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2015/08/28

記事クリップ:高くなる子供の貧困率

子どもの貧困率 過去最高に NHKニュース(8月28日 14時16分)

厚生労働省によりますと、貧困状態にある17歳以下の子どもの割合を示した「子どもの貧困率」は、平成24年の時点の推計で16.3%と子どもの6人に1人に上り、調査を始めた昭和60年以降最も高くなっています。その背景には離婚などによってひとり親世帯が増えていることが指摘されています。
ひとり親世帯のおよそ9割は母子世帯で、大半が非正規で働き、年収の平均は180万円ほどと一般世帯の3割程度にとどまっています。母子世帯などのひとり親世帯の貧困率は54.6%でそのほかのすべての世帯の平均の4倍以上に上っているほか、子どもの大学などへの進学率も41.6%と全世帯の平均よりも30ポイント近く低くなっています。
このため、厚生労働省は来年度、ひとり親の就労を支援する専門の相談員を全国に配置したり、塾に通えない子どもたちへの学習支援などの対策を強化する方針です。このほか、専門家や支援団体から現金を給付するなどの直接的な支援を強化すべきだという指摘が出ていることから、厚生労働省は児童扶養手当の拡充を検討しています。
NHKスペシャル | 老人漂流社会親子共倒れを防げ(初回放送:2015年8月30日(日)午後9時00分~9時49分)
去年、放送したNHKスペシャル「老後破産の現実」では、頼れる家族のいない独居高齢者が、自分の年金収入だけでは暮らしていけず、追いつめられた末に生活保護に陥る“老後破産”ともいえる現実が広がっていることを描き、大きな反響を得た。さらに取材を続けると、働く世代の子どもがいる高齢者にも、より見えにくい形で“老後破産”が広がっている実態が浮かび上がってきた。背景には、非正規雇用の増加によって、働く世代の収入が減り続けていることがある。こうした人たちが十分な貯えがないまま失職すると、年金で暮らす親を頼らざるを得ない。こうして同居が始まった後、親の医療や介護費用の負担が重くなっていくと、「親子共倒れ」が避けられなくなるケースが相次いでいる。
番組では、共倒れに陥りそうな親子の現実をルポで描きつつ、独自のアンケート調査やデータ分析によって「親子共倒れ」の実態が水面下で広がってきた実態を明らかにする。さらに、どうすれば“老後破産”を未然にくい止めることができるのか、専門家とともに考えていく。
赤旗にこのディレクターのインタビューが載っていた。興味深かった。ワーキングプア問題の頃からの発展ということらしい。

所得格差の拡大問題では、労働者派遣の規制緩和との関連がよく指摘される。労働市場の規制緩和が貧困層の拡大、固定化を生んでいるという指摘だ。
他方、税制面での逆進性の強化、例えば消費税の増税や所得税、資産課税の減税などが所得再分配機能を低下させているという指摘もある。年金や生活保護などの弱体化、地方財政の弱体化が合わせて語られることもある。

いわゆる「リフレ」政策と「アベノミクス」とに所得再分配や貧困対策の視点が欠如しているという指摘は以前からあった。いわゆる「アベノミクス」にはイノベーション推進と労働規制緩和というサプライサイドの視点があり、そこでは労働を含めた生産資源の流動化が目指されていた。しかしそこでは、彼らの第一次政権時代の頃から民主党政権にいたる頃に強調されたワーキングプアやニート、母子家庭、低所得高齢者の孤立問題などのセーフティネットの拡充という視点は非常に希薄だった。

今、ギリシャの危機に際して、ユーロ圏の国家間所得再分配機構がないことがEU通貨統合の欠陥とされるようになっている。通貨統合によって各加盟国の金融政策が無効化されれば、地域間不均等成長による格差拡大を緩和するのは財政政策しかなく、財政負担を補填するルートがなければ早晩低成長国政府の財政は破綻する。経済統合が地域全体の経済を効率化し利益を生むとしても、収穫逓増要因を含んだ生産構造があれば、地域間・産業間で厚生水準を低下させるセクターは出現する。従って、全体の利益拡大の一部分をそうした純損失を被るセクターに再分配し損失を補償することで全てのセクターの厚生水準を向上させることができる。経済統合や自由貿易を支持する理路はそういうものであったはずだから、このギリシャ問題に端を発したEU通貨統合システムへの批判には一定の論理的整合性がある。

翻って、「アベノミクス」が支持される最大の論点と思われる「リフレ」的側面は、本来決して所得再分配やセーフティネットの強化、また労働規制強化と矛盾するものではないはずだが、しかし「異次元金融緩和」を喧伝するなかで貧困対策への目配りが不足していたことが、少なくとも、安倍政権の経済政策への不信感や失望(それは特に低所得者が成長の実感を得られないというそれとして)につながっていると言えるのではないか。マクロ経済政策の主たる関心が成長とインフレにあり、所得分配問題をいわば税や社会保障でカバーするものとして等閑視してきたことのツケではないかという気がしている。


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