支持率回復へ布石
携帯料金引き下げを首相が指示、家計負担増を懸念=諮問会議 | Reuters(2015年 09月 11日 20:22 JST)
この内閣はこういう宣伝が上手い。以前の企業向けの賃上げ要請とかもそうだった。人々の不満のタネを上手く見つけて人情の機微を穿つのが上手いなあと思う。
直接には実効性を持たない「口先介入」で、実施されても所詮は企業が一回「お恵み」をばらまくだけで、問題発生の原因を解消するわけでもないので、せいぜいがお茶を濁しているだけなのだが、それでも人気取りにはなる。しかも口先介入だから内閣側のコストはゼロに近い。効率が良いカンフル剤みたいなものだ。
企業・財界からすれば、悪者にされていい気はしないだろうが、軽く恫喝されているようなものだし、ここで恩を売ってもいい。関係を維持していれば、今の利益構造の抜本的な改革をされることもないから、多少の出費は目をつむれる。
江戸幕府が経済を牛耳る大商人たちに「貧民救済のカネを出してやれ」と言っているのと同じ構図だ。
貧民が貧困の構造を見ず、「ありがとうございます、王様!」と口々に叫んで王様を尊敬するあたり、韓国の時代劇ドラマに似ている。
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経済財政諮問会議は、もともとは橋本内閣時代に首相に権限を集中させて「リーダーシップ」強化を狙ったものだった。それを活用したのが小泉内閣で、この頃から、首相という個人がパフォーマンス的に「おいしいところ」を取っていく=いかにも「首相のリーダーシップが政治経済を変えた!」かのように見せることが増えた。
それとともに、実現可能か分からないことや、行政上の実効性がないことや、本来なら内閣が口出しすべきではなさそうなことまで、人気取り的に、もっともらしいことをあれこれ言うのが増えた。
実際、経済財政諮問会議で話題になったからといって、それを必ず政策化しなければならないということもない。単なる言いっぱなしで済んでしまうのだ。だから内閣の「慈悲深い王様」的イメージを演出するのに良いメディアになっている。
安倍政権ではそういうことが顕著になっているような気がする。
これからしばらくは、こういうネタが散発的に出てくるのだろうと思う。
誰が振り付けているのだろうか。
それとも、ネタを持っている人たちが内閣の御利益に預かろうとしてネタを貢いでいるのだろうか。
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