらさず、自主運営の継続についてはきわめて厳しい状況となっています。
 これらの状況に追い打ちをかけるように、今年の2月に大阪市より現在の博物館用地を建物を取り壊し、原状回復の上、大阪市に返還するように迫られました。もし、それが出来ないときは「本市としては必要な手続き」をとる、つまり訴訟による裁判を想定しているとしか考えられない姿勢を明らかにしています。
 当館がこれまでに果たしてきた役割と博物館用地の歴史的経過により、大阪市に対しては、引き続き現在の博物館用地のこれまで通りの土地使用料の免除もしくは大幅な削減、そして誠実な話し合いを要望しています。
今年度からは、運営を継続するため、展示など多彩な事業について従来どおりに実施する予定です。しかし経費の大幅な削減のため、開館日を縮小して水曜日から土曜日とします。何かと皆様にはご迷惑をおかけすることもあろうかとは思いますが、運営のための止むを得ざる判断であることをご理解ください。
 また、2015年3月22日に開催した第15回理事会におきまして、理事長には石橋武、専務理事には赤井隆史が新たに就任することになり、これに伴い前理事長の成山治彦、前専務理事の小頭芳明は引き続き理事として財団の運営に関わることになりました。
 4月からについては、「定款の目的達成のための公益的事業を推進している限り、博物館の開館は問題はない」と主務官庁に確認したうえで、これまでどおりの運営を継続することに努めていく所存です。皆様におかれましては、当館への一層の支援と協力をお願いする次第です。

  2015年4月1日

公益財団法人大阪人権博物館
理事長   石橋 武
専務理事  赤井 隆史

大阪市がリバティおおさかに送付した通告。
大阪人権博物館の敷地として使用されている私有地について(2014年11月28日)
リバティおおさかがウェブに公開している。
・貸借契約の更新はしない。
・定借契約を新たに結べ。
・賃貸料はこちらで決める。保証金として6ヶ月分に相当する額を前納せよ。
・10年間賃料支払いができる財務だと当方が認めること。
が要旨。

これは事実上、出て行け=閉鎖せよ、というのに等しい。

次に、毎日新聞。
リバティおおさか:土地明け渡し求め、市が提訴へ - 毎日新聞(2015年07月07日 10時00分)

 大阪市浪速区の大阪人権博物館(リバティおおさか)が市有地の無償貸与を打ち切られた問題で、大阪市は今月中にも、運営する財団法人を相手取り、土地の明け渡しを求めて大阪地裁に提訴する方針を固めた。財団は争う構えだが、訴訟の行方次第では博物館が閉鎖に追い込まれる可能性もある。

 リバティおおさかは1985年、大阪府や市、民間企業が出資する財団が開設した。約6900平方メートルの市有地に建つが、市は「社会教育施設の役割を果たしている」として土地を無償で貸与。固定資産税も免除してきた。しかし、無償貸与は今年3月末で打ち切られ、財団は市有地を不法占拠する状態で運営を続けている。

 きっかけは2012年、橋下徹市長と松井一郎知事が博物館を視察し、「子に夢を与える展示になっていない」と批判したことだ。両氏は行政からの自立を求め、財団への府市の補助金(12年度で約1億6700万円)を13年度に廃止した。

 さらに市は昨年11月、4月以降は無償貸与契約を結ばない考えを財団に伝えた。約2700万円の賃料と約700万円の固定資産税を毎年納めることを土地使用の条件としたが、財団が応じなかったため、市は2月、建物を解体して3月末までに土地を明け渡すよう求めていた。

 朝治(あさじ)武館長は「借地料の減免がないと存続は難しい。交渉に応じず裁判に持ち込むのは乱暴だ」としている。【大久保昂】

大阪人権博物館:賃料不払いなら退去を−−橋下市長 /大阪 - 毎日新聞(2015年02月06日 地方版)

 大阪市が来年度から市有地の無償貸与を打ち切り、賃料を請求する方針の大阪人権博物館(リバティおおさか、浪速区)について、橋下徹市長は5日、「賃料をもらえないのであれば立ち退きを求め、話が進まなければ訴訟をやることになる」と述べた。運営する財団法人は、引き続き賃料免除か大幅減免を市に求めていた。

 同博物館は府と大阪市からの補助金約2億円(08年度)で運営費の大半を賄っていたが、13年3月に打ち切られた。市は市有地の無償貸与も今年度末までとしていた。【寺岡俊】


