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2015/10/13

南京事件記憶遺産関係 + α

時事ドットコム:日本の制止実らず=中国申請の「南京」認定-ユネスコ記憶遺産

 【パリ時事】国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に、中国が申請した「南京事件」に関する資料の登録が決まった。日中間で事実認識に隔たりがあり、論争が続く中での認定。日本政府はユネスコに慎重な対応を求めてきたが、受け入れられなかった。

 南京事件は、日中戦争時の1937年12月に旧日本軍が南京を占領した際、多数の中国人を殺害した事件。ユネスコが公表した中国の申請書類によると、当時の日本兵が撮影した写真や米国人神父による記録映像、中国人女性の日記などが登録対象とされている。
 南京事件に関しては、犠牲者の規模などをめぐり日中で見解が分かれる。記憶遺産への登録は、中国側の歴史認識に「お墨付き」を与えることになりかねず、日本政府はかねて「ユネスコの政治利用だ」(菅義偉官房長官)と反対してきた。
 一方、中国が同時に提出した「従軍慰安婦」に関する資料は登録リストに記載されていない。中国側は申請書類で、大戦中の日本軍が中国などで、住民女性を「性奴隷」として奉仕させるため、「強制的に徴用した」と説明。当時の軍の内部資料がこうした事実を裏付けていると主張し、認定するよう求めていた。慰安婦女性が強制的に連行されたとの見方は日本では否定論が強い。
 中国の再申請などを通じ、慰安婦の資料が将来認定される可能性は消えていない。韓国も日本の植民地時代の「強制動員」の記録について、記憶遺産への登録を目指し、来年にも申請する方向。日本政府は引き続き、ユネスコを舞台とした「歴史戦」への対応を迫られそうだ。(2015/10/10-05:53)

産経やネット右翼と同レベルに墜ちた時事の哀れさが引き立つ記事。まあ、時事だからな……。

時事ドットコム:記憶遺産、被害強調=「広島・長崎と並ぶ惨事」-中国

 【北京時事】国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録された旧日本軍による南京事件は、中国にとって「アウシュビッツ強制収容所、広島・長崎(への原爆投下)とともに第2次大戦の三大惨事」(国営新華社通信)とされる。中国は登録を受け、犠牲の大きさを強調しつつ、自らが主張する「歴史」の宣伝を続けていくとみられる。

 中国メディアによると、登録決定を受け、中国のユネスコ代表は「資料の真実性と唯一性に対する承認であり、完全性に対する最高の称賛であり、世界的な意義がある」と語った。
 アウシュビッツ収容所と広島の原爆ドームは既に世界文化遺産に登録されている。中国は昨年2月、南京が攻略された12月13日を「国家哀悼日」に定めており、「南京大虐殺記念館」(南京市)の朱成山館長は「記念日の制定で国内の認知度が大きく上がり、記憶遺産登録で世界の人々が共通認識を得た」と解説した。
 今回申請された資料は、中国人女性や外国人の日記、米国人牧師や旧日本軍が撮影したとされるフィルム・写真、南京軍事法廷の判決書、生存者の証言など全11組。
 南京軍事法廷の記録は「犠牲者30万人以上」とする中国の主張の根拠となっている。女性の日記は中国版「アンネの日記」とも呼ばれ、フィルムには日本兵に襲われ体中に傷を負った妊婦が写っているという。ただ、申請書類がそろって公開されているわけではなく、不透明感が残る。
 「抗日戦争・反ファシズム戦争勝利70年」の今年、中国は内外で戦争被害を訴え、戦勝に果たした中国の役割を強調してきた。中国側は「資料に記載されているのは中日両国の憎しみではない」(研究者)と言うが、登録には至らなかった「従軍慰安婦」の資料についても再度登録を目指す可能性があり、歴史をめぐる日中の摩擦は消えそうにない。
 南京大虐殺記念館では学者や生存者を集めた座談会を開催。広場には記憶遺産登録を記念した石碑の設置を計画しているという。(2015/10/10-18:37)

時事通信社の北京駐在記者はどうやらアレな人のようだ。歴史戦(笑)を持ち出したり、ユネスコの審査結果に矮小なけちを付けたり、「憎しみではない」という言葉を引きながら慰安婦資料の再提出につなぐアレな接続をしてみたり、反日的策動と言わんばかりに中国での催しを紹介してみたり、産経の記事と遜色ない。

まあどんなにあがいても…イヤむしろあがけばあがくほど、中国など被害国を利することは明らかなわけで、美しいニッポンを称揚する方たちは「所詮酸っぱいブドウだ」と宣伝するしかない。せっかく今年シベリア抑留関連の文書が認定されたのに、この関係者たちに失礼じゃないんですかね…。

