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2015/09/17

毎日新聞が産経のでたらめを指摘

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追記(2015年10月2日)

産経が反論したとのこと。本記事末尾に追加。
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毎日新聞が、ここまであからさまに他紙批判を前面に出すのはとても珍しいのでメモ。
毎日新聞って、なぜか分からないが、他紙の報道と比較して自らの姿勢をただすという取り組みはよくやっている一方で、他紙を含む報道機関の杜撰さや偏向を批判的に吟味するという記事はほとんどなかったと思う。

この産経の「世論調査」は知っていたが、産経が「新聞」の名に値しないのは当たり前なので、取り上げる気もなかったけれど、毎日新聞がけっこう丁寧に批判しているので驚いた。
この記事は、調査結果の数字の評価が牽強付会に過ぎるという技術的な批判が中心で、その指摘はきわめて当たり前・初歩的なものにすぎない。その意味で産経の「世論調査」は社会調査のイロハも踏まえないお粗末なデタラメである。けれど、印象的なのは毎日新聞が、この低劣な「調査(笑)」を「扇動記事」とか「とても世論調査分析とは呼べない」などと踏み込んだ評価をしていることだ。

このところ、毎日新聞は安保法制についてはっきりと反対を唱えて旗幟鮮明だ。その論調の一端をここで示したということでもあるのだろう。

まあ、産経や読売などのデマ・扇動記事は、逐一批判や誤り・捏造の指摘をしなければならないのは確か。本来なら、そういう批判は私個人の単位でも行うべきだけれど、到底やってられないし、見るほどに気持ちが悪くなるので、とにかく放置状態にしていたわけである。だから毎日新聞の批判は非常に有益だし、よく頑張ったなあと思う。

さて、安保闘争以来の盛り上がりを見せた反対運動にもかかわらず、安保法案が国会を通過するのはもはや避けられない。

だが、善良かつ穏健な「問題提起」をカラーにしてきたような毎日新聞が社論を挙げてはっきりと政治的立場を主張するようになったのは、デモを初めとするいわゆる「国民世論」の盛り上がりに後押しされてのことだろうと思う。とにかく「中立」を隠れ蓑にして社会矛盾に切り込まなかったメディアが一歩を踏み出したこと自体は評価したい。その足をすぐに引っ込めさせないようにしなければならない。

産経世論調査:安保法案反対デモの評価をゆがめるな - 毎日新聞(2015年09月17日)

 ◇産経新聞とFNNの合同世論調査にもの申したい

 安全保障関連法案の参院採決が迫る中、9月12、13日に実施した調査で「安保法案に反対する集会やデモに参加したことがあるか」と質問し、3.4%が「ある」、96.6%が「ない」と答えたという。これを受けて産経新聞は15日の朝刊で「参加した経験がある人は3.4%にとどまった」と書いた。

 安倍政権の応援団として、全国に広がる安保法案反対デモが気に入らないのはよく分かる。「毎日新聞や朝日新聞はデモを大きく扱っているが、デモに参加しているのはたった3.4%にすぎない」と言いたいのだろう。

 だが、日常生活の中で特定の政治活動に参加する機会のある人がどれだけいるだろうか。この世論調査は全国の男女1000人に電話で質問したとされ、そのうちデモや集会に参加したと答えた人が34人いたと推定される。素直に考えれば、これは大変な人数だ。全国の有権者1億人にこの数値を当てはめれば、安保法案反対デモの参加経験者が340万人に上る計算になる。

 調査ではさらに、デモ・集会に参加したことがないと答えた人(回答者全体の96.6%)に「今後、参加したいか」と尋ね、18.3%が「参加したい」と答えたという。これはつまり、回答者全体の17.7%がデモ・集会に参加したいと考えている計算になる。実際に参加したと答えた3.4%と合わせると、5人に1人が安保法案反対のデモ・集会に参加した経験があるか、参加したいと考えていることになる。有権者1億人に当てはめれば2000万人。この調査結果にゆがみがないと仮定すれば、「安保法案に対する世論の反発の大きさを示した」と書かなければならない。

 もちろん、自宅の固定電話にかかってくる世論調査の電話を拒否する人も多く、調査に応じた人の割合を有権者全体にそのまま当てはめること自体に無理がある。そもそも1000人程度の無作為抽出による世論調査というのは、国民意識の大まかな傾向を探るのが目的だ。1000人中1人いるかどうかも分からない特定の政治活動参加者について数値を割り出せるものではない。デモ・集会の参加経験を無理やり数値化したうえで、法案賛否などの数値と同様に扱い、「3.4%にとどまった」などと書くのは、世論調査の社会的な役割とはほど遠い「扇動記事」と言わざるを得ない。

 産経新聞の記事は、デモ・集会に参加したと答えた3.4%の内訳分析まで行っている。「参加経験者の41.1%は共産支持者で、14.7%が社民、11.7%が民主、5.8%が生活支持層で、参加者の73.5%が4党の支持層だった」。これも首をかしげざるを得ない。参加したと答えた推定人数わずか34人を母数に、支持政党の内訳をパーセンテージで、しかも小数点以下まで算出することに統計的な有意性はほとんどない。数人の回答が変われば、大きく数字が動く。あえて記事にするのなら、「参加経験者の大半は共産党などの野党支持者だった」と書くのが関の山だ。そして、デモ参加者に野党支持者が多いことには何の驚きもない。

 1000サンプル程度の無作為抽出調査では、パーセンテージで通常3〜4ポイントの誤差が生じるとされる。にもかかわらず、3.4%という小さな数値を根拠に「デモに参加しているのはごく少数の人たちであり、共産党などの野党の動員にすぎない」というイメージを強引に導き出したのが産経新聞の記事だ。とても世論調査分析とは呼べないものであることを指摘しておきたい。【世論調査室長・平田崇浩】

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追記(2015年10月2日)

産経が反論したとのこと。産経にリンクを張るのは馬鹿らしいし、当を得た批評があるので、そちらへのリンクを置いておく。

産経世論調査を巡る毎日との批判合戦で産経が「自爆」(笑) - kojitakenの日記

産経の反批判記事を執筆したのは酒井充氏。
誠に遺憾ながら(笑)kojitaken氏が言うとおり、

まるで「うちの新聞はアホが作ってます」と宣言しているような
記事である。本当に思わず吹き出してしまう。読んでいる方が恥ずかしくなるぐらい「かわいそう」な有様である。

産経の校正や整理が全く機能していないことは古くから指摘されているので(参考)、今更ではあるが、産経の上層部はいい加減に何とかした方がいいのではないか。「産経は割り算ができる」ことが分かった朗報だとか、「小学4年生かよ」とか、思い切りネタにされてしまっている。
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