大阪人権博物館:「賃料免除継続を」市に要求 市、立ち退き訴訟も - 毎日新聞(2015年02月04日 大阪朝刊)
 大阪人権博物館(リバティおおさか、大阪市浪速区)が立地する市有地(約6900平方メートル)について、無償貸与を打ち切り、賃料を請求するとの大阪市の方針に対し、運営する財団法人が、引き続き賃料免除か大幅減免を市に求めたことがわかった。市は、事実上の支払い拒否と受け止め、賃料を支払わず、3月末で無償貸与の契約が切れても移転しない場合、立ち退きを求め訴訟も検討するという。

 財団によると、今年1月、市有地の賃料について、免除の継続か大幅な減免を求め、橋下徹市長宛ての文書を出した。賃料は年間約2700万円で、市は固定資産税と都市計画税計約700万円の支払いも求めている。

 財団は大阪府と大阪市からの補助金約2億円(2008年度)で運営費の大半を賄っていたが、補助金は行財政改革で年々減り、13年度に全廃。人件費の大幅カットや入館料の値上げなどで自主運営に努めたが、市は市有地の無償貸与も今年度末までとした。

 橋下市長は昨年10月、「支払いができなければ移転を考えてもらう」と話している。朝治武館長は「ヘイトスピーチなど新たな人権問題が生じる中、博物館が果たす役割を考えてほしい」と訴えている。【林由紀子】

2013年段階の弁護士ドットコムの記事。
橋下市長が補助金を打ち切った「大阪人権博物館」 いまはどうなっているのか?|弁護士ドットコムニュース(2013年06月30日 11時30分)

橋下徹大阪市長の「従軍慰安婦」をめぐる一連の発言が問題になったとき、国会の女性議員を中心に「女性の人権を冒とくしている」と非難の声があがった。その橋下市長のお膝元で、「人権」をめぐる議論がほかにも起きている。それは「大阪人権博物館」(リバティおおさか)の存続問題。大阪府と大阪市の補助金打ち切りによって、運営が危機に瀕しているのだ。

●昨年4月、橋下市長と松井知事が「補助金」の見直しを表明

大阪人権博物館は1985年、部落問題を中心とした歴史資料館として大阪市浪速区に開館、その後、在日コリアンや女性差別の問題など「人権」にかかわる総合的な展示を行う博物館へと拡充していった。もともと大阪府・市をはじめとする自治体と大阪の民間企業が出資者となり、財団法人として発足。運営費の大半は、大阪府と大阪市の補助金によってまかなわれていた。

ところが昨年4月、橋下大阪市長と松井一郎大阪府知事がそろって博物館を視察したあと、補助金支給の見直しを表明。その理由として、「展示内容が差別や人権に特化されていて、子どもが夢や希望を抱けるようなものではない」ことをあげた。人権博物館の存続を求める23万筆の署名が大阪府・市に提出されるなど反対運動も起きたが、結局、今年3月で補助金が打ち切られた。

収入の8割近くを占めていた補助金が途絶え、今年度からは市民の寄付などで運営を続けている同館だが、現状はどうなっているのだろうか。博物館をたずねた。

前田朋章事務局長によると、存続のためにまず行ったことは人件費の大幅なカットと施設運営・管理経費の削減である。「全職員は3月31日付けで、事業主都合による整理解雇となりました。4月から新たな雇用条件により採用された職員は、全員一年更新の有期契約職員となりました。その中には、週3日勤務の嘱託職員も含まれています。それにより、人件費は54%減額となりました」。さらに、管理費や光熱費を節約するため、日曜を休みにするなど、開館日も減らさざるをえなかった。

●「こんなにしっかりした展示物があるとは・・・」と驚く来館者

苦しい財政事情のもとでの運営だが、来館者からは「続けてくれ」と応援の声が寄せられている。授業の一環で同館を訪れていた奈良県の大学生は「在日コリアン一世の証言VTRが印象に残った」という。「実家の近くには在日の人も多く住んでいましたが、VTRを見て在日一世の人たちの苦労がわかって良かったです」。

また、同館への補助金見直しを報道で知っていたという別の学生も「橋下さんは『夢や希望を持てない』とボロカスに言ってたけど、こんなにしっかりした展示物があるとは思わなかった」と驚いていた。

彼らのように展示内容を肯定的に評価する、橋下発言とは対照的な声もある。同館の成山治彦理事長もホームページで「博物館が果たしてきた役割を考えると、簡単に歴史を閉じるわけにはいきません」と意欲を示している。

だが、補助金が再開される見通しは立っていない。大阪市の市民局人権室に問い合わせてみたところ、「すでに博物館側から自主運営の方針は示されており、補助金の支給を再開することは考えていません」という回答だった。

(弁護士ドットコムニュース)


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