時事ドットコム:「ユネスコへの妨害やめよ」=記憶遺産、日本に反論-中国

 【北京時事】中国外務省の華春瑩・副報道局長は10日、南京事件に関する資料が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録されたことについて「歓迎」する考えを表明した。日本政府の非難に対しては「歴史を直視したがらない誤った態度だ」と反論。「中国にとやかく言ったり、ユネスコの正常な業務を妨害したりするのを直ちにやめる」よう求めた。
 また「歴史を心に刻み平和を大切にし、未来を共につくり、人類の尊厳を守る役割」を、これらの資料が十分に果たせるよう保護・普及を図ると表明した。
 その上で、南京事件は「国際社会公認の歴史的事実」であり、「全人類の共通の記憶」になるべきだと強調。日本に対し「歴史に責任ある態度で、侵略の歴史を直視し深く反省し、誤りを正すよう促す」と述べた。 (2015/10/10-22:02)
まあ、中国のこのコメントが正攻法で説得力があるのは言うまでもない。というか、日本の政府、閣僚、与党議員の発言は、中国が堂々と正論を述べるチャンスを提供しているよね。ニッポン、ナイスアシスト。我が身を犠牲にして友邦の国際評価を高める見事な「泣いた赤鬼」戦法である。

時事ドットコム:慰安婦「共同申請を奨励」=ユネスコから意見と中国-記憶遺産

 【北京時事】中国外務省の華春瑩・副報道局長は12日の記者会見で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に中国が申請し登録が見送られた旧日本軍の「従軍慰安婦」に関する資料について、ユネスコ側から「関係国との共同申請を勧める意見があった」と述べた。
 従軍慰安婦に関する記録については、韓国も記憶遺産に申請する計画を進めており、2017年の登録を目指している。
 華副局長は「ユネスコの意見を真剣に考慮し検討する」と述べ、再度の申請を目指す方針を示した。
 華副局長によると、意見は「中国以外にも慰安婦問題の被害国がある。このため、ユネスコの国際諮問委員会は規定に基づき、関係国の共同申請を奨励し、17年の次回会議で審査する」との内容だという。ユネスコのどのレベルから伝えられたのかなど具体的状況は明らかでない。
 ユネスコの報道担当者は「そうした事実は把握していない」と話している。
 ユネスコは4日からアラブ首長国連邦で国際諮問委員会を開催。中国が申請した旧日本軍の「南京事件」に関する資料は記憶遺産への登録が認められた。日本政府は「中立・公平であるべき国際機関として問題であり、極めて遺憾」と表明、中国側にも抗議している。 (2015/10/12-18:57)
非公式だが、単独申請が今回のネックになった可能性が示唆された。先日書いたエントリで少し触れた想像と重なっている。類似案件が複数出て登録遺産件数が増加するのを嫌ったのかなあという気もする。とは言え、公式な審査内容が示されないと何とも言えない。

5月段階ではこんな話もあった。
時事ドットコム:慰安婦資料、世界遺産へ国際委=韓国

 【ソウル時事】7日付の韓国紙・ソウル新聞は、旧日本軍の従軍慰安婦関連資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録するため、韓国などが国際連帯推進委員会を21日に結成すると伝えた。元慰安婦がいる中国、北朝鮮、オランダ、台湾、フィリピンと共同で登録実現に向けた作業を行う。(2015/05/07-11:28)
記憶遺産認定に向けてはこの方向が良かっただろうと思うのだが、なぜか今回は共同申請にならなかった。

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で、同じく時事から他国の視線を報じた記事を拾っておく。少し前のものだが。

時事ドットコム:韓国の産経前支局長起訴を問題視=元慰安婦の主張にも言及-米人権報告

 【ワシントン時事】米国務省は25日、各国の人権状況をまとめた2014年版の報告書を公表した。報告書は韓国について「厳格な名誉毀損(きそん)に関する法律が報道の自由を制限している」と問題視し、朴槿恵大統領らへの名誉毀損で産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が在宅起訴された実例を紹介した。

 報告書は、加藤前支局長が有罪判決を受けた場合、最高7年の懲役刑を受ける可能性があると指摘。産経新聞の記事を翻訳してウェブサイトに掲載した韓国人記者の自宅などが捜索されたことも取り上げた。
 日本に関しては、いわゆる従軍慰安婦問題で「韓国の(元慰安婦)生存者と支持者は日本政府の公式の謝罪と補償を要求し続けている」と明記。報告書は過去、日本政府の慰安婦問題への取り組みに対するNGOなどの批判を紹介してきたが、韓国の元慰安婦の主張に直接言及したのは初めてとみられる。
 ケリー長官は報告書の序文で、14年は中東やアフリカで過激派組織「イスラム国」などによる苦痛や虐待がまん延したと非難。また、中国やロシアを名指しして、自由なメディアや市民社会の発展を抑圧していると批判した。 (2015/06/26-13:03)

