『原爆に遭った少女の話』と『ヒロシマを生きた少女の話』
ウェブマンガで読めるお話。面白かった。
こちらから。→Game&cG
祖母の体験談をマンガに起こしたということだが、できるだけ当時の様子を、また祖母の主観的世界を忠実に描こうとしていて、誠実さに好感を持てる。
絵が比較的シンプルで、被爆時の恐ろしい状況でも絵自体は怖くない。それだけに、凄惨な状況を頭の中で想像しなければならないが、それがいいという人とそれが物足りないという人とがいるかもしれない。
あとがきで、著者が
実際に原爆を体験したわけでもなく、戦争を知っている訳ではないのでと書いているのは正直なところだと思う。そしてまた、この戸惑いを引き受けて作品化したことに著者の誠実さを感じる。
何を描いても嘘になってしまう…と、人物に感情を乗せることが出来ませんでした。
ジローズが「戦争を知らない子供たち」を出したのが1970年のことだから、この著者の思いは既に45年以上前から語られているわけだが、依然として我々「戦争を知らない子供たち」が何を受け止め、そして何を伝えられるのかは重い問いであり続けている。
それにしても、著者に「自分が見た光景を描いてほしい」と頼んだ祖母、そしてその祖母の思いを受け止め、聞き取りと取材を進めながら一つの物語へ結実させた著者の努力には改めて敬意を表しておきたい。
参考
【広島原爆70年】祖母は被爆電車の運転士だった。Web漫画を描いた「さすらいのカナブン」さん(2015年08月06日 11時17分)
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