さすがは時事!な見出しの付け方。アメリカの人権報告について、日本への言及部分を見出しにせず、韓国への言及部分を見出しに付けるという技を披露。
「韓国の元慰安婦の主張に直接言及したのは初めてとみられる」とのことで、アメリカの視線が厳しくなっていることを示唆するあたりはまだ正気が残っているのか、それとも国士さま方を焚きつけているのか。

時事ドットコム:慰安婦問題「蛮行放置できず」=日本に対応要求-国連弁務官

 【ソウル時事】ザイド・フセイン国連人権高等弁務官は25日、訪問先のソウルで記者会見し、いわゆる従軍慰安婦問題について、「このような蛮行をそのまま放置できない」と述べた上で、「私も解決に向けて努力する」と表明した。また、「今後、多くの措置が取られることを確信する」と語り、日本政府のさらなる対応を求めた。
 この中で弁務官は「日本軍に強制動員された慰安婦」「性奴隷だった時、一部の女性と少女は数千回にわたり性的暴行を受け、多数の女性が命を失った」などと発言。「解放後も適切な治療や支援を受けられぬまま、過去を隠して生きねばならなかった」と述べた。
 弁務官は24日に元慰安婦3人と面会しており、その際の説明を基にした認識とみられる。
 弁務官は「日本が取ってきた一連の意味のある措置にもかかわらず、被害者は、自らが受けた苦痛が理解されているとは感じられずにいる」と強調。「十分な措置が取られたかどうかを決められるのは、被害者だけだ」と語った。
 さらに「日本の首相が(元慰安婦の)おばあさんと会って直接話をしたら、大きな助けになると思う」とも述べた。 (2015/06/25-19:19)

時事ドットコム:元首相 鳩山由紀夫氏 写真特集

 訪韓中の鳩山由紀夫元首相は2015年8月13日、ソウルで開かれたシンポジウムで講演し、安倍晋三首相が14日に公表する戦後70年談話で、「おわび」の表現を盛り込むべきだと述べた。鳩山氏は、村山富市首相談話で植民地支配に対する「反省とおわび」が明記されたことに触れ、「このような表現は、傷ついた国々の国民が『やめてもよい』と言う時期が来るまで、続けなければならない」と語った。
 写真は、ソウルの西大門刑務所の跡地にある歴史館で、独立運動家らを追悼するモニュメントの前でひざまずく鳩山氏(2015年08月12日) 【EPA=時事】
ごく当たり前の話だと思うのだが、これが国辱ものだと評されたわけだ。ヴァイツゼッカーやガウクが英雄扱いされる国とはずいぶん違う。彼我の差はあまりに大きい。

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政府与党の無残な発言。
集め出すときりがないと思われる……そういう語録を作っておくのは意味があるだろうけど……ので、たまたま目に付いた範囲で拾っておく。

時事ドットコム:韓国、国連総長担えず=萩生田氏

 自民党の萩生田光一総裁特別補佐は14日夜のBSフジの番組で、潘基文国連事務総長が中国の抗日戦争勝利70年記念式典に出席したことについて、「ワールドカップ・サッカーの『審判長』が特定の国の決起大会に出たようなものだ。あってはならない話だ」と批判した。
 萩生田氏は、潘氏の出身の韓国についても「国連の事務総長を担えるだけの国ではなかったということを国際社会が見抜いたのではないか」と語った。 (2015/09/14-22:01)
少し前の発言だが、品性を疑われる。さすがというか相変わらずというか。

時事ドットコム:橋下氏の政界復帰も=菅長官

 菅義偉官房長官は12日のBSフジの番組で、橋下徹大阪市長が12月の市長任期満了での政界引退を表明していることについて、「少なくとも今回引退すると言っている。言行一致の方なので多分そうなると思う」との見方を示した。その上で「将来は分かりませんよ」と述べ、安倍晋三首相との個人的信頼関係から政権に協力的な橋下氏の引退後の政界復帰に期待を示した。 (2015/10/12-23:12)
「引退」という語の意味を狭く捉えて解釈する菅さん。「強制連行」の解釈と同じですね。あっ、集団的自衛権とかもそのたぐいでしたね。さすがです。
言葉をないがしろにする人はいずれ言葉に葬られる……といいんですけどねえ。まあ、ムッソリーニにせよヒトラーにせよ、引導を渡したのは言葉でなく人間の力だったわけですが。でもフランコは長生きしたしなあ。ピノチェトも長く続いたし……